平井呈一のレビュー一覧

  • 心 日本の内面生活の暗示と影響

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    とっても良かった。ハーンが心から日本を愛してくれて、日本文化やメンタリティに対して非常に深い研究、考察をされていたことに驚いた。 日本の神道と仏教の教えが不思議に合わさって生まれた日本人の精神に感銘を受けていたようで、仏教感をこの本で改めてハーンに教えてもらった感じがする。 私はハーンより日本のことを知らず、恥じたい気持ちになった。 あと、ここに記された死生観に心救われた思い。亡くなった者は確かに現生の人間の中に生きている。

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    2025年10月23日
  • 迷いの谷 平井呈一怪談翻訳集成

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    『迷いの谷 平井呈一怪談翻訳集成』(創元推理文庫2023年5月初版)の感想。
    平井呈一訳の怪奇小説を集めた一冊。『幽霊島』に続く第二集ということだが、間に『恐怖 アーサー・マッケン傑作選』を挟んで居り、今回マッケンの収録は無い。
    収録作は、M.R.ジェイムズ2作、ブラックウッド6作、初期翻訳としてコッパード『シルヴァ・サアカス』、ホフマン『古城物語』、それと解説やエッセー等。
    此の度読んで面白かったのは、ホフマン『古城物語』です。全体にゴシック小説的で、筋の運びはジェイムズ辺りと比べると巧みさに欠けるが、古風な舞台で展開する古風な物語にぴったりの古風な文体が実に好い。あんまり江戸っぽい言葉が出

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    2023年12月05日
  • 怪談 不思議なことの物語と研究

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    日本の怪談をあつめてある。外国人の仕事という感じは受けない。呪いや風習、言い伝え、迷信など息づいている。かと思えば巻末の虫に関する文化や社会に対する文章なんかもとても面白かった。。

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    2017年12月18日
  • 怪談 不思議なことの物語と研究

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    毎年お盆の時期になると、怪談が読みたくなる。

    どこからともなく聞こえてくる祭囃子。
    参道に連なる提灯。
    神社の境内に並ぶ石灯籠。
    迎え火のゆらめき。すすの匂い。……
    日本の夏の風物詩とともに、怪談はあるように思う。
    怪談を愛でることは、季節を愛でることでもあるのだ。

    世に怪談は数あれど、どうせ読むなら極上の一冊がいい。
    上田秋成『雨月物語』や柳田國男『遠野物語』。泉鏡花に内田百閒。
    杉浦日向子や森見登美彦、夢枕獏も捨てがたい。

    今年は八雲の『怪談』を読むことにした。
    ちょっと風変わりな一冊だ。
    『怪談』は1904年、ギリシャ出身のイギリス人、小泉八雲ことラフカディオ・ハーンが、日本の民話

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    2015年10月11日
  • 怪談 不思議なことの物語と研究

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    ラフカディオ・ハーンのことは知っていたし、
    出雲市の小泉八雲記念館にも行ったことはあったが、
    作品を読むのは初めてであった。

    怪談と聞くと「怖い話」のイメージがハッと浮かぶが、
    その概念をいい意味で打ち砕いてくれる作品。

    ハーンの書く文体が誠実というか中立的というか、
    あった(聴いた)できごとを、それこそ忠実に再現したかのような、
    読んでいて読み心地のよい文章で、
    それが本当の意味での「怪談」なのだと実感することができた。

    印象に残ったフレーズはを挙げると、

    「世に、怒り死ををした人、あるいは憤りのためにみずから命を断った人、
    こういう人たちのいまわのきわの念願や誓言は、
    なんらかの超

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    2012年01月26日
  • 東の国から 新しい日本における幻想と研究

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    所有本。流行りに乗っかって通読。想像より日本文化の文献に精通し、適宜、引用して、西洋と東洋について、深く考察したエッセイ集。時代が変われば、文化も様変わりしている。昔の方が、古代の精神の軸がしっかりしていて、西洋文化を鵜呑みにしてなかったと感じた。

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    2025年11月30日
  • 怪談 不思議なことの物語と研究

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    耳なし芳一は有名だが なるほど そういう歴史的な背景があったのかと驚いた 虫の研究の方になると難しくなってくるが怪談は短編で読みやすかった

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    2025年10月04日
  • 心 日本の内面生活の暗示と影響

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    日本人(とくに女性)をテーマにした抒情的な小編と、明治の日本社会・文化への評論がバランスよく併載されています。ハーンというと旅行記や民話の再話のイメージが強かったのですが、本書からは本来ジャーナリストであった著者の一面も窺われます。文明開化や富国強兵に沸く日本への批判は大変興味深く、また日本の祖先信仰や死の観念(西洋人である著者のみならず現代日本の読者にもまた目新しく感じられる)についての論評では、それが近代知に照らしていかに合理的なものであるかを説いていて面白いです。
    著者は昔ながらの慎み深い日本女性に強い魅力を感じていたようで、本書に所載の「ハル」「きみ子」などにはそれが顕著に表れています

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    2025年02月24日
  • 迷いの谷 平井呈一怪談翻訳集成

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    タイトルにもなったブラックウッドの「迷いの谷」も良かったが、初期翻訳作品としてホフマンの「古城物語」が雰囲気バッチリで良かったですねぇ。そして解題にあらわれる佐藤春夫w

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    2024年01月04日
  • 怪談 不思議なことの物語と研究

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    19世紀の日本を訪れ、日本研究に生涯を捧げた英国人、ラフカディオ・ハーンが蒐集した日本に伝わる怪談・奇談を集めたもの。

    子どもの頃に一度は名前が聞いたことのある妖怪にまつわる怪談話の原典が多く入っており、現代の日本人から見ても新鮮。

    今の怪談話や怖い話とは違い、古典的な怪談話は善因善果、悪因悪果といった教育的な内容や美しさを残して終わるような読むものに余韻を残す内容が多いのがいいなと思った。

    中には意外にもコミカルなものもあったりして面白い。

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    2023年06月25日
  • 怪談 不思議なことの物語と研究

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    ラスカディオ・ハーン(小泉八雲)の怪談集ですね。
    ハーンは日本に来る前のアメリカ時代から怪談に並々ならぬ関心を寄せていたそうです。
    この作品集は翻訳で、訳者の解説で恒文社版『全訳小泉八雲作品集』におさめたものを、同社の許可をえたうえ、二三の誤植を訂正したものだそうです。
    ハーンの怪談研究は、ハーンと言えば怪談と言われる位にハーンの著作の中でも検挙に暇が無いくらいですね。
    夏と言えば、踊りを主体にした祭り、花火、怪談話ですからハーンに導かれて日本の怪談を読みませう。

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    2022年08月06日
  • 恐怖 アーサー・マッケン傑作選

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    パンの大神、白魔、恐怖がよかった。マッケンは文明や進歩に懐疑的。彼が信じるのは太古に存在した神々、精霊、悪鬼たち。翻訳は時代を感じて読みづらかった。

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    2022年06月27日
  • 怪談 不思議なことの物語と研究

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    どれも背筋がゾクっと凍るような怪談で暑くなるこれからの季節におすすめです。全て短編なので隙間時間にサクサク読めます。個人的には雪女、むなじ、青柳物語が楽しく読めました。

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    2021年06月22日
  • 心 日本の内面生活の暗示と影響

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    離れて見る・外から見る方が物事の本質は分かりやすくなる、と聞くが、まさにそういった本。暗に欧州の心の在りようと比べているようで、日本人の心の在りようが分かりやすく顕れていると思う(小泉八雲はギリシャ出身)。
    また、執筆当時は明治時代。近代(戦前)の日本人の心の在りようを知るにもよい本に思う。そして、近代の日本人の心が現代にも少なからず残っていることを嬉しく思う。
    急激に変化する社会にあっても、連綿と続いてきた日本人の心の在り方は簡単には変わらないようだ。

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    2014年02月15日
  • 怪談 不思議なことの物語と研究

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    ネタバレ

    日本文化の価値観をよくぞ見出してくれました。ありがとう。
    やっぱ外人だから日本の自然観に違和感を覚えたんだろうな。

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    この本に載せられている怪談はハーンがきちんと選んでるってよくわかるね。
    怪談ってようは怖い話である。だからより怖いものを創作しようとする。そうすると、路線はグロテスクや怨念にシフトしてしまう。

    しかし、ハーンはそういう路線とはちょっと違う日本の怪談をチョイスしていると思う。
    それらは日本の自然と融合した「不思議」な話である。

    「青柳」「十六桜」「安芸之介の夢」なんか怖いというよりは、蜃気楼のような、不思議なものに出会ったというようなお話である。

    でも、そういうお話

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    2012年12月13日
  • 心 日本の内面生活の暗示と影響

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    明治の頃、実際にあったお話です。
    強盗に入り捕まった犯人が、連行中に警察官を殺して逃走した。
    やがて捕まった犯人は巡査に引き連れられて、停車場に降り立った。

    この犯人を見るべく多くの人々が駅前に集まった。
    その時突然、、巡査が「杉原おきびさん、来てますか」と怒鳴った。
    すると背中に子どもを背負った婦人がしずしずと前に出てきた。
    殺された警察官の寡婦である。

    「ぼうや、これがお前のお父さんを殺した人だよ。
    ぼうやを可愛がてくれるはずのお父さんがいないのはこの男のせいだよー」
    母の肩越しに怖そうに見つめた男の子はやがて泣きだした。

    と、いきなり、縛られたまま犯人は地面に顔をこすりつけ、
    「ご

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    2012年11月19日
  • 怪談 不思議なことの物語と研究

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    そういや幼稚園児の頃「ろくろ首」になりたかった。
    記憶を忠実に言うと当時何かの絵本で見た「ろくろっくび」になりたかったのである。絡まる位伸びた首を持て余し(ここ重要)、頬を赤らめ(酒?)愉快な顔をしている姿が羨ましかったのだと思う。
    しかしここに出てくる「ろくろ首」は少し形状が違う。もげるのだ。
    もげるなんて、悲惨過ぎる。嘆いた。

    あと形あるものが「消える」ってとても美しい事だと思う。
    往々にして其々の末路の儚さが、線香花火を愛する日本人と重なり、そんな日本人の一人としてとても好きだった。

    岩波版には蝶・蚊・蟻の「虫の研究」がついていた。
    実を言うとそれの方が面白かった。

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    2011年02月23日
  • 怪談 不思議なことの物語と研究

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    かけひき。怪異を前提とした裏のかき方がおもしろい。
    安芸之助の夢。よくある胡蝶の夢パターンかと思っていたらその後の展開でやられる。ちょっとひねるだけどこうまでおもしろくなるのかとのけぞる。

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    2010年12月28日
  • 怪談 不思議なことの物語と研究

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    小泉八雲ことラフカディオ・ハーンによって編まれた日本の怪談集。日本の豊かな自然と昔の人の豊かな想像力、そしてそこから生じる不思議な現象の数々にどこか郷愁を感じる。
    耳なし法一やのっぺらぼうといった誰もが知っているお話が収録されている。

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    2009年10月04日
  • 怪談 不思議なことの物語と研究

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    昔の名作を読もう2。
    解説に先日読んだポーについて書かれていてびっくり。
    そういえば同じ時代の人だったんですよね。

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    2009年10月04日