【感想・ネタバレ】本と鍵の季節のレビュー

あらすじ

堀川次郎は高校二年の図書委員。利用者のほとんどいない放課後の図書室で、同じく図書委員の松倉詩門(しもん)と当番を務めている。背が高く顔もいい松倉は目立つ存在で、快活でよく笑う一方、ほどよく皮肉屋ないいやつだ。そんなある日、図書委員を引退した先輩女子が訪ねてきた。亡くなった祖父が遺した開かずの金庫、その鍵の番号を探り当ててほしいというのだが……。放課後の図書室に持ち込まれる謎に、男子高校生ふたりが挑む全六編。爽やかでほんのりビターな米澤穂信の図書室ミステリ、開幕!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

堀川と松倉の距離感がたまらなく好き。
お互いに敬意を持つというか、認めている感じがいい。
会話中心で話が進むので非常に読みやすいし、ミステリ要素も楽しい。
暫くは他人に勧める時に真っ先に挙げると思う。

0
2025年12月09日

Posted by ブクログ

最初の女嫌いだったけど作者が俺と同じタイプだったぽくてスラスラ読めた
氷菓の人なんだね ダウナーな雰囲気がそれっぽいや

0
2025年12月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

米澤穂信先生の作品を初めて読みました。
読みやすく、かつ洗練された人間を中心としたミステリーで面白かったです。
2人の関係性についても、高校生という役柄でよい距離感でした。
最後の友達のままでいるという決心に安心した感想があります。

0
2025年12月01日

Posted by ブクログ

著者が得意とする高校生活を舞台とした作品ではあるが、これまで著者が生み出してきたキャラクターとは全く関係がない作品となっている。

形式としては著者の得意とする短編集となるが、出版にあたっては全てのストーリーが通して読めるように書き下ろしも含まれている。Wikipediaの初出一覧を見ると、最初に配置されている「913」は2012年、最後の「昔話を聞かせておくれよ」が2018年と、かなり時間をかけて書き継がれてきたことがわかる。著者はデビュー当初に比べてかなり内省的な作風になってきているが、長い期間をかけて書かれた本作は、最初からやや暗いテイストがあるものの、全体としては爽やかな終わり方をする作品だった。

本作品の主人公となる堀川次郎と、その相棒役である松倉詩門は、所属する高校で図書委員という以外の共通点は何もない二人だ。その二人がふとしたことから日常の謎を一緒に解決するようになり、友情を育んでいくというのが本作の大筋となる。ただもちろん、著者のことだから、いわゆる青春小説のようにお互いが仲良く生活をして終わり、とはならない。男子高校生というには少し大人びている二人の、やはりそれでいてティーンエイジャーとしての関係性が、危うい橋を渡りながらもつながっていく物語となっている。

本作は図書委員といった舞台設定があるせいか、「本」がキーアイテムとなる短編が多い。例えば最初に配置されている「913」は、亡くなった祖父の財産を探すことを二人が手伝うという物語なのだが、その財産を見つけるためのヒントはズバリ「本」になる。とはいっても、本の内容そのものが手掛かりになるわけではなく、図書委員であれば日頃見慣れているであろう背表紙に貼るラベルがヒントになるというところが、ミステリーとしてのひねりどころだろう。ちなみにこの「913」は、著者の描いてきた高校生を主人公とした多くの作品の中で、最も苦い味わいを残す作品の一つだと思う。軽い気持ちで聞き始めたのに、最初から重いテーマが来て、これは一味違う作品だと見直すことになった。

また、他のシリーズと比べて本作の特徴としては、複数の短編のテーマとして「家族」が設定されているところだろう。米澤穂信の看板シリーズと言っていい<古典部>シリーズや<小市民>シリーズでは、意識的に家庭のようなものがほとんど描かれていなかったことに対して、本作では家族に関する悩みや出来事が、テーマの裏側として設定されていることが多いように見える。

そして、その「家族」というテーマが段々と色濃くなっていき、頂点に達するのが最後の一つ前の短編となる「昔話を聞かせておくれよ」と、一冊の本にまとめるにあたって書き下ろしとして加えられた「友よ知るなかれ」だ。バディものでは主人公のどちらかに、相手には言うことができない謎を抱えているというのはよくある流れだが、本作でもその王道が展開される。この二話は決して派手な話ではないのだが、主人公二人の心情とミステリーの謎がうまく絡み合って、著者としてはかなり会心の出来だったのではないかと思う。

また、書き下ろしで加えられた部分は、「昔話を聞かせておくれよ」で読者が引っかかるであろうところをちゃんと説明していて、ミステリーとしても完成度が高まっている。Wikipediaを見ると、どうやら続編があるらしいので、読んでみようと思う。

0
2025年10月26日

Posted by ブクログ

米澤穂信さん、間違いなくおもしろい。
古典部シリーズや小市民シリーズも昔から好きなんですが、この方は男の子同士の気安いけどどこかひりつく感じの緊張感書きたいんだろうなーと思う。男女間の恋愛というより、人間の些細な心の揺れや表現の仕方に敏感に反応して推理していく過程が緻密で面白い。日常系ミステリの最初に上がる書き手さんだと思うけど、この日常がまた曲者だとも思う。
高校生も、ふとしたことで日常に犯罪が潜んでる。巻き込まれないように、人間関係を損なわないように、意外と綱渡りに生きてる。図書委員なんて荒事からは切り離されてそうな役員にすら、そんなスポットが当てられる作家ってすごいと思う。

0
2025年10月05日

Posted by ブクログ

利用者が少なく、静かで寂しい高校の図書室。その貸出カウンターで静かに…いや、下らないことを言い合いながら業務をこなす図書委員の堀川次郎と松倉詩門。このふたりの元に、先輩から「開かずの金庫」を開けてほしいという依頼が舞い込みます。短編集の最初を飾るこの物語のタイトルは「913」。この数字が謎を解くヒントになっているのですが・・。
高校生とは思えないキレキレでロジカルな思考、そしてふたりの人間性の違いが絡み合った、独特な信頼関係が癖になる面白さです。
ふたりの何気ない日常会話や言葉の違和感から、絡み合った糸がほどけていくように謎が解けていく爽快感と、読後に訪れるほろ苦い余韻が胸に残ります。
これまでの小説にはない、違った角度から謎にせまるミステリーです。

0
2025年10月05日

Posted by ブクログ


どっちも探偵だけど、ジャンルが違うってすごい新鮮だし、この人だからこそ書き分けられる心理描写というかキャラ分けというか、とにかく面白すぎ

0
2025年09月28日

購入済み

堀川と松倉の会話が面白い!
自分が高校生の時はこんな頭の良い会話してないな…と思いつつ、二人の会話のテンポが良すぎてスルスルと読めました。

#笑える

0
2024年02月01日

Posted by ブクログ

堀川と松倉の二人の図書委員が持ち込まれた色々な謎を解決するミステリー。
頭の動きのジャンルが微妙に異なる二人の天才が掛け合いをしながらお話が進行するため、テンポ良く話が進む。
個人的には何気ない一言から結末までが推理で導き出される「ロックオンロッカー」が一番好みだったが、どの話も面白かった。

ただ何というか、堀川と松倉は男子高校生っぽくないなと感じた。
自分や知り合いがそうだっただけかもしれないが、こんな本音を直接言葉で交わしはしないよなぁなどと思った。

0
2025年12月12日

Posted by ブクログ

2人の男子高校生の会話がとても良かったです。面白かったです。米澤穂信さんの作品は、緩やかな、日常的な会話だとか、することだとか、サスペンス的なこととは、関係ないかも〜とか思って飛ばし急ぎ読みしてしまうのですが、その、普通の会話を楽しみながら、ゆっくり読み進めると、最後に、伏線をちゃんと拾ってくれる感じです。続編も読みたいです。ゆっくりと味わって読みたいです。ナレーターもとても良かった❣️オーディブルは、自分とナレーターが合わないとちょっと読むのがムリな時ありますね。単に、自分の好みの問題ですが。耳から直接、入ってくるので。

0
2025年12月11日

Posted by ブクログ

氷菓と似たような感じかなと思ったが、松倉と堀川の掛け合いが妙に大人っぽくて読みやすかった。
意外と重めの話もあって、考察(本書でいうなら憶測か)も捗り読み応えがあった。

0
2025年12月07日

Posted by ブクログ

米澤先生の作り出す高校生はどうしてこうも魅力的なのか。安心して読んではいられない不安な感じにワクワクしてしまう。男子高校生2人が謎解く短編集。謎の答って良いことばかりじゃないよねって感じが良い!続編に続く。

0
2025年12月01日

Posted by ブクログ

図書委員の高2の僕(堀川)と松倉詩門の二人による探偵コンビ?様々な事件を紐解いて行く。
金庫、美容院、金曜とテスト問題、横書きの本、松倉の弟礼門、二人の絆。
教師の横瀬、先輩の浦上など「栞と嘘の季節」にも繋がる面々もチェック。二人の謎解きが楽しめる一冊!

0
2025年11月21日

Posted by ブクログ

高校生男子の友情というか会話の妙、良かったです
意外と散りばめられている謎的なものも楽しめました
軽く読めるのに雰囲気や奥深さを味わえます

0
2025年11月15日

Posted by ブクログ

図書委員の堀川と松倉のバディもの、高校の図書室と本にまつわる6つの短編ミステリー。人が死なないミステリーなので安心して読める。
堀川も松倉も平均的な男子高生に比べて思考が大人びていて、どことなく斜に構えた雰囲気。
この2人の関係性は一見踏み込みすぎずドライに見えるけど、常に互いへの信頼とリスペクトが感じられて心地良い。大小様々な事件を解決していく毎に少しずつ友情も深まっていく様子にほっこり。最終章の締め方が哀愁が漂うビターな空気で◎

0
2025年10月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

高校の図書委員の男子二人が、身の回りで起こる事件を解決していく日常青春ミステリ。

持ち込まれる謎は不穏な感触を持つ、舌に残る苦さが印象的なものばかり。
特に終盤の展開はシビアで、切なくなりました。

深く踏み込むことはせずに、相手を尊重して心地よい距離感を保つ二人の関係が素敵ですが、相手が闇落ちしそうな時はきちんと言葉の力で踏みとどめようとする。
尊いね…!

0
2025年10月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

二人の高校生が、日常の些細な出来事から、想定外の問題の発見と解決をしていく短編集。
何気ないシーンの一つの断片から、糸を手繰り寄せるように論理的に構築して問題解決に至る、二人の高校生の関係性もとても絶妙で、非常に緻密かつ繊細、丁寧に描写されている。おしゃれミステリーと名付けたい。
にしても高校生がそこまで社会に対して詳しいかねと少々疑問に思うところもあるがそこは目をつぶろう。

0
2025年10月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

米澤先生やっぱり大好きです!
「本と鍵の季節」というタイトルが良いですね。表紙もきれいなかんじで。ただ内容は結構ビターなかんじが多かったです。リアリティというか、そういう結末になるのか!とか、いつも通り楽しませていただきました。
言葉の選び方や話の展開の仕方が米澤作品は好きなんですよねー。ちょっと言語化はできないんですけど、テンポというかリズムというか……とにかく心地よいです。
男子高校生二人が主人公っていうのは結構新しいパターンだなと思いました!
「ロックオンロッカー」での美容師さんとの会話の「僕はそういうのは全然!」ループが個人的に面白かったです。たしかにああいう経験あるかも、と思ってしまいますよね。

0
2025年10月14日

Posted by ブクログ

2025/10/08 オーディオブック
面白かった!ビターな人間の闇も描かれてたし、硬すぎない文章、でもどこか切なさとか余韻を残す締めくくりといい、なかなかの好み。作家さんの名前は聞いたことあったけど、この人の他の作品も読んでみたいー!

0
2025年10月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日常系ミステリ大好物。
あんまり日常じゃなかったりもしたけど。でもどんどん引き込まれたし堀川も松倉もどんどん好きになっていった。最後に余白持たせる感じ苦手だと思ってけどこれはすき。

0
2025年10月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編で読みやすくて、面白かったからいっきに読んだ!
2人の距離感、人間性の違いがよかったな!
深入りしすぎない感じがいいんだけど、最後ちょっと気になる感じで終わったかな〜って感じ!
続編も楽しみ!

0
2025年09月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

小市民シリーズのアニメを観てから、青春ミステリをまた何か読みたい、と思っていたところ、栞と嘘の季節の文庫が出ているの見て、その前に短編集があるとのことで読んだ。青春。

0
2025年09月17日

Posted by ブクログ

堀川と松倉の距離感が良い。友達のようでそうでもないようで…。でもだんだんと信頼し合ってゆくのが分かる。
どの話も面白いミステリーだった。ちゃんと伏線があって、謎を解く鍵がちりばめられているので、謎解きも楽しめた。

0
2025年09月16日

Posted by ブクログ

図書委員2人の元に訪れる謎、それを解き明かすと現れる答えはかすかに苦く。一つ一つの短編を読み終わるにつれ堀川と松倉の性格や関係が見えてくるんですが、最後の話で松倉自身の謎が明かされ、これまでの経過を知るからこそものすごい余韻に襲われます。これは続編も買う。

0
2025年09月12日

Posted by ブクログ

堀川次郎と松倉詩門
図書委員で親友の二人が持ち込まれた事件や不思議を
解決していく

その過程で
感じる二人の考え方の違い

読後に感じる
切なさとほろ苦さそして希望

一人では解決できない
二人だからこそ
解決してきた不思議な事件

ずっと見ていたいと思う二人の関係だけど…

この二人の何気ない会話や
暇つぶしの会話が何となく好きだなと感じる

0
2025年09月01日

Posted by ブクログ

肩の力を入れなくてすむけれど、しっかりとミステリーとして、伏線が散りばめられた連作小説。
図書委員の男子高校生二人の距離感が絶妙で、熱くもなく、冷めてもいない友情が心地よい。
そして最後の2話では、これまでとは違った二人の話が展開する。青春小説としても読み味が良いと思う。

探偵役は基本的に松倉なのだが堀川も賢く、賢い二人のやり取りはロジックが整っていて気持ちがいい。
また、取り上げる謎もこれまで読んだミステリー小説とは違った視点で新鮮だった。
図書委員だが、いわゆるビブリオ系ミステリーとはちょっと違う。本が主役になることはないので、マニアックな本の話が出ることはないのもよかったと思う。

0
2025年08月31日

Posted by ブクログ

出版社はこの作品を「爽やかでほんのりビターな米澤穂信の図書室ミステリ」と紹介するのはどうかと思う。まあそれは置いておくととても面白かった。自分が米澤穂信の書く日常学生ミステリーが好きだということは知っていたが、さらに男性キャラクターが好きだということに気付かされた。小市民、古典部どちらも読んでいるが松倉、堀川ペアは福部、折木ペアに並んで好きだ。キャラクターはあちらのほうが立っているがこの2人なんと言っても自分の水に合う。読んでいてストレスがない。会話が淀みなく頭に入ってくる。少々嫌味な所はあるがいつも通りなので目をつむりとする。ストーリーではミステリである以上何かしらの謎があり、その謎解きを迫られるということは(著者の主人公は積極的な謎解きはしないので)その先に何かしらの変化がある。この作品で言えば松倉の父親であり、浦上家のお家事情だ。おれは浦上さんが今作のヒロインだと思っていたんだぜ…なのに…なぜ…家族ぐるみでジジイ騙して金掻っ攫おうとしてんだ…いつか著者の学生日常ミステリで落ち着いてキャラクターの会話劇を楽しみつつ些細な謎解きを楽しみたいものだ。(氷菓の「女郎蜘蛛の会」とか「心当たりのあるものは」みたいな…)

0
2025年05月22日

Posted by ブクログ

 日常の謎を解く短編集なので、一編ごとに気軽に読める。主人公の高校生2人も、素直で真っ直ぐな堀川と、どこか陰があり斜に構えている松倉のコンビが魅力的。

0
2025年12月07日

購入済み

主役は図書委員の堀川と松倉の2人。
探偵と助手に役割が分かれているのかなと思ったが、どちらも探偵として推理を働かせていく。しかし、それぞれの性格や信条のため、違うアプローチや見方をしている。
その2人が積み上げていく推理シーンは、読む手が止まらなかった。

#深い #ダーク

0
2022年01月17日

購入済み

人間の暗い部分を感じました

高校生を主人公にした話ながら、そこには人間の裏が見られます。気軽に、明るく楽しい感じのものではなく、重く暗い気分にもなります。好みが分かれるかもしれません。

0
2021年12月18日

Posted by ブクログ

米澤穂信さんの新刊。発売からあまり間を置かないで中古本屋で見つけることが出来た。

高校2年の図書委員、堀川次郎と松倉詩門に持ち込まれるあるいは遭遇する謎解きの話。
図書委員というだけに「本」にまつわるお話に加えてタイトル通りに「鍵」が出てくる。通勤電車の片道で読み終えるか終えないかという長さのお話が6つ。
どの話も巧みな話の運びで楽しめるが、堀川の『これが答えかと思い至ると、場の状況も考えずにその答えとやらを口走ってしまう癖』と松倉の『ほどよく皮肉屋』のところが相俟って、いずれも謎が解けたスッキリ感よりも、それによって明らかになったことへのちょっと苦い感じのほうが勝る。
最後の話はとりわけそれらが強調された話だが、ひとつ前に一度終わった話が、そこにあった明らかに誰もが気がつくおかしな点からまたガラリと様相が違った話に仕上げられたとともに、苦さだけでなく、二人の心情に寄り添った結末になったところが良かった。

0
2025年09月14日

Posted by ブクログ

主人公達が普通の高校生であるため、事件ももうちょっと現実感があると良かったのになと思った。最初の事件からこんなのある?という感じで入り込めなかった。

0
2025年09月22日

Posted by ブクログ

ジャンル違いに聡くて、方向性の違う"いいやつ"な2人のバランスが良かったです
さくさく読み進められました
次作も手元にあるので早速読みたい

0
2025年09月10日

ネタバレ 購入済み

本と鍵の季節

7月30日 読了

ここ数日 がっつり本を読む時間がとれなくなっていたので
さくっと読める短編物ということで

どの物語も本が鍵となるお話です

0
2024年08月08日

「小説」ランキング