【感想・ネタバレ】ラブカは静かに弓を持つのレビュー

あらすじ

少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘樹は、ある日、勤務先の全日本音楽著作権連盟の上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉桜太郎のもとに通い始める。師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り・・・・・・。第6回未来屋小説大賞、第25回大藪春彦賞受賞、第20回本屋大賞第2位。大反響を巻き起こした、心に響く“スパイ×音楽”長編。文庫版特典スピンオフ短編も収録!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

著作権侵害の証拠を集めるためのスパイに任命されて音楽教室に生徒として潜入する、著作権管理団体に所属する主人公の葛藤など。著作権云々というより、身分を騙り、人を騙すことへの苦悩が主なテーマか。過去の出来事や周辺の人間関係を巧みに混ぜてくることで主人公の心理に寄り添わざるを得なくなり、テーマ的に絶対バレるんだろうなと思い、読む手が止まらなくなった。締め方も良く、読んでよかったと思える小説だった。(最初の方はクソつまんねえなって思っちゃったけど)

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2026年04月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

★4.5です。おまけで★5
最初は「弓を持つ」なんていうタイトルから戦争もの?部族?なんて弓矢の方を思い浮かべてなかなか触手が伸びなかったのですが、読んで正解でした。
ラブカって誰?外国人?っていう想像も大外れ。
タイトルにかなり踊らされて随分めぐり逢いが遅れました。
新ジャンルのスパイ小説。
人も死なないし、拳銃も出てこないけど、いつバレるか分からない日常のドキドキが含まれていた小説。
そして、たまたまかもしれないですが、「ナイトフラワー」という映画をちょうど見てて、少女が引くバイオリンの凄さに感動し、この小説を見えていたので、音楽っていいな、クラシックっていいなという思いで読みました。
また、浅葉先生のセリフがいちいち響く。一般的な音楽家や価値観を否定してくれることの爽快さが非常に良かったです。
派手さ、大どんでん返し、驚きと納得などはちょっと弱めだったため★4.5です。
是非読んでみて下さい。

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2026年04月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『正しいことが正しいとは言えない』
正にこれだよね。
世の中って結構こういうことで溢れていると思う。
どっちも悪いことしてないのにね。
そりゃやりたい音楽、馴染みのあるものを教えようとするだろうし、習いたいし、見たいし聞きたいし。なんであかんねん。
でも『ルール』って言われたらねえ。
「私は悪いことをした?」
三船さんのこの言葉がこの不条理をよく表していると思う。
『正しい』ことのために心を許した人たちを騙して、傷つけて…。
誰が『何が』救われたんだろう?
この場合は著作権を持つ人たちのわけだけど。
その著作権を持つ人達は、登場人物、主人公達の『守りたい人』『大切な人』なんだろうか?
他者に対して心を固く閉ざしていた橘。
再びチェロと向き合い浅葉達と関わり心がほぐれ始めていく様子に、しかしその内には彼らを騙しているという罪悪感を抱きながら関わっていく姿に、読んでいるこちらも胸が痛かった。
カミングアウトして決別して。それでも橘を迎えてくれた仲間達。
そして再びチェロを手にして、浅葉に正面から対峙した橘。
この勇気と覚悟に、橘がこの仲間達からどれだけのものが与えられていたかが窺える。
嘘→裏切り→信頼の再構築。
乗り越えた先に、橘と浅葉二人には友人よりも家族よりも強い師弟の絆が築かれているだろうことを期待したい。

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2026年04月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでいるこちらの胃まで痛くなりそうだった。
著作権と音楽教室の話は記憶にはあったが、実際に潜入調査が行われていたことまでや最終的な判決がどうなったのかまで知らなかった。読んだ後に気になって軽く調べたが、読む前に詳細を知らなくて良かったかも知れないと思った。
話の方は主人公が過去のトラウマを少しずつ踏み越えながらチェロと向き合い、居心地の良い仲間を得て、患っていた不眠症も改善されつつあるのを安堵しつつ微笑ましく思っていたので冒頭で述べた通り、後半の展開が本当に辛かった。もう一人の潜入員も変に開き直ったりせずにいたのが印象的だった。現実の方ではどうだったのかなとついつい考えてしまう。
贖罪に努めようとする主人公は本当に凄いなと思った。性格からすればそんなこと出来るタイプじゃないだろうに、望まず壊してしまったものへの思いの強さを感じた。願わくば未来には仲間内の酒の席で笑い話に出来るように関係が修復されて欲しい。

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2026年03月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

"スパイ×音楽"という新鮮な題材。深海に囚われるトラウマを抱えた主人公の救済と解放の物語。

さすが本屋大賞。
澄んだ筆致で描写される情景と音楽の透明感に心洗われる。スパイだとバレるシーンはどちらの立場の気持ちもよく理解できて胸が潰れそうだった。
ただその辛さがあったこそ、その先にある主人公の姿がより眩しく感じられる。
序盤から涙腺ゆるゆるになりながら読んでいた…

ぜひとも実写化してほしい。というか既に進んでそう…
上手く映像化してくれたら絶対号泣する自信あり。蜜蜂と遠雷みたいな綺麗な映像でやってほしいな〜

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2026年03月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人との関わりが苦手な主人公が、音楽教室へ潜入調査をする話。
音楽とその講師によって絆され、どれが本音か分からなくなっていく、人間味溢れるスパイとしての苦悩が大変面白かった。
心情描写というか深海の情景描写も綺麗で、想像力を湧きたてられ物語に引き込まれた。

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2026年02月07日

Posted by ブクログ

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途中ハラハラしたし心臓が痛くなるくらいだったけど、読後感は良かったです。
確かにそこにある信頼って、凄く素敵なものだね。

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2026年02月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一度裏切ったら二度と戻らないとあったように、浅葉は梶山やかすみ達よりも裏切られた事に激怒していた。それは、師弟関係であった橘と浅葉が他の皆より固く絆が結ばれていたからこその怒りだったのだと思う。
エピローグで、全著連を辞めた橘が再び浅葉の元へチェロを習いに行っている事がわかり、この二人はすぐ信頼関係を取り戻していくのだろうと思えた。

腹の底が読めない蛇のような男の塩坪も、『戦慄きのラブカ』:敵国に潜入した諜報員が潜入先で穏やかに暮らして最期は元の仲間に殺されるという映画が好きであった為か、橘のことも処罰対象にはしなかった。
さらに、度々登場していま三船も実は潜入員だったが、橘と同じように信頼を裏切る許されない行為をしたのでは無いかと悩んでいた。
はじめは仕事としてだったが、チェロを弾く事に対してや、浅葉を初めとして「囲む会」の皆と過ごすときは本心から楽しみ、自分が諜報員という事を忘れていたのは三船も橘と同じだっただろう。

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2026年01月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本屋大賞2位。
突出した何かがあるわけではないけど丁寧な物語の構成と設定の目新しさが凄く面白く感じた。

音楽の著作権に目をつけ、主人公に音楽教室に潜入させるという不思議な身近さみたいなものがスパイものでありながらもリアリティを感じれてよかった。

物語自体も命懸けとかそういうものではなくて、あくまでバレたら人間関係に亀裂が入るだろうという絶妙なシリアスさが一定の緊張感を生んでドキドキしながら楽しめるのも魅力の一つだと思う。

主人公像も無気力でトラウマを抱えた人物像だけど、人間味というか、良心が腐っていないのが良い。

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2026年01月12日

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