平井呈一のレビュー一覧

  • 東の国から 新しい日本における幻想と研究

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    ネタバレ

    日清戦争前夜、古代伝説の地・出雲から、軍都としての色彩わや強めた熊本に移住したハーンの描いた日本の肖像。

    浦島太郎の話が知っている話とちょっと違った。日清戦争に従軍する元生徒のエピソードは『黒い蜻蛉』にもあった。

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    2025年10月13日
  • 世界怪奇実話集 屍衣の花嫁

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     本書は、東京創元社が1958年から59年にかけて刊行した<世界恐怖小説全集>(全12巻)のうち第12巻が実に60年を経て文庫化されたもの。この全集に収録された作品のうち主要なものがその後の編集を経て、創元推理文庫『怪奇小説傑作集』になったことは知っていたのだが、本書の元版である平井呈一編 ”実話集” のことは良く知らなかった。

     Ⅰに収められているのは、いわゆる幽霊屋敷もの。語り口がやや時代がかっていて少し読みづらく、またまとめて一度に読んでしまったので、何編も続くとちょっと退屈を感じてしまった。
     Ⅱも実話とはあるのだが、あまりに思いがけない出来事が出来したり(例えば「死の谷」)、一応の

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    2025年03月23日
  • 迷いの谷 平井呈一怪談翻訳集成

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     数多の西洋怪奇小説の紹介と翻訳で、本邦における怪奇翻訳の礎を築いた、翻訳業界そして編集業界の巨匠、平井呈一。彼の偉業である怪談翻訳集成第2弾、前半は平井をして「近世怪奇小説四天王」と言わしめた4人のうち、M.R.ジェイムズとA.ブラックウッドの傑作選、後半は平井の翻訳者の原点である初期翻訳作品2点の他、彼が翻訳したラフカディオ・ハーンの文学講義や平井氏の翻訳に対する姿勢が見えるエッセー等を収録。

     以下、なるべくネタバレなしの収録作品各話感想。
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    ★ジェイムズ「消えた心臓」(1

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    2024年05月25日
  • 恐怖 アーサー・マッケン傑作選

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    現代に照らし合わせて読んでしまうと物足りなさが残るものの、この作品が書かれた年代を考えれば賛否両論巻き起こした問題作と言われるのは理解出来ます。ただ個人的には再読は無いです。

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    2024年03月11日
  • 恐怖 アーサー・マッケン傑作選

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     後期作品「恐怖」(1917)以外は1890年代の初期作品を集めた、イギリスの古典的怪奇小説作家マッケンの中短編小説集。630ページとかなり分厚くて読み応えのあるボリュームだった。高校時代あたりにマッケンは1,2冊読んでいたようだが、その頃とはたぶん違う視点で読んだ。
     いずれの作品にしても、マッケンの興味は「幽霊」でも「犯罪」でもなく、遙菜遠い森に潜む何かや、先史時代の名残を示す存在にあるようだ。日常世界に潜む何かを露出していこうというスタイルは、ラヴクラフトと共通である。というか、ラヴクラフトがマッケンの影響を受けているらしい。
     しかし、マッケンの作品では「隠されていた存在」がクライマッ

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    2022年03月11日
  • 恐怖 アーサー・マッケン傑作選

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     ヴィクトリア朝時代の英国ウェールズに産まれた稀代の作家アーサー・マッケン。牧師の子であったがアーサー王伝説の色濃いウェールズで育った故か、神学と同時に隠秘学(オカルト)にも傾倒し、前期はケルト神話やギリシア神話をモチーフとした幻想的な怪奇小説を連続して発表したが、いずれも当時の価値観に合わず「不道徳な汚物文学」として批判された。第一次世界大戦を経験した後、後期には主にエッセイや犯罪実録を執筆するようになる。
     本書はその怪奇小説家としてのマッケンをリスペクトした傑作集である。クトゥルフ神話~ラヴクラフトを経由してマッケンを手に取った。次は『怪奇クラブ』を復刻してほしい。

     以下、ネタバレ無

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    2022年02月05日
  • 恐怖 アーサー・マッケン傑作選

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    一冊丸ごと平井呈一訳のマッケン傑作選。とにかく分厚い。巻末の「マッケン作品集成解説」を除いても600ページぐらいがひたすらマッケンの作品で読み応えバッチリ。
    私の好みでは、冒頭の「パンの大神」とラストの「恐怖」のこの2作が特に面白かった。
    全体を通して、古代の邪神(たぶんケルト系)、民間伝承や前史時代の人類の生き残りなどを不穏に散りばめたようなテイストが楽しめて良かったです。
    「作品集成解説」によると、まだまだこの本に選ばれてない作品の中にも気になるものがチラホラあって読んでみたいですね。

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    2021年12月29日
  • 怪談 不思議なことの物語と研究

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    ブンガク?
    かかった時間90分

    ひさびさに読書。夏だし読書リハビリも兼ねて、八雲の怪談を読む。怪談自体は有名なものばかりだったが、訳者の美しい、というか、豊かな?日本語で読むのはまた一興。

    ところで、この本の後半には八雲の虫に関する随筆が収められているのだが、それがけっこうおもしろかった。蟻は社会全体の利益のために食欲、睡眠欲、性欲までもを自分の利益と社会の利益が矛盾しないように発達している。もしかしてこれは人間よりも高次の社会形態じゃなかろうか?的な。

    昆虫学者の説の引用らしいが、なかなか面白い。

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    2018年07月07日
  • 怪談 不思議なことの物語と研究

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    こういうシンプルなホラーって良いよね。
    小泉八雲って名前から女性だと思い込んでいました。ラフカディオ・ハーンと聞くと男性のイメージだったのに、2つの名前がちゃんと繋がっていませんでした

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    2015年07月12日
  • 怪談 不思議なことの物語と研究

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    妖怪談は恋愛絡み等美しい話が多く、完成度も高い。小泉八雲もそういった所が好きだったのだろうか。
    完全に忘れていた有名な怪談を思い出し、新鮮味と懐かしさを同時に味わうという稀有な体験が出来た。

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    2011年05月07日
  • 怪談 不思議なことの物語と研究

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    「耳なし芳一」を読みたくて、ひさしぶりに手にとった。他に印象に残ったのは「お貞のはなし」「鏡と鐘」「食人鬼」。情感あふれる話。

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    2011年09月26日
  • 心 日本の内面生活の暗示と影響

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    ラフカディオ・ハーンは日本人以上に日本人の事を理解している、日本を愛しているという事が文章から滲み出ています。日本、そして日本人というのは素敵だなと思える作品。

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    2009年10月04日
  • 怪談 不思議なことの物語と研究

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    「雪女」「耳なし法一」等おなじみの話が入っています。その他にエッセイも。虫が好きであるらしく、蟻や蝶にまつわる伝説などを扱ったエッセイでハーンの人柄が分かる面白いものです。

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    2009年10月04日