堀川次郎は高校二年の図書委員。利用者のほとんどいない放課後の図書室で、同じく図書委員の松倉詩門(しもん)と当番を務めている。背が高く顔もいい松倉は目立つ存在で、快活でよく笑う一方、ほどよく皮肉屋ないいやつだ。そんなある日、図書委員を引退した先輩女子が訪ねてきた。亡くなった祖父が遺した開かずの金庫、その鍵の番号を探り当ててほしいというのだが……。放課後の図書室に持ち込まれる謎に、男子高校生ふたりが挑む全六編。爽やかでほんのりビターな米澤穂信の図書室ミステリ、開幕!
Posted by ブクログ 2023年09月07日
めちゃくちゃおもしろい。
「913」で完全に心を掴まれてしまった。二転、三転、そうしてぞわっとするような真実が見えてくる。やっぱり、ミステリっておもしろいなあ。
「昔話を聞かせておくれよ」「友よ知るなかれ」の流れも好き。あっさり解決、とはいかない。
「やばいときこそ、いいシャツを着るんだ」
互い...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月12日
図書委員の高校生2人が謎ときをしていく話。
短編でサクサク読めるのに満足感がある。
謎解きのトリックや起点も凝っているかつ、どのお話も同じような推理や展開がなく楽しめる。
なのに、どのお話にも、本や鍵が重要な要素として出てくる。ほんとに凄い。
最初は単純な高校生らしい謎解きのお話だと思っていたが、...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月29日
メインの登場人物は2人。
バディものとしても読める本作だけど、
2人の関係はバディというにはまだ浅く、
高校生という事もあり、どことない距離感。
短編集かと思いきや、各編の出来事が確実に
伏線のように積み重ねられて、2人の関係は
変化しラスト2章の展開に繋がるので、
一作通しての読み応えもバッチリ...続きを読む