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フロス河の水車小屋
運命の激流、許されぬ恋、新訳決定版 19世紀半ば、セント・オグズの町はずれを流れるフロス河と、代々受け継がれてきた水車の周辺を庭にして、トムとマギーは育った。お転婆な妹を兄がからかい仲よく遊ぶ牧歌的な生活は、父がある裁判に負けたことから一変。マギーは質素な禁欲生活を送るようになるが、やがて兄の元学友で父の宿敵の息子フィリップや大好きな従妹の婚約者スティーヴンに出会ったことから、運命がさらに大きく動き出す……。 本書は、夏目漱石が読むべき英国女性作家に挙げ、プルーストやヴァージニア・ウルフなど後の欧米文学に大きな影響を与えた作家の、最も自伝的とされる作品である。マギーに投影される著者の膨大な教養は、既訳書では長い訳註つきで物語が分断される形で紹介されることが多かったが、本書では生き生きした描写、脚注なしでスムーズに読め、心に深く響く。激しく切ない愛の物語、新訳決定版。 -
回復する人間
ノーベル文学賞受賞作家による珠玉の短篇集 大切な人の死や自らの病、家族との不和など、痛みを抱え絶望の淵でうずくまる人間が一筋の光を見出し、ふたたび静かに歩みだす姿を描く。 『菜食主義者』でアジア人初のマン・ブッカー国際賞を受賞し、『すべての、白いものたちの』も同賞の最終候補になった韓国の作家ハン・ガン。本書は、作家が32歳から42歳という脂の乗った時期に発表された7篇を収録した、日本では初の短篇集。 「明るくなる前に」:かつて職場の先輩だったウニ姉さんは弟の死をきっかけに放浪の人になる。そんな彼女を案じていた私に3年前、思わぬ病が見つかる。1年ぶりに再会した彼女が、インドで見たというある光景を話してくれたとき、小説家の私の心は揺さぶられる――ウニ姉さんみたいな女性を書きたい、と。 「回復する人間」:あなたの左右の踝の骨の下には穴があいている。お灸で負った火傷が細菌感染を起こしたのだ。そもそもの発端は姉の葬儀で足をくじいたことだった。ずっと疎遠だった姉は1週間前に死んだ。あなたは自分に問いかける。どこで何を間違えたんだろう。2人のうちどちらが冷たい人間だったのか。 大切な人の死や自らの病気、家族との不和など、痛みを抱え絶望の淵でうずくまる人間が一筋の光を見出し、再び静かに歩み出す姿を描く。現代韓国屈指の作家による、魂を震わす7つの物語。 [目次] 明るくなる前に 回復する人間 エウロパ フンザ 青い石 左手 火とかげ -
戦争の犬たち【上下 合本版】
独裁者が恐怖政治を敷く西アフリカの新興国に、世界をゆるがすプラチナ鉱脈がある――。その情報を知ったイギリス大資本の会長ジェームズ卿は、ある陰謀を思いつく。ほどなくパリに住む傭兵シャノンのもとへ卿の使者が送られた。巨額の報酬と引きかえに提示された依頼は、軍事クーデーターをおこし、大統領を抹殺することだった。経済格差、東西の対立、独裁など、虚実交えて世界の情勢を見事に昇華させた巨匠フォーサイスの真骨頂。1981年に刊行された文庫に、新たに校正を加えた形で電子版のみ発売。 ※本作品は『戦争の犬たち』シリーズ全2巻を収録しています。 ※本商品は1冊に全巻を収録した合本形式での配信となります。あらかじめご了承ください。 -
人質の法廷
法治国家の欺瞞を暴くリーガルサスペンス! 駆け出し弁護士・川村志鶴のもとへ、突如、当番弁護の要請が入った。荒川河川敷で起こった女子中学生連続死体遺棄事件――遺体には証拠隠滅のため漂白剤がまかれ、冷酷な犯人像が推測された。容疑者には被害者の中学校に侵入し、逮捕された過去があったが、断じて犯行には関与していないと志鶴に訴える。警察による自白強要が疑われた。 志鶴が刑事司法を志した背景には、高校時代の友人のバイク事故死がある。自動車運転過失致死と処理されたが、彼女は冤罪を疑っている。そんな過去を持つ志鶴は、依頼人の潔白を晴らすため奔走する。 そこに立ちはだかるのは起訴有罪率が99・9%という現実だった。逮捕イコール犯人という世間の目。「人質司法」とも称される長時間勾留で有利に捜査を進めようとする警察・検察。共同弁護を務める先輩すら有罪前提の弁護方針を説き始めるなか、孤立無援の志鶴は依頼人を救い出すことはできるのか――? 構想・取材期間8年に及ぶ超弩級リーガルサスペンス。 -
マーティン・イーデン
絶望の青春──ジャック・ロンドン自伝的物語 20世紀初めのアメリカ西海岸オークランド。若い船乗りマーティン・イーデンは、裕福な中産階級の女性ルースに出会い、その美しさと知性に惹かれるとともに文学への関心に目覚める。生活をあらため、図書館の本を読み漁り、独学で文法と教養を身につけたマーティンは作家を志し、海上での体験談、小説や詩、評論を次々に書いて新聞や雑誌に送るが一向に売れず、人生の真実をとらえたと思った作品はルースにも理解されない。生活は困窮し、絶望にかられ文学を諦めかけたとき、彼の運命は一転する。 理想と現実の狭間で闘い続ける若者の孤独な栄光と悲劇を、自らの体験をもとに圧倒的な熱量で描くこの小説は、多くの作家や芸術家に影響を与え、読者の心を揺さぶり続けてきた。一世紀前の主人公の苦闘は、苛酷な格差社会の入口に立つ現代の若い読者にも切実に受け止められるだろう。 -
吉田満 戦艦大和学徒兵の五十六年
死者の身代わりの世代 吉田満『戦艦大和ノ最期』が刊行されて半世紀以上が経過した。同書は、吉川英治の勧めで僅か「一日を以て」書き上げられ、小林秀雄に見出されて『創文』創刊号に掲載されるも、占領軍によって発禁処分となった衝撃の初出から今日まで、絶えることなく読み継がれてきた戦争文学の不朽の名作である。 狭義の文芸の世界にとどまらず、組織人にとりわけ愛読されたのは著者の来歴が大きい。 吉田満は1923年生まれ。府立四中、東京高校、東京帝大法学部とエリートコースを歩むが、太平洋戦争末期、学徒出陣に伴い海軍に入隊。少尉として戦艦大和に乗り込み、大和を旗艦とする第二艦隊の沖縄特攻作戦、「天一号作戦」に参加し、奇跡の生還を果たす。この記録が『戦艦大和ノ最期』である。 戦後は日本銀行に入行。ニューヨーク事務所や人事課長といった要職に就き、考査役、政策委員会庶務部長、局長を経て、監事にまで登り詰めるが、この監事在職中に56歳で急逝した。 戦後、鶴見俊輔、江藤淳、加藤典洋らによって論じられてきた吉田。本書は「キリスト者」吉田に力点を置きながら新事実によって新たな吉田像を模索する試みである。戦中派の死生観の内奥へ。 -
世界で勝てない日本企業 壊れた同盟
【カルロス・ゴーン、衝撃の脱走後、初の著書】 日産の問題は、日本の問題。 カルロス・ゴーン事件が投げかけたのは、実は日本企業の本質を深く抉ったものだった。 日本の本質的な問題は太平洋戦争のときから何も変わっていないー。 なぜ日本企業は世界で勝てないのか? なぜ同盟関係は壊れてしまったのか? 本書で明かされる日産の陰謀・人質司法・サディズムな裁判官…。 「地獄にいた私は決行することにした。もし作戦が成功すれば人生を取り戻すことができる」 序章 第1章 一一月一九日 第2章 冷たい地獄のような小菅 第3章 "日本版"モスクワ裁判 第4章 なぜ? 第5章 譲歩 第6章 アライアンスのふたつのビジョン 第7章 龍と舞い、熊と踊る 第8章 アメリカン・ドリーム 第9章 なんとしてもグローバリゼーション 第10章 どうやって世界一になるか? 第11章 人的資本 第12章 偉大な経営者たちの市場 第13章 明日 エピローグ(現在のところは) -
【合本版】レッドスワンサーガ
私立赤羽高等学校サッカー部『レッドスワン』。新潟屈指の名門は崩壊の危機に瀕し、選手生命を絶たれた少年、高槻優雅は為す術なくその惨状を見守っていた。 しかし、チームが廃部寸前に追い込まれたその時、救世主が現れる。新指揮官に就任した舞原世怜奈は、優雅をパートナーに選ぶと、凝り固まってしまった名門の意識を根底から変えていく。 誰よりも〈知性〉を使って勝利を目指す。新監督が掲げた方針を胸に。 『絶命』の運命を覆すため、少年たちの最後の闘いが今、合本版でも幕を開ける。 ※本電子書籍は、『レッドスワンの絶命 赤羽高校サッカー部』・『レッドスワンの星冠 赤羽高校サッカー部』・『レッドスワンの奏名 赤羽高校サッカー部』・『レッドスワンの飛翔 赤羽高校サッカー部』・『レッドスワンの混沌 赤羽高校サッカー部』・『レッドスワンの死闘 赤羽高校サッカー部』・『セレストブルーの誓約 市条高校サッカー部』全7巻を収録しています。 ※本商品は1冊全巻を収録した合本形式での配信となります。あらかじめご了承ください。 -
『石球城』殺人事件
ミステリはここまで来た。 驚愕、反転、感動の”解決篇” 13の密室、13のトリックーー 『神の光』の北山猛邦が挑む、 本格ミステリの最高到達点(トップ・オブ・トップ)! 凍てつく世界を旅する少年・ルーサは壁で囲まれた城塞都市・石球城に迷い込む。無数の石球が散らばり、永遠に夜が明けない閉ざされた街(クローズド・サークル)は、九人の王が支配し、十三の灯台とそこに住む巫女によって保たれていた。自身の正体を知るため、ルーサは“世界の果て”を目指す少年・ロメリアと、巫女・カヮクの灯台を訪れるが、待っていたのは密室首切り死体。巫女殺しの疑いをかけられたルーサは犯人を捜索するが、今度はべつの巫女が密室首切り死体として発見されーー。 連続巫女殺しの犯人は? 「石球城」の驚愕の真実とは? 滅び行く世界で、“真実”だけが眩く光る。 【担当編集者コメント】 ミステリが好きでよかったーー原稿を読んだときの素直な気持ちです。『神の光』でミステリ界を席巻した北山猛邦さんの「城」シリーズ、21年ぶりの新作です。終末世界で起こる殺人とド派手なトリック。1作ごとに物語は完全に独立しており、共通点は「本格ミステリであること」のみ。稀代のトリックメーカーが演ずるのは、ミステリ史に残る“奇跡(マジック)”。ご堪能ください。 ――亥(メフィスト編集長) -
少女Aが消えたとき
千葉県美浜市のスーパーマーケット駐車場から、十四歳の少女が行方不明になった。誘拐・連れ去りの恐れから情報封鎖が実施されるが、報日新聞の記者「事件持ち」こと永尾は、ある手がかりを基に少女が姿を消したことをつかむ。県警幹部との取引で誘拐の報道をしないと約束する永尾。だが、この事件の報道を巡り支局内でトラブルが巻き起こる。一方、県警は同時刻に駐車場にいた前科のある人物を誘拐の容疑者として絞り、捜査を進めるが、県警捜査一課の刑事・津崎はその見立てにかすかな違和感を感じていた。少女が消えた理由とは? 警察と報道の存在意義とは? 事件を追う執念とあまりに切ない真相が心を飲み込む、一気読み必至の社会派ミステリ。 -
練馬純情伝
「泣きそうなときは、宇宙(そら)を見るのだ」 「マガジン」も「ジャンプ」も奴らがいたから今こんなに面白い! 夢がみんなを駆動させた昭和40年代 実話に基づいた漫画家の卵たちの青春物語! 「夢に真摯に向かう姿って、こんなに泥臭くてかっこいい! 心の中で何かがキラキラした気がしました」 須原屋 ビーンズ武蔵浦和店 岩谷 妙華さん 世界に愛される「マンガ」 その一歩をつくった若者たちの泣き笑い青春ドラマ 手塚治虫、トキワ荘世代に続く、スター漫画家の登場前夜。 花森ミチオは、23区の西のはしっこ練馬でアシスタント生活を送っていた。 先生は、人気少女漫画家・牧村美弥子と、独特な作風で30歳を前に燻っている柿本あきら夫妻。 漫画漬けの日々をがむしゃらに生きる青年は、デビューの夢をつかむことができるのか? 明日は今日よりいい日になる 夢追うミチオの物語は、きっとあなたを熱く、幸せにする! -
2222
宝塚歌劇団月組・風間柚乃主演ショートドラマ原作小説!ドラマ版の特製ビジュアル帯で展開! 企画には、風間柚乃自らが参加。 「猫弁」シリーズの大山淳子が完全オリジナルで書き下ろした、SF転生ものがたり。 ――人工知能が奴隷化され、一部の強者が世界を支配する未来の地球。 悪の人類から善良な人々を守るために、三体のロボットが造られる―― 人気SF『2222(クアッドツー)』の作者風乃(かぜの)夕(ゆう)は、実家の子ども部屋でずーっと仕事に没頭し続ける コミュ症&ひきこもり漫画家。 「目覚めろ! 風乃夕!」。誕生日前夜、睡眠不足でベッドに倒れこみ、 目を開けると、そこには自分の描いたキャラクター・京(けい)が仁王立ちしていた。 ひきこもり漫画家が、遥か未来で人類を救うヒーロー(人工知能AI)に転生!? キュートで心温まるSFストーリー。 -
英雄の輪 -HERO’S ISLAND Another Story-
9月19日映画公開決定! 大友啓史監督×妻夫木聡主演、『宝島』 第160回直木賞、第9回山田風太郎賞、第5回沖縄書店大賞3冠受賞の作品、待望の続編! 「戦争は終わった。わたしたちの戦いはまだ終わらない」 あの島の「英雄たち」は奪われたものを取り戻し、力の限り生き抜いた。 彼らの「戦果」はひとつじゃなかった。 沖縄の芸能の祖と終戦を描く「ブーテン」 コザのAサインを舞台に「25セント」 迷宮入りした現金強奪事件「五つ目の石」 文化の交差点の劇場で「アーニーパイルで逢いましょう」 家族にはいろんな形があるさ「家族の唄」 1978年、沖縄がひっくり返った大騒動「ナナサンマル」 時代も年齢も多種多様な「戦果アギヤー」の姿を描く6つの「宝」のはなし。 -
ハルビン
1909年10月26日、ハルビン駅。伊藤博文に凶弾を放った安重根――それは英雄でもテロリストでもない、悩める青年だった。大地主の家に生まれるも勉学よりも狩猟を好み、義兵部隊は日本人捕虜を解放したことでクビ。やり場のない怒りを抱え、凶行へと駆り立てられた青年の姿を描く、歴史小説の第一人者による話題作。 -
「憧れの作家は人間じゃありませんでした」合本版
文芸編集者2年目の瀬名あさひは、憧れの作家・御崎禅の担当となる。映画好きで意気投合するものの、彼は実は吸血鬼であり、人外の存在が起こした事件について、警察に協力していることがわかる。捜査より新作原稿を書いてもらいたいあさひだが、警視庁から様々な事件が持ち込まれる中、御崎禅がかつては人間であったこと、そしてそこに秘められた悲しい過去を知っていく……。 「憧れの作家は人間じゃありませんでした」1巻~4巻をノンストップで楽しめる合本版! ※本作品は『憧れの作家は人間じゃありませんでした』シリーズ全4巻を収録しています。 ※本商品は1冊に全巻を収録した合本形式での配信となります。あらかじめご了承ください。 -
地球からの手紙
“キリスト教と性”をテーマとした表題作は、「大天使」サタンに擬し、人間のもつ偽善性を赤裸々に描く。「アダムとイヴの日記」は、「創世記」にヒントをえてトウェインの女性観を披露した作品。「クリスチャン・サイエンス」は本邦初訳。 -
「マジシャン」シリーズ
タダでカネを倍にしてくれる人がいる! という怪しげな噂に大規模詐欺の臭いを嗅ぎつけた刑事・舛城は、マジシャンを志す少女・里見沙希と出会い、ともに事件の真相を追う。(『マジシャン 最終版』)両親に絶望した少年・椎橋彬は、趣味のマジックの知識を使い万引きGメンとして脚光を浴びるが、同時にその才能は暴走していく。舛城と沙希は、椎橋を追跡し始めるが……。(『イリュージョン 最終版』)マジシャンを目指す若者を集めて才能を見出す特別カリキュラムの招待状を受け取った沙希は、椎橋彬が参加することを知り自らも参加を決意する。(『フィナーレ マジシャン最終章』)マジックというミステリアスな世界の内幕と、天才マジシャン・沙希の成長と活躍を堪能できる、一気読み必至の合本版! ※本電子書籍は下記の3冊を1冊にまとめた合本版です。『マジシャン 最終版』『イリュージョン 最終版』『フィナーレ マジシャン最終章』 -
悲劇ヴラジーミル・マヤコフスキー
《きみたちにわかるかな、なぜぼくが嘲りの嵐のなか、平然と、自分の魂を大皿に載せてモダンな食事の席へ運ぶのか》ラフマニノフの退屈から逃げ出したマヤコフスキーと友人ブルリュックが意気投合した記念すべき夜。声を上げたロシア未来派の旗手として、奇矯な言動で「社会の趣味をなぐる」青年マヤコフスキーが20歳で書き下ろした第一戯曲。演出・主演を詩人自身がつとめ、ルナパルク劇場をすずなりにした観衆に「穴だらけになるほど口笛で野次られた」とされる問題作。商業出版の道なく、わずか500部が友人ブルリュックの手で世に出た不穏な二幕物の悲劇がここに。 -
九人の偽聖者の密室
伝説の「さまよえるユダヤ人」を名乗るアハスヴェルが主宰する教団「光の子ら」を糾弾すべく準備を進めていたカルト宗教の研究者ウルフ・ハリガンは、ひょんなことから知り合った作家志望の青年マット・ダンカンの協力を得、二人は「光の寺院」で開かれる教団の集会に参加する。その集会の場で、全身に黄色い僧衣をまとった教祖アハスヴェルは、信者たちとともに「ナイン・タイムズ・ナイン」の呪いを唱え、ウルフの死を予言する。 その翌日、ハリガン家の家族とクロッケー場でゲームに興じていたマットがふとウルフのいる書斎を見ると、ウルフの机に身をかがめている黄色い僧衣を着た人物の姿が目に入る。窓は施錠されており、邸内の扉から書斎に入ろうとするものの、やはり鍵がかかっていて中に入れない。再び外に出て窓から中をのぞくと、ウルフは顔面を撃たれて床に倒れており、存在したはずの黄色い衣の人物は消え失せていた……。 この不可解な密室殺人の謎に直面したダンカンは、探偵小説嫌いのマーシャル警部補と共に「密室派の巨匠」ジョン・ディクスン・カーの《密室講義》を参照しながら推理・検討をするのだが、なんと《密室講義》のどの分類にも当て嵌まらないことが判明する。困惑する捜査陣を前に、難事件の経緯を知った尼僧アーシュラは、真相究明のために静かに祈りを捧げるのだった……。果たして異色の尼僧探偵の祈りが通じ、神をも畏れぬ密室犯罪の真相が看破されるのだろうか!? ジョン・ディクスン・カーに捧げられ、エドワード・D・ホックが主催する歴代密室ミステリ・ベストテンにも選出された、都市伝説的密室ミステリが新訳によって半世紀の時を経てここに甦る! 装訂・シリーズロゴデザイン=坂野公一(welle design) -
海辺のエール
江ノ電の小さな駅、十六夜駅。鎌倉駅からほど近く、閑静な住宅街にあるその駅には、一人の駅員と一羽の九官鳥「ハッチ」がいた。乗客たちの声を聞き、また別の乗客にその言葉を放つハッチは駅の人気者だ。 十六夜駅には、日々、様々な挫折や苦悩を抱えた人々が訪れる。人生の折り返し地点で将来に不安を抱くフリーランスの男性、恋人との手痛い失恋に打ちひしがれる女性、怪我で休みを余儀なくされたバスケットボール選手、50代の今も現役でストリップの舞台に立つ踊り子、周囲に馴染めずピアノが生きるよりどころとなっている女子高校生……。そんな彼らに届くハッチの“言葉”は、誰がどんな想いで発したのか分からないまま、前を向くきっかけをくれる。 生きづらさを抱えたすべての人にエールを贈る、感動の物語! -
VS.シャングリラ
全員で逃げ切ろうね? 女性専用のDVシェルターを、“正義”を振りかざす暴徒が襲った。 傷を抱え施設に逃れてきた女性たちは、互いに手を取り合った――はずだった。 一人の死体が見つかるまでは……。 善意に潜む加虐性が露わになる極限の密室劇 体内の警報が、けたたましい音で鳴りはじめる。 ――これ、まずいやつだ。はじまったんだ。 十代で人気を博した元俳優の宮原鞆子は、支配的な母親と世間が抱くイメージに苦しみ、睡眠薬依存症に陥った。入居する女性専用の回復支援施設には、夫のDVから逃れた母子も身を寄せていた。 ある晩、歪んだ正義を掲げた暴徒が、依存症の母親から子供を“奪還”しようと施設を襲撃する。かつて演じた孤島のサバイバルドラマ『シャングリラ』の完璧なヒロインと自分との落差に苦しみ、自らを否定し続けてきた鞆子は、入居者と子供たちを守るため立ち上がる。 だが、逃げ惑う施設内で入居者の死体が見つかり、仲間への疑心が生まれ……。 -
〈家庭の天使〉を殺す時間 ――ジェンダーの視点で読み解く日本ミステリ史
ミステリ史の「死角」を撃つ ヴァージニア・ウルフは、女性作家にとって最大の困難は、〈家庭の天使〉を殺すことだったと述べた。 「家庭という名の〈密室〉」に潜む、女性たちの叛逆。 かつて女性は社会の〈周縁〉であり、探偵小説もまた、 文学の〈周縁〉だった――。 戦後女性探偵作家たちはなぜペンを執り、なぜ消えたのか? ジェンダーの規範に挑戦し、既存の枠組みでは回収しきれない「社会の歪み」を炙り出した彼女たちの探偵小説は、抑圧に対する切実な〈抵抗の文学〉だった――。 忘れられた先駆者たちの足跡を丹念に辿り、日本ミステリ史の空白を埋める渾身の文芸批評。 【目次】 はじめに 序章 「孤独な自転車乗り」――男性原理のミステリ小説の系譜 シャーロック・ホームズ譚から『容疑者Xの献身』まで 第一章 レジスタンスとしての探偵小説――深尾登美子 第二章 子宮という〈密室〉、あるいは戦場――四季桂子 第三章 自己実現としての〈団地マダム殺し〉――大貫進こと藤井禮子 第四章 彗星のごとく現れて消えた、謎の大型新人――松原安里こと松原一枝 第五章 〈家庭の天使〉を殺す時間――夏樹静子 あとがき 【著者】 二沓ようこ 福岡市中央区在住。文芸批評、エッセイを新聞・雑誌に多数連載。「文学批評 敍説」所属。日本詩人クラブ会員。福岡県詩人賞、福岡市文学賞(評論部門)受賞。 詩集『火曜サスペンス劇場』(ミッドナイト・プレス刊) 『夏樹静子と福岡』(福岡市文学館刊) -
東京魔法少女
抗え。 あなたの声は無力じゃない。 妬みや悲しみ、絶望から生まれる〈妖鬼〉に立ち向かうのは、 家での居場所をなくした少女たち。 家庭で、組織で、社会で傷つけられた痛みを『仕方ない』と諦めなかった、魔法少女の物語。 追いかけるなら、今! ブレイク必須の注目作家が放つ メンタル最強小説、爆誕! 明日を、自分を信じるために。 【あらすじ】 「迎撃討伐が終わったら、アフタヌーンティーに行こうよ」 都市開発事業に揺れる東京。人々の絶望が〈妖鬼〉となる世界で街を守るのは、国家の秘密組織に管理された「魔法少女」たちだった。 15歳で組織に拾われ、10年。天才魔法少女・深見ナナは大学へ進学し、命を削る戦場からの「セカンドキャリア」を切り開こうともがいていた。 そんな中、規格外の力を持つ妖鬼が出現。組織は、少女らを無慈悲に最前線へと送り込む。 誰かの犠牲で回る狂ったシステム。連鎖する負の感情。 大切な人たちの“痛み”を救うため、ナナは巨大な組織と絶望に抗う戦いへ身を投じる――。 -
最凶の心霊実験
「この大学の七不思議には関わらない方がよいと思いますよ」 オカルトライターの鍋島猫助は、茨城県T市の大学にまつわる奇妙な噂を耳にする。幾多の都市伝説の舞台でもあるその大学では、オカルトサークルの設立が禁止されているという。なぜなら32年前、オカルト研究会の学生10名が降霊会を行い、密室で謎の死を遂げたからだ。事件以来、異常な現象が頻発する「開かずの教室」と、構内を彷徨い、出会った者を呪い殺すという白衣姿の怨霊。学生たちの間で語り継がれる特異な七不思議。興味を抱いた者たちは皆、不審な死を迎えてきた。身に迫る危険を感じながらも好奇心に負けた鍋島は、学生や教授らに話を聞いていくが――。 怪談を生み出すものとは何か。学内最恐の怨霊の正体とは。 絶望の先で明かされる真実から、あなたは逃れられない。 【桜庭百一『都市空間と妖怪』より】 〔事例五〕B棟の四階の教室に、今は立入禁止の教室があります。十年前にオカルト研究会の学生が降霊会の最中に変死した場所だそうで、夜に教室の前を通ると、うめき声が聞こえるそうです。オカルト研究会は呼び出してはいけない霊を呼び出してしまい、その祟りで死んだらしいです(比較文化学類一年 女子 一九九八年)。 -
檻の薔薇
肉体のダメージよりも、精神のダメージの方が深刻だ。どんな格闘家も一人では闘えない。「痛み」が伝わり、彼女らの戦いから目がそらせない。心して読んでほしい。 今野敏 =第8回大藪春彦新人賞映像化奨励賞選評より= 主人公とヒロイン=ミューズにあたる「マーヤさん」の距離感。様々なシチュエーションで二人の会話を聞きたくなる。登場人物すべてに映像化に値する「顔」がある。 原田眞人(映画監督・脚本家) 女子総合格闘技団体ケージローズのトップファイター・マーヤに、 試合直後ケージ上で突然挑戦状が叩き付けられた。 「同時代に敵なしの選手が二人いたら、本物を決めるしかないよな!」 ケージローズの興行主・原木山徹のサプライズ演出だ。 根回しもなしに持ちかけられたマッチメイクの相手は、五郎丸真希。 レスリング五輪銀メダリストであり、未来のスターであり、 そしてマーヤの妹分だった。 ――後楽園ホール、1600席完売の大晦日、決戦の火蓋が切られる! 第8回大藪春彦新人賞・同賞映像化奨励賞ダブル受賞作に大幅加筆。 ジョシカクの世界を新視点で鮮烈に描いた長篇デビュー意欲作! 目次 第一話 蜜蜂と怪物 第二話 悪魔と怪物 第三話 武人と怪物 第四話 魔物と怪物 -
ミルテの指
とある童話のように美しい屋敷で、女の遺体が見つかった。その体は滅多刺しにされ、右手の指五本すべてが切断されていた。屋敷の主である矢田清吾は画家で、殺されたのは矢田の長年の恋人・黒川百合子だった。事件の日は豪雪により、矢田と五人の女たち──女中の安住くに、矢田の娘の美代子、モデルの久下時栄、弟子の門馬藤乃、友人で作家の漆畑寿満子が屋敷に閉じ込められていた。そして、矢田の知人である探偵の神埼千秋も居合わせていた。警察の到着を待っている最中、翌日には矢田までもが「すべて自分の罪だ」とキャンバスに残し死んでしまう。事件は矢田による犯行として片付けられたが、失われた指は見つからず、不可解な点を残したままだった。しばらくして、矢田の弟子・藤乃から神崎のもとへ再調査の依頼が舞い込み、事件の再調査に乗り出すが── -
FULL L
待望の第三詩集 うみわり草をつみにゆくのです おもちかえりの水圧 かかえて うみゆき道のはて にわかまち すいろ電車をめざしてゆきます そろそろ神離れが必要です 詩において人間の生が更新される。そのとき生じるものを抒情と呼ぶことは可能だろうか。私は可能だと考える。(蜂飼耳「振動という基底に降りる」2022/6「現代詩手帖』より」) 【目次】 count5:FULL LIFE 世界モニタ count4:FULL LOCKED FULL LOCKED(デグチナシ) 偽振動(ふるるるる) 太陽視覚 浮遊期 破線史 count3:FULL LENGTH FULL LENGTH(トーシンダイ) ソーラー・ブック増補改訂版 虚色(ソライロ)マーケット テイジョウヘイワノタメニ 幸福装置 count2:FULL LOADED FULL LOADED(ゲンカイ) 世界幻夜行 パンダ令 忘レ月 ソラナミダ・ソーダ 空層ガイド ボオフラ・ロード 文字スクイ count1:FULL L FULL L ヒゴオル 虚音(ソラミミ) 始点(カミバナレ) ニセモノガエリ まつりびとれいこんま 白絶(シロタヘ) 0 暴虐の春 カミワスレ 火凍り 動宴 はいぱーでみっく/いんなーりりっく(みにまむ) -1 ナギノハラ あとがき 初出一覧 【著者】 水無田気流 1970 年、神奈川県生まれ。2003 年、第41 回現代詩手帖賞受賞。 2006 年、第1詩集『音速平和』(2005 年、思潮社)で第11 回中原中也賞受賞。 2008 年、第2詩集『Z境』(2008 年、思潮社)で第49 回晩翠賞受賞。 -
ザ・ブック・オブ・ザ・リバー
現代川柳の到達点とも言える、異次元の2025句を収録する川合大祐第三川柳句集。『スロー・リバー』『リバー・ワールド』と続いてきた前人未到の現代川柳プロジェクト「リバー」シリーズ、ついに完結! フーダニットの針が挿さってゆく水風船 【収録句より】 ずっとのろしをみていた鼻行類の図鑑 奥村という説得を思いつく 未確認飛行物体(F・カフカ) 砂漠から巨大舞妓が立ちあがる 9の字を校庭に描く時の暮れ バカミスに犬小舎をでる犬 朝だ 納屋を焼く完全言語もとめつつ 【目次】 第一章 モルグ街の殺人 第二章 父が消えた 第三章 森の生活 第四章 失踪日記 第五章 言葉と物 第六章 われ逝くもののごとく 第七章 非現実の王国で 第八章 重力と恩寵 第九章 櫻の園 第十章 時間 第十一章 S,M,L,XL 第十二章 天井桟敷の人々 第十三章 燃える世界 第十四章 バベルの図書館 第十五章 ディコンストラクション 第十六章 襞 第十七章 森の生活 【著者】 川合大祐 川柳作家。1974年長野県生まれ。「川柳の仲間 旬」同人を経て、「川柳スパイラル」同人。ブログ「川柳スープレックス」共同執筆者。著書『スロー・リバー』(あざみエージェント、2016年)、『リバー・ワールド』(書肆侃侃房、2021年)、共著『はじめまして現代川柳』(書肆侃侃房、2020年)。 -
宝石のこえ
第20回小説現代長編新人賞受賞作。 故郷が無いこと。都会の生活を楽しむこと。まだ見ぬ光景に思いを馳せること。 宇宙人は、わたしがどんな人かお構いなしに、宝石をくれるだけ。 誰しもが抱える孤独の本質を問う、衝撃のデビュー作。 選考委員称賛! 侃々諤々の議論が巻き起こった作品。 今村翔吾さん 不穏さや虚無感に惹かれる読者は少なくないだろう。私もその一人だ。 塩田武士さん 出来事があまり多くない小説なのに読めてしまうのは、文章がよいからだろう。 中島京子さん 美しく流れるような文章。晴れすぎた空のような悲しみを帯びた世界観。 凪良ゆうさん 一押し。小説を読むことそれ自体の楽しみがあった。 宮内悠介さん 内なる閉塞感や繊細な心情などは読ませるものがある。 薬丸岳さん ある日突然、地球に宇宙人がやってきた。もはや言語を使わずにコミュニケーション可能な彼らだが、人間の声を聴くと宝石のような物質を排出するらしい。わたしは、彼らのその習性を利用して対価をもらう「宇宙人の店」で働く代わりに、大学に進学するための費用や生活費を奨学金として援助してもらっている。都会で新たな友人もでき、予備校で出会った了一と恋人になるなど日々を謳歌するが、親密になったはずの彼に、捨ててきた故郷の思い出をうまく話すことができず困惑する。根っこを失い、枝葉にも寄りかかることもできなくなって、言葉の通じない、宇宙人に自らの過去を語り始め……。 -
レテ/移動祝祭日
第2回笹井宏之賞長嶋有賞受賞! レテ それはかんぺきな夏。それはまたthe very best みたいなやつだ 新しい平熱 人は皆、四季の中に生きている。そのことを小俵さんはとても素直に受け止める。 花鳥風月を高らかに歌い上げるのでない、さりとて照れることもなく短歌に落とし込む。 ときに無駄や余白も厭わないその手つきは「平熱」「等身大」とでも言い表せられるけど、どこか「新しい平熱」とでも呼ばないと気が済まないものがここにはある。 ――長嶋有 【収録歌より】 夢だから告白できる汀にてあり得ぬほどの桜貝散る 善人じゃないと気づいて人生はようやく冬の薔薇に追いつく 海の日は移動祝祭日だから今年のハルは海の日生まれ それは別離の、別離のそれは川となる川を渡って家まで送る 【栞文】 江戸雪「祝祭と別離と」 「じわじわと胸が熱くなり「ああ、これは祝祭だ」とおもった」 内山晶太「一首一首の丘」 「しずかな場所でたっぷりと時間をかけて読むのがふさわしい一冊」 近江瞬「〝本当〟の心、〝本当〟の世界」 「ありありとした〝本当〟として響くに違いない」 瀬戸夏子「ふたつの川」 「淡く現実が滲んでくる」 【目次】 Ⅰ レテ ロトンヌ リヴェール ル・プランタン Ⅱ 水無月、満ちる ドッペルゲンガー 朝と植物園 Ⅲ 湯上りで切る 冬のサンクチュアリ 春を待つ足 ユトリロ的な ナインボール ずっとねむたい リョコウバト後の世界 魔除けなのかな 時間を止める テ・トワ(Tais-toi) そら想う海 冬支度 師走なら師走の 無職の冬 無職の春 セーフモード Ⅳ 赤服のハードボイルド ナビを無視して Ⅴ 移動祝祭日 あとがき 【著者】 小俵鱚太 1974年12月生まれ。横浜市在住。 2018年8月に短歌と出会う。「短歌人」、「たんたん拍子」所属。 第2回笹井宏之賞長嶋有賞受賞。 -
氷河期のゴミ
★★★いま読むべきミステリー No.1!★★★ 「もっといい時代に生まれていたら」 社会の理不尽に苦しんだことのある、すべての人へ。 大手広告代理店の就職面接。コネ入社を確約された大物議員や財閥の子息女らが毒殺された。同時刻、電力会社にも男が侵入。ビル全体を人質にとり、立てこもり事件を起こした。要求は、「おれたちに、人生を返せ」。刑事の名森は、捜査を進めるうちに匿名掲示板の書き込みに辿り着く。浮かび上がったのは、時代にすべてを奪われてきた者たちの悲しい半生だった。 共感、衝撃、憤り!感情わしづかみの徹夜ミステリー! 櫛木作品の到達点! この“犯人”に共鳴せずにはいられない。 ――宇田川拓也(ときわ書房 本店) 理不尽な社会を見事に描いたこの物語は時代を映す鏡である。問答無用、いま真っ先に読むべき一冊だ!! ――内田剛(ブックジャーナリスト) 世代あるあるをこんなにもスリリングな極上ミステリにする発想に脱帽! ――川俣めぐみ(紀伊國屋書店 横浜店) 彼らの共犯者になってしまいそうだ。そんな思いを、必死に抑えながら読んだ。 ――高頭佐和子(氷河期世代書店員) -
北京沸騰 天安門秘聞
1989年。胡耀邦の死を受け、揺れる北京。失業中の勇強は、日本人記者・瀬見の現地ガイドを引き受けたことをきっかけに、民主化を求める学生たちと知り合う。初めは政治に関心のなかった勇強だったが、知人女性の失踪の謎を追ううち、共産党の暗部に触れ、やがて学生運動に参加するように。一方、勇強の幼馴染である若きエリート官僚・才敏は、保守派のスパイとして改革派のトップ・趙紫陽に接触していた。学生運動を煽り、趙紫陽の失脚を企む才敏だったが、やがて心境に変化が生まれはじめ――。 保守派、改革派、学生、第三勢力......それぞれの思惑が交錯しながら、中華人民共和国の建設以降、最大の騒擾〈天安門事件〉へと向かっていく。 -
無垢なる町
2025年度アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞受賞作 バージニア南部で起きた殺人の容疑者に浮上した女。だが、なぜか女への捜査は打ち切られる。保安官補ウィルは独自に捜査をするが。 -
立ち上がる時
『空、はてしない青』著者が描く圧倒的衝撃作 もう愛し合えないのか? パリを代表する舞台俳優として、人生の絶頂にいたフランソワ。しかし、交通事故が日常を永遠に変えてしまった。下半身不随ーー。リハビリを始めるも思い通りにならない肉体と周囲の視線に怒りを抑えられなくなってしまう。秘密の関係を経て彼と結ばれるはずだった若き恋人、エレオノール。彼女もまた運命に翻弄された1人だった。未来のすべてをなげうち変わらぬ愛を捧げようとするが、介護という過酷な現実を前にうちひしがれていく。 絶望の淵で、孤独の闇の中で、「愛」は力をもつのだろうか? -
富岡冬野 われを見知らぬ街にきて
〈両脚の無い子が街に這つてゐる空にひそかな三日月のかげ〉上海にて35歳で客死した伝説の歌人・富岡冬野の知られざる生涯 文人画家富岡鉄斎の孫として1904年に生まれた富岡冬野は、15歳で「心の花」に入り頭角を現した後、プロレタリア運動に関わり、東宝で映画製作に関わる夫とともに上海に渡り、上海事変に巻き込まれた民衆の悲惨を歌に詠んだ。 佐佐木信綱、齋藤瀏、佐藤春夫、五島美代子らが高く評価し、一つ年上の前川佐美雄からライバル視もされた富岡冬野はどのような歌人であったのか? 大正末から昭和初期の激動の時代を生き、35歳で若くして客死した彼女の生涯が、本書で初めて明らかになる。 ◎片山廣子と齋藤史が編纂した遺歌文集『空は青し』から160首余りを抄録 ◎鶴見和子との合同送別会、李香蘭により施された死化粧など、貴重な写真を収録 「高い教養に裏打ちされた社会に対する鋭い眼差しを持ち、それをやわらかい言葉で伝えた女性歌人が戦前にすでに存在していた。富岡冬野の存在が、戦後の女性歌人たちの系譜に繋がることは間違いない。五島美代子をはじめとする「女人短歌」を創刊した歌人たちに繋がり、また現在活躍する、とりわけ鋭い社会詠を詠む女性歌人たちに繋がっているのだと思う」(「おわりに」より) 【目次】 第一章 京都富岡家での日々 第二章 『微風』の世界 第三章 プロレタリア運動 第四章 砧村時代 第五章 同時代の歌人たちとの交流 第六章 上海時代 第七章 悲しき帰国、その後 富岡冬野関連年譜 参考文献・図版出典 上海地図 あとがき 富岡冬野『空は青し』抄 【著者】 清水あかね 1966年神奈川県生まれ。お茶の水女子大学修士課程人文科学研究科日本文学専攻修了。鎌倉女学院中学校高等学校国語科教諭。大学時代「心の花」に入会、中断を経て2011年「心の花」に再入会する。2014年より「佐佐木信綱研究会」に所属、佐佐木信綱や富岡冬野の研究をする。2020年第一歌集『白線のカモメ』を刊行、ながらみ書房出版賞を受賞する。 -
飢える骸
大沢在昌氏、賞賛!! 「やりすぎだろ、増島。」 関西を拠点とする日本最大の暴力団・游永会。その最大派閥の若頭・瀬良は、兄弟分の森山とクーデターを画策する。それは、かつて「骸」と恐れられた元殺し屋・巌が率いる巌組と游永会の抗争激化を煽り、その混乱の中で両組織のトップを殺害するというもの。しかし瀬良たちが動き出す直前、巌は游永会組員を自発的に襲い始める。巌を抗争に向かわせる手間が省けたと喜び、これを利用しようとする瀬良と森山だったが、巌は二人の想定を遥かに超えた“化物”だった......。 小説すばる新人賞受賞の新鋭が放つ、制御不能の極道エンターテインメント! -
もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう
三谷幸喜最新作のシナリオ完全版。 時代も、街も、人々も、情熱とエネルギーに満ち溢れていた1984年の東京・渋谷八分坂を舞台とした、フジテレビ系水10ドラマ「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」のシナリオ本。 風営法改正の影響もあり、経営が立ち行かなくなったストリップ劇場「WS劇場」を芝居小屋として立て直すべく奮闘する演出家クベ。彼を中心に、クベシアターの劇団員、八分神社の神主と巫女、クベを翻弄する案内所のおばば、ワケあり?のジャズ喫茶マスターら、八分坂に生きる人々の物語。 全員演技経験ナシの劇団員が芝居に情熱を燃やす日は訪れる? クベは自らが理想とする舞台にたどり着くことができるのか? ■シナリオ全11話収録 ■菅田将暉ほか主要キャストへの緊急アンケート掲載 -
千年ゲーム
存在するかもわからない都市伝説のようなゲーム「千年王国」。それをプレイすると言った者が次々と失踪していく……! その謎を追って辿り着いた、この世界の真相とは? 行方不明になっていた高校生の少年、結樹が突然あらわれ、友人である鋭人に一緒にインディーゲーム「千年王国」をプレイしようと誘ってくる。担任の木内は自分がそれを調べると言い、鋭人の代わりにプレイすると告げたまま失踪した。「千年王国」とはどんなゲームなのか、失踪した木内はどこにいるのか、謎を解くため鋭人は結樹の誘いに乗ることにする。すると想像もしていなかった奇妙な状況に巻き込まれていく。 -
デモクラシーのいろは【電子版おまけ付き】
東京・下落合、戦火を逃れた邸宅に集められた4人の女性。 GHQの一声で、彼女たちの人生を変えるハチャメチャな同居生活が始まった。 1946年11月、日本民主化政策の成果を焦るGHQがはじめた “民主主義のレッスン”。いやいや教師役を引き受けた日系2世のリュウ、地位と邸宅を守るためこの実験に協力した仁藤子爵夫人、生徒として選ばれた個性豊かな4人の女性――それぞれの思惑が交錯する中、風変わりな授業が幕を開ける。希望と不安、そして企み……。波乱の展開が感情を揺さぶる、今年一番の超大作! 【電子版おまけ】 手書きメッセージ -
新装版 とらんぷ譚 全四巻合本版
幻視者たちの見た夢……伝説の幻想文学四部作! 「読めば分る。──私はこの作品について、なにも語りたくないのである」澁澤龍彦 反地上的な夢濃密な幻想、日常世界を超えた者が見るのは反地上的な夢。濃密な幻想で構築される、妖美なる博物館ーー日常的な人間世界を超え、あるいは離脱して、幻視者たちが存在する。彼らが視るものは、反地上的な夢、濃密な幻想である。それを蒐集して構築される、幻想博物館の妖美さ。著者が熱愛する短篇形式への供物として捧げた13の幻想譚は、手作りトランプのように、装飾にみち色鮮やかに語られる。(『新装版 連作とらんぷ譚1 幻想博物館』) 【収録作品】 ・『新装版 とらんぷ譚1 幻想博物館』 ・『新装版 とらんぷ譚2 悪夢の骨牌』 ・『新装版 とらんぷ譚3 人外境通信』 ・『新装版 とらんぷ譚4 真珠母の匣』 -
ニュースが消える日
「俺たちは、面白いから記事を書くわけじゃないですよ。伝える必要があるから記事にするんです」 大手全国紙の整理記者を辞め、実家の印刷所が発行する「地域紙」編集長になった戸倉大介。 部数1万部、編集部員3人、週3回発行、全4ページ。人口25万人の平和な地方都市に事件は少なく、行政発表や街ネタが中心の、刺激に乏しい紙面だ。 そんな中、SNSを駆使する若き市長が自宅前で何者かに襲撃された。これはテロか? その事件が、戸倉の記者魂に火を付けた。 人手も拡散力も速報性もない。それでも、地元で起きたこの事件の真相を誰よりも深く、正確に報道してやる。 裏を取れないことは書かない。特定の人物の主張だけで記事にしない。引用だけのこたつ記事は載せない。 元新聞記者の著者が報道の矜持を問う長編小説。 -
日本の警察シリーズ 全3冊合本版
日本の警察シリーズ 全3冊合本版 『焦土の刑事』『動乱の刑事』『沃野の刑事』収録。 東京は壊れつつある。見慣れぬ街に変わりつつある――。 1945年。B29による空襲の翌朝、防空壕の中で女性の遺体が発見される。首には刃物による切り傷が。無数の遺体と目の前のたったひとつの遺体。 これは戦争ではない。個人に対する犯罪だ――。 捜査を進める京橋署刑事の高峰は署長から思わぬ言葉を聞かされる。「あれは、空襲の被害者だ」。殺人事件のもみ消し――そしてまた殺人が起きる。 高峰は、中学からの同級生で特高に籍をを置く海老沢とともに、終戦をまたいで「戦時下の殺人」の犯人を追い詰めていく。 警察小説の旗手が満を持して描く、壮大な警察大河シリーズ、ここに開幕。(『焦土の刑事』) -
Natural サッカー日本代表・中村敬斗フォトブック
【祝!2026年北中米ワールドカップ 日本代表選出!】 日本代表・中村敬斗選手の素顔に迫る初のフォトブック。フランスの過酷なリーグで今季(2025/26)も公式戦14ゴール3アシストと爆発し、欧州の舞台で2年連続2桁得点。日本代表としても国際Aマッチ24戦10発(2026年5月現在)という驚異的な決定力を見せつける若きストライカー。 本作では、ピッチ上の闘志あふれる姿からは想像もつかない、フランスの自宅やパリの街角で見せるリラックスした「プライベート撮り下ろし」をたっぷりと収録。さらに、過酷なトレーニングで鍛え上げられた「肉体」、欧州や代表での「未公開プレー写真」、本人提供による誕生からの「超貴重フォト」など、全222点を完全網羅! サッカーとの出会いからプロ入り、海外挑戦、W杯への思いまで、中村選手が初激白。「シュート」「決定力」「敬斗ゾーン」といった選手としての核心から、「ファッション」「香水」などのパーソナルなこだわりまで、これまで語られなかった本音が明かされます。 「ツラいときこそうまくなるチャンス」——欧州でのベンチ外という絶望を乗り越え、最高峰の舞台への切符をつかみ取った、日本の明日を担う「進化し続ける才能」の過去・現在・未来が詰まった、全サッカーファン必携の完全保存版です。 【中村敬斗選手メッセージ】 この本は、幼少期から現在までのサッカー選手・中村敬斗、そして素顔の中村敬斗の記録です。サッカーの試合からプライベート、実家はもちろん、フランスの家で撮影した写真もあります。そのときどきに感じたこと、そして最近、思っていることを文章にしました。この本を通じて僕のことをもっと知ってもらえたら、うれしいです。 ガンバ大阪時代、U-23サポーターの皆さんがつけてくれたキャッチフレーズ「魅せろ 進化し続ける才能」のように、これからも「進化し続ける」中村敬斗でありたいと考えています。これからも応援よろしくお願い致します。 【目次(一部)】 1章〇素顔の中村敬斗 Part.1 サッカーとの出会い■満員電車とクリロナと香水と ■唯一のアクセサリー ■サッカーと音楽 ■好きな食べ物 ■ファッション ■ヘアスタイル 2章〇プロサッカー選手・中村敬斗 ■欧州リーグ挑戦 ■日本人初「欧州5大リーグ」5戦5連発 ■ドリブル ■決まるシュート ■マルセイユ戦後の伊東純也と中村敬斗 ■シュート練習はほぼしていない ■決定力とサッカーIQ ■ガンバ大阪との運命の出会い 3章〇素顔の中村敬斗 Part.2 ■父と「1対1」と投光器 ■母と「1日5食」と自炊生活 ■兄と「補助輪」と体幹トレ ■坂道ダッシュ ■サッカーノート 4章〇サッカー日本代表 ■U-17W杯ハットトリック ■日本代表初招集とデビュー ■A代表ベストゴール ■敬斗ゾーン 5章〇中村敬斗のこれから へと続く。 その他、恩師4人が語る中村敬斗、本人提供プライベート写真館、サッカー年表など。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 -
歌はそこに遺された
『答えのない時代に、創る意味を問う。その 覚悟に心から敬意を』 ――池澤春菜(声優・作家) 『ネットとAIで「本物」と「正しさ」を見 失った世界を撃ち抜く1冊!』 ――宇田川拓也(ときわ書房本店) 彼女は死後、 世界一の歌姫になった。 今世紀最もエモい、 近未来法廷ミステリーの誕生! 「私と一緒に、ストーリーを作ろう。君が歌う からこそ意味がある理由を作ろう」 新進女性シンガー、荒井海鈴が殺された。彼 女の遺作『人魚』は、死をきっかけに大ヒット する。生成AIの楽曲が隆盛の時代に、生身の 人間の作った曲がここまでバズるのは異例だっ た。「あれを作ったのは、AI」と嘯く、海鈴 殺害の容疑者・備藤龍彦の言動に違和感を覚え た東京地検公判検事の堂崎千也は、独自調査の 一環で、彼女が所属していた事務所を訪ねる。 社長の椎名栄弥は、一般的な芸能事務所の顔と は別に、レッスン提供を主体とした怪しげなビ ジネスに手を染めているようだった……。 『沈没船で眠りたい』で読書界を唸らせた気鋭 が贈る、今世紀最もエモーショナルな、近未来 法廷ミステリーの誕生! 目 次 序 章 歌姫 第一章 人魚 第二章 潜行 第三章 漸深 第四章 深海 第五章 海底 第六章 発信源 【参考資料】 cover illustration/鈴木康士 cover design/岩郷重力+WONDER WORKZ。 -
世界を配給する人びと 遠いところの声を聴く
彼らはなぜ”遠いところ”と強く結びついたのか。語られてこなかった声をどのように届けているのか。シリア、マーシャル、マダガスカル、ウガンダ、グリーンランドとつながる5人のライフストーリー。 一番遠くにあるものを引き寄せてつなぐ力。 彼らはなぜ”遠いところ”と強く結びついたのか。 語られてこなかった声をどのように届けているのか。 シリア、マーシャル、マダガスカル、ウガンダ、グリーンランドとつながる5人のライフストーリー。 映画配給に携わってきた編著者が見た、世界の重なり合い。 映画の仕事にまつわるコラムも多数収録。 「いくつかの強国の関係史だけを知ることが、世界史を学ぶということではないはずです。 弱国史という仮想のジャンルは、〈聞く〉ことでスタートするでしょう。 「ほんとうは日本との関係が深い国」と認識を新たにすること、そこにも素敵な隣人たちがいると知ることが、ひとつのゴールになるでしょう。」 (もうひとつの「はじめに」ーー岡田林太郎「〈弱国史〉概論」より抜粋) 【目次】 はじめに 1〈優しきひとさらい〉と出会うシリア 斉藤亮平 「映画配給と私」人生に関わる映画 2〈憶えている〉環礁、マーシャル 大川史織 「映画配給と私」映画が映画館に届くまで[前編] 3 時の止まった島、マダガスカル 武末克久 「映画配給と私」映画が映画館に届くまで[後編] 4 気取らない国、ウガンダ 大平和希子 「映画配給と私」作品の本質を大切に、どう広げ深めるか 5「動物の楽園」に暮らす、北極民族 遠藤励 「映画配給と私」「映画が好き」と言えるまで 「映画配給と私」コロナ禍で気づいたミニシアターを守りたい気持ち もうひとつの「はじめに」ーー〈弱国史〉概論 岡田林太郎 おわりに 【著者】 アーヤ藍 1990年生まれ、長野県育ち。慶應義塾大学総合政策学部卒業。在学中にアラビア語の研修で訪れたシリアが帰国直後に内戦状態になり、シリアのために何かしたいという思いから、社会問題をテーマにした映画の配給宣伝を行うユナイテッドピープル株式会社に入社。同社取締役副社長を務める。2018年に独立。「映画探検家」として、映画の配給・宣伝サポート、映画イベントの企画運営、雑誌・ウェブでのコラム執筆などを行う。アーヤはシリアでもらった名前。 斉藤亮平 1983年東京都生まれ。国立音楽大学卒業後、青年海外協力隊でシリアへ派遣。シリア・ハマ県パレスチナ難民地区の小、中学校で音楽教師として2年間を過ごす。その後、ブータン王国の音楽学校にてピアノ教師、日本の音楽出版社勤務の後、シリア難民支援活動に従事。2017年にJIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)に入職。趣味の料理が高じて中東各地でレシピを収集、定期的に料理教室を主催。また、難民キャンプ専用バンド「ババガヌージュ」を結成し、中東各地の難民キャンプで音楽ライブを行なっている。 大川史織 1988年神奈川県生まれ。2016年に春眠舎を立ち上げ、プロデューサー・藤岡みなみと映画製作・配給を行う。ドキュメンタリー映画『タリナイ』(2018年)で初監督。『keememej』(2022)監督。編著書に『マーシャル、父の戦場―ある日本兵の日記をめぐる歴史実践』(みずき書林、2018年)『なぜ戦争をえがくのか―戦争を知らない表現者たちの歴史実践』(みずき書林、2021年)がある。2024年より春眠舎で出版事業をスタート。本書が初の版元本となる。 武末克久 1976年福岡県生まれ。バニラ商人。九州大学農学部卒。同修士課程修了。オックスフォードブルックス大学国際関係学修士課程修了。製薬会社の開発部門に就職するも911のテロから世の中の理不尽さを感じるようになり、妻のイギリス転勤をきっかけに退職。イギリスで国際政治経済学を学ぶ。帰国後は環境経営コンサルタントとして、企業活動に「環境」を組み込む仕事に専念。2017年に退職後、観光で訪れたマダガスカルのバニラ農園に一目惚れ。合同会社Co•En Corporationを設立し、バニラの輸入・販売を手がける。 大平和希子 1983年富山生まれ。アフリカ研究者。青年海外協力隊、教育機関勤務を経て進学。2023年に東京大学大学院より博士号(国際貢献)授与。2024年より上智大学特任助教。2016年より地元富山で暮らし「富山ゆかりの人からつながるアフリカ」をコンセプトに、遠いアフリカを身近に感じてもらえるような企画や講演会等を実施。主な著作に「慣習的な土地権利安定化に向けて伝統的権威が果たす役割̶ウガンダ西部ブニョロの事例から―」(2020)、「ウガンダに学ぶ」(2021)『フィールドで出会う風と人と土』第6巻など。 遠藤励 写真家。大衆スポーツとなる以前のスノーボードの黎明期を目撃し、90年代後期から国内および世界のフリースタイルシーンに携わり、国内・北米・欧州のボードカルチャーの専門誌やメディアに作品を提供。2007年頃より雪にまつわる作品表現に傾倒し、「snow meditation」や「水の記憶」などの雪や氷河の作品シリーズを発表。長野県・大町市出身・在住。作品集に「inner focus」(小学館)、2023年12月に「MIAGGOORTOQ」をリリース。 岡田林太郎 1978年岡山県生まれ。早稲田大学卒業後、出版社へ入社し、編集の仕事に従事。2012年、同社社長に就任。2018年、退職。同年4月、ひとり出版社「みずき書林」創業。みずき書林での主な刊行物に、大川史織編『マーシャル、父の戦場』、岡本広毅・小宮真樹子編『いかにしてアーサー王は日本で受容されサブカルチャー界に君臨したか』、早坂暁著『この世の景色』、沖田瑞穂著『マハーバーラタ、聖性と戦闘と豊穣』、山本昭宏編『近頃なぜか岡本喜八』、松本智秋著『旅をひとさじ』などがある。 -
最悪の相棒
少年時代に姉がストーカーに殺された男、潮崎。被害者家族によりそいすぎたため、心身を壊し、若くして亡くなってしまった警察官の父を持つ女性刑事の広中。潮崎に対して、一方的に憎しみをいただいている広中は、捜査一課にいきたいという夢があった。その夢がやっとかなう。しかし、捜査一課での相棒は、信じられないことに、潮崎だった――。 介護疲れによってひきおこされた犯罪、オレオレ詐欺に、ひきこもり。巨大団地で連鎖する事件は、やがて最悪の結末をむかえる――。先読み不能のストーリーテラーが用意した、極上の物語ラビリンス。そして最高のカタルシス! 「あなた」も刑事も気づかないうちに、事件はもう始まっていた――。 -
人生劇場
『ラブレス』『ホテルローヤル』等、家族の光と闇を描き続ける直木賞作家・桜木紫乃のルーツ! 夢に生き、夢に死ね―― 昭和の北海道。 己の城を求め、男は見果てぬ夢を追う。 【著者コメント】 書きながら改めて、生きることは滑稽だと感じました。 滑稽でいいと思うところまで、書けた気がします。 やせ我慢人生を歩いてきたすべての先人に、愛を込めて――人生劇場。 何もかもが赤く染まった鉄鉱の町・室蘭。 四人兄弟の次男に生まれた猛夫は、兄にいじめられ、母には冷たくあしらわれながら日々を過ごしていた。 心のよりどころは食堂と旅館を営む伯母のカツ。やがて猛夫はカツのもとで育てられることになる。 中学卒業後、理容師を目指し札幌に出た猛夫だが、挫折して室蘭に帰る。 常に劣等感を抱えるようになった猛夫は、いつか大きくなって皆を見返してやりたいと思うように。 理容師として独立、ラブホテル経営と、届かぬ夢だけを追い続けた男の行く末は。 自身の父親をモデルに、直木賞作家・桜木紫乃が北の大地で生きる家族の光と闇を描く。 【目次】 一章 鉄の町 二章 修業 三章 別れ 四章 長男 五章 夫婦 六章 闘い 七章 新天地 八章 落城 -
マイ・ゴーストリー・フレンド
第12回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作 団地ホラー×ギリシャ神話×SF大作 「最近、少しずつ人が、消えているのです……」 団地で頻発する怪異を撮影する下流役者・佐枝子の前に、異界の扉から恐るべき物語が溢れ出す。 売れない役者の佐枝子は、ホラー映画脚本家の紹介で、都内の団地で頻発する怪奇現象を調査するドキュメンタリー映像のレポーターを務めることになった。さっそく当該の団地で寝泊まりした朝、窓から外を望むと、隣接する公園で四つん這いの大男を棒で打つ女と、双眼鏡でこちらを窺う怪しいファミレスのウェイトレスを目撃する。不気味に思いながらも周囲の人々に話を聞くと、団地のあちこちで大蛇が這いずったような跡が見つかり、管理人や住民の奇行が目立ち、行方不明者も出ているらしい。さらに、10年前に老婆が何者かに殺されて以来、呪われていると噂の部屋に赴くと、『666』から始まる走り書きと浴室にびっしりと生えた黒い大きなウロコが……第12回ハヤカワSFコンテスト優秀賞に輝いた、ギリシャ神話の世界が現実を侵食する団地ホラーSF大作。 -
Another Good Day!
晴れの日も雨の日も「今日も良い日だね(Another good day!)」と言ふ人ありてけふは晴れの日 日本もふるさとも遠く 母語の通じぬニューヨークに六年 事件を追ってカメラを回す 日々の移ろいをただ詠いつぐ 【収録歌より】 土くれを押しのけて地に立つ芽かな傍若無人にみどりかがやく ちぎれ雲ちぎれつくしてからつぽの空にすつからかんと宵やみ さびしさは夕日にむかふ虹のいろひとときを冴え都市は闇へと 孤独にも金また銀の孤独あり 錆びたる鉄の孤独を吾に Windows のレジストリのごと膨らめる背嚢を負ひ真夏日を行く 【目次】 ぴろろぴろ 日差しの匂ひ 小さき炎ら ハドソン川 豊旗雲 忍者マーチ されども神は ハナミヅキ みどりのそら ほたるび どしてなの 吹かれてぞゆく 立ちけるにほひ ひがしの街へ 詠みつぎにける 消え去らむのみ July 4th うんうんと 猫妻 女主人 白い家 またあひませう いつか死ぬ人 流木 よろこび Another Good Day! 我が意に背く すべきことなど 猫の寝言 兄弟 あとがき 【著者】 矢部雅之 1966年3月、東京都新宿区生まれ。慶応義塾大学文学部卒業。 評論「死物におちいる病―明治期前半の歌人による現実志向の歌の試み」で第21回現代短歌評論賞受賞。 第一歌集『友達ニ出会フノハ良イ事』(ながらみ書房)で第48回現代歌人協会賞・第10回日本歌人クラブ新人賞を受賞。 神奈川県在住。竹柏会「心の花」会員。
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