あらすじ
東京生まれの華子は、箱入り娘として何不自由なく育てられたが20代後半で恋人に振られ、焦ってお見合いを重ねた末にハンサムな弁護士「青木幸一郎」と出会う。一方、東京で働く美紀は地方生まれの上京組。猛勉強の末に慶應大学に入るも金欠で中退し、一時は夜の世界も経験した。腐れ縁の「幸一郎」とのダラダラした関係に悩み中。結婚をめぐる女たちの葛藤と解放を描く、渾身の長編小説。
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女同士の戦い?格差?この作品は、そんな言葉では表せません。
東京育ちで何不自由なく育てられた箱入り娘の華子と、富山から名門大学に入学し上京してきた美紀。世襲され固定された社会階層のなかで、幸一郎という1人の男性をめぐって彼女たちが自分の人生と向き合う、映画化もされた話題作です。
生まれや育ちに少なからず影響を受ける現代社会の私たち。異なる環境で育ってきた人と自分を比較して、何か違う…と感じたことはありますか?しかし、その「何か」を言葉にすることはできない。そんな、「誰も言葉にできないけれど目の前に確実にある普通」を作者は巧みに描いています。
1度読み始めたらページを捲る手が止まりませんので、ご注意くださいませ。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「女同士の義理」っていいなー。階級とかそんなの超えて結びつく感じ。
同じ敵を持つもの同士は強いもんね。
華子と美紀のどちらの気持ちもわかって、自分は中途半端な立ち位置なんだなと思いながら読んだ。
大人になって思う…というか注意されたことがあるんだけど、余程相手のことを知らない限り自分のことをあまり人に話さない方がいい。
それは劣等感とか、逆に見下すというわけでなく、異文化過ぎて越えられない壁があるから。
そんな生きにくい中でも「女同士の義理」が分かり合える人がいると、頼もしいよね。
Posted by ブクログ
何年か前に映画を観た。面白かった記憶があって、原作の存在を知り読んでみた。
僕自身、美紀と同じように田舎から大学進学を機に上京した人間で、重ねてしまう部分が多かった。
10年ほど東京に住んでいると、この街にいる"別の階級"の存在をたまに感じることがある。
例えば街を歩いていて、急に静かな住宅街に入ったなと思ったら、都心にも関わらずとてつもない豪邸が建っていたりすると、高い塀に囲まれたその内部にどんな人間が住んでいるのか想像したりする。
作中の中でも語られていたけど、彼らは彼らのコミュニティの中でのみ生きていて、一般人である僕らとは普通に生活していても交わることがない。そんなフィクションみたいな嘘みたいな生活を、本当に送っている人がいると思うと面白い。長い歴史に裏付けされた格みたいなものは、外から見るとすごく興味深くて好奇心をくすぐられる。
僕は1年ほど前から地元に戻って、新しい生活を始めているけど、いまだに東京に未練がある。ずっとあの街に住んでいたかったという気持ちがある。ただ、東京での生活に苦しさを感じていたのも事実で、東京と地方とその両面を描く本作のテーマ、と山内さんの文章がスッと入ってきてあっという間に読み終えた。
Posted by ブクログ
どっちの感性もわかる作者さんすごい。
転勤族でどっちのコンプレックスもないけど共感しながら読めたらもっと楽しそう。
田舎も東京もどっちも同じなのだ、と気づくシーンが面白かった。
幸一郎は何を持って華子と結婚したのか…
Posted by ブクログ
地方から努力して受験を乗り越えて大学から東京に出てきた時の自分と重なる。育った環境という変えられない壁が地方出身者と東京出身者にある。全く異なる”普通”という感覚も持つ人たちが、同じ場所で暮らしている東京というのは刺激的な場所だ。
Posted by ブクログ
とても読みやすく、最後まで夢中になって読めた一冊でした。
私自身、日頃からさまざまなことで悩んだり、誰かを羨ましく思ったりすることがあります。でも、上流階級に生まれ育った華子も、地方出身の美紀も、それぞれに満たされない思いや悩みを抱え、誰かを羨んで生きている姿を見て、「どんな環境にいても悩みはあるんだ」と感じ、心が少し穏やかになりました。ここ最近は特にメンタルがあまり良くなかったこともあり、この作品に出会えたことで少し救われた気がします。
一方で、読んでいて「私は上流階級の人たちとはきっと相容れないんだろうな」とも感じました。振り返ってみると、私の周りにも結局は自分と近い価値観や環境で育った人たちが集まっています。品のある人に憧れたこともありましたが、本当の品は表面的に身につけられるものではなく、生きてきた環境や積み重ねから自然と滲み出るものなのだと思いました。
だからこそ、無理に誰かの世界に憧れるよりも、自分らしさや自分の良さを大切にして、自分に合った環境で心地よく生きていくことが一番幸せなのだと感じました。
Posted by ブクログ
映画版が大好きで何度も繰り返し観ていて、ふとそういえば原作読んでないなと思い読み始めました!
映画版にはないシーンも多々あり、復習するような形で読めて面白かったー!
自分が上京組なこともあり、基本的に美紀に共感。。。
自分で自分の幸せを見つけていくというこの話の大きな軸(特に明言されているわけではないけど)がすごく好き!あと、女性同士の義理の話も面白かったなー。
Posted by ブクログ
第二章までは、知り合いの知り合いの話を聞かされてる感で、へ〜…くらいの気持ちで読んでいたが、第三章からとても面白くなった
細雪の三女、雪子を彷彿とさせる華子が、雪子と違ってちゃんと自分をみつけて成長していくのが良かった
雪子は雪子で、ある意味面白いし時代的にはあれでも良いのかもしれないけど
華子、相楽さん、時岡さん、それぞれ違った魅力があって、ちょっと仲間に入りたい
ナツイチ2026
Posted by ブクログ
悪いのは男なのに、どうしていつも女同士が喧嘩しなくちゃいけないのか。というテーマに関しては映画ではあまり強調はされてない。逸子が美紀に「女同士の義理」のたとえとして話す近松門左衛門の『心中天の網島』のくだりも映画で出てきたらよかったのに。美紀は、でも現実は女同士の義理を通すのは難しいという。なぜなら女同士が分断させられるように社会がつくられてるから。
時岡美紀は、幸一郎と華子の結婚披露宴に出席する!あまりに広い会場で前の方は主賓で埋まっているので、友人席にはオペラグラスよろしく双眼鏡がテーブルに置かれてる 笑
ドレスの苦しさの描写もよかった。
逆に映画にしかないシーン。美紀の部屋で華子が「ホッとする。ぜんぶ美紀さんのものだから」というところ。
「ジャズ好きですーっていう女の子って、たいてい前の彼氏の影響なんだよな」という決めつけ。
同窓会の時にきれいになった女の子にホテルの鍵をちらつかせて「誘ってるんやけど」という既婚男子が「こどももおるよ、こんなに正直な男めずらしいやろ」というと美紀が「ぜんぜん。よくいるタイプ。」と突き放すところ。
Posted by ブクログ
同じ東京に住んでても、見えてる景色が全然違う感覚の描き方がかなりリアルだったなと思う。
華子は育ちがよく守られてきたお嬢様だけど、彼女自身もちゃんとした家の娘であることに縛られてる苦しさがある。
逆に美紀は行動力があるけど、努力だけでは越えられない壁を何度も感じさせられる。
露骨に差別してるわけじゃないのに、学歴、家柄、住む場所、交友関係みたいな“見えない階級”がずっと存在してる。
最後には、違う世界の女性同士が、完全には分かり合えなくても、少しだけ手を伸ばせるみたいな静かな救いがあってよかった。
Posted by ブクログ
それぞれの登場人物の気持ちや調度品の描写(説明)が詳しく描かれているからこそ上流階級の閉鎖性(先祖の代から継承する「誰々知ってる」とか)や異常性がより伝わり大変素晴らしかった。随分前に見た映画も面白かったけど。世間のイメージでの上流階級はやっぱり慶應幼稚舎なんだろうけど、学習院バージョンも読んでみたい。笑
Posted by ブクログ
最高だった。ボンボン女と田舎の女が、男奪い合うんか…?って感じだけど、だよね!やっぱこのエンド最高だ。つまらない男のために自分を捨てないその姿、いけめんです。
Posted by ブクログ
東京松濤生まれの箱入り娘華子と、地方生まれの上京組美紀。家庭環境も育ちも異なり、普通だったら交わらない階層の2人が、華子の婚約者であり、美紀の腐れ縁である幸一郎を介して出会い、自分らしく生きることとはどう言うことなのかを模索する物語。
私は就職から上京組で、会社での交友を通し東京生まれ東京育ちの恵まれた階層の人たちとの自力でどうにもならない差に傷つくこともあり、美紀の視点の章は本当に胸が抉られる思いだった。
この本は、単なる階級差や泥沼恋愛をテーマにしてるのではなく、「女同士の義理」を通じて「自力で自分らしく生きる」ことへの希望を女性に見出してくれます。
今、自分軸で生きているかな?と自分自身に問いかけてみたいと思える本でした
Posted by ブクログ
初読み作家だがかなり面白い。
成金とは一線を画すホンモノである華子が苦労しながら婚活し、結婚、その後を描くストーリー。
私は社会人からの上京のため本当の貴族との接点はおろか見たこともないが、これだけ高く描かれている解像度から察するに本当に慶應内部生と言われるような無意識に狭い輪の中で生きる人がいるのだろうと思った。
婚約者の幸一郎の本音で語らず自分の都合の良きようにコントロールしようとする雰囲気や、上京して東京という土地に縋りつこうとした美紀の一挙手一投足にリアリティがあり、かつテーマがしっかりした一冊だった。
Posted by ブクログ
生まれつき松濤に住む上流階級で箱入り娘として何不自由なく成長し、「結婚=幸せ」と信じて疑わない華子。地方出身で猛勉強の末に慶應大学に入学し上京、しかし父親の失業で学費が続かず、夜の世界で働くも中退、自由に生きている美紀。すべて真逆の二人の女性が一人の男性(幸一郎)を巡り物語が展開してゆく。
華子は家柄のよい幸一郎と結婚するが、自分について興信所に調べさせたり、嫁いだ家の窮屈なしきたりや、政治家を目指す夫の姿に違和感を抱き、自分の意志で離婚を決意し、家を出る。
また美紀の半生を描く章では、慶應大学のキャンパス内で我が物顔で貴族のように振る舞う内部生たちを見てびっくりするシーンが印象深い。
実は僕も同じ経験がある。公立高校から私立の大学に入学した際に、入学した時からキラキラ大学生らしき集団の同級生がいた。彼ら(彼女ら)はいわゆる付属高校からの「内部進学」であり、既に洗練されていた。その際に、埼玉の田舎出身の自分とは違う世界の人種なのかなあと思ったことがあった。
家柄とか、学歴とか、職業など…人は無意識のうちに自分の格付けを意識して線引きをしているのかもしれない。そんなことをこの小説ではあらためて感じた。
また帝国ホテル、ホテルオークラ、パレスホテルなど都内の一流ホテルのシーンが何度も物語に登場するのが、上流階級の象徴であり、作者の意図をあらわしているのかなあ。
僕は幸いなことに、自分で言うのもなんだが中流の平凡な家庭に生まれ、育ってきた(と思う)。家柄とか格式とか特に関係なく、親が結婚相手に求める条件なんてものも無かったなあ。
もしも自分がこの物語に出てくるような上流階級の人間だったら…そう考えても無駄なことはやめておくか。でも、かえって不自由な毎日なのかなぁと想像するのは妬みなのかな(笑)
2021年に華子(門脇麦)、美紀(水原希子)の主演で映画化されたようだ。
Posted by ブクログ
この作者の本は初めて読みましたが、裕福な育ちなんだろうか。それとも上京して苦労した人なんだろうか。私はどちらでもないのに、描かれている様子がどっちの立場も目に浮かぶようなリアリティがあって面白かったです。アラサー女子のよくある婚活のお話かと思いきや、もっと深い、女性の幸せについて考えるお話だと思います。
Posted by ブクログ
すごく勇気をもらえる作品
女同士のドロドロとか、敵対とかそんなんじゃなく、女として生きる勇気を自然ともらえるような作品でした。
「女同士の義理」か。
Posted by ブクログ
前々から気になっていて、一度映像作品に手を出したけど途中離脱してハマらず、、
そうとくれば小説からいこうと手に取った。
想定していた物語とは全く違った。
育ってきた環境によって当たり前が違う、ということ。
それは歳を重ねるごとにより一層人間関係に否応にも影響することを実感する。
Posted by ブクログ
東京の由緒正しい家庭で生まれ育ち、生粋の箱入り娘の華子。田舎から上京し、苦労をしながらどうにか自分の足で踏ん張ってきた美紀。単純な二項対立の話のように聞こえるが、とても面白かった。
2人の主人公を取り巻く友人たちの描写もリアルで、女性なら誰しも共感できるポイントがあるはず。
歳を重ね、自身の見た目や取り巻く人や環境が変わっていっても、自分の持つもので幸せを見つけていきたいと強く思えた。
Posted by ブクログ
家柄も全てが整っているお嬢様と、大学で上京しても、金欠で大学を中退してしまった女性の2人が織りなすストーリーは、内容も濃く、物語の中に入りやすかったです。
全て整っているのに自立心が欠ける華子と、内部生に憧れからくるコンプレックスを抱えている美紀が、それぞれの無いものを抱えながら、1人の男に魅了され、それから自立していく様は、現在の女性の心情にも当てはまる部分が多いのではと思いました。
Posted by ブクログ
山内マリコさん、初めて読んだけど面白かった。
生まれる環境は選べないし、千差万別いろいろな生き方がある。
どうしたって変えられないものはあるけど、変えられるものの方がきっと無限で。それは自分次第で。
自分の生き方も考えさせられる一冊でした。
他の山内マリコさんの作品も読みたいな。
Posted by ブクログ
地方都市で生まれ育った自分から見る東京という街は、美紀の視点に近く、華子の立場から語られる上流階級の生活や価値観に触れて、住む世界が違うというのはこういうことかと感じた。限られたコミュニティで生きていれば視野が狭くなるのは当然だけど、そもそも、自分では選ぶことのできない生まれや育ちによって多くのものが形作られてしまうのは避けようもないことなのだと実感して複雑な心境になった。
その点、地方で育ち、一度東京に出て困難に直面してもそこで生活を続ける美紀のバイタリティは尊敬するし、素直な美紀らしい潔い生き方だと思った。
Posted by ブクログ
おもしろかったし、すごく読みやすい。
幸せそうに見える人でも、みんなそれぞれ何か抱えて生きてるんだなって改めて感じた。
美紀側の立場になったことがあるから、かなり重なっちゃって解像度高く読めた。
だからこそ幸一郎みたいな男って別にクズじゃないけど好きじゃない。なしなし!
Posted by ブクログ
婚活って焦るよな。
1人の男の人を巡って、2つの女性の視点から描かれていて、
婚活が題材ではあるんだけど、
慣れ親しんだテリトリーの中で生活している人(それが都会か田舎は別として)そこから出たくて憧れを持っている人の話でもあるなと。
自分の狭い範囲内が心地が良い人と、居心地が悪い人。
そして出たくても出られない人。
私は出たくてしかたなかった人。
大学の頃の私大特有の内部生と外部生とか、自分も近しいものを感じたなと思いながら読んだ。
Posted by ブクログ
積読してた本。
ついに自分もこういうの刺さっちゃう年齢になったなぁという感じ。
お金持ちの世界と地方から成り上がった人の世界が溶け込む狭間みたいな世界観の作品だった。
自立していく女性と、女性の自立を拒む女性という、結局男女の対立じゃなくて女性の対立という印象を受けた。
そこらへんの男よりも稼いじゃってるし、でも可愛がられたい乙女さも捨てられないジレンマと、結婚が当然な閉塞的な価値観とか、いろんなところで悩んでいた自分にドンピシャで刺さった。
積読して放置してたけど、本は自ずと向こうから読むべきとき時に来るのだなと思った。
結婚感と女性の社会進出の過渡期に苦しむ、全ての女性に捧げたい作品。
Posted by ブクログ
階級違いの女性たちのコンプレックスドロドロの戦いや葛藤や成長を期待していたが、女性の連帯からの解放と、思想強すぎて横転。物語というより社会の解像度をあげるためのレポートだが、やや誇張されたコテコテのキャラクターたちの生活のようすや悩みの描写はとても面白かった。
Posted by ブクログ
映画でも大好きな作品
育ちや環境が細やかに言葉になっているのが本当に素敵。
経済が安定しているからって楽では無い。
全く。
何度か読み直したくなるような小説
匿名
すごいお金持ちの人達の世界。本当のお金持ちの子供達は優しい子供が多い。のは、よくわかります。
心が汚れてないから純粋なんでいれる。けれど、どの立場にいても人それぞれ悩みがあるんですね。