ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
堀川次郎は高校二年の図書委員。利用者のほとんどいない放課後の図書室で、同じく図書委員の松倉詩門(しもん)と当番を務めている。背が高く顔もいい松倉は目立つ存在で、快活でよく笑う一方、ほどよく皮肉屋ないいやつだ。そんなある日、図書委員を引退した先輩女子が訪ねてきた。亡くなった祖父が遺した開かずの金庫、その鍵の番号を探り当ててほしいというのだが……。放課後の図書室に持ち込まれる謎に、男子高校生ふたりが挑む全六編。爽やかでほんのりビターな米澤穂信の図書室ミステリ、開幕!
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
著者が得意とする高校生活を舞台とした作品ではあるが、これまで著者が生み出してきたキャラクターとは全く関係がない作品となっている。 形式としては著者の得意とする短編集となるが、出版にあたっては全てのストーリーが通して読めるように書き下ろしも含まれている。Wikipediaの初出一覧を見ると、最初に配...続きを読む置されている「913」は2012年、最後の「昔話を聞かせておくれよ」が2018年と、かなり時間をかけて書き継がれてきたことがわかる。著者はデビュー当初に比べてかなり内省的な作風になってきているが、長い期間をかけて書かれた本作は、最初からやや暗いテイストがあるものの、全体としては爽やかな終わり方をする作品だった。 本作品の主人公となる堀川次郎と、その相棒役である松倉詩門は、所属する高校で図書委員という以外の共通点は何もない二人だ。その二人がふとしたことから日常の謎を一緒に解決するようになり、友情を育んでいくというのが本作の大筋となる。ただもちろん、著者のことだから、いわゆる青春小説のようにお互いが仲良く生活をして終わり、とはならない。男子高校生というには少し大人びている二人の、やはりそれでいてティーンエイジャーとしての関係性が、危うい橋を渡りながらもつながっていく物語となっている。 本作は図書委員といった舞台設定があるせいか、「本」がキーアイテムとなる短編が多い。例えば最初に配置されている「913」は、亡くなった祖父の財産を探すことを二人が手伝うという物語なのだが、その財産を見つけるためのヒントはズバリ「本」になる。とはいっても、本の内容そのものが手掛かりになるわけではなく、図書委員であれば日頃見慣れているであろう背表紙に貼るラベルがヒントになるというところが、ミステリーとしてのひねりどころだろう。ちなみにこの「913」は、著者の描いてきた高校生を主人公とした多くの作品の中で、最も苦い味わいを残す作品の一つだと思う。軽い気持ちで聞き始めたのに、最初から重いテーマが来て、これは一味違う作品だと見直すことになった。 また、他のシリーズと比べて本作の特徴としては、複数の短編のテーマとして「家族」が設定されているところだろう。米澤穂信の看板シリーズと言っていい<古典部>シリーズや<小市民>シリーズでは、意識的に家庭のようなものがほとんど描かれていなかったことに対して、本作では家族に関する悩みや出来事が、テーマの裏側として設定されていることが多いように見える。 そして、その「家族」というテーマが段々と色濃くなっていき、頂点に達するのが最後の一つ前の短編となる「昔話を聞かせておくれよ」と、一冊の本にまとめるにあたって書き下ろしとして加えられた「友よ知るなかれ」だ。バディものでは主人公のどちらかに、相手には言うことができない謎を抱えているというのはよくある流れだが、本作でもその王道が展開される。この二話は決して派手な話ではないのだが、主人公二人の心情とミステリーの謎がうまく絡み合って、著者としてはかなり会心の出来だったのではないかと思う。 また、書き下ろしで加えられた部分は、「昔話を聞かせておくれよ」で読者が引っかかるであろうところをちゃんと説明していて、ミステリーとしても完成度が高まっている。Wikipediaを見ると、どうやら続編があるらしいので、読んでみようと思う。
米澤穂信さん、間違いなくおもしろい。 古典部シリーズや小市民シリーズも昔から好きなんですが、この方は男の子同士の気安いけどどこかひりつく感じの緊張感書きたいんだろうなーと思う。男女間の恋愛というより、人間の些細な心の揺れや表現の仕方に敏感に反応して推理していく過程が緻密で面白い。日常系ミステリの最初...続きを読むに上がる書き手さんだと思うけど、この日常がまた曲者だとも思う。 高校生も、ふとしたことで日常に犯罪が潜んでる。巻き込まれないように、人間関係を損なわないように、意外と綱渡りに生きてる。図書委員なんて荒事からは切り離されてそうな役員にすら、そんなスポットが当てられる作家ってすごいと思う。
利用者が少なく、静かで寂しい高校の図書室。その貸出カウンターで静かに…いや、下らないことを言い合いながら業務をこなす図書委員の堀川次郎と松倉詩門。このふたりの元に、先輩から「開かずの金庫」を開けてほしいという依頼が舞い込みます。短編集の最初を飾るこの物語のタイトルは「913」。この数字が謎を解くヒ...続きを読むントになっているのですが・・。 高校生とは思えないキレキレでロジカルな思考、そしてふたりの人間性の違いが絡み合った、独特な信頼関係が癖になる面白さです。 ふたりの何気ない日常会話や言葉の違和感から、絡み合った糸がほどけていくように謎が解けていく爽快感と、読後に訪れるほろ苦い余韻が胸に残ります。 これまでの小説にはない、違った角度から謎にせまるミステリーです。
神 どっちも探偵だけど、ジャンルが違うってすごい新鮮だし、この人だからこそ書き分けられる心理描写というかキャラ分けというか、とにかく面白すぎ
著者、流石の青春ミステリ。 男子高校生・堀川&松倉コンビの関係性が深まるに連れ加速度的に面白くなる短編六編。 このコンビがホームズ&ワトソンではなくwホームズみたいなのが面白い。とはいえ2人は光と影。影が明かされる5→6章は特に秀逸。 闇堕ち目前の友に理想論と知りながら敢えてかける”勇気ある現状維持...続きを読む”の言葉に胸が締め付けられた。 こーゆー男同士の友情に弱い我。 ほんのりビターなのに爽やかな余韻と読後感が素晴らし。 引き続き図書委員シリーズ第2作「栞と嘘の季節」読みます。
堀川と松倉の会話が面白い! 自分が高校生の時はこんな頭の良い会話してないな…と思いつつ、二人の会話のテンポが良すぎてスルスルと読めました。
#笑える
図書委員の高2の僕(堀川)と松倉詩門の二人による探偵コンビ?様々な事件を紐解いて行く。 金庫、美容院、金曜とテスト問題、横書きの本、松倉の弟礼門、二人の絆。 教師の横瀬、先輩の浦上など「栞と嘘の季節」にも繋がる面々もチェック。二人の謎解きが楽しめる一冊!
高校生男子の友情というか会話の妙、良かったです 意外と散りばめられている謎的なものも楽しめました 軽く読めるのに雰囲気や奥深さを味わえます
図書委員の堀川と松倉のバディもの、高校の図書室と本にまつわる6つの短編ミステリー。人が死なないミステリーなので安心して読める。 堀川も松倉も平均的な男子高生に比べて思考が大人びていて、どことなく斜に構えた雰囲気。 この2人の関係性は一見踏み込みすぎずドライに見えるけど、常に互いへの信頼とリスペクトが...続きを読む感じられて心地良い。大小様々な事件を解決していく毎に少しずつ友情も深まっていく様子にほっこり。最終章の締め方が哀愁が漂うビターな空気で◎
2025/10/08 オーディオブック 面白かった!ビターな人間の闇も描かれてたし、硬すぎない文章、でもどこか切なさとか余韻を残す締めくくりといい、なかなかの好み。作家さんの名前は聞いたことあったけど、この人の他の作品も読んでみたいー!
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
本と鍵の季節
新刊情報をお知らせします。
米澤穂信
フォロー機能について
「集英社文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
〈小市民〉 春期限定いちごタルト事件(1)
氷菓 1巻
氷菓
米澤穂信と古典部
栞と嘘の季節
インシテミル
神様の罠
儚い羊たちの祝宴
「米澤穂信」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲本と鍵の季節 ページトップヘ