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東京マッハ
句会ってなに? 句会って楽しいの? それを教えてくれるのが東京マッハ! 「東京マッハ」はメンバーの4人(千野帽子、長嶋有、堀本裕樹、米光一成)とゲストで開催される公開句会。俳句をつくらなくても誰でも参加できるライブイベント形式で、句会の面白さを啓蒙している。 各々いいと思った俳句(特選・並選)を選ぶだけでなく、一言文句をつけたい俳句(逆選)も選びながら、「どうしてその句が好きなのか?」「どうしてその句に文句をつけたいのか?」その理由について熱く議論を交わす。 誤読、脱線……なんでもあり! ! 俳句、そして言葉についてとことん考えをめぐらせる大人気公開句会、待望の書籍化! 目次 まえがき vol.1「水撒いてすいか畑にいて四人」@アップリンク渋谷 vol.4「帰したくなくて夜店の燃えさうな」@ロフトプラスワン ゲスト=池田澄子、川上弘美 vol.10「君と僕と新宿春の俳句まつり」@風林会館 ゲスト=西加奈子 vol.12「0012女王陛下の飛騨マッハ」@高山市民文化会館 ゲスト=藤野可織 vol.14「そして夏そして浅草男祭」@浅草東洋館 ゲスト=穂村弘 vol.17 大東京マッハ「窓からの家出を花のせいにする」@紀伊國屋サザンシアター ゲスト=池田澄子、村田沙耶香 vol.18「想像の月まぶしくて目をあける」@ルオムの森 ゲスト=谷川俊太郎 vol.27「梅雨晴のすいか畑の十年後」@オンライン ゲスト=最果タヒ あとがき -
カッコーの巣の上で
体制に抵抗する者たちの鮮烈な冒険譚 精神病院にやってきた本書の主人公ランドル・パトリック・マックマーフィ。彼の性格は騒々しく、乱暴で、陽気で愛情のあふれる、反逆者である。そして、女好きで人生に前向きな戦士でもある。 看護師長ラチェッドの独裁にうんざりしていたマックマーフィは、ラチェッドに反旗を翻した。周りの患者たちも同意し結集していった。 病院の規律を破り、病棟でのギャンブルを盛り上げ、ひそかに女性たちを連れ込みワインを調達するなど、あらゆる場面で自由に振舞った。 最初は戯れとして始まったこの反抗は、すぐに厳しい闘争へと発展する。絶対的権威を背景とする師長ラチェッドと、自身の不屈の意志に従って行動するマックマーフィ。 ラチェッド師長がマックマーフィに対して究極の攻撃を行ったとき、何が起きたか。物語は衝撃的なクライマックスを迎える。 [原題]ONE FLEW OVER THE CUCKOO'S NEST -
石を放つとき
探偵マット・スカダー・シリーズ 待望の新作+傑作短篇集 エレインの知り合いが名前も知らぬ男から脅迫を受けていた。 老スカダーは単独で調査を始める…… 堂場瞬一・解説 凝った構成も、あっと驚くどんでん返しもない。 しかし本作品は、何とも言えない味わいを残す。 【 本書収録作品 】 夜と音楽と 窓から外へ バッグ・レディの死 夜明けの光の中に バットマンを救え 慈悲深い死の天使 夜と音楽と ダヴィデを探して レッツ・ゲット・ロスト おかしな考えを抱くとき ミック・バルー、何も映っていない画面を見る グローガンの店、最後の夜 石を放つとき 原題: A Time to Scatter Stones The Night and The Music A Matthew Scudder Novella -
トッカン【合本版】
税金滞納者から問答無用で取り立てを行なう、みんなの嫌われ者――徴収官。そのなかでも、特に悪質な事案を担当するのが特別国税徴収官(略してトッカン)だ。東京国税局京橋地区税務署に所属する、言いたいことを言えず、すぐに「ぐ」と詰まってしまう鈴宮深樹(通称ぐー子)は、冷血無比なトッカン・鏡雅愛の補佐として、今日も滞納者の取り立てに奔走中。鬼上司・鏡の下、ぐー子は、人間の生活と欲望に直結した、“税金”について学んでいく――仕事人たちに明日への希望を灯す、今一番熱い、前代未聞の税務署エンターテインメント・シリーズ4冊が待望の合本版として登場! -
最後の巡礼者 【上下合本版】
「ガラスの鍵賞」「リヴァートン賞」「マウリッツ・ハンセン新人賞」受賞 ――北欧のミステリ賞で三冠を成し遂げた警察小説の傑作、日本上陸!! 二〇〇三年六月八日、第二次世界大戦の英雄カール・オスカー・クローグの死体が自宅で発見された。ノルウェー貿易相まで登り詰めた老人は鳥のくちばしにつつかれたように切り刻まれ、犯人に強い殺意があったのは明らかだ。だが、手掛かりは凶器――ナチスの鉤十字が刻まれたナイフしかない。警察本部では犯人像を見いだせず、捜査は行き詰まってしまう。 そんな中、トミー・バーグマン刑事は二週間前に発見された三体の白骨死体との関連性を見出す。戦時中に殺された三人は、親ナチ派のノルウェー人実業家グスタフ・ランデの娘のセシリア、婚約者のアグネス・ガーナーとメイドだった。彼女たちはグスタフの近親者ゆえにクローグらレジスタンスの標的にされ、粛清された三人の縁者が復讐のためにクローグを殺した。そう推理したバーグマンは、六十余年前の事件の真相に挑む決意を固める。 一九三九年八月、アグネス・ガーナーは自らの手で愛犬を殺した。それがイギリス諜報部の最後の試験だったからだ。どうしてこんなことができるのか、自分でもわからない。確かなことは、ナチスを倒さねばならないということだけだ。その決意を胸にアグネスは故郷ノルウェーへ帰還する。人生を狂わせる運命の出会いが待ち構えていることも知らずに……。 -
数学者と哲学者の密室――天城一と笠井潔、そして探偵と密室と社会
本格ミステリの探偵はどのような推理をすべきか? 密室などのトリックはどうあるべきか? そして、社会とどう対峙すべきか? 戦中派の天城一と戦後派の笠井潔の作品からその答えを探し求める評論書! 天城一と笠井潔は、資質的にはよく似ている。名探偵の独特なレトリック、戦争や社会批判といったテーマの導入、トリックのバリエーションへのこだわり、ハイデガー哲学の援用、作中に取り込まれた評論等々。本書では、これらの類似点を用いて、本格ミステリの本質を考察する。 本書を書き終えた今、私が思うことは、“本格ミステリ”というジャンルの豊潤さです。天城一と笠井潔は、「テーマとトリックを連携させ、それを探偵の推理が明らかにする」という作風の物語を描いてきましたが、これは他のジャンルではできないでしょう。テーマもトリックも探偵も、本格ミステリの専売特許ではありませんが、この三つを連携させたものは、本格ミステリ以外の何ものでもないのです。そして、ただ単にテーマが作中で語られるだけの他のジャンルと異なり、探偵が行うトリックの解明によって、テーマは読者の心に深く刻まれることになるわけです。(あとがきより) -
【合本版】お世話になっております。陰陽課です
念願の公務員に採用され、京都市役所で働くことになった火乃宮祈理(ひのみやいのり)。入庁式を終えて彼女が配属されたのは、通称・陰陽課。京都の町には人間に紛れて暮らす妖怪がたくさんいて、そこは市民である彼らの生活を守る部署だというのだ。 混乱する祈理の教育係についたのは、白銀の髪に赤いシャツでガラの悪い、公認陰陽師の五行(ごぎょう)主任。妖怪の次は陰陽師……?と、訝しむ祈理は、陰陽師らしからぬ風貌の五行と、町を治める鬼や狐の親分との顔合わせに向かうことになるのだが……。 チンピラ陰陽師×マジメ女子の凸凹コンビによる、不思議な公務員生活が始まります。 ※本電子書籍は、『お世話になっております。陰陽課です』全4巻を1冊にまとめた合本版です。 -
時の名前
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 伝説の癒やし本『空の名前』シリーズ、23年ぶりの最新作(2019年9月時点)誕生! すべての人と共に存在しながら、目には見えない”時”にまつわる言葉たち。美しい四季折々の写真と共に人生を彩る”時”を綴る究極のビジュアルブック。“時”にまつわる言葉471項目と807語を、178点の写真とともに紹介。 【目次】日の章/月の章/年の章/暦の章/命の章/いにしえの章/とこしえの章 -
いちばんここに似合う人
水が一滴もない土地で、老人たちに洗面器一つで水泳を教える娘。英国のウィリアム王子をめぐる妄想で、頭がはちきれそうな中年女。会ったこともない友人の妹に、本気で恋焦がれる老人――。強烈な個性と奇妙な優しさに満ちた16の短篇を、物語の声にぴったりと寄り添う岸本佐知子訳で。フランク・オコナー国際短篇賞受賞。 -
変わったタイプ
月旅行を目指す高校からの四人組。西部戦線帰還兵のクリスマス。変わり者の億万長者とその忠実な秘書。男と別れたばかりの女がつい買ったタイプライター。ボウリングでセレブに上り詰めた男――。「良きアメリカの優しさとユーモアにあふれる短篇集」と各紙で賞賛された、人生のひとコマをオムニバス映画のように紡ぐ17の物語。 -
近現代詩歌
近代以降、変革と共に多様な形で展開してきた詩歌の世界。明治から平成までの詩を池澤夏樹、短歌を穂村弘、俳句を小澤實が精選、その魅力と真髄を紹介する。 解説=池澤夏樹 月報=北村薫、アーサー・ビナード -
ノーラ・ウェブスター
夫を突然亡くしたアイルランドの専業主婦、ノーラ、四十六歳。子供たちを抱え、二十年ぶりに元の職場に再就職したノーラが、同僚の嫌がらせにもめげず、娘たち息子たちとぶつかりながらも、ゆっくりと自己を立て直し、生きる歓びを発見していくさまを丹念に描く。アイルランドを代表する作家が自身の母を投影した自伝的小説。 -
大岡昇平
対照的な二組の夫婦と復員兵の愛をめぐる心理小説の傑作『武蔵野夫人』とその創作過程に関する「『武蔵野夫人』ノート」、南方での戦争体験を元にした思索的小説『俘虜記』から「捉まるまで」等三篇、ユーモア溢れるおとぎ話の続編「一寸法師後日譚」、花柳小説の佳品「黒髪」、神話と文学の起源をさぐる評論「母と妹と犯し」、昭和天皇重篤に際して心情を綴った「二極対立の時代を生き続けたいたわしさ」など、戦争と人間の真実を、理性と知性に基づいて希求した戦後文学最高峰の多面的な魅力を示す。 解説=池澤夏樹 月報=青山七恵・大林宣彦 -
松尾芭蕉 おくのほそ道/与謝蕪村/小林一茶/とくとく歌仙
東北・北陸の各地を旅し、数々の名句や研ぎ澄まされた散文による夢幻的紀行「おくのほそ道」(新訳・松浦寿輝)をはじめ、「閑(しづか)さや岩にしみ入(いる)蝉(せみ)の声」(芭蕉)、「夏河を越すうれしさよ手に草履(ざうり)」(蕪村)、「白魚(しらうを)のどつと生(うま)るゝおぼろ哉(かな)」(一茶)といった名句の数々と、連句「鳶(とび)の羽のの巻」、長詩「春風馬堤曲(しゅんぷうばていきょく)」など、江戸期俳諧三人の巨星の名句・連句を精選し、新たに評釈を付す。俳諧の文学的・詩的魅力を味わい尽くす最良の入門書。他に、鼎談形式で歌仙を愉しむ『とくとく歌仙』より「加賀暖簾の巻」なども収録。 解説=池澤夏樹 月報=:藤野可織・堀本裕樹 -
口訳万葉集/百人一首/新々百人一首
小池昌代の訳詩と鑑賞で和歌の世界へと誘う新訳「百人一首」を中心に、折口信夫の個性が光る「口訳万葉集」と丸谷才一の豊かな和歌の解釈を楽しむ「新々百人一首」をそれぞれ厳選し収録。 解題 口訳万葉集 岡野弘彦 解題 百人一首 渡部泰明 解説 池澤夏樹 月報 穂村弘 今日マチ子 -
藤沢周平伝
元山形新聞記者が『ひさし伝』(新潮社)に続き、「東京に住んでいながら顔はいつも山形のほうを向いています」と藤沢周平自身が語る、その山形にスポットを当て、69年の人生を辿った独自の伝記。 市井に生きる人々に注がれるやさしいまなざし、忘れられかけている日本の原風景の再現、端正で清冽な詩情あふれる文章などの魅力で、今なお人気の高い作家の人生が、これまでと一風異なる視点から浮かび上がってくる。 山形新聞での井上ひさしとの対談、東京の冬と比較した寄稿など、単行本未収録の作品も紹介されており、丹念な調査から、藤沢周平の「自慢はしない」「普通が一番」という人生哲学が描かれていく。 旧制中学に通いながら文選工として働き、山形師範学校卒業後中学校へ赴任するも、肺結核に罹り東京で療養。退院後は業界新聞を転々としながら小説家への志を抱き続け、ようやく生活が安定するも妻が癌で他界、昭和46年、44歳でようやく「溟い海」でオール讀物新人賞、同48年「暗殺の年輪」で第69回直木賞を受賞し、人気作家になる様子や、『たそがれ清兵衛』『蝉しぐれ』といった名作の背景も詳細に明かされていく。藤沢ファンは必携の一冊だろう。 -
フォーチュン氏の楽園 20世紀イギリス小説個性派セレクション2
初老のフォーチュン氏は宣教師として南の島に行くが布教はままならず、美少年ルエリだけが改宗者となった。二人は幸福な日々を過ごすが……。20世紀イギリス小説個性派セレクションシリーズの第2弾。 -
和漢詩歌源流考 : 詩歌の起源をたずねて
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 タイトルが示すとおり、「君が代」論考から和歌の発生、阿倍仲麻呂の歌、漢詩の五言詩の起源の問題までと、和漢の文学の源流に及ぶ内容を扱う。この書で取り上げられた問題は、いずれも文学の基本に根ざす重要なものばかりで、それを斬新な切り口によって核心に迫る。 /序 第一章 「君が代」考 第二章 「君が代」九州王朝讃歌説批判―志賀海神社の神楽歌に寄せて― 第三章 阿倍仲麻呂の歌―古田武彦説批判― 第四章 和歌の発生について 第五章 漢詩・五言詩の発生について -
パリ
政治は腐敗、ブルジョワが隆盛を極め、労働者は貧困に喘ぐ19世紀末パリ。建設中のサクレ・クール寺院が見下ろす悪徳と矛盾の町で、信仰を失い魂を彷徨わせる一人の神父がいた――。 -
詩心の風光 新版
「戦争は過ぎた。歴史の深刻な動乱は昨日の悪夢のやうである。……われわれは忘れてはならない――われわれの過誤と弱さとを。われわれは絶望してはならない――なぜなら人間性実現の新しい仕事が我々の心と手との営みを待つてゐる。」片山敏彦『詩心の風光』は、みすず書房が世におくった最初の出版物として、1946年7月1日に刊行されました。凸版印刷、一万部、定価は20円。当時の社名「美篶書房」は、本書の序にも、創業者・小尾俊人の名とともに記されています。1945年12月の創業から今年で60年、微力ながらも今日まで出版活動を持続できましたのも、ひとえに読者の皆様のご支援の賜物であり、心より御礼申し上げます。出版点数も3600点を数えることができました。この記念の年を締めくくるにあたり、出版の基本理念と創業時の精神の息吹をとどめたく、ここに新版を刊行するしだいです。 -
ダーウィン・ヤング 悪の起源
末満健一氏による舞台化で話題! 真実と嘘、愛と像、自由と孤独、罪と罰、善と悪、滅亡と繁栄……人間の究極の葛藤を描いた、壮大にして濃密な人間ドラマ。罪を犯さずして、大人になどなれるだろうか――。 1~9地区まで区分けされた階級社会に生きる16歳のダーウィン・ヤングは、最上位の1区に育ち、トップ校に通う。ダーウィンは官僚の父・ニースに連れられ、ジェイの追悼式に毎年参列している。父の親友であったジェイは、30年前に16 歳で死亡。9地区の人間が起こした強盗被害に遭ったとされているが、犯人は不明のまま。唯一、犯人探しに執念を燃やすのはジェイの姪・ルミだ。ダーウィンは恋心を寄せるルミから、ジェイのアルバムから不自然に消えている写真があり、それが事件の鍵を握ると打ち明けられる。ダーウィンはルミと一緒に謎を解く旅に出るが、そこで明かされたのは、ひた隠しにされていた世界の光景と自身のルーツだった…。 -
【合本版】宮廷医の娘 全8巻
黒衣まとうその闇医者は、どんな病をも治すという――。由緒正しい宮廷医の家系に生まれ、仁の心の医師を志す陽香蘭。ある日、庶民から法外な治療費を請求するという闇医者・白蓮の噂を耳にする。正義感から彼を改心させるべく診療所へ出向く香蘭。だがその闇医者は、運び込まれた急患を見た事もない外科的手法でたちどころに救ってみせ……。強引に弟子入りした香蘭は、白蓮と衝突しながらも真の医療を追い求めていく。どんな病も治す診療所の評判は、やがて後宮にまで届き――東宮勅命で、香蘭はある貴妃の診察にあたることに!?※本電子書籍は、『宮廷医の娘』全8巻を1冊にまとめた合本版です。 -
イロニアの大和
保田與重郎をめぐる大和文学紀行。――国のまほろば・大和の地に刻まれた、無垢なる魂の悲惨と栄光。悠久と無常の風土に、保田文学の根源をたどる、碩学の傑作評論。 「保田を読み始めた頃は旅を嫌っていた若者が、老境に入って、旅の経験もかなり積み重ねて来たその蓄積の上で、保田の大和を眺めた時どのように見えるか、そのことをたしかめようとしたのがこの本である。いうまでもなく現実にはその土地は行政区画としての奈良県であって、そこにひそむ遠い過去の追想は、所詮幻にすぎぬかもしれない。しかし幻にこそ土地の神髄があると考えれば、現実の相はかえって虚にすぎなくなるともいえる。実にして虚、このイロニーの上に保田の大和は浮んでいると見た所に表題を置くいわれがあった。」(後書より) -
オペラティオ
真山仁が描く日本崩壊。政治とは約束か? 政治の腐敗、独裁者の台頭、SNSが生む憎悪の連鎖―-。真山仁の最新長編小説『オペラティオ』は、現代日本のリアルな病巣を鋭く抉り出すノンストップポリティカルフィクションだ。金融担当大臣が銀座で刺殺され、遺体に「ざまあ」と書かれたメモが残された一件を発端に、政治家、新聞記者、公安調査庁の調査官、過激な野党党首―-それぞれの思惑が複雑に絡み合いながら、日本社会が少しずつ崩壊していく様が描かれる。 「ざまあ系殺人」が暴く日本の病 物語の中心にあるのは、「ざまあ系殺人」と呼ばれる連続事件だ。腐敗した権力者が次々と刃に倒れ、犯人はその場で自殺、遺体には「ざまあ」のメモが残される。この一連の犯行に、SNS上の民衆は喝采を送り、模倣犯が続出する。 本書の語り手は三人。野党第一党「希道党」の党首特別補佐として政界に関わる政治学者・白石望、大手新聞社「暁光新聞」の記者・神林裕太、そして公安調査庁の分析官・長谷川晶だ。三者三様の視点が交差しながら、事件の背景にある政治の陰謀と、社会に広がる怒りの連鎖が浮かび上がる。 白石はSNSを駆使した新たな選挙戦略「ヘルメス」を胸に秘め、選挙に勝つために「手段を選ばない」覚悟を固めていく。神林は上司である伝説の記者・東條謙介に翻弄されながら、権力の腐敗を暴くスクープを追う。長谷川は職務の建前とルールの狭間で葛藤しながら、事件の黒幕を探り続ける。 政治とは「約束」か、それとも「インパクト」か 作中でたびたび問われるのが、「政治とは何か」という根本的な問いだ。白石は学生たちの前でこう語る。「政治とは、約束―-」と。しかしその一方で、「全てを守る必要はない。なぜなら、大半の人は、すぐに約束の中身を忘れてしまうからだ」という冷徹な本音も、ページの上に刻まれている。理想と現実の乖離、そして権力を手にするために人が払う代償―-そこに本書の核心がある。 物語が進むにつれ、石動という元総理の復活劇と、その背後に潜む真の黒幕の存在が明かされる。独裁者とも呼ぶべき政権が国民の熱狂的支持を集める様は、フィクションでありながらどこかリアルな恐怖を呼び起こす。「民衆は、恐怖に踊る」と作中人物は嘆く。そして、そのような状況を生み出したのは、政治家の失態だけでなく、「怒りをぶつけていい相手を見つけた瞬間、全員が一斉に攻撃的になる」国民の感情でもある。 企業買収や医療、原発など、社会の最前線をテーマに小説を書き続けてきた真山仁。時事的なテーマをエンターテインメントとして昇華しながら、読者に問いかける。「あなたは、欺されていないか」と。一気読み必至の力作だ。
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