国内小説 - 集英社の検索結果
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ハヤブサ消防団
【田園暮らしのミステリ作家vs美貌の歴史ミステリ作家】 ドラマ化&柴田錬三郎賞受賞の大ヒットミステリ、待望のシリーズ新作登場! ミステリ作家の三馬太郎が自然豊かな八百万町ハヤブサ地区に移り住んで数年。地元消防団の一員としても忙しい毎日を過ごすうち、とある文学賞にノミネート! 最大のライバル候補は、今をときめく美貌の歴史ミステリ作家・北原未南。だが、未南に不可解な疑惑が持ち上がる。 一方、八百万町では、ある若い女性が我が子を残して川から水死体で発見されていた。事件の真相を探るうち、太郎は町を揺るがす巨大な疑惑に巻き込まれて・・・・・・。 【集英社創業100周年記念作品】 ■著者プロフィール: 池井戸 潤(いけいど・じゅん) 作家。1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。2010年『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞、11年『下町ロケット』で直木賞、23年『ハヤブサ消防団』で柴田錬三郎賞を受賞。 主な作品に「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『ロスジェネの逆襲』『アルルカンと道化師』ほか)、「下町ロケット」シリーズ(『ガウディ計画』『ヤタガラス』ほか)、『シャイロックの子供たち』『空飛ぶタイヤ』『民王』『七つの会議』『陸王』『ノーサイド・ゲーム』『花咲舞が黙ってない』『アキラとあきら』『俺たちの箱根駅伝』『ブティック』がある。 -
【合本版】世界99
この世はすべて、世界に媚びるための祭り。 性格のない人間・如月空子。 彼女の特技は、〈呼応〉と〈トレース〉を駆使し、コミュニティごとにふさわしい人格を作りあげること。「安全」と「楽ちん」だけを指標にキャラクターを使い分け、日々を生き延びてきた。 空子の生きる世界には、ピョコルンがいる。 ふわふわの白い毛、つぶらな黒い目、甘い鳴き声、どこをとってもかわいい生き物。 当初はペットに過ぎない存在だったが、やがて技術が進み、ピョコルンがとある能力を備えたことで、世の中は様相を変え始める。 私たち、ピョコルンに、全部捨てられるようになりましたよね。 性欲を。出産を。育児を。介護を。人生の時間を食いつぶす、あらゆる雑務を。 14年前、「リセット」を経験した人類は混乱の最中にあった。 しかしラロロリン人の考えた「人間リサイクルシステム」がうまく機能し、やがて社会は再生を迎える。 そして49歳になった空子は「クリーンな人」として、美しく優しい世界を生きている。生まれ育った街「クリーン・タウン」の実家に戻り、同級生の白藤遥とその娘・波とともに。 ようやく訪れた穏やかな社会の中心には、さらなる変貌を遂げたピョコルンがいた。 村田沙耶香渾身の大長編、ここに完結。 都合の良い「道具」・ピョコルンを生み出した果てに、人類が到った極地とは――。 『世界99 上』『世界99 下』を1冊にまとめた合本版! 【著者略歴】 村田沙耶香(むらた・さやか) 1979年千葉県生まれ。玉川大学文学部芸術文化学科卒。2003年『授乳』で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)受賞。2009年『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、2013年『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島賞、2016年『コンビニ人間』で芥川賞受賞。著書に『マウス』『星が吸う水』『ハコブネ』『タダイマトビラ』『殺人出産』『消滅世界』『生命式』『変半身』『丸の内魔法少女ミラクリーナ』『信仰』などがある。 -
【合本版】岳飛伝(全17冊)
負けたのだ。「替天行道」と「盡忠報国」というふたつの志の激突だった。半年前の梁山泊戦。瀕死の状態の楊令に右腕を切り飛ばされた岳飛は、その敗戦から立ち直れずにいた。頭領を失った梁山泊は洪水のために全てが壊滅状態にあった。一方、金国では粘罕が病死した後、軍を掌握したのは兀朮。そして青蓮寺が力を失った南宋も混沌とした状態だった。十二世紀中国で、熱き血潮が滾る。激動の中華の地で、国とは何かを問い、民を救うために崇高な志を掲げ、命を賭した漢たちの生き様を余すところなく描き切った中国歴史巨編大水滸伝シリーズ、遂に完結! 全17冊を収録した電子合本版。 -
小説 ヒトラー
ヒトラーとは、何者だったのか。 完全なる独裁者はなぜ誕生したのか。 歴史小説の泰斗が描き出す、戦争の本質。 1918年11月19日。一人の上等兵が、陸軍病院から退院した。その名はアドルフ・ヒトラー。行くあてのないオーストリア人のこの男は、第一次世界大戦敗戦後も軍隊に残る道を選んだ。そして、自分の思いもよらなかった才能に気付いたヒトラーは、ある政党の集会に潜入することを命じられる。それをきっかけに政治家を志し、ついには政権奪取にまで至る――。 全3巻刊行開始。 第II巻「戦前篇」2026年9月28日配信予定。 第III巻「大戦篇」2026年10月26日配信予定。 【著者略歴】 佐藤賢一(さとう・けんいち) 1968年山形県鶴岡市生まれ。93年『ジャガーになった男』で第6回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。99年『王妃の離婚』で第121回直木賞受賞。2014年『小説フランス革命』で第68回毎日出版文化賞特別賞を受賞。他、小説に『ハンニバル戦争』『遺訓』『ナポレオン』(第24回司馬遼太郎賞受賞)『最終飛行』『チャンバラ』『釣り侍』等、ノンフィクション・随筆に『英仏百年戦争』『テンプル騎士団』『フランス王朝史』(全3巻)、『よくわかる一神教』『王の綽名』等、著書多数。 -
ラブカは静かに弓を持つ
少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘樹は、ある日、勤務先の全日本音楽著作権連盟の上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉桜太郎のもとに通い始める。師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り・・・・・・。第6回未来屋小説大賞、第25回大藪春彦賞受賞、第20回本屋大賞第2位。大反響を巻き起こした、心に響く“スパイ×音楽”長編。文庫版特典スピンオフ短編も収録! -
逆ソクラテス
逆転劇なるか!? カンニングから始まったその作戦は、クラスメイトを巻き込み、思いもよらぬ結末を迎える(逆ソクラテス)。足の速さだけが正義……ではない? 運動音痴の少年は、運動会のリレー選手にくじ引きで選ばれてしまうが(スロウではない)。最後のミニバス大会。五人は、あと一歩のところで、“敵”に負けてしまった。アンハッピー。でも、戦いはまだ続いているかも(アンスポーツマンライク)。など短編全5編の主人公はすべて小学生。デビュー20年目の新境地ともいえる本作は、伊坂幸太郎史上、最高の読後感! 2021年本屋大賞第4位。柴田錬三郎賞受賞作品。 -
しっぽのカルテ
感涙の動物病院ストーリー、誕生! 信州の美しい木立の中に佇む「エルザ動物クリニック」。 獣医師としては凄腕だけれど、ぶっきらぼうで抜けている院長の北川梓、頼れるベテラン看護士の柳沢雅美と萩原絵里香、受付と事務を担う真田深雪。4人のスタッフが力を合わせ、日々運び込まれるペットや野生動物の治療を懸命に続けている。 瀕死の野良の子猫を見捨てられず、クリニックに飛び込んできた建築職人の青年・土屋。高齢犬ロビンの介護に悩む、自身も重い病を抱えた久栄。歪んだ結婚生活に苦しむ里沙を見守り続けてきたインコのタロウ・・・・・・。 それぞれの人生と共にある、かけがえのない命をいかに救い、いかに看取るのか。生きとし生けるすべての命への愛しさがあふれる物語。 ◆著者プロフィール 1964年東京都生まれ。立教大学文学部卒。会社勤務などを経て、1993年『天使の卵――エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞を受賞。2003年『星々の舟』で直木賞、2009年『ダブル・ファンタジー』で柴田錬三郎賞、 中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、2021年『風よ あらしよ』で吉川英治文学賞を受賞。小説に「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズ、『二人キリ』『PRIZE』、エッセイに『命とられるわけじゃない』『記憶の歳時記』など著書多数。 -
鈴掛紬の針しごと 日暮里ミシンカフェ営業中
心のキズを、切ったり貼ったり、縫い合わせたり――東京下町のミシンカフェは、笑いあり、涙ありで営業中! 婚約者に失踪され、東京・日暮里に引っ越した真衣が見つけたちょっと不思議なお店「ちくちくするカフェ・ミシンとボビン」。そこはハンドメイドや裁縫をするためのミシンカフェで? 店主の鈴掛紬は無愛想、でもお客さんからの信頼は抜群。可愛い雑貨の内装と、とびきり美味しいランチに惹かれた真衣は足しげく通うのだが、実は真衣にはたち切りたい過去があり・・・・・・。ままならない人生だからこそ、“裁縫”という解決策があっていい。訳ありの過去や、修復したいキズ、縫い合わせたい心があれば、どうぞ「ちくちくするカフェ・ミシンとボビン」へ! -
書楼弔堂
舞台は明治30年代後半。鄙びた甘酒屋を営む弥蔵のところに馴染み客の利吉がやって来て、坂下の鰻屋に徳富蘇峰が居て本屋を探しているという。 なんでも、甘酒屋のある坂を上った先に、古今東西のあらゆる本が揃うと評判の書舗があるらしい。その名は “書楼弔堂(しょろうとむらいどう)”。 思想の変節を非難された徳富蘇峰、探偵小説を書く以前の岡本綺堂、学生時代の竹久夢二……。そこには、迷える者達が、己の一冊を求め“探書”に訪れる。 「扠(さて)、本日はどのようなご本をご所望でしょう――」 日露戦争の足音が聞こえる激動の時代に、本と人との繋がりを見つめなおす。 約6年ぶり、待望のシリーズ第3弾! 【目次】探書拾参 史乗 探書拾肆 統御 探書拾伍 滑稽 探書拾陸 幽冥 探書拾漆 予兆 探書拾捌 改良 -
朱華姫の御召人
「あなたがあの御方の娘だということは、絶対に誰にも知られてはいけないの。けして見つからないように生きなさい。帝の宮に近づいてはだめ。あそこはとてもおそろしいところだから」――母との約束で、先帝の血を引いていることを隠して暮らしている蛍。伯父の家で下働き同然に扱われていたが、ある日、奥の神に仕える巫女・朱華姫に選ばれる。朱華姫は帝の宮に住み、第二皇子が御召人となって世話をし、護衛するものらしい。冷ややかな美貌の皇子・柊にかしずかれる慣れない生活に戸惑う蛍だが、予想もしない秘密と向き合うことになり……。「後宮の烏」の原点! -
パッキパキ北京
コロナ禍の北京で単身赴任中の夫から、一緒に暮らそうと乞われた菖蒲(アヤメ)。愛犬ペイペイを携えしぶしぶ中国に渡るが、「人生エンジョイ勢」を極めるこの女はタダじゃ絶対に転ばない。過酷な隔離期間も難なくクリアし、現地の高級料理から超絶ローカルフードまで食べまくり、極寒のなか新春お祭り騒ぎ「春節」を堪能する。街のカオスすぎる交通事情の把握や、北京っ子たちの生態調査も欠かさない。これぞ、貪欲駐妻ライフ! 北京を誰よりもフラットに「視察」する菖蒲がたどり着く境地とは? 一気読み必至の「痛快フィールドワーク小説」!――「味わい尽くしてやる、この都市のギラつきのすべてを」 -
まだいない君に星の舟を
2001年。中学二年生の高津は鬱屈した毎日を送っていた。離島の由緒ある家に生まれたが、父は女性問題が多く、母は何年も前に家を出て行った。家政婦の女性に育てられたが、その彼女自身が父の不倫相手。しかも狭い島では住人たちに事情は筒抜けだ。そんな彼はひと目を避け、「神隠しの入り江」と呼ばれる立ち入り禁止の海岸に入り浸っていたが、ある日、入り江で倒れている若い女性を発見する。診療所に運ばれた彼女は意識を取り戻すと、野津みかげと名乗り、自分は2079年にいたと語る。19歳だという彼女と交流をしていくうち、未来からきたというみかげの言葉を裏付けるような事件が起こり・・・・・・? 名作『どこよりも遠い場所にいる君へ』の前日譚を描いた表題作に加え、シリーズからのスピンオフ短編4作を収録! -
ボーダーズ
東京新橋で銀行立て籠り事件が発生した。男性客が刺殺された後、犯人は逮捕されたが、被害者は40年前に成田闘争のデモで機動隊員を殺して手配され、公安に追われた男だった。その捜査に警視庁特殊事件対策班(SCU)が動きだす。SCUは犯罪が多様化する中、あらゆる事件の現場に介入できることを許された警視総監直轄の組織でチームは5人。公安出身のキャップ・結城から被害者の藤岡を調べるよう指示された八神は、犯人、被害者、公安が複雑に絡む事件の真相に、特殊能力を個々に持つメンバーの協力を得て挑む。才能豊かな刑事チームを描く警察小説! -
M
あなたを知ることは、あなたという人を選んだわたしを知ること。 多民族国家の生きた声を掬う在豪作家が贈る、力強くみずみずしい《越境青春小説》。 父の転勤にともない12歳でオーストラリアに移住し、現地の大学生となった安藤真人。憧れていたはずの演劇の道ではなく就職を選ぼうとしていたところ、デザイン科でマリオネットを制作しているアビーと出会い、人形劇の世界に誘われる。日本人としてのアイデンティティの問題に苦しんできた真人のように、「同じアルメニア人と結婚を」と刷り込まれてきたアビーもまた、出自について葛藤を抱えていた。互いを知りたい、相手に触れたい。しかし、境遇が似通うからこそ、抱える背景の微妙な差が、猛烈な「分かりあえなさ」を生み……。 話題の既刊『Masato』『Matt』につらなる、「アンドウマサト三部作」最終章! -
あけくれの少女
「どこで、どうやって生きていくのか、うちは自分で決めたい」12歳の少女・真記は上京を目指すも、80年代後半の狂騒に翻弄され……親世代にも子世代にも読んでほしい、宝石のような20年間を描いた佐川光晴の最新長編小説。 広島は尾道の小学五年生・真記は、1970年生まれ。子供のいない伯父夫婦からかわいがられ、養女になるかもと心配事は絶えない。中学では英語部の朗読劇が大成功をおさめ、英語を一生の仕事にしていこうと決意する。念願の学生生活は、80年代後半のバブル経済のただなかで、順調そうにみえたのだが……。 当時の時代背景や男女の考え方を、時に繊細に、時にユーモラスに描出する。真記と同時代を生きた人にも、そしていま同世代の人にも読んでほしい青春小説。 -
地面師たち ファイナル・ベッツ
シンガポールのカジノで元Jリーガーの稲田は全財産を失い失意のどん底にいた。一部始終を見ていた大物地面師・ハリソン山中は、詐欺メンバーの一員として稲田に仕事を依頼する。日本に戻り、ディベロッパーの宏彰、支援者の菅原と共に準備に入るが、予定していた苫小牧のプランが突然白紙となり、代案として北極海航路開通を見込んだ釧路へ変更を余儀なくされる。しかし、成功すれば200億円超えの大金が見込まれる前代未聞の大仕事。ハリソン山中が狙いをつけたターゲットは、シンガポールの大手不動産ディベロッパーの御曹司・ケビン。在留メンバーの一人、マヤによる色仕掛けの罠に嵌ったケビンは、逡巡しつつも、日本人の親友・リュウの後押しもあり、釧路の用地購入に乗り出す。一方、警視庁捜査二課のサクラは、不動産詐欺の捜査過程で地面師一味の関与を疑い、ハリソン山中が趣味の狩猟で頻繁に北海道を訪れていたとの情報を得て渡道するのだが――。 前作『地面師たち』がNetflixにてドラマ化! 2024年7月25日(木)より世界独占配信スタート。 -
情熱
情熱と分別のあわいに揺れるあなたへ。 40年ぶりに再会を果たした同級生のカメラマンとスタイリスト――「兎に角」 「ボケたら関係解消」が条件で、生活をともにする70代ホストと美容師――「ひも」 遅咲き小説家と、過去をあかさぬ女性大学教授――「情熱」 ほか、全6編。 直木賞受賞作『ホテルローヤル』、中央公論文芸賞受賞作『家族じまい』に連なる、静かな大人たちの物語。 【著者略歴】 桜木紫乃 さくらぎ・しの 1965年北海道生まれ。2002年「雪虫」で第82回オール讀物新人賞受賞。07年同作を収めた『氷平線』で単行本デビュー。13年『ラブレス』で第19回島清恋愛文学賞、同年『ホテルローヤル』で第149回直木賞、20年『家族じまい』で第15回中央公論文芸賞を受賞。ほかに『ブルース』『裸の華』『緋の河』『ヒロイン』『谷から来た女』『青い絵本』『人生劇場』など著書多数。 -
動物哲学物語
どんぐりの落下と発芽から「ここに在る」ことを自問するリスの青年。衰弱した弟との「間柄」のためにニワトリを襲うキツネのお姉さん。暗闇から光の世界へ飛び出し、「存在の本質」を探すコウモリの男の子。日本・南米の生き物たちが見た「世界」とは? 映画化された世界的ベストセラー『あん』著者による構想50年の渾身作は、動物の生態に哲学のひとさじを加えた21のストーリー。スピノザから老子まで哲学の入門書よりやさしく学べて、明日を「生きる」意味が見えてくる。 -
生のみ生のままで
「私たちは、友達じゃない」25歳、夏。恋人と出かけたリゾートで、逢衣は彼の幼なじみと、その彼女・彩夏に出逢う。芸能活動をしているという彩夏は、美しい顔に不遜な態度で、不躾な視線を寄越すばかりだったが、四人で行動するうちに打ち解けてゆく。東京へ帰った後、逢衣は彩夏と急速に親しくなった。やがて恋人との間に結婚の話が出始めるが、ある日とつぜん彩夏から唇を奪われ、「最初からずっと好きだった」と告白される。彼女の肌が、吐息が、唇が、舌が、強烈な引力をもって私を誘う――。綿矢りさ堂々の新境地! 第26回島清恋愛文学賞を受賞した鮮烈なる愛の物語。 -
梟の一族
梟の一族――。誰ともなくそう呼びならわされた限界集落で身を隠すように生活している住民たちには秘密があった。彼らは眠らないことに加えて、生まれつき常人離れした身体能力を保有しているのだ。それゆえに歴史の影で大きな役割を果たしてきた。榊史奈は一族の末裔中、唯一の十代として期待を一身に背負いながら平和に暮らしていた。集落が何者かにより襲撃され、一名が死亡し、その他全員が彼女を残して消えてしまうまでは……。敵の目的とは一体何なのか? 単身で逃亡生活に追いやられた史奈は一族の生存を信じて、また己のルーツに関する真実を知るため、戦い続ける。サイエンス×忍者エンターテインメント。 -
ギアをあげて、風を鳴らして
第38回小説すばる新人賞受賞作。 小学四年生の吉沢癒知は、宗教団体「荻堂創流会」の近畿支部で「降り子(=創父の生まれ変わり)」として信徒から崇拝されていた。幹部の母からは、神聖な身体を持つ者として食事や他者との触れ合いを厳しく制限されていたが、自分に寄せられる信徒の信仰心や日々の「儀式」に抵抗をおぼえはじめていた。そんな癒知の前に現れたのは、家庭の事情で何度も転校を経験している渡来クミ。引越し当初、近所を散策中に見かけた「めっちゃきれかった」癒知に興味津々。ある日、学校のトイレで遭遇したことをきっかけに、ふたりは距離を縮めていく。そして繋がりを持ったのは癒知とクミだけでなく、母親同士も親交を深めるようになり……。 -
地面師たち
辻本拓海は大物地面師・ハリソン山中と出会い、彼のもとで不動産詐欺を行っていた。メンバーは元司法書士の後藤、土地の情報を集める図面師の竹下、土地所有者の「なりすまし役」を手配する麗子の五人。彼らはハリソンの提案で泉岳寺駅至近にある市場価格100億円という広大な土地に狙いをつける。一方、定年が迫った刑事の辰は、かつて逮捕したが不起訴に終わったハリソン山中を独自に追っていた――。次々と明らかになる地面師たちの素顔、未だかつてない綱渡りの取引、難航する辰の捜査。それぞれの思惑が交錯した末に待ちうけていた結末とは? 実在の事件をモチーフに描いた新時代のクライムノベル。 -
ワケあっておチビと暮らしてます
不愛想男子×自由すぎる4才児 ちぐはぐな二人の毎日は、ハプニングの連続だけど・・・!? 「あ。いいこと考えたっ。うた、ここでゆらと住む!」。高1の結良(ゆら)のもとに、おてんば4才児のうたがやってきた。ワケあって二人暮らしをすることに。毎日がハプニングの連続だが、不愛想な結良は、つむちゃんパパやクラスメイト、同じアパートの咲羽子さんなど、まわりの人を頼れるようになる。そして母の日。お出かけ中にうたの我儘から事件が起こる! 結良は初めてうたを怒るが、実はうたには言えなかった想いがあって――。少しずつ家族になる二人の、笑えて泣ける60日間。 -
ミッドナイト・モクテル 飲まないあなたのためのバー
なかなか厳しい就活を経て、食品卸会社に入社した酒匂(さこう)ミチル。取引先にウケがよさそうな名前だという安直な理由で、“酒類”販売二課に配属されてしまったが、実はお酒はほとんど飲めない。取引先の信頼を得るためと、勧められたお酒を必死に飲んではいる。初めはこれが、大人になる通過儀礼なのだと思っていたが、どうしても美味しいと思えない。学生時代の友達との集まりも、いつしか夜のお酒の店ばかり。孤独と疲れを感じていたある日、引き継いだ取引先のひとつに、極端に注文が少ない「バー」があることに気づく。『SOBER CURIOUS』――この店は、ノンアルコールをたしなむバーであるらしく……? -
鏡の背面
薬物や性暴力によって心的外傷を負った女性たちのシェルター「新アグネス寮」で発生した火災。「先生」こと小野尚子は取り残された薬物中毒の女性と赤ん坊を助けるために死亡。スタッフがあまりにふさわしい最期を悼むなか、警察から衝撃の事実が告げられる。「小野尚子」として死んだ遺体は、まったくの別人だった。スタッフ中富優紀は、ライター山崎知佳とともに、すべての始まり、「1994年」に何が起こったのかを調べ始め、かつて「女」を追っていた記者にたどり着く。老舗出版社の社長令嬢、さる皇族の后候補となったこともある優しく、高潔な「聖母」の正体とは……。一方、指導者を失ったシェルター内では、じわじわと不協和音が……。疑念渦巻く女の園、傑作長編サスペンス。 -
じごくゆきっ
なにから逃げるの? どこに行くの? わたしをひとりにしないでねっ。『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』の後日談を含む全7編を収録。青春・SF・家族ドラマ……。読了後、世界は動き始める。想像力の可能性を信じる、桜庭一樹10年間の軌跡。かわいいかわいい由美子ちゃんセンセ。こどもみたいな、ばかな大人。みんなの愛玩動物。そんな由美子ちゃんの一言で、わたしと彼女は、退屈な放課後から逃げ出した。(「じごくゆきっ」)。とある田舎町に暮らす、二人の中学生――虚弱な矢井田賢一と、巨漢の田中紗沙羅。紗沙羅の電話口からは、いつも何かを咀嚼する大きくて鈍い音が聞こえてくる。醜さを求める女子の奥底に眠る秘密とは。(「脂肪遊戯」)。 -
透明な夜の香り 赤い月の香り
「君からはいつも強い怒りの匂いがした」――カフェでアルバイトをしていた朝倉満は、客として来店した小川朔に、自身が暮らす洋館で働かないかと勧誘される。朔は人並外れた嗅覚を持つ調香師で、その洋館では依頼人の望む香りをオーダーメイドで作り出す仕事をしていた。朔のもとには、香りにまつわるさまざまな執着を持った依頼人が訪れる。その欲望に向き合ううちに、やがて朔が満を仕事に誘った本当の理由が分かり・・・・・・。香りを文学へと昇華させた、第6回渡辺淳一文学賞受賞作『透明な夜の香り』に続くドラマチックな長編小説にして、直木賞受賞第一作! -
オフマイク
継続捜査を担当する捜査一課特命捜査係の黒田は、二課の同期・多岐川から20年前の大学生自殺について聞かされる。その死が、大物政治家の贈収賄と関わっているかもしれないというのだ。聞き込みをするうちに、黒田はこの事件を「ニュースイレブン」の報道記者・布施も追っていることを知る。その布施の情報で、黒田は事件のカギとなる人物はITで財を成し、政界のフィクサーとして名を流す藤巻だと目算する。時を同じくして人気キャスターが突然失踪。接点の見えない自殺と失踪の背後にはテレビ業界や警察組織さえも迂闊に手を出せない、大きな闇が……。記者と刑事の異色コンビが活躍する大人気「スクープ」シリーズ第5弾! -
この恋は世界でいちばん美しい雨
駆け出しの建築家・誠と、カフェで働く日菜。雨がきっかけで恋に落ちた二人は、鎌倉の海辺の街で愛にあふれた同棲生活を送っている。家族のいない日菜に「夢の家」を建ててあげたい、そのために建築家として名を上げたいと願う誠だったが、ある雨の日、日菜と一緒にバイク事故で瀕死の重傷を負ってしまう。目を覚ました彼らの前に、“案内人”と名乗る喪服姿の男女が現れる。そして誠と日菜は、二人合わせて二十年の余命を授かり、生き返ることに。しかしそれは、互いの命を奪い合うという、あまりにも苛酷で切ない日々のはじまりだった――。この恋の結末に、涙せずにはいられない。『桜のような僕の恋人』の著者が贈る、胸打つ長編小説。 -
もののけ寺の白菊丸
数えで12歳となった白菊丸は、母と離れて勿径(もっけい)寺へと入った。さる貴き方の落胤である白菊丸は寺で修業し、ゆくゆくは僧侶となるのだ。始まった寺での日々。同じように預けられた稚児たちと一緒に学び、幅広い教養を身に着けていく白菊丸は、ある日、先輩稚児たちに声をかけられた。曰く、勿径寺の宝蔵には力ある物の怪たちの骸が封印されている。新しく寺に入った者は、胆力を鍛えるため、夜中にひとりでその宝蔵に行かなければならない、と。新人いびりとも知らず、その夜、白菊丸が宝蔵を訪れるとそこには白い毛皮をまとった物の怪がいて…。稚児たちがつぎつぎと騒動に巻き込まれるなか、和尚には何やら隠し事があるようで?