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女同士の戦い?格差?この作品は、そんな言葉では表せません。
東京育ちで何不自由なく育てられた箱入り娘の華子と、富山から名門大学に入学し上京してきた美紀。世襲され固定された社会階層のなかで、幸一郎という1人の男性をめぐって彼女たちが自分の人生と向き合う、映画化もされた話題作です。
生まれや育ちに少なからず影響を受ける現代社会の私たち。異なる環境で育ってきた人と自分を比較して、何か違う…と感じたことはありますか?しかし、その「何か」を言葉にすることはできない。そんな、「誰も言葉にできないけれど目の前に確実にある普通」を作者は巧みに描いています。
1度読み始めたらページを捲る手が止まりませんので、ご注意くださいませ。
Posted by ブクログ
何年か前に映画を観た。面白かった記憶があって、原作の存在を知り読んでみた。
僕自身、美紀と同じように田舎から大学進学を機に上京した人間で、重ねてしまう部分が多かった。
10年ほど東京に住んでいると、この街にいる"別の階級"の存在をたまに感じることがある。例えば街を歩いていて、急に静かな住宅街に入ったなと思ったら、都心にも関わらずとてつもない豪邸が建っていたりすると、高い塀に囲まれたその内部にどんな人間が住んでいるのか想像したりする。作中の中でも語られていたけど、彼らは彼らのコミュニティの中でのみ生きていて、一般人である僕らとは普通に生活していても交わることがない。そんなフィクションみたいな嘘みたいな生活を、本当に送っている人がいると思うと面白い。長い歴史に裏付けされた格みたいなものは、外から見るとすごく興味深くて好奇心をくすぐられる。
僕は1年ほど前から地元に戻って新しい生活を始めているけど、いまだに東京に未練がある。ずっとあの街に住んでいたかったという気持ちがある。ただ、東京での生活に苦しさを感じていたのも事実で、東京と地方とその両面を描く本作のテーマ、と山内さんの文章がスッと入ってきてあっという間に読み終えた。
Posted by ブクログ
とても読みやすく、最後まで夢中になって読めた一冊でした。
私自身、日頃からさまざまなことで悩んだり、誰かを羨ましく思ったりすることがあります。でも、上流階級に生まれ育った華子も、地方出身の美紀も、それぞれに満たされない思いや悩みを抱え、誰かを羨んで生きている姿を見て、「どんな環境にいても悩みはあるんだ」と感じ、心が少し穏やかになりました。ここ最近は特にメンタルがあまり良くなかったこともあり、この作品に出会えたことで少し救われた気がします。
一方で、読んでいて「私は上流階級の人たちとはきっと相容れないんだろうな」とも感じました。振り返ってみると、私の周りにも結局は自分と近い価値観や環境で育った人たちが集まっています。品のある人に憧れたこともありましたが、本当の品は表面的に身につけられるものではなく、生きてきた環境や積み重ねから自然と滲み出るものなのだと思いました。
だからこそ、無理に誰かの世界に憧れるよりも、自分らしさや自分の良さを大切にして、自分に合った環境で心地よく生きていくことが一番幸せなのだと感じました。
Posted by ブクログ
悪いのは男なのに、どうしていつも女同士が喧嘩しなくちゃいけないのか。というテーマに関しては映画ではあまり強調はされてない。逸子が美紀に「女同士の義理」のたとえとして話す近松門左衛門の『心中天の網島』のくだりも映画で出てきたらよかったのに。美紀は、でも現実は女同士の義理を通すのは難しいという。なぜなら女同士が分断させられるように社会がつくられてるから。
時岡美紀は、幸一郎と華子の結婚披露宴に出席する!あまりに広い会場で前の方は主賓で埋まっているので、友人席にはオペラグラスよろしく双眼鏡がテーブルに置かれてる 笑
ドレスの苦しさの描写もよかった。
逆に映画にしかないシーン。美紀の部屋で華子が「ホッとする。ぜんぶ美紀さんのものだから」というところ。
「ジャズ好きですーっていう女の子って、たいてい前の彼氏の影響なんだよな」という決めつけ。
同窓会の時にきれいになった女の子にホテルの鍵をちらつかせて「誘ってるんやけど」という既婚男子が「こどももおるよ、こんなに正直な男めずらしいやろ」というと美紀が「ぜんぜん。よくいるタイプ。」と突き放すところ。
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小説・文芸
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