旱魃世界
人類の愚かな振舞いにより、海からの水の恵みが途絶えた世界。
湖は干からび川は流れを止め、生き物は死に向かい、陸地は砂漠化していく。
人は海水を蒸留して得るわずかな水と引き換えに、愚かにも、更に塩で海を浸食していく。
連想されるのはマッカーシー「ザ・ロード」でありマルセル・セロー「極北」
...続きを読むであり、映画「マッドマックス」や「風の谷のナウシカ」だろうけど、水を求めて南へ向かう姿は、なぜかスタインベック「怒りの葡萄」をイメージしてしまう。
主人公が「意識の中に携えてきた内なる景観(イナーランドスケープ)の周辺領域を越える旅」とは、なんだったのか……最後まで読んでも捉えることは難しい。
初めの頃に書かれていたハウスボートの中に飾った「雑誌から切り抜いたイヴ・タンキーの『緩慢な日々』の写真」が、最終章のタイトルとされていること……うーん、わかりません。