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【第1位『IN★POCKET』2013文庫翻訳ミステリーベスト10/総合部門/作家部門/読者部門/翻訳家&評論家部門】冬のデントン市内で起きた事件の数々は、大半が未解決のままだった。フロスト警部お得意の行き当たりばったり捜査でたまたま解決したものもあるが、少女を誘拐し殺害した犯人や、売春婦ばかりを狙う連続殺人犯はいまだ逮捕できていない。マレット署長の小言には無視を決め込み、モーガン刑事の相次ぐ失敗はごまかしてきたが、それにも限度がある。被疑者に留置場で自殺された件で州警察本部の調査が入るわ、少女の行方を知っていると断言する“超能力者”が押しかけるわで、デントン署と警部は機能不全の瀬戸際に……。大人気警察小説シリーズ第5弾。/解説=養老孟司
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Posted by ブクログ
自分にとってイギリスの正統派ミステリはなじみが薄いが、この作品は別格で世界を代表する警察小説の金字塔だと勝手に思っている。
主人公のフロスト警部は風采が上がらない、行き当たりばったりのいい加減なオヤジ。
更にセクハラたっぷりの下品なトークの連発となれば、ユーモアを通り越して引いてしまう場面も多い。
しかし、知らないうちにこの人物の魅力にぐいぐい引き込まれてしまうのが不思議だ。
気づいたときには上下巻1000頁を一気に読まされてしまうのだ。
本国イギリスでは1984年の『クリスマスのフロスト』からシリーズが始まり、現在2008年に発表された『A Killing Frost』までが出ている。
シリーズは『A Killing Frost』で完結となる。その理由は著者のウィングフィールドが2007年に亡くなっているからだ。邦訳は2020年以降となるという情報もあり、いつの日か原書版のペーパーバックに挑戦してみようかとひそかに思っている。
ともあれ、パワフルで、下品で、やさしくて、人情味があって…そして哀愁が漂うフロスト警部。
猛烈に忙しい主人公の魅力に、どっぷりとはまらせてもらった。
Posted by ブクログ
このミス海外編2014年版3位。フロスト警部シリーズ5作目。このシリーズめっちゃ好きだわ。とても長いのだけど全編ユーモアに溢れており、フロストの発言の9割ぐらいは冗談ばかりだし地の文も笑わせる。ずっと面白いコントを見続けてるようで無尽蔵のネタが圧巻。次々に発生する事件と行き当たりバッタリで失敗ばかりの捜査もスピード感が溢れていて、どこをとっても無駄で退屈な部分がなく一気読みした。何年かぶりかで本に夢中になって電車乗り過ごした。後半は物語もクライマックスになって読んでいて鳥肌が立つぐらい興奮して話しに没頭した。感動するところもあり、最高のエンタテーメントでした。
Posted by ブクログ
(上巻より続く)
後半も、
史上最低の部下、芋にいちゃんの活躍もあり、
フロスト警部の暴走もあり、
大混乱。
しかもここまで来て?というタイミングで、
新しい事件が発生したり、
かなりハードな展開もあり、
最後まで気が抜けない。
既刊のフロスト警部シリーズはこれが最後。
場所をわきまえない、お下品極まりない警部の冗談にも、
多くの警察署員同様、
苦笑して流せるようになったのに、
かなり淋しい。
もちろん、それでもたまにみぞおちを殴られたように、
笑いの爆弾を撃ち込まれることもあるが。
ほんとに可笑しい。
まだ未訳の作品があることが唯一の望み。
早く、出版してほしい。
Posted by ブクログ
フロストを読むのは実に久しぶり。何を隠そう17年ぶりにこのシリーズの中二作をすっ飛ばして最新翻訳作品に卑しくも手を伸ばしてしまったのだ。そしてこのシリーズの凄みに、まるで今初めて出会ったばかりのように、ぼくは改めて驚愕するのだ。そしてこのシリーズへの評価を新たにする。そしてその手応えの確かさに酔い痴れる。
このシリーズ、いちいち分厚い翻訳小説である。この厚みと丁寧な翻訳の手仕事こそが、フロストシリーズの翻訳を難航させているのだろうなあ。何しろ、この作品だって、イギリスで刊行されて14年目にして日本にその翻訳の成果が披露されるわけだから。今時の14年と言えば決して短くはなかろう。携帯電話だってコンピュータだって、自動車だって、輸送機関だって、もしかしたら紛争地帯の国境だって、その頃と今ではまるで違ったものに変わっていやしないだろうか? 警察小説ということで言うならば、捜査技術そのものだって変貌を遂げているかもしれないのだ。CSIみたいに科学捜査技術が最前線で活躍する、というような。
そういう意味で言えば、このシリーズはある意味古き良き時代の警察小説であるのかもしれない。そんな時代背景の中で今と決して変わらないものを読み、発見することができるから、今と同じ面白さやスリルやぶつかり合いを見ることができるから、このシリーズは人気を博してやまないのかもしれない。
確かに犯罪者が犯罪に来る心理や、犯罪を構成する世の中の仕組みであったり、警察官が有する犯罪を憎む心情といったものは、時代を超えた普遍のものであるかもしれない。フロストは殺人事件の被害者の惨状に眼を背けず、犯人を憎む気持ちに拍車をかけて、疲れた体に鞭を打ち続ける。誰かがやらねばならないのだ。犯人の手首にお縄をかける仕事を。冬の真夜中の寒さの中だろうと、寝不足が連続する状況の中であろうと、人は足りず、警察組織は検挙率表を手にフロストの背に迫ってくるのだ。
そんな辛い過酷な状況を笑い飛ばすかのようにして、下品でユーモラス極まなりない、マイペース刑事部長フロストの活躍は、休むことなく続く。事件は次々とデントンの街に沸き起こり、フロストの行動は止むことを知らない。スラップスティックのブラックな味わいで全体を明るく進行させながら、様々な人間模様を、同時多発的複数事件の捜査を通して描き切るこの作家の筆力を今さら語る必要もあるまい。放送作家としてならした途切れのない娯楽作品作りのコツを有しているとしか言い様がない。
今回も、モジュラー型小説と言われる多様な捜査描写が凄い。少女連続誘拐事件、売春婦連続殺害事件、ショットガン強盗、フーリガンの一団、怪盗<枕カバー>、等々。毎日のように死体発見現場に向かい、翌朝は必ずのように検死解剖に立ち合い、マレット署長の小言から逃れ、交通費の割増請求をやりくりし、若い無能なスタッフを庇いつつ、署内捜査スタッフを切り盛りする手練の腕前がとにかく凄い。まさにジャック・フロストではなくては務まらない、奮闘ぶりに喝采である。
ちなみにデントンはシェフィールド、リーズ、リバプールで描く三角形の丁度真ん中に位置するロンドンよりはだいぶ北部の街。ウィングフィールドは2007年に世を去っているが、残り一作の未訳が残され、これも過去作品同様に日本の読者に期待されている。本シリーズは『フロスト警部』の名でTVドラマ化されており、日本ではスカパーなどのミステリチャンネルで放映されてきた様であり、ぼくはこれを見る機会に浴していない。
Posted by ブクログ
フロスト警部シリーズ第5作、下巻。
面白かったです!
人員不足のさなかに次から次へと起きる事件は、硬軟取り混ぜた種類の雑多さがにぎやかで、テンポよく描かれるために事件のひどさはいつまでも残りはしない。
深刻な事態の中で睡眠不足になりつつも、とんでもないジョークを飛ばして皆をあきれさせるフロスト警部。
これぐらいタフじゃないと、警官なんてやってられないかも?
何しろ陣頭指揮をとれるのはフロスト警部ぐらい。
気が合わないマレット署長は、捜査の失敗をフロストを左遷させる機会ととらえるのだが‥そうは問屋がおろさない?
どう転ぶかわからない展開で読ませます。
ふとした機会に見せるフロスト警部の心配りが印象的。
訳文もいいので、気分よく読み終われました!
Posted by ブクログ
あぁおもしろかった。
今回は前代未聞に冴えない刑事、モーガンにさんざん尻拭いをさせられる哀れなフロスト警部・・・。
でもそんなダメな部下の失態も自分の落ち度として落ち込む彼が素敵です。
1つのストーリーの中で、沢山の事件が並行して起こる形式は
ミステリではあんまりないよなー。
あってもこんなに面白い小説は他に知らない。
何と言ってもフロスト警部の人間味あふれる人柄と、下品なジョークがたまらない。
全体的にコミカルな雰囲気で話が進んでいくのも読んでて飽きません。
作者はもう他界されているので、翻訳されて新刊で出てくるのはあと1作・・・。
残念でなりません。
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