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Posted by ブクログ
こんなにも胸糞悪さと切なさが同時に襲ってくる作品は中々ないと思った。
昔に比べ広く世間から認知されている性的嗜好がある一方、物語に登場するぺドフィリアのようなマイノリティは犯罪者予備軍として扱われる。
善悪で片付かない難しいテーマを読みやすく多視点で捉えながら物語に落とし込む作者にとても惹かれた、他の作品も読んでみたい。
苦しみから自暴自棄になりタブーを犯した男性が人生を振り返るシーンが印象的だった。
越えてはならないラインは明確にある。しかしどこで道を間違えたのかは分からない。分岐点の先は結局同じ結末の様な気がして苦しくなった。
文庫本は物語に奥行きを持たせる残酷なエピローグ付き。エピローグっていつもおまけ感覚でわくわくしながら読んでいたが、本書は読後に深い溜息が出た。やはり価値観は他人が押し付けるものではない。
気持ちは沈むけれど読んでよかった作品。
Posted by ブクログ
あなたが好意を寄せている相手に関して、その気持ちを社会的に表出したり、相手に好きだと伝えたりすることは法律的にも倫理的にも許されません。
そんな状況想像できるだろうか?
この作品は小児性愛をテーマにしている。
人としてのタブーを忌避するというだけの内容では無く、その奥には人間の生き物に対してのもっと本質的な問いかけがある、そんな作品。
子供しか愛することができないという登場人物の物語であるが故に、子を持つ親はもちろん、おそらく大半の人にとって胸糞の悪い描写が多い。
だがそれは別世界の話だと簡単に片付けられるようなものではなく、子供が巻き込まれる犯罪が頻発する昨今の状況を考えれば、決して自分と無関係な世界の話では無いなとも感じる。
人は生まれ持った自分の性質を選ぶことはできない。
朝井リョウ氏の「正欲」などでも触れられているが、小児や動物、ひいては生き物ですらないものに欲を覚えてしまう人々にとって人生というものは、生きづらいという一言ではすませないような「どうして自分はこんな風に生まれてしまったんだろう」という懊悩を一生抱えて生きる生き地獄のようなものなのかもしれない。
この作品では、子供に対する欲望を自覚しながらも「踏みとどまれなかった側」と「辛うじて踏みとどまることができている側」という、似ていながらも対極の位置に立つ二人の人物が描かれているのも印象的だ。
自分にとっての当たり前が、当たり前ではない人々がいる。
普段あまり考えることがなく、触れることのない内容だが、確かに社会には存在している世界。
色々と考えさせられた一冊。
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