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Posted by ブクログ
不穏なタイトルなので、ホラーかサスペンスか?と思いながら読み始めた。
序盤はややホラー味があるがそこまで怖いわけではなく(ちなみに日本的なじっとり系)章が変わって謎解き要素が加わるがそれもメインというわけではなく…プラス社会派要素と微妙にBL要素、という感じ。
主人公はカメラマンの仁科春樹。ある日パワースポットの取材でライターの原田とともに四国の山中にある神社を訪れた。
その帰り道に迷い、大雨に見舞われ、おまけに原田が足を怪我して、山中にぽつんと現れた古い民家で一晩世話になることになった。そこで1人暮らす老婆は、その家の人間ではなく、管理を任されているのだという。
その夜仁科は何度か恐怖体験をして、まんじりともしないまま朝を迎える。そして無事帰京したのだが、その後縁もゆかりもない「新」という両腕のない美しい青年の身元引受人となることになり…
中村明日美子さんの美しい装丁は、両腕のない美青年「新」の絵。閉鎖的な環境で育てられた彼は、常識や社会性などとは無縁の生き方をしていたため、とても自由で自己肯定感も高い。
仁科が新を引き受けることになったのには、新が巻き込まれた悲しい事件と過去が関係するのだけど、新から悲壮感のようなものは一切感じない。
色んな要素が絡まっているため、あとは実際読んでいただいて…という感じなのだけど、仁科たちが迷い込んだ「小谷西村」がどうして「コゴロシムラ」と呼ばれるようになったのかなど、ストーリーの組み立てはしっかりしていた。
そこに新の中性的で危ういな魅力が加わった不思議な世界観の小説だった。
色んな要素はあるけどごちゃごちゃしていなくて読みやすく、悲劇的なストーリーなのに未来を感じる面白い読後感でした。
Posted by ブクログ
カメラマンの男がいわくある山奥の神社へ取材に訪れる。道に迷い、古い民家に一泊させてもらうことになる。
その民家の夜はホラー風。そして、カメラマンは、夜の庭で美しいヒトの幻影のようなものを見てしまう。
そして、この美しいヒトは、中村明日美子さんの装画でご想像いただけます。
山村の風景から怪談風に進むのかなと思わせて、ミステリーへ、しかも社会派っぽい。
木原さんは、各作品で、純粋というか無垢な人をストーリーの中心に持ってくるのだけど、作品ごとその無垢さの種類を変えてきて、楽しませてくれる。今回は、四肢欠損症の美しい青年。社会から隔離されて生活してきたのに、突然放り出された俗世間で、飄々と生き始める。美しいは、正義。
Posted by ブクログ
シートの中で目が覚めた新視点になった途端、は?なにこれ?うわぁ木原音瀬ワールドきました!って感じで読む手が止まらなくなり一気読みして、また読み返してるところです。
中村明日美子先生の表紙とても美麗で、新が出てくると何度も確認のために見てました。悲惨な境遇なはずなのにあまりそれを感じさせない。性別不明的なコケティッシュなシュールというかなんとも表現しがたい不思議な魅力、強烈に惹かれます。
解説で仁科を甘美な蜘蛛の糸に惹かれた虫に例えられてましたが、読者である私もすっかりも捕らえられてしまいました。新と絡め囚われた仁科の、その後の話をあともう1冊分くらい読みたい。
木原音瀬先生ならではのなんとも言えない終わり方、余韻もたまりません。ショートストーリーも大好きで何度も読み返してはにやにやしてます。
Posted by ブクログ
ホラーと思って読んだら、違うものだった。
どちらかというと、ミステリー?
あとヒューマンドラマ
かすかなBL
木原音瀬先生のヒューマンドラマに毎度引き込まれる。
小説を読むたびに、人間は欲深く愚かと思う。
この本もそう。
序盤の後輩と、心霊現象に巻き込まれるシーンあたりは、退屈だなぁと思っていたが、中盤からグイグイ引き込まれて、読み終えた。
ホラー目当てで見ると、違うと思う。
あっさりそこら辺は終わる。
コゴロシムラの噂を解き明かしていく、紐解いていくのがメインの話。
そして、新と仁科のことが描かれる。
木原音瀬先生の描く、無垢な人間大好きなので、もちろん新が可愛くてしょうがなかった。
コゴロシムラの真相はすべて暴かれたし、いい終わり方だったと思う。
仁科と新くんにとっては、幸せな終わり方で良かった。
読後感さっぱり。
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