作品一覧

  • 読んでいない本について堂々と語る方法
    4.0
    本は読んでいなくてもコメントできる。いや、むしろ読んでいないほうがいいくらいだ――大胆不敵なテーゼをひっさげて、フランス文壇の鬼才が放つ世界的ベストセラー。ヴァレリー、エーコ、漱石など、古今東西の名作から読書をめぐるシーンをとりあげ、知識人たちがいかに鮮やかに「読んだふり」をやってのけたかを例証。テクストの細部にひきずられて自分を見失うことなく、その書物の位置づけを大づかみに捉える力こそ、「教養」の正体なのだ。そのコツさえ押さえれば、とっさのコメントも、レポートや小論文も、もう怖くない! すべての読書家必携の快著。
  • シャーロック・ホームズの誤謬 『バスカヴィル家の犬』再考
    3.5
    1巻1,200円 (税込)
    ホームズの推理は間違っている! 『アクロイド殺害事件』におけるポワロの推理に異を唱え、真相を暴いて話題を呼んだ推理批評家バイヤール。フランス論壇の雄たる彼が、今回はシャーロック・ホームズに挑んだ。長編『バスカヴィル家の犬』のホームズ推理の疑問点・矛盾点を鋭く指摘し、真犯人を炙り出す。/【目次】登場人物/ダートムアの荒地/捜査/第一章 ロンドンにて/第二章 荒地(ムーア)で/第三章 ホームズの手法/第四章 不完全性の原理/再捜査/第一章 推理批評とは何か?/第二章 複数の語り/第三章 犬のための口頭弁論/第四章 ステープルトンの弁護/幻想性/第一章 シャーロック・ホームズは存在するのか?/第二章 テクストへの移住者/第三章 テクストからの移住者/第四章 ホームズ・コンプレックス/現実/第一章 文学による殺人/第二章 見えない死/第三章 真実/第四章 そして真実のみを/バスカヴィル家の犬/訳者あとがき/解説=杉江松恋

ユーザーレビュー

  • 読んでいない本について堂々と語る方法

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    本を読んでも、その内容の受け取り方は人それぞれ。これまで触れてきた本や経験がちがえば、同じ文章でもまったく別の景色が見える。そもそも本のすべてを覚えておくことは難しく、心に残るのはほんの一部分だけ。だからこそ、誰かが語る「その本の話」は、断片的な記憶と、その人自身の人生が混ざり合ったひとつの作品になる。つまり、ざっと流し読んだだけでも、目次しか見ていなくても、そこから想像して語ることはできるし、意外と気づかれない。

    この本は、そんな「読書とは何か」を考え直すきっかけをくれた。一冊の本でも、読む人や読む時期によって解釈が変わる。その広がりは無限で、楽しみ方も同じだけ果てしない。そう思うと、読書

    0
    2025年11月19日
  • 読んでいない本について堂々と語る方法

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    本は読まない方が良いというテーマから創作の始点へと導いてくれる一冊。めちゃくちゃ面白い。
    引用される本の引用の仕方が上手いから、古典的な作品すらとてもモダンに感じ、読まないというテーマに反して非常に読みたくなる。ネタバレが多いなと思っていたら、最後の方にどんでん返しがあって、やられた。上手すぎる。

    0
    2025年04月12日
  • 読んでいない本について堂々と語る方法

    Posted by ブクログ

    読んでいない本について語ることは創造活動。

    読んでいない本が全体のどの位置にあるかを知っていれば、実際に読んでいなくても充分。

    0
    2025年01月20日
  • 読んでいない本について堂々と語る方法

    Posted by ブクログ

    陰謀論やとんでも歴史論を語る人は、本をたくさん読んでいるようだけど教養があるようには見えない。その理由は、個別の本の内容に深く入れ込んでいる一方で、知識体系の全体像が見えていない(本と本のつながりを理解していない)からなのだとわかった。
    本筋ではないが印象に残ったことだ。

    0
    2023年12月07日
  • 読んでいない本について堂々と語る方法

    Posted by ブクログ

    ピエール・バイヤールの著書を初めて読んだ。

    タイトルからなんとなく想像できる通り、今までの当たり前をことごとく打ち壊していくような考えを持った人だなと感じた。

    私自身、読書をすることで何かしら情報を得たり、影響を受けるため、読書は良い習慣だと思っていた。
    しかし、この一冊を読んで、読書による"リスク"を知った。読んでしまうと、何かしら影響を受けるが故、それ以前の自分にはもう戻ることはできないのである。

    これを読んでから、読書がより楽しいものになりそうであり、新たな読み方を発掘したような感覚に陥った。

    読書にどう向き合ったら良いのか、初めから最後まで本は読むことが全て

    0
    2023年05月31日

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