人形たちの白昼夢

人形たちの白昼夢

605円 (税込)

3pt

声が出なくなってしまった私は、見知らぬ相手からの招待状に誘われ、レストランを訪れる。給仕人にうながされ料理を口にすると、さまざまな情景が浮かんできて――。(「スヴニール」)荒廃した世界。空爆から身を潜め、不思議な「声」に導かれて目を開けると、自動機械人形(オート・ドール)が現れた。豪奢で美しい、暗殺用の人形に連れられて向かった先には――。(「リューズ」)『魚神』『男ともだち』の著者が贈る、リアルと幻想が溶けあうような12のショートストーリー。

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人形たちの白昼夢 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年01月06日

     美しさを究極にまで言語化すると、この小説みたいな感じになるんだろうなと思う。美しさと絶望は、少し似ている。
     また作中には、美しいものを愛する者たちが多く登場する。「美しさを愛する」と言えば聞こえは良いけれど、それは、そうではない世界が受け入れられない潔癖さをも意味する。決して生き物として強いとは...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年10月30日

    美しいものはなぜ哀しいのか
    全ての話が美しく刹那的でほんのりと哀しい顔を持っていた。
    静かで優しい夜のようなお話。寝る前に優しい灯りの中で読むのがぴったり

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    Posted by ブクログ 2023年10月14日

    もう10年ほどの仲になる、わたしの根幹を開けっぴろげにしてみせているほど、文芸的な意味で信用している友人から、どっさりと荷物が届いた。その殆どは文具であったが、ひときわ異様な妖しさを放っていたのはこの本だった。
    わたしは他人から本を贈られたことがない。本が好きだと公言してはいるが、「もう持っているか...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年09月25日

    全ての編が全く異なるお話で楽しめた
    どの短編もとても壮大な物語の中のたった一部分のような気がしてこの短編の超長編作品を読みたい
    千早さんはなぜこんな想像もつかない世界を言葉に表せるのだろう
    中でもお気に入りは『ビースト』というもののけ姫を凝縮したようなお話
    何度でも読み返したい

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    Posted by ブクログ 2023年09月24日

    どうしてこの本を手に取ったのかはもう思い出せないのですが(この本が先だったのか、透明な夜の香りが先だったのか)私が「物視点萌え」を拗らせた原因になった本です。

    1話数ページの短編集。こことは違う世界かもしれない、不思議で美しく独特な輪郭の短編集。

    好きなのは「スヴニール」「ビースト」「ワンフォー...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年11月15日

    「青」「人形」がキーワード。あとは「金色」ときどき「赤」。

    帯に書いてある通り、「ここではないどこか」の物語。
    ありえない。けどありえそうな 現実のようなファンタジーでした。

    全ての物語が繋がっているようで繋がっていない。繋がっていないようで繋がっている。

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    Posted by ブクログ 2020年07月16日

    12の短い物語には人形と青いリボンが必ず登場するけれど、時も、場所も、人も違っていて、様々な人としての残酷さとか尊厳とか、人生の悲しみや面白味などを浮かび上がらせてきます。青のリボンと対象的に血の色である赤も印象に残ります。どの物語も余韻が残ります。焼け野原になってしまった残骸の中からキラリと光る透...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年06月27日

    美しく、力強く、儚い物語。

    美しい文章に溺れる体験ができる。

    ショートストーリーだが、それぞれの物語で人形、青い眼といった共通のモチーフがあらわれる。

    人形はまさに人の形をしている。
    そこに人間はさまざま感情を投影したり、同一視したり、時には攻撃性を向ける。

    この物語の人間たちはどこか失感情...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年12月10日


    千早茜さんがインタビューで言っていた。
    エッセイでは本当の自分を全て書けない
    小説の方が(もちろん、全て本当の自分ばかりではないけど)本音の部分を描き入れる事ができる、と言うようなお話しでした。

    千早茜さんの作り出す、透明感のある世界は
    幻想的であり 清々しい。
    深い心の奥底の方に溜まっているも...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年11月05日

    美しい短編集。得も言われぬ世界観の短い話たち。
    記憶の奥底に大切にしていた美しい情景が、それぞれの世界を形作っている。
    安部公房や村田沙耶香、小山田浩子、多和田葉子など、ディストピア小説は、特に海外で高い評価を得ることが多いが、この作家も今後注目されるんじゃないか。

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