作品一覧

  • 東の国から 新しい日本における幻想と研究
    3.5
    1巻1,276円 (税込)
    日清戦争前夜,古代伝説の地出雲から,軍都の色彩を強めていた熊本に移住したハーン.旅の宿屋で夢のあわいに浦島伝説へと入りこんだような「夏の日の夢」,一つの心中事件を描いて日本人の〈信仰〉に迫る「赤い婚礼」他,〈詩人の直観と哲人の思索〉に基づく繊細な筆をもって書き綴った,近代日本の肖像.(解説=西成彦)

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  • 怪談 不思議なことの物語と研究
    3.9
    日本を終生愛してやまなかったハーン(1850―1904)が我が国古来の文献や民間伝承に取材して創作した短篇集.『怪談』は俗悪な怪奇小説の類から高く抜きんでて,人間性に対する深い洞察力につらぬかれている.有名な『耳なし芳一のはなし』『雪おんな』など17篇の他に『虫の研究』3篇を収めた. 【電子版特典】荒俣宏氏によるエッセイ(『図書』2025年10月号掲載)を収録.

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  • 骨董 さまざまの蜘蛛の巣のかかった日本の奇事珍談
    -
    1巻792円 (税込)
    『新著聞集』の話を大胆に脚色した「茶わんのなか」をはじめとして,日本各地に伝わる伝説や怪談を再話した9篇からなる「古い物語」と,ハーンの死生観・哲学的思想が顕れる「草ひばり」「露のひとしずく」など11篇の随筆からなる小品集.『怪談』と並び,純化渾一された密度の高い名作と謳われる.(解説=円城塔)

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  • 心 日本の内面生活の暗示と影響
    4.0
    1巻1,001円 (税込)
    わが国をおとずれた外国人の中で,ハーンほど日本を理解し,また愛した人はないだろう.『骨董』や『怪談』の淋しい美しさにもまして,この『心』はわれわれが,うかつに見逃している身のまわりのことから,思いがけない深遠な思索のいとぐちを教えてくれる.小説,随筆,論文の要素が渾然一体となっているハーンの代表作.

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  • 迷いの谷 平井呈一怪談翻訳集成
    4.0
    1巻1,599円 (税込)
    好古趣味と巧みな恐怖演出で近代怪奇小説の礎を築いたM・R・ジェイムズ。幽霊、魔女、異界など多様な題材に怪異のリアリズムを追求しつつ心理学的解釈を加えたアルジャーノン・ブラックウッド。『幽霊島』に続く平井呈一怪談翻訳集成第二集は、マッケンとあわせて英国怪奇小説の三羽烏と称される恐怖の名匠の傑作を中心に、その訳業の原点ともいうべき昭和初年の翻訳、コッパード「シルヴァ・サアカス」とホフマン「古城物語」、さらに鍾愛の作家ラフカディオ・ハーンの怪奇文学講義を集成。付録として作家解説や翻訳観が窺えるエッセーを収録。/【目次】〈Ⅰ M・R・ジェイムズ集〉消えた心臓/マグナス伯爵/解説(平井呈一)/〈Ⅱ アルジャーノン・ブラックウッド集〉人形/部屋の主/猫町/片袖/約束/迷いの谷/解説(平井呈一)/〈Ⅲ 初期翻訳〉シルヴァ・サアカス=A・E・コッパード/古城物語=E・T・A・ホフマン/〈Ⅳ ラフカディオ・ハーンの怪奇文学講義〉「モンク・ルイス」と恐怖怪奇派/小説における超自然の価値/〈付録 エッセー〉マリー・コレリ『復讐(ヴェンデッタ)』あとがき/もう一人のシャーロック・ホームズ/〈東都書房版「世界推理小説大系」月報〉訳者として、訳者のことば、H・M礼讃/〈講談社版「世界推理小説大系」月報〉訳者のことば、翻訳よもやま話、下戸/教師としての小泉八雲/秋成小見/『万霊節の夜』について/解題/「われわれ自身が一個のghostである」=垂野創一郎
  • 恐怖 アーサー・マッケン傑作選
    3.2
    1巻1,599円 (税込)
    アーサー・マッケンは平井呈一が最も愛した怪奇小説家だった。二十代の頃、友人から借りた英国の文芸雑誌で「パンの大神」に出会った平井青年は、読後の興奮収まらず、夜が明けるまで東京の街を歩き回ったという。戦後その翻訳紹介に尽力、晩年には『アーサー・マッケン作品集成』全6巻を完成させた。太古の恐怖が現代に甦る「パンの大神」「赤い手」「白魔」他の初期作に、大戦中に英国の或る地方を襲った怪事件の顚末を描く中篇「恐怖」など、異次元を覗く作家マッケンの傑作を平井呈一入魂の名訳で贈る。/【目次】訳者のことば/パンの大神/内奥の光/輝く金字塔/赤い手/白魔/生活の欠片/恐怖/アーサー・マッケン作品集成 解説/解説=南條竹則
  • 世界怪奇実話集 屍衣の花嫁
    3.0
    1巻1,200円 (税込)
    推理小説ファンが最後に犯罪実話に落ちつくように、怪奇小説愛好家も結局は、怪奇実話に落ちつくのが常道である。なぜなら、ここには、なまの恐怖と戦慄があるからだ――伝説の〈世界恐怖小説全集〉最終巻のために、英米怪奇小説翻訳の巨匠・平井呈一が編訳した幻の名アンソロジー『屍衣の花嫁』が、60年の時を経て、〈東西怪奇実話〉海外篇としてここに再臨! 怪奇を愛し霊異を尊ぶ、古き佳き大英帝国の気風がノスタルジックに横溢する、遠き世の怪談集。ハリファックス卿やE・オドンネルら、英国怪奇実話を代表する幽霊ハンターが集結!【収録作】1「インヴェラレイの竪琴弾き」/「鉄の檻の中の男」/「グレイミスの秘密」/「ヒントン・アンプナーの幽霊」/「エプワース牧師館の怪」/「ある幽霊屋敷の記録」/2「死神」/「首のない女」/「死の谷」/「女好きな幽霊」/「若い女優の死」/「画室の怪」/「魔のテーブル」/「貸家の怪」/「石切場の怪物」/「呪われたルドルフ」/「屍衣の花嫁」/「舵を北西に」/「鏡中影」/「夜汽車の女」/「浮標」/3「ベル・ウィッチ事件」/解説=平井呈一/新版解説=東 雅夫

ユーザーレビュー

  • 心 日本の内面生活の暗示と影響

    Posted by ブクログ

    とっても良かった。ハーンが心から日本を愛してくれて、日本文化やメンタリティに対して非常に深い研究、考察をされていたことに驚いた。 日本の神道と仏教の教えが不思議に合わさって生まれた日本人の精神に感銘を受けていたようで、仏教感をこの本で改めてハーンに教えてもらった感じがする。 私はハーンより日本のことを知らず、恥じたい気持ちになった。 あと、ここに記された死生観に心救われた思い。亡くなった者は確かに現生の人間の中に生きている。

    0
    2025年10月23日
  • 迷いの谷 平井呈一怪談翻訳集成

    Posted by ブクログ

    『迷いの谷 平井呈一怪談翻訳集成』(創元推理文庫2023年5月初版)の感想。
    平井呈一訳の怪奇小説を集めた一冊。『幽霊島』に続く第二集ということだが、間に『恐怖 アーサー・マッケン傑作選』を挟んで居り、今回マッケンの収録は無い。
    収録作は、M.R.ジェイムズ2作、ブラックウッド6作、初期翻訳としてコッパード『シルヴァ・サアカス』、ホフマン『古城物語』、それと解説やエッセー等。
    此の度読んで面白かったのは、ホフマン『古城物語』です。全体にゴシック小説的で、筋の運びはジェイムズ辺りと比べると巧みさに欠けるが、古風な舞台で展開する古風な物語にぴったりの古風な文体が実に好い。あんまり江戸っぽい言葉が出

    0
    2023年12月05日
  • 怪談 不思議なことの物語と研究

    Posted by ブクログ

    日本の怪談をあつめてある。外国人の仕事という感じは受けない。呪いや風習、言い伝え、迷信など息づいている。かと思えば巻末の虫に関する文化や社会に対する文章なんかもとても面白かった。。

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    2017年12月18日
  • 怪談 不思議なことの物語と研究

    Posted by ブクログ

    毎年お盆の時期になると、怪談が読みたくなる。

    どこからともなく聞こえてくる祭囃子。
    参道に連なる提灯。
    神社の境内に並ぶ石灯籠。
    迎え火のゆらめき。すすの匂い。……
    日本の夏の風物詩とともに、怪談はあるように思う。
    怪談を愛でることは、季節を愛でることでもあるのだ。

    世に怪談は数あれど、どうせ読むなら極上の一冊がいい。
    上田秋成『雨月物語』や柳田國男『遠野物語』。泉鏡花に内田百閒。
    杉浦日向子や森見登美彦、夢枕獏も捨てがたい。

    今年は八雲の『怪談』を読むことにした。
    ちょっと風変わりな一冊だ。
    『怪談』は1904年、ギリシャ出身のイギリス人、小泉八雲ことラフカディオ・ハーンが、日本の民話

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    2015年10月11日
  • 怪談 不思議なことの物語と研究

    Posted by ブクログ

    ラフカディオ・ハーンのことは知っていたし、
    出雲市の小泉八雲記念館にも行ったことはあったが、
    作品を読むのは初めてであった。

    怪談と聞くと「怖い話」のイメージがハッと浮かぶが、
    その概念をいい意味で打ち砕いてくれる作品。

    ハーンの書く文体が誠実というか中立的というか、
    あった(聴いた)できごとを、それこそ忠実に再現したかのような、
    読んでいて読み心地のよい文章で、
    それが本当の意味での「怪談」なのだと実感することができた。

    印象に残ったフレーズはを挙げると、

    「世に、怒り死ををした人、あるいは憤りのためにみずから命を断った人、
    こういう人たちのいまわのきわの念願や誓言は、
    なんらかの超

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    2012年01月26日

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