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【第1位『IN★POCKET』2013文庫翻訳ミステリーベスト10/総合部門/作家部門/読者部門/翻訳家&評論家部門】寒風が肌を刺す一月。デントン署の管内では、いつものように事件が絶えない。二ヶ月以上も行方の知れない8歳の少女に続き、同じ学校に通う7歳の少女も姿を消す。売春婦殺しは連続殺人に発展し、ショットガンを振りまわす強盗犯に、酔ったフーリガンの一団、“怪盗枕カヴァー”といった傍迷惑な輩が好き勝手に振る舞う、半ば無法地帯だ。われらが名物親爺ジャック・フロスト警部は、とことん無能で好色な部下の刑事に手を焼きつつ、人手不足の影響でまたも休みなしの活動を強いられる……。史上最大のヴォリュームで贈る、大人気警察小説第5弾。
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Posted by ブクログ
自分にとってイギリスの正統派ミステリはなじみが薄いが、この作品は別格で世界を代表する警察小説の金字塔だと勝手に思っている。
主人公のフロスト警部は風采が上がらない、行き当たりばったりのいい加減なオヤジ。
更にセクハラたっぷりの下品なトークの連発となれば、ユーモアを通り越して引いてしまう場面も多い。
しかし、知らないうちにこの人物の魅力にぐいぐい引き込まれてしまうのが不思議だ。
気づいたときには上下巻1000頁を一気に読まされてしまうのだ。
本国イギリスでは1984年の『クリスマスのフロスト』からシリーズが始まり、現在2008年に発表された『A Killing Frost』までが出ている。
シリーズは『A Killing Frost』で完結となる。その理由は著者のウィングフィールドが2007年に亡くなっているからだ。邦訳は2020年以降となるという情報もあり、いつの日か原書版のペーパーバックに挑戦してみようかとひそかに思っている。
ともあれ、パワフルで、下品で、やさしくて、人情味があって…そして哀愁が漂うフロスト警部。
猛烈に忙しい主人公の魅力に、どっぷりとはまらせてもらった。
Posted by ブクログ
2018年の12月に読んだようです。
「ああ、もうすぐフロストシリーズを読破してしまう」と思ったら涙が止まらないのに、読むのも止まらない。
そんな葛藤にココロを千々に乱されながら、でもフロストを読む快楽があるから目が回りそうな労働をなんとか乗り切れる、そんな切なく寒い季節に読んでいました。
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「冬のフロスト」(上・下)R.D.ウィングフィールド、芹澤恵訳。創元推理文庫。原書は1999年。
相変わらず「全て忘れてしまっているけれど、最高に面白かった」というだけなのですが、
たしかこの作品から、フロストの部下としてとんでもない若い刑事が配置されていたはず。
その若い刑事というのが、実に感動的に無能。それも厄介なのは、一見まじめだし、キレイゴトだし、普通だし。
やる気もモラルもありそうで、それなりのプライドもあって、なのに、無能。
衝撃的なまでにフロストの足を引っ張る。引っ張られるフロストが、罵倒しつつ、罵倒仕切らない。
呆然と立ちすくみながら、どこか愛がある。
思い起こせば足を引っ張って罵られ落ち込んだ季節もあって。
そんな季節なんかなかったふりができる歳ごろに、そういう部下がやってきて。
いやこれが、泣けます。晴れ渡りすぎた青空のような眩しすぎるような爆笑とともに、泣けます。
Posted by ブクログ
フロストを読むのは実に久しぶり。何を隠そう17年ぶりにこのシリーズの中二作をすっ飛ばして最新翻訳作品に卑しくも手を伸ばしてしまったのだ。そしてこのシリーズの凄みに、まるで今初めて出会ったばかりのように、ぼくは改めて驚愕するのだ。そしてこのシリーズへの評価を新たにする。そしてその手応えの確かさに酔い痴れる。
このシリーズ、いちいち分厚い翻訳小説である。この厚みと丁寧な翻訳の手仕事こそが、フロストシリーズの翻訳を難航させているのだろうなあ。何しろ、この作品だって、イギリスで刊行されて14年目にして日本にその翻訳の成果が披露されるわけだから。今時の14年と言えば決して短くはなかろう。携帯電話だってコンピュータだって、自動車だって、輸送機関だって、もしかしたら紛争地帯の国境だって、その頃と今ではまるで違ったものに変わっていやしないだろうか? 警察小説ということで言うならば、捜査技術そのものだって変貌を遂げているかもしれないのだ。CSIみたいに科学捜査技術が最前線で活躍する、というような。
そういう意味で言えば、このシリーズはある意味古き良き時代の警察小説であるのかもしれない。そんな時代背景の中で今と決して変わらないものを読み、発見することができるから、今と同じ面白さやスリルやぶつかり合いを見ることができるから、このシリーズは人気を博してやまないのかもしれない。
確かに犯罪者が犯罪に来る心理や、犯罪を構成する世の中の仕組みであったり、警察官が有する犯罪を憎む心情といったものは、時代を超えた普遍のものであるかもしれない。フロストは殺人事件の被害者の惨状に眼を背けず、犯人を憎む気持ちに拍車をかけて、疲れた体に鞭を打ち続ける。誰かがやらねばならないのだ。犯人の手首にお縄をかける仕事を。冬の真夜中の寒さの中だろうと、寝不足が連続する状況の中であろうと、人は足りず、警察組織は検挙率表を手にフロストの背に迫ってくるのだ。
そんな辛い過酷な状況を笑い飛ばすかのようにして、下品でユーモラス極まなりない、マイペース刑事部長フロストの活躍は、休むことなく続く。事件は次々とデントンの街に沸き起こり、フロストの行動は止むことを知らない。スラップスティックのブラックな味わいで全体を明るく進行させながら、様々な人間模様を、同時多発的複数事件の捜査を通して描き切るこの作家の筆力を今さら語る必要もあるまい。放送作家としてならした途切れのない娯楽作品作りのコツを有しているとしか言い様がない。
今回も、モジュラー型小説と言われる多様な捜査描写が凄い。少女連続誘拐事件、売春婦連続殺害事件、ショットガン強盗、フーリガンの一団、怪盗<枕カバー>、等々。毎日のように死体発見現場に向かい、翌朝は必ずのように検死解剖に立ち合い、マレット署長の小言から逃れ、交通費の割増請求をやりくりし、若い無能なスタッフを庇いつつ、署内捜査スタッフを切り盛りする手練の腕前がとにかく凄い。まさにジャック・フロストではなくては務まらない、奮闘ぶりに喝采である。
ちなみにデントンはシェフィールド、リーズ、リバプールで描く三角形の丁度真ん中に位置するロンドンよりはだいぶ北部の街。ウィングフィールドは2007年に世を去っているが、残り一作の未訳が残され、これも過去作品同様に日本の読者に期待されている。本シリーズは『フロスト警部』の名でTVドラマ化されており、日本ではスカパーなどのミステリチャンネルで放映されてきた様であり、ぼくはこれを見る機会に浴していない。
Posted by ブクログ
大好きすぎて読むのがもったいなく手を付けていませんでしたが、ついに読んでしまった。
あいかわらずのデントン署。事件を掛け持ちしまくっているフロスト警部に、猿眼鏡のマレット署長、万年巡査部長お茶くみビル・ウェルズ、そして芋兄ちゃんモーガン刑事。
人手不足はいつものこと、今回はマレット署長の見得のせいで人員を貸し出すことになってさらに...。水戸黄門並みの安定感ですが全く退屈させません。
読んでいて常々思うこと、それは「フロスト警部の部下として一緒に働きたい!」。あくせく働きながらも、警部のくだらなくて下品なギャグにニタニタ笑っていたい。たまにはビル・ウェルズの愚痴に付き合いましょうか。そしてマレットの催促を適当にかわして警部のお尻を叩き...。いいなあ。
よし下巻に挑もうか。
Posted by ブクログ
フロストはいい!フロストシリーズは面白い!『フロスト気質』が出てから何年たったのだろうか?やっとの上梓。次、いつ読めるか分からなく、又、作者が亡くなってしまい、実際未翻訳なのは後1冊しかないので、もう一行一句までじっくり、慈しみながら読みたいと思う。
感想は下巻にて...
正直、文庫としては、値段が高く、文字も小さいので、若干遠視気味の自分では読みづらかったですが、
読みだしたら止められない面白さ(それでも上記の通りじっくり読んでいました)
こんなにも面白い警察小説シリーズを書いてくれた作者、翻訳者、出版社に感謝と敬意をこめて★をつけました。
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