ラブカは静かに弓を持つ

ラブカは静かに弓を持つ

小説・文芸
836円 (税込)

4pt

少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘樹は、ある日、勤務先の全日本音楽著作権連盟の上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉桜太郎のもとに通い始める。師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り・・・・・・。第6回未来屋小説大賞、第25回大藪春彦賞受賞、第20回本屋大賞第2位。大反響を巻き起こした、心に響く“スパイ×音楽”長編。文庫版特典スピンオフ短編も収録!

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    集英社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    集英社文庫
  • タイトル
    :
    ラブカは静かに弓を持つ
  • タイトルID
    :
    20133983
  • 電子版発売日
    :
    2025年06月20日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

閲覧環境

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ラブカは静かに弓を持つ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    2023年本屋大賞2位の作品。
    前から気になっていた作品だったけれど、面白かった。

    少年時代、チェロ教室の帰りにある出来事に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘樹が勤務先の全日本音楽著作権連盟の指示でミカサ音楽教室への潜入調査を行うというストーリー。目的は著作権法演奏権を侵害している証拠を表明すること。チェロの師となる浅葉桜太郎や仲間との絆を描いた作品。
    スパイ作品としては肩透かしかもしれないけれど、心の動きや昔通った音楽教室を思い起こす作品だった。

    1
    2026年10月03日

    Posted by ブクログ

    物語の結末に至るまで主人公・橘の人格を掴みきれず、何度も「橘はこういう人間だったのか」と驚かされた。
    橘が過去のトラウマから自己開示が得意でない人物であることが、読者の私にも影響したのかもしれない。

    ただし、これは主人公のキャラクター像が揺らいでいるという批判ではない。

    これは、はじめ深海に深く潜ってしまっていたような橘が、浅葉という光に照らされて様々な角度から姿を現したというだけの話だと思う。
    また、深海にいた橘が浅葉と出会って光に導かれるまま浮上し、一度底へ沈みかけてまた海面を目指すような、変化し続けた物語だったからとも言える。

    私が捉えきれない位の橘の感情の変化を浅葉は当たり前のように受け止め、浅葉の言動に影響された橘が更に変わっていく。

    あくまで私の場合だが、橘の変化についていけなかった箇所もあった。だが嬉しかった。それが気持ち良かった。

    読者という第三者が預かり知らぬところで講師と生徒が絆を深め、影響し合って、次の場面では知らない橘がいる。そのおかげで、橘は凝り固まったキャラクターでは無い、その世界に生きる人間に見えたからだ。

    孤独に会社の地下で働き俯いたままだった橘樹という人間が、音楽教室の3階で恩師と仲間と居場所を見つけ、自らの意思でその居場所に戻ってくるまでを見届けられて本当に嬉しかった。
    未来を信じられるお話をありがとうございました。

    1
    2026年08月29日

    Posted by ブクログ

    この本の流れがAメロ、Bメロ、サビ、Cメロ、でまたサビ…と言った感じにまるで一つの音楽のような美しい構成でした。素人が賞について言うのも難ですが、本屋大賞1位でも不思議でないとも思いました。最初は音楽って素晴らしい!みたいなことが主題なのかと思っていましたが、それだけではなく信頼とは何か、というテーマをスパイという題材を通して私たちに問いかけているのを感じました。橘は行動に一貫性がない所があるけれど、その弱さがむしろ人間らしくて私は共感できました。

    0
    2026年10月06日

    Posted by ブクログ

    音楽教室への潜入捜査という設定が面白く、最初から引き込まれた。音楽を通して人との信頼を築いていく姿に胸が熱くなり、葛藤する気持ちには切なさも感じた。人を信じることの大切さを改めて考えさせられた一冊。

    0
    2026年10月06日

    Posted by ブクログ

    文句無しの5.
    感動した。この後の展開があるなら知りたい。
    橘は全著連の社員で、音楽教室の教材としての曲の著作権についての裁判で優勢になるため、音楽教室の生徒として潜り込む。
    そこで出会う先生や生徒とのコミュニティ、そしてチェロの演奏の楽しさを再認識する。

    理屈や正しさ云々では、表せきれない
    『講師の生徒のあいだには、信頼があり、絆があり、固定された関係がある。それらは決して代替なきくものではないのだ(p242)』のセリフがすごく素敵に、そして心に染みた。最後に信頼が回復方向に向かい、読み切ってなおこのセリフがより刺さった。

    優しい人の信頼は大事にしたい。

    0
    2026年08月15日

    Posted by ブクログ

    スパイ小説と思って読んだら違った。いやスパイ小説だ。私が思っているのとは違うけどスパイが主人公だ。
    私も大人になってから音楽教室に通ったことがある。私は不器用なので個人レッスンにしてもらい、3畳もないような防音室で講師からレッスンを受けた。あんな密室でスパイ活動だなんて私には絶対できない。と、まあ状況が把握できるだけに主人公にヒヤヒヤと感情移入をしてしまう。途中で「さっさと任務放棄しろ」「そんな会社辞めちまえ」と檄を飛ばしてしまった。小説なのにね。
    実際にモデルとなった事件があったようで潜入調査員の精神的犠牲はいかほどかと察せずにはいられない。
    良い本でも内容を忘れてしまうこともあるが、この本の感動はこの先忘れることはないだろうと思った。

    0
    2026年08月12日

    Posted by ブクログ

    誰とも距離をとってきた橘が始めて壁を取り払えたのが潜入先のチェロ講師、浅葉だった。
    浅葉を筆頭に音楽教室の人たちが橘を輪に入れようとする度、橘は焦燥感と罪悪感に引きずり込まれる。
    音楽には全く造詣が深くないが、それでも音色の表現の美しさと、温かで後ろめたい人間関係に引き込まれて読み進められました。

    0
    2026年08月09日

    Posted by ブクログ

    幼少期にチェロを習っていた橘。誘拐されかけたことがきっかけで、チェロに触れることなく生活していた。
    暗い深い光も入らないような深海の悪夢にとらわれ、チェロへの漠然とした不安は大きな飴色の楽器を見ただけで、わき上がっていた。

    しかし、勤務先から2年間音楽教室への潜入捜査を命じられる。陰鬱で人間関係の構築が苦手がゆえに変な情を持たないだろう、たしかにスパイの仕事を遂行できるたろうと見込まれていた。

    12年ぶりにチェロを握り、恐怖と懐かしさを覚え、徐々に没頭していく。チェロを弾くことに楽しさを感じ、もっと奥行きのある音を響かせたいと願う。私的なひとりの時間はチェロにあてて、チェロへの仄暗いぼんやりと膨らんだ恐怖を、チェロを弾くことで輪郭をくっきりと浮かび上がらせて漠然とした不安は剥がれ落ちていく。
    音楽への熱意は本物なのに、音楽教室へ入会した自分は潜入捜査としてきた偽物である。そんな葛藤に苛まれていく。

    音色の響きや心に染み渡るような旋律が、文字という視覚的なものなのに、五感に訴えかけてくる。豊かな比喩が色彩を伴って宿っている。

    光も届かない暗い深海にとらわれている。時を待ちながら孤独にスパイをしている。そんなラブカは弓を握り、何を奏でるのか。
    この物語で、私はラブカの音楽に身を委ね最後のページにたどり着いた。この先も逃げたり間違えたりしながら、素敵な音楽が鳴り続けるのだろう。

    0
    2026年07月31日

    Posted by ブクログ

    主人公の人間味溢れる感情が本当に共感できた。自分の気持ちに嘘はつけないよね。
    そして自分が没頭できるものを通して出会える仲間っていいよね。

    0
    2026年10月25日

    Posted by ブクログ

    音楽教室への潜入調査を軸に、過去の傷を抱えた主人公が、チェロやそこで出会った人たちとの交流を通して少しずつ変わっていく過程がとても丁寧に描かれていた。潜入先で人間関係が自然に深まっていくため、仕事との板挟みに苦しむ姿にも感情移入できた。それまで受け身な部分が多かった主人公が、自分の意思で誰かのために動こうとする変化も良かった。一方で、周囲の人たちが少し良い人すぎて、関係の修復があっさりしているようにも感じた。それでも、壊れた信頼にもう一度向き合おうとする姿勢には前向きさがあり、最後まで温かく読めた。

    0
    2026年10月22日

ラブカは静かに弓を持つ の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    集英社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    集英社文庫
  • タイトル
    :
    ラブカは静かに弓を持つ
  • タイトルID
    :
    20133983
  • 電子版発売日
    :
    2025年06月20日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
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