【感想・ネタバレ】ラブカは静かに弓を持つのレビュー

あらすじ

少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘樹は、ある日、勤務先の全日本音楽著作権連盟の上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉桜太郎のもとに通い始める。師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り・・・・・・。第6回未来屋小説大賞、第25回大藪春彦賞受賞、第20回本屋大賞第2位。大反響を巻き起こした、心に響く“スパイ×音楽”長編。文庫版特典スピンオフ短編も収録!

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Posted by ブクログ

沁みた一文
▪組織というものはおしなべて、生態を掴みきれない深海生物のようにその巨大な全般を隠している。
▪音楽は、それを奏でる者の奥深いところで眠っている本質のようなものを、ゆっくりとサルベージする。
見た目も、経歴も、普段何をしているのかも、全くもって重要じゃない。
▪奏でた音は生まれたそばから消えていく。
▪始まってしまった音楽は、やがて必ず終わりを迎える。
▪一度壊した信頼を、すぐすぐ取り戻せるとは思うな。

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2026年02月11日

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2023年本屋大賞第2位!
当時から気になっていた作品がいよいよ文庫化!
「音楽×スパイ」という、前例のない特異や設定に惹かれて読みました!
全日本音楽著作権協会に勤める主人公「橘樹」は、チェロの演奏経験を買われ、音楽教室に生徒として通うことで、著作権侵害の事実確認のため潜入調査を実施します。
•講師となるのは二歳上の「浅葉桜太郎」
主人公の橘は割と内気な性格なのに対し、講師の浅葉は気さくでどんどん話しかけてくれるタイプなので、レッスンに通ううちに2人の間に絆がどんどん強まります。
•他の受講生との毎月の飲み会に参加したり、発表会に出演するうちに、スパイとして身分を偽って皆を騙しているという事実に打ちのめされます。
•何か悩みを抱えている時に「人を信じること」「人に頼ること」の大切さを感じました。
•周りの登場人物の優しさに度々泣かされました、さすが本屋大賞第2位!

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2026年02月11日

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音楽×スパイの斬新な組み合わせでわくわくしながら読めました。音楽の著作権法、、普段生活してる中で知りえなかったことをこの小説を通じて知れてよかったです。師弟関係、音楽を通じて人脈がひろがっていく温かさの反面、スパイという物語のシリアスさも相まってドキドキしながら楽しめました!

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2026年02月09日

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音楽関係の小説が本当に大好きな自分だけど
今作も変わらず大好きな1冊になりました。

表紙にスパイって書いてあるから音楽とどんな関係があるのかと思ったけど、意外な展開で惹き込まれました。
深い深海から徐々に浮上していく物語。
音楽と先生と生徒、そして仲間達の関係性を通して
主人公の変化を読み進めるうちに少しずつ感じられるのが、読んでいて楽しかったです。

1冊を通して、人間関係や信頼とは何なのか
深く考えさせられました。とても面白かったです。

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2026年02月08日

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ネタバレ

人との関わりが苦手な主人公が、音楽教室へ潜入調査をする話。
音楽とその講師によって絆され、どれが本音か分からなくなっていく、人間味溢れるスパイとしての苦悩が大変面白かった。
心情描写というか深海の情景描写も綺麗で、想像力を湧きたてられ物語に引き込まれた。

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2026年02月07日

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スパイ活動✖️音楽
スパイ活動でハラハラさせられて、そこに音楽が乗ってくる最高の組み合わせだった
本なので音は聞こえないはずなのに、自分で想像して音が鳴っているような気がしてすごく面白かった!!
浅葉先生いい人だ

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2026年02月04日

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主人公の橘がチェロに苦しめられた過去と戦いながら新しい自分に成長していき、徐々に人間味が出てきて、良いなって思う作品でした。浅葉先生の人間性も良くて、浅葉先生と橘が出会えて良かったなぁって感じました。心があったまる小説です。

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2026年01月18日

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ずっと読みたいと思っていた『ラブカは静かに弓を持つ』。
読み始めたら面白くて、一気に読んでしまいました。

スパイという任務を抱えながら、頑なだった主人公が音楽教室のみんなと関わる中で、少しずつ心を開いていく過程がとても良かったです。緊張感のある世界と、音楽のある穏やかな空間の対比が印象的で、読んでいて自然と感情が動かされました。

音楽に向き合う場面も心に残りました。読み終わったあと、久しぶりに楽器に触れたくなったのも、この本の余韻だと思います。

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2026年01月07日

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ネタバレ

今年読んだ本で一番面白いと思った。
浅葉先生とチェロ仲間たちの人柄が良すぎて、この人たちを騙してるんだって思ったら苦しすぎて毎日吐き気が止まらなくなりそう。この人たちに軽蔑されたり、浅葉先生の夢の邪魔をしてしまうくらいなら自分も会社の重要なデータを消すというかなり大胆な行動に出てしまうかも。だからこそ呆気なく浅葉先生に正体がバレたシーンは本当に苦しくなった…
感情移入しすぎて一気に読んでしまった。

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2025年12月30日

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ネタバレ

音楽×スパイの異色な物語。
職場と自宅の往復を繰り返す、変わり映えのない橘の生活が、チェロによって彩られていく様が読んでいて心地よかった。
スパイ活動の中で心を取り戻していく橘の中にある「スパイ活動は仕事、だが音楽をしている時の自分や周りの人間のことは好んでいる」というなんとも言えない葛藤にリアリティを感じた。
スパイではもちろんないが、私自身も職場ではある程度「職場に適した自分」を創り出している。その中で「これは本当の自分なのか」と思う時もある。素で接したら職場の人たちはどういう接し方をするのだろうと。
物語終盤で橘の素性がバレても、囲む会/ヴィヴァーチェのみんなは橘を遠ざける事はしなかった。
本当の自分を知られても、離れていかない人達は本当に大切なんだと思った。

小説だけでも好きな世界観だったが、是非映像化して音楽を載せた「ラブカは静かに弓を持つ」を見てみたい。

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2025年12月21日

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ネタバレ


音楽著作権侵害の証拠をつかむため、音楽教室に潜入するスパイものの作品
題名の弓で連想したのは弓矢。しかし、なんと楽器のチェロ。表紙のイラスト見ればそうなんですが、、、
私の周りでは見かけたことがない楽器です。実物を間近で見たこと無いかも。

精神的な病気を抱えている主人公 橘は普段から他人との接触をさけていたが、講師の浅葉や教室の仲間との関わりで少しずつ社会生活に馴染んでいく。その中でもちょっと暗い雰囲気が伝わってきて、チェロや音楽教室の風景なども思い浮かべられる良い作品だった。
音楽は子供の頃にピアノ教室に少し通っていたが、私も何かやってみようかな、と 普段仕事に追われて時間的に余裕はないのに、不覚にもそう思ってしまった。

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2025年12月20日

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『手を伸ばすべき現実はいつも、恐れの向こう側にある』

「やる前から上手くいかないんじゃないか?」
と勝手に頭の中で”不安”になって、
目の前の現実が見えなくなることがあるので、
臆病な私にも刺さる言葉でした

“逃げ腰だった主人公”の成長も感じ取れるので、
好きな一文です!

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2025年12月03日

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誰もが小さな「嘘」はついたことがあると思う。

自分もその嘘がどんどん大きくなっていくという経験があり、胸が苦しくなるシーンもあった。
しかし、作品でも描かれていたように良い影響が出るような「嘘」もあったり、たとえ「嘘」をついていても、誠意を尽くせば、またやり直せるのだ。

そんな救いを与えてくれる作品であった。

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2025年11月30日

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ネタバレ

途中ハラハラしたし心臓が痛くなるくらいだったけど、読後感は良かったです。
確かにそこにある信頼って、凄く素敵なものだね。

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2026年02月08日

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ネタバレ

一度裏切ったら二度と戻らないとあったように、浅葉は梶山やかすみ達よりも裏切られた事に激怒していた。それは、師弟関係であった橘と浅葉が他の皆より固く絆が結ばれていたからこその怒りだったのだと思う。
エピローグで、全著連を辞めた橘が再び浅葉の元へチェロを習いに行っている事がわかり、この二人はすぐ信頼関係を取り戻していくのだろうと思えた。

腹の底が読めない蛇のような男の塩坪も、『戦慄きのラブカ』:敵国に潜入した諜報員が潜入先で穏やかに暮らして最期は元の仲間に殺されるという映画が好きであった為か、橘のことも処罰対象にはしなかった。
さらに、度々登場していま三船も実は潜入員だったが、橘と同じように信頼を裏切る許されない行為をしたのでは無いかと悩んでいた。
はじめは仕事としてだったが、チェロを弾く事に対してや、浅葉を初めとして「囲む会」の皆と過ごすときは本心から楽しみ、自分が諜報員という事を忘れていたのは三船も橘と同じだっただろう。

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2026年01月22日

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ネタバレ

本屋大賞2位。
突出した何かがあるわけではないけど丁寧な物語の構成と設定の目新しさが凄く面白く感じた。

音楽の著作権に目をつけ、主人公に音楽教室に潜入させるという不思議な身近さみたいなものがスパイものでありながらもリアリティを感じれてよかった。

物語自体も命懸けとかそういうものではなくて、あくまでバレたら人間関係に亀裂が入るだろうという絶妙なシリアスさが一定の緊張感を生んでドキドキしながら楽しめるのも魅力の一つだと思う。

主人公像も無気力でトラウマを抱えた人物像だけど、人間味というか、良心が腐っていないのが良い。

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2026年01月12日

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面白かった!スラスラ読みやすい!社内のやり取りの部分でハラハラする、普段社内の仕事してるからか。先生が魅力的。音楽業界の人と普段関わらないから、どんな考えしているのか興味が湧いた。チェロの曲聴きたくなった。

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2026年01月12日

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人と関わっていくと、信頼関係が生まれ、絆が結ばれていく。その絆が生まれてしまった中で、大切な人たちを騙すようなことをしなければならないことは辛すぎる。ただ現実に目を向ければ、自分にも生活はある。
いろいろな思いの中で板挟みになり、葛藤しなければならないのは凄いストレスだと思います。読んでいても苦しかったです。いつバレてしまうのか。
簡単には元通りにはならず、時間はかかると思うけれど、橘本人の本音で向き合うことでまた信頼し合える仲になるといいなと思いました。

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2026年01月07日

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音楽著作権会社に勤める橘樹が演奏権を侵害しているという音楽教室のチェロコースに潜入捜査するお話。

スパイをして嘘をつき続けた先にある優しさや、本当の自分をみつけるという終わりが、殺伐としたスパイという題材との対比で美しい。

主人公にとって自分という器を満たすものがチェロならわたしにとってそれは読書だなぁ。

著作権って侵害されがちだけど、作った人にとってはそれが収入源なんだから本当にあるべき権利であり守られるべきものだよね。

じゃないと、この世界にある創作の全てが衰退していってしまうから…。

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2025年12月31日

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日常にありそうな、でも、確かにスパイのお話でした。この本では音楽でしたが、熱中して取り組めるものには自分を立て直す力があると思いました。

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2025年12月28日

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 全日本音楽著作権連盟に勤める橘が、上司の命令でミカサ音楽教室へスパイとして侵入する。
 浅葉先生のもと、かつて学んだチェロを演奏することで病んでいた心が解きほぐされていく。
 また「浅葉先生を囲む会」での他の生徒さんたちとの交流で、スパイとしての立場を忘れてしまうほど自分らしさを取り戻してもいく

 フィクションの作品ではあるが、実際にこういう騒動はあり、それに翻弄された私としては、橘よりも浅葉先生の心情に胸が苦しくなった。時々橘が発する心ない暴言にも悲しくなってしまった。
 
「無数の信頼の重なりの上に、人間関係は構築される」
 浅葉先生の心の広さと強さを受けて、橘くんも成長していって欲しい。




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2025年12月28日

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ありのままの世界ってなんだろう?

本作で主人公の橘は、幼少期のトラウマをきっかけに、世界との間に透明な壁を作って日々暮らしている。
その透明な壁は、「世界のありのままの姿」をオートマティックにねじ曲げてしまう。
それも、だいたいの場合はネガティブな方向に。
さらにその壁は、橘が自分で重ねていく嘘の力によってどんどん分厚くなり、目に映るすべてを脅威に変換してしまう。

確かに嘘は、吐けば吐くほどその行為に慣れ、自分だけでなく他人も嘘をついていることを前提としてしまったり、
逆に、そんな自分を否定し続けることで、この世界を相対的に「自分なんかが居てはいけない場所」にしてしまったりもする。

しかしそれは、すべて自分の脳内で起きていることだ。

では、ありのままの世界というのは、脳内ではなく、「実際に行動を起こした際に変化する世界」のことではないだろうか。

「手を伸ばすべき現実はいつも、恐れの向こう側にある」

本作で一番好きな言葉だが、人が生きるのは、結局のところ自分の脳内世界ではなく、現実の、ありのままの世界だ。

橘が救われたのも、過去のトラウマや恐怖を乗り越え、現実の世界で音を奏で、少しずつ人と繋がっていった結果だ。

これは確率論でしかないが、今のところ、ありのままの世界というやつは、僕にとって結構優しい。
だって今日も、なんとか世界の一員として存在させてくれているから。

突然の病や事故で人が命を失ってしまうのは一瞬で簡単だけど、僕も含めて多くの人は、自分にそんなことが起こるはずはないと思っている。

こちらは好き勝手に、今日起きた小さな不運や未来への不安を世界のせいにしたりしているが、世界は今日もただ変わらずに在り続けてくれている。

そんな、意外と優しい世界とちゃんと触れ合うために、怖くても、そっと静かに、手を伸ばしてみようと思う。

深海にいるラブカのように。

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2025年12月23日

Posted by ブクログ

チェロ、いいですね。
私は音楽とは無縁と言っていいような人生を送ってきたので、

音楽の楽しみ方、音楽を奏でるときの感じ方、そう言ったことが綺麗に言語化されていて、
新しい世界の扉を開いたようでした。

ただ単純にチェロの話をするだけでなく、そこにスパイという誰もがワクワクしてしまうような設定が出てきます。
話の内容も実際にあった事件の内容が参考にされており、
どんどん読み進めていってしまうようでした。


スパイなんだけど、登場人物の感情に寄り添いながら、ゆったりとまるでチェロの深い音色を味わうように
文章を楽しませてもらいました。

数々の賞を受賞しているだけあり、間違いなしの1作でした。

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2025年12月19日

Posted by ブクログ

音楽著作権連盟に勤める主人公が、著作権の裁判のために音楽教室に生徒として潜入しろと上司に言われるところから物語は始まります。
そんなの絶対ヤダと思いますが、彼は、それよりもチェロをまた弾かなくてはならないことの方に躊躇します。
でも、音楽教室で、できた人間関係や、チェロの音に癒されていく中で、スパイとしての苦しさを感じだし…というお話。
とても面白かったです。さすが、本屋大賞2位?

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2025年12月13日

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ネタバレ

けっこう好きな話。
全著連から音楽教室にチェロの生徒としてスパイで入会。裏切ったのに最後にはその先生が師事。
なんかこんなハッピーエンドの話は大好き。
ほっこり出来た。

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2025年12月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

中弛みするところがなく、すぐに読み終えた。
仮に自分が同じ立場なら最後演奏会には行けないと思う。

悪夢が完全になくなってほしいと思うし、一度無くなった信頼も少しずつ取り戻せていけたらと思う。

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2025年12月08日

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音楽とスパイというあまり馴染みのないテーマが新鮮で良かった
なんとなく読んでるうちに先のストーリーが見えてしまい、大きなどんでん返しも無かった気がしてしまったのは普段読んでる本の性質からだろうか

とはいえ、登場人物それぞれの感情が見えやすく、現実世界そっくりだなとも思う
橘くんのような自ら壁を作り続けてしまう人は、今の時代はかなり多いのではないだろうか

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2025年12月01日

Posted by ブクログ

スパイ✖️音楽小説とあって、どんな感じだろうと思っていたが、心底悪い人が出てこない!

気がつけば最後まで読んでいて、橘という主人公は過去を乗り越え成長していた。うん、よかったねと思えた。


サードプレイス
好きなことをするものの集まりは心地よいと思う。小さい頃にしていた人も、挫折したけどもう一回やってみようの人も、急にやりたくなって始めた人も、好きなことをできる場所があるっていいなと思った!

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

音楽とスパイという一見相容れない要素を組み合わせた、少し変わったスパイ小説でした。

物語の冒頭でまず感じたのは、主人公があまりにもスパイに向いていないという違和感だった。
過去に楽器を弾いたことがある、ただそれだけの理由で音楽教室に潜入し、録音によって情報を集める任務を負わされる。
本来であれば適性を考慮して人選するはずのスパイ活動に、この主人公が選ばれたことには無理があり、物語の最初はどこか腑に落ちない感覚が残った。

しかし物語が進むにつれ、その違和感こそが、この小説の核なのだと感じるようになった。
主人公は当初、感情を排し、スパイとして任務に徹する存在だった。
ところが音楽教室で浅葉先生と接し、教え子たちと時間を共有するうちに、少しずつ変化していく。
飲み会に誘われ、これまで一人も「友人」と呼べる存在がいなかった主人公が、初めて人との感情的な交流を持つようになる過程は、とても静かで、それだけに印象深かった。

やがて主人公は、所属する全日本音楽著作権連盟(全著連)の業務そのものに疑問を抱き始める。
違法行為を摘発する立場でありながら、音楽教室と築いた師弟関係や人間関係のほうが、次第に重要に感じられていく。
「立場」や「役割」という一つの角度だけで見ていた世界を、視点を変えることでまったく違うものとして捉え直す──この作品は、その大切さを静かに訴えているように思え、読後感はとても良かった。

物語後半、浅葉先生が人生最後の音楽コンクールに挑戦する場面では、緊張感が一気に高まる。
もし裁判が始まれば、先生の心理状態に影響し、コンクールの結果にも影を落とすかもしれない。
そう考えた主人公が、音楽教室の著作権侵害の証拠をすべて消去し、さらには上司の厳重なセキュリティがかかったPCのデータまで消し去る徹底ぶりには、読んでいて思わず息を詰めた。

そして音楽教室を辞め浅葉先生と最後の挨拶の場面。
全著連のピンズを落としたことでスパイであることが露見しかけ、真面目な性格ゆえに嘘でごまかすこともできず、すべてを告白してしまう。
激しい喧嘩の末、先生との関係は断たれ、飲み仲間ともLINEをブロックし、主人公は再び孤独へと戻る。
この展開は非常に痛ましく、読んでいて胸が苦しくなった。

だが数か月後コンサート会場にて偶然再会した飲み仲間が、以前と変わらぬ態度で接してくれた場面で、物語は大きく救われる。
音楽教室で築いた人間関係こそが、スパイ業務以上に、主人公にとってかけがえのない「一番大事な思い出」だったのだと悟る瞬間は、本作で最も感動した場面だった。
最終的に浅葉先生とも、少し嫌味を言われながらも関係を修復できたことに、読後の満足感は一層深まった。

また、全著連の姿勢についても考えさせられた。
音楽業界の発展を掲げながら、演奏権侵害をやめさせるのではなく、あえて侵害を誘発する形で金銭を得ようとする姿勢は、現実世界の某団体と重なって見えた。

スパイ小説でありながら、人が人と関わることで何を得て、何を失い、何を守ろうとするのかを丁寧に描いた作品だった。
読み終えた後、静かな余韻とともに「人とのつながりとは何か」を考えさせてくれる一冊であり、読んで本当に満足できた。

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2026年01月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全著連に勤務している橘樹が、塩坪という上司からの命令で町の音楽教室「ミカサ」にスパイとして2年間潜入するお話。
チェロと橘との間には何があったのだろう…ときになる描写から始まる。最初は命令の為に重い体を動かしてミカサに向かうが、2年という長い期間ミカサのチェロ講師浅葉桜太郎と過ごすうちに橘の体調と心境に変化が起こり始める。
最初のうちは気が付かなかったものがだんだんとミカサのおかげで橘の人生が良い方向に向かっていることに気が付く。自分と相手を騙し続けて嘘で塗り固めていくこのスパイ行為に疑問を抱き、このままチェロを弾き続けたいという橘の気持ちが読んでいて凄く伝わってきた。自分が居続けたいと思っているミカサの仲間たち、浅葉のためにスパイ行為をしていた2年もの努力といえる証拠の数々を消したところにはハラハラした。このままいけば会社はクビになるがチェロは続けられる、と順調に思えていた読者の気持ちを裏切るかのような伏線回収。全著連のピンバッジの伏線はやっぱりそうなったか、、と。そして浅葉との関係が一瞬にして壊れてしまうシーンには実際自分がそこにいるかのような緊迫した空気が伝わってきて読んでいるこちらまで心臓がバクバクしてしまった。
自分で後悔しない選択をできるようになった橘の変化に浅葉は驚き、そしてあの事件のことはお互いの心の中に残りつつも言葉にはしない…。またミカサでチェロを弾けることになった橘と浅葉の終わり方が元の関係には戻らずとも、スパイ行為していた時期よりはなんだか良い関係に思えた。

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2025年12月27日

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