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それでも、夜をこえて
裸足で踊る。痛みのすべてを、私の自由にするために。 「指輪はやれない。教会での愛の誓いも。代わりにこれを」 愛した男に贈られたのは、血のように赤い、呪いの靴だった。 神に選ばれなくても、私たちはこの足で明日を踏みしめる。 行き場を失った4人の男女がたどり着いた「選択」の物語。 【秘密のパティオ】 連載打ち切りの危機にある漫画家・葉月。異国の地で突如始まった、認知症の老婦人との同居生活。彼女は老婦人が最期まで隠し続けた「生涯ただ一度の恋」を知る。 【バレンシアの灰】 自堕落な生活を送る寿司職人見習いの栄太。全てを失い、火祭りの夜に「元闘牛士」の男に拾われた彼は、自身の手に残る「本当の想い」と向き合う。 【裸足のペテネーラ】 不幸を呼ぶ女「ペテネーラ」と呼ばれたダンサー・美鶴。妻子ある闘牛士テオとの破滅的な愛の果てに、彼女が選んだ「答え」とは。 【光の衣装と巡礼】 夢を諦め、ガイドとして生きる竜斗。かつての親友・セバスティアンとの再会が、封印したはずの情熱を呼び覚ます。二人が選んだ結末は、希望か、それとも。 -
ここはこどものいない国
家族を捨てた「集落育ち」×家族に憧れる「工場育ち」 常識も愛し方も全く違う。それでも、そばにいたい。 2226年、人間は工場生産され、人口を完璧に管理できるようになった日本。 愛玩赤ちゃんPB生産工場で働く美奈子は、家族育ちという出生の秘密を抱えていた。母親から生まれ、手作りの料理を食べ、集落で育った美奈子は、世間からは「自然派」と忌避される存在だった。「お母さんはどうして私を産んだの。私、生まれたくなんかなかったのに」そんな美奈子の職場に、新たに後輩がやってくる。彼女は言った。「私、妊娠してるんです」その出会いが、美奈子の人生を一変させる! もしも工場で子どもが生産されたなら、もしも成長しないペットベイビーが存在したなら、出産という行為は他社からどう見られるのだろう?そんなふとした疑問から書き始めた小説です。(著者) -
武蔵野(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第53弾は、文豪・国木田独歩×イラストレーター・しまざきジョゼのコラボレーション! エッセイとしても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 秋ならば林のうちより起こる音、冬ならば林のかなた遠く響く音。 生活と自然が共存する、物語を内包した土地「武蔵野」。その中をあてもなく歩き、書き留めた名随筆。 国木田独歩の名作が、叙情的なイラストを得意とし、本シリーズでは太宰治『きりぎりす』を担当するイラストレーター・しまざきジョゼによって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
魔の聖堂
魔都ロンドン 時間の迷宮を彷徨う 18世紀初め、ロンドン大火後の首都再建計画の一環として市内各所に建設中の7つの教会に、異端の聖堂建築家ニコラス・ダイアーが秘かに仕掛けた企みとは。一方、それから約250年後、現代のロンドンでは教会周辺で少年ばかりを狙った連続殺人が発生、有力な手掛かりもないまま深まる謎に、捜査を指揮するホークスムア警視正は次第に事件の奥に潜む闇に吞み込まれていく。時を超えて反響しあう2つの物語の結末は……。円環する時間と重層する空間を通して魔都ロンドンを彷徨う都市迷宮小説。「『魔の聖堂』は機知に富んだ不気味な想像力の作品であり、複雑なプロットを有し、人類の堕落した本質に対する懸念が繰り返し執拗なまでに描き込まれている」(ジョイス・キャロル・オーツ)。デヴィッド・ボウイが愛読し、アラン・ムーア(『フロム・ヘル』)らに影響を与えた、ウィットブレッド賞、ガーディアン小説賞受賞作。 -
浅草観音裏小路
このまま三味線にかまけて生きていきたい──花柳界の退潮に苛まれながらも、抗い逞しく生きる若い芸者たちの姿を描く傑作長編小説! 東京に残る花街(かがい)は新橋、赤坂、芳町、神楽坂、向島、浅草の六ヵ所。そのうちの浅草の観音裏界隈で芸者として生きる3人の娘たちに光が当たる。真白は地方(じかた)と言って、小唄や三味線の演奏などを担当する。25歳で結婚を理由に引退したが、7年で離婚しシングルマザーとなって出戻ってきた。母親も元芸者で、真白にとってはここ観音裏が故郷なのだ。もう一人の美鈴は立方(たちかた)と言って、踊りを担当する。真白とは同い年で、花柳界に入ったのは真白より先。でも半玉(はんぎょく)という見習い期間を経て一本立ちしたのは真白の後になる。故郷は遠く、そのせいもあってか花柳界の将来に大きな不安を抱いている。そしてきよ鈴。半玉になってまだ半年の20歳。周りからちやほやされながらも、日々踊りの修練に励んでいる。こうした3人に迫ってくるのは浅草花柳界の退潮という現実だ。昭和30年代に100軒以上あった料亭は4件に、芸者の数は600人から20人に減った。お座敷文化をどうやったら後世に引き継げるのか。3人の若手芸者の思惑が、人生が、ここ浅草観音裏界隈で交錯する……。 -
傷つきやすいものたち
ストレーガ賞W受賞の傑作ヒューマンドラマ。 遠くへ去った親友。傷を抱えた娘。あのときなぜ私は…。 語り手の後悔とレジリエンスの物語に心揺さぶられた。 ――中島京子さん(作家) 奪われた尊厳を、私たちの手に取り戻す。 襲いかかる不条理に対し、女性たちが自分らしく息ができる場所を探していく、静かで峻烈な抵抗の物語。 ――辻愛沙子さん(株式会社arca CEO | Creative Director) こんな物語に出くわすから読書はやめられないのだ。 この一作から世界文学の広さと大きさを思い知り、胸が震えた。 ――間室道子さん(書評家、代官山 蔦屋書店 文学コンシェルジュ) イタリア文学賞の最高峰ストレーガ賞+同賞ヤング部門賞W受賞! ルチアは故郷の山間の町に暮らしている。夫は単身赴任で家を出たままで、老父が暮らす近所の実家を時々訪れる日々。都市封鎖でミラノの大学から戻ってきた娘は部屋に引き籠もったままだ。ある日、ルチアは父親から土地を継げと持ちかけられる。その土地はかつて、今も町に影を落とす忌まわしい事件が起きた場所だった。ルチアは封印していた記憶と向き合うことに――。 すべての人間の弱さを力強く描いた、感動の人生賛歌。 -
「フランス文学」はいかに創られたか:敗北から国民文学の形成へ
敗戦の先に見えた文学のかたち 世界文学が話題になる今日、国民文学や文学史の誕生を問いかける試みは時代錯誤に思われるかもしれない。 他方、近年のナショナリズムの高まりや排外主義の台頭は見逃すことができない広がりを見せている。 こうした状況は、国民国家=国民文学という図式に再考をうながす。情報のグローバル化と文化のナショナリズムは矛盾しない。そもそも文学にはそれなりの自立性が備わっており、国民国家に容易に回収されるものではないのだ。 本書はこうした問題意識から「フランス文学」の誕生とその形成を解明してゆく。 まず確認できるのは、フランス革命下、「文芸」が「文学」に変貌し、文学が社会の表現であるという共通了解が醸成されてくることだ。 さらに特筆すべきは、普仏戦争の敗北を受けた第三共和政のもとで「フランス文学史」が、修辞学や批評、歴史学と競合しながら彫琢されていったという事実である。 そこには国民の立ち上げという文脈に解消できない、ゆたかな地平が広がっていた。〈戦後民主主義〉としてのフランス文学史の発見! 【目次】 序章 近代文学、国民国家、文学史 加藤周一『日本文学史序説』の意義/文学の終焉?——柄谷行人/ 国民文学から文学史へ/本書の構成 第一章 日本の「世界文学全集」とフランス文学 世界文学の多様化/国文学の誕生/世界文学全集の時代/ 河出書房版『世界文学全集』/中央公論社版『世界の文学』/ 集英社のシリーズ/池澤夏樹編『世界文学全集』の新しさ/ 審問に付される正典 第二章 世界文学からフランス文学へ ゲーテと知的共同体のユートピア/現代の世界文学論/ ダムロッシュ『世界文学とは何か?』/フランコ・モレッティ『遠読』/ パスカル・カザノヴァ『世界文学空間』/世界文学論と日本——批評と教育 第三章 「国民文学」の誕生 文学 littérature が意味するもの/『フィクション試論』と小説の擁護/ 文人から作家へ/スタール夫人『文学論』の基本構図/ フランス文学の特質/文学のジェンダー性、すでにして/ 文学と改善可能性/『文学論』の価値とその後/ 文学は社会の表現である——ボナルド/ドイツ・ロマン派の文学観 第四章 文学史の成立とその争点 外国文学へのまなざし/歴史的な思考の台頭/ アンペールの「国民文学」宣言/文学と国民史/ 文学史以前の文学講義——ラ・アルプ、ヴィルマン、ニザール/ 忘れられた文学史家タイヤンディエ 第五章 中等教育における文学史と歴史学 第三共和政下の教育改革/ラテン語vsフランス語/ 中等教育におけるフランス文学史/ ルベーグ『フランス文学選集』の射程/ヴィクトル・ユゴーの特権性/ 十九世紀文学の飛躍/歴史学と中等教育/『二人の子どものフランス巡歴』 第六章 フランス第三共和政下の人文学の再編 第三共和政とは何か/普仏戦争の衝撃——ルナンとテーヌ/ エミール・ゾラの歴史認識/総合大学 Université の再生に向けて/ モデルとしてのドイツ/改革の具体策/大学改革と人文学の再構築/ 知的プロレタリアートの不満 第七章 ギュスターヴ・ランソンの試み 歴史学を前にした文学史/ランソン『フランス文学史』とその意図/ ランソンに何が欠落しているか/ランソンの原理/文学史の政治性/ 他の学問分野へのまなざし——歴史学と社会学/ランソンの先見性 終章 現代のフランス文学史 フランスで刊行された文学史/日本のフランス文学史/ 作家の地位の変遷/諸外国で刊行されたフランス文学史/ 文学史の未来に向けて あとがき -
白百合(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第52弾は、文豪・徳田秋聲×イラストレーター・チェリ子のコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 私何だか、こういう寂しいところが、かえっていいのよ。 望太郎は、山から一輪の百合を持ち帰った。その日から、彼は奇妙な夢を見るようになる。 徳田秋聲の名作が、MVイラスト制作をはじめ、現在ではキャラクターデザインや装画など幅広いジャンルにて活動中の大人気イラストレーター・チェリ子によって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
BIRD
豪州発シスターフッド&エンパワメント小説! 過去の苦しみは現在の苦しみに絡まり繋がり、 時代が変わっても少女たちの味わう苦悩は同じ。 しかし未来だけは誰にも分からない。 そこに希望がある。 ーー王谷 晶氏 推薦!! 装画 オカダミカ 装幀 albireo Inc. 〈一万本の面倒、とあなたの父は言った。 そう言ったとき、父は笑っていた。友達と話しながら。それはあなたの髪のことだったが、あなたの人生のことでもあった。女の子に生まれたからには不幸ばかりだとわかっている、すべてのまだ生きていない人生のこと。父がそう言ったのは、あなたが十四歳になったばかりのときだった。〉(本文より) 現代の豪州の町ダーウィン、14歳のバードは育児放棄され、家でふたりきりになった母の恋人からの耐えがたい視線にさらされていた。今は病院のベッドにいるが過去の記憶が無い。 昔のヒマラヤでは、14歳のバードが父親の借金のかたに望まない結婚を強いられている。それぞれの時代でバードは「そこ」から逃げ、やがて5人の少女たちとその絵にまつわる謎に行きつくーー。 オーストラリアでもっともエキサイティングな女性作家が、少女の選択と時空を超えたシスターフッドを幻想的に描く、傑作エンパワメント小説。 -
殺し屋がレジにいる
★★★★★ 「すみません」の大安売りはもうやめた! 72歳の殺し屋が、「モラハラ」「カスハラ」「介護は娘」……全部まとめてぶっとばす! ★★★★★ 口を開けば「すみません」、理不尽には「しょうがない」。 更年期に悩む52歳・榊冴子はパート先で舐められ、実家では介護要員にされかけ、冴えない日々を過ごしていた。 ある日、レジで迷惑客を撃退するド派手なジャージの老女に遭遇。山田グロリアという名の彼女の正体は、齢72にして凄腕の殺し屋だった! 「私、今からでも変われますか?」 束縛夫に軟禁された親友を救うため、冴子はグロリアに弟子入りを志願する――。 読後のスカッと絶対保証! 怒ることを諦めてきたあなたに読んでほしい、自分自身を取り戻すリベンジ・アクション! -
赤い蠟燭と人魚(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第51弾は、文豪・小川未明×イラストレーター・しきみのコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 しかし、何処からともなく、誰が、お宮に上げるものか、毎晩、赤い蝋燭が点りました。 人間に育てられた人魚の少女。彼女の赤い絵が描かれた蠟燭は評判を呼び、多くの人が買い求めるのだが......。 小川未明の名作が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズでは『猫町』、『詩集『青猫』より』、『押絵と旅する男』、『夢十夜』、『桜の森の満開の下』、『恋愛論』、『魔術師』、『夜叉ヶ池』、『文字禍』を担当する大人気イラストレーター・しきみによって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
海蝶 沈黙のヨダ
相模湾沖で爆発炎上しながら全速航行する漁船が発見された。 このままでは沿岸に激突するーー阻止すべく、巡視船ひすいは緊急出航する。 あの漁船はどこから来たのか。なぜ海上で炎上したのか。操船しているのは誰なのか? それらの謎はすべて、かつて被災地で起きた悲劇とつながっていた。 痛ましい過去、おそましい罪。あらゆるものを奪い去り、再び沈黙する海。 無慈悲な天災の傷跡は、時に思わぬ刃となる。 無力でなにもできない自分が、いま何をすべきか。日本でただ一人の海上保安庁女性潜水士が問う“人間の業”。 「海蝶」シリーズ最新作! ※海猿にならい、海上保安庁の女性潜水士は「海蝶」と呼ばれる。 -
鏡地獄(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第50弾は、文豪・江戸川乱歩×イラストレーター・ホノジロトヲジのコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし それは凹面鏡によって囲まれた小宇宙なのです。われわれのこの世界ではありません。 「私」には、鏡の魅力に取りつかれた友人がいた。彼の欲望は尽きることなく、ひたすら自らの世界を追求していく。 江戸川乱歩の名作が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、 本シリーズでは『縊死体』、『駈込み訴え』、『春の心臓』、『人間椅子』、『死後の恋』、『瓶詰地獄』、『外科室』を担当する 大人気イラストレーター・ホノジロトヲジによって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
燃ゆる頬(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第49弾は、文豪・堀辰雄×イラストレーター・粟木こぼねのコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし こうして私の脱皮はすでに用意されつつあった。そしてただ最後の一撃だけが残されていた。 寄宿舎に入れられた十七歳の「私」。学友たちとの交流を通じて、彼の中に何かが生まれつつあった。 堀辰雄の名作が、映画のワンシーンを切り取ったような美しさを持つ作品で人気を集め本シリーズでは江戸川乱歩『悪霊物語』を担当するイラストレーター・粟木こぼねによって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
断食芸人(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第48弾は、文豪・カフカ×イラストレーター・ウミ乃のコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 当時は街中が断食芸人に夢中だった。彼が断食を始めると、人々の興奮は日ごとに高まっていった。 断食芸を生業にする男。以前は圧倒的な人気を誇っていたその芸も、今では見向きもされなくなってしまった。それでも彼は断食を続ける。 カフカの名作が、一瞬で目が釘付けになるような美しさを備えた作品で話題のイラストレーター・ウミ乃によって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
Cloud on the 空き家
幾千年の時を超えて、あなたと恋をしている奇跡。 生き死にの極限に迫る、著者渾身の恋愛小説。 ひと月前に兄を亡くして天涯孤独の身となったわか子は、週に三日、空き家管理の仕事をすることになった。趣味の和歌を思い浮かべながら、何かが死んでいるような腐敗臭のする家で掃除をしていると、「なびかじな……」という藤原定家の和歌がきっかけとなって不意に景色が反転し、気を失ってしまう。目が覚めると、空き家の持ち主の河原さんと見たことのない青年がわか子を心配そうに見下ろしていた。それは時間のなかを旅してきたような、不思議な感覚で――。 雲=クラウド=記憶の保存庫 若さを失うことは、少しも寂しいことではないの―― 過去の恋を思い出しながら、わか子は『源氏物語』の朝顔の君に自身を重ねてみる。 前世か先祖か幻か、わか子のなかに眠っていた女たちの記憶が動き出す。 装画:栗田有佳 装幀:大久保伸子 -
寿ぐ嫁首 怪民研に於ける記録と推理
大学生の瞳星愛は、友人の皿来唄子に誘われ、彼女の実家で行われる婚礼に参加することになる。「山神様のお告げ」で決まったというこの婚姻は、「嫁首様」なる皿来家の屋敷神の祟りを避けるため、その結婚相手から儀礼に至るまで、何もかもが風変りな趣向が施されていた。婚礼の夜、花嫁行列に加わった愛は、行列の後ろをついてくる花嫁姿のような怪しい人影を目撃する。そして披露宴を迎えようというその矢先、嫁首様を祀る巨大迷路の如き「迷宮社」の中で、奇怪な死体が発見された――。作家であり民俗学研究者、そして名探偵としても知られる刀城言耶の怪異民俗学研究室、通称「怪民研」に出入りし、言耶の助手にして素人探偵の天弓馬人と共に数々の怪異譚の謎に挑んできた愛は、皿来家分家の四郎と共に事件の謎解きに挑むことになるのだが……。 -
恐るべき緑
人類と自然界の「過剰さ」への傾向に関する考察 世界33か国で刊行、オランダ生まれのチリの新鋭による、科学史に着想を得た斬新なフィクション。 「プルシアン・ブルー」 第二次世界大戦末期、ナチの高官らが所持した青酸カリと、西欧近代における青色顔料をめぐる歴史、第一次世界大戦の塹壕戦で用いられた毒ガス兵器の開発者フリッツ・ハーバーの物語。 「シュヴァルツシルトの特異点」 科学史上初めてブラックホールの存在を示唆した天文学者シュヴァルツシルトの知られざる人生。 「核心中の核心」 不世出の数学者グロタンディークの数奇な生涯と、日本人数学者、望月新一の人生の交錯を空想する。 「私たちが世界を理解しなくなったとき」 黎明期の量子力学の発展に寄与した三人の理論物理学者、ハイゼンベルク、ド・ブロイ、シュレーディンガーと、それぞれに訪れた発見/啓示の瞬間。 「エピローグ 夜の庭師」 作者と思しきチリ人の語り手が、散歩の途中に出会った元数学者の庭師との会話や思索を綴る。 科学のなかに詩を見出し、宇宙の背後にある論理や数式が、天才たちの前におのずと姿を現わすかのような比喩が随所に光る。既存のジャンルを軽々と飛び越える国際的な話題作。 -
別れを告げない
ノーベル文学賞受賞作家の最新長篇! 作家のキョンハは、虐殺に関する小説を執筆中に、何かを暗示するような悪夢を見るようになる。ドキュメンタリー映画作家だった友人のインソンに相談し、短編映画の制作を約束した。 済州島出身のインソンは10代の頃、毎晩悪夢にうなされる母の姿に憎しみを募らせたが、済州島4・3事件を生き延びた事実を母から聞き、憎しみは消えていった。後にインソンは島を出て働くが、認知症が進む母の介護のため島に戻り、看病の末に看取った。キョンハと映画制作の約束をしたのは葬儀の時だ。それから4年が過ぎても制作は進まず、私生活では家族や職を失い、遺書も書いていたキョンハのもとへ、インソンから「すぐ来て」とメールが届く。病院で激痛に耐えて治療を受けていたインソンはキョンハに、済州島の家に行って鳥を助けてと頼む。大雪の中、辿りついた家に幻のように現れたインソン。キョンハは彼女が4年間ここで何をしていたかを知る。インソンの母が命ある限り追い求めた真実への情熱も…… いま生きる力を取り戻そうとする女性同士が、歴史に埋もれた人々の激烈な記憶と痛みを受け止め、未来へつなぐ再生の物語。フランスのメディシス賞、エミール・ギメ アジア文学賞受賞作。 -
独り 気高く 寂しく
韓国の文壇と読者から多くの人々に愛されてきた詩人、アン・ドヒョン。 世界的ヒットを記録したドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』も朗読された、「練炭一つ」を収録。 灰になった練炭をむやみに蹴るな 君は 誰かに一度でも熱い人であったことがあるのか ──「君に聞く」より 1980年の光州事件以降、文学より切実なことがあまりに多かった時代。 詩の力、言葉の力で、心を守り抜こうとした、いまなお、読み継がれる詩集が待望の翻訳刊行! この詩集に載った「君に聞く」は「私」に厳しく問いかけ、「私」に痛いほど鞭を打とうという詩である。 私でない他人に一度でも熱い人になること、その思いで学校から追い出された自身の悲哀を自ら収めようとした。 そうして初めて、その険しい時代を耐えていけそうだと思えた──「邦訳版 あとがき」より 1994年の初版刊行時から約30年を迎え、著者による執筆当時を回想した、邦訳版のための「著者あとがき」を特別収録。 時代のうねりのなかで、何度も書いては消して、自分へ、世の中へも屈することなく、ペンを握り続けた詩人によって紡がれた、ことばの灯火。 ■目次 自序 1 君に聞く/練炭一つく/半壊した練炭く/太陽と月く/機関車のために/芽項への道/ニンニク畑のほとりで/母岳山に登りながら /スミレ/土地 2 群山の沖合い/遠くの明かり/国防色のズボンについて/ポン菓子について/冬の夜に詩を書く/私の経済/あの家/服のせい/こんなに遅い懺悔を君は知っているか/この世に遠足に来て/私に送る歌/私をいらだたせるもの 3 木/白樺を探して/雪の止んだ野原/鮒/市内バスは行く/新築工事現場にて/葛藤/家について /古い自転車/井戸/ヒメジョオンの花/昔の風景画/洪水 4 この世に子どもたちがいなかったら/あのトネリコの幼い新芽も/学校へ行く道/その飯屋/群山の友 ── 李光雄先生/恋/新しい道/襲い掛かって来たら── アフリカ民謡を真似て/アメリカに関する研究/ソウルに住む友へ/草刈り 5 冬の葉書/法の通りに/教員労働者になって/マスの刺身を食べながら/妻の夢/ご飯/ミンソクの百日祝いが過ぎて外に抱いて出てみると/ステッカーを貼りながら/私の町のオリオン工場/懐かしい裡里中学校/希望事項 詩人の言葉 /解説 鍊鍛からの新しい道への風景/邦訳版あとがき/訳者あとがき -
生きる演技
家族も友達もこの国も、みんな演技だろ――元「天才」子役と「炎上系」俳優。高1男子ふたりが、文化祭で演じた本気の舞台は、戦争の惨劇。芥川賞作家による圧巻の最高到達点。 かれはこの場のぜんぶを呪っている。 それを才能といってもいい。 そして演じるちからに変えている。 「最高に読み応えがあり、かつ唯一無二の印象がある。時代のフロンティアに刺さっている。」――古川日出男(朝日新聞文芸時評) 「間違いなく、作家・町屋良平のキーとなる作品」―山﨑修平(週刊読書人文芸時評) 本心を隠した元「天才」子役・生崎(きざき)と、空気の読めない「炎上系」俳優・笹岡(ささおか)。性格は真逆だが、同じように親を憎み、家族を呪い、そして「家族を大事に」というこの国が許せない。互いの本音を演じあうふたりはどこへ向かうのか――? 「今この国の空気」を生きるすべての人へ問う衝撃作! 「デビューから7年のすべてを投じました」――町屋良平 -
イスタンブル、イスタンブル
美しき街への痛切な愛を謳う傑作トルコ文学。 イスタンブルの地下牢獄の一室に、学生のデミルタイ、温厚なドクター、気難しい床屋のカモが閉じ込められていた。苛烈な拷問を待つあいだ、彼らは互いに物語をして時を過ごす。そこに激しい拷問を受けたばかりの老人キュヘイランが加わる。彼は幼い頃から父が影絵で物語ってくれたイスタンブルに憧れていた。彼らはまるで疫病を避けて家に閉じこもり物語をし合った『デカメロン』のように物語り合い、空想の世界でお茶を飲み、煙草を味わう。やがて彼らの過去が少しずつ明らかになり、と同時にそれぞれがまた拷問へと連れだされていく…。 2018年EBRD(欧州復興開発銀行)文学賞受賞。東西が溶け合う美しい街と、その地下で彼らを襲う残酷な現実――クルド系トルコ人の作家がイスタンブルへの痛切な愛を謳う傑作トルコ文学。 (底本 2023年9月発売作品) -
作家たちのフランス革命
想像の源泉か? 歴史観の表明か? フランス革命は「自由・平等・友愛」を標語にする共和国の出発点であり、革命をどう記述するかはフランスのナショナル・アイデンティティ構築の鍵を握る。フランスの作家たちは大革命をどのように眼差し、どう描いてきたのだろうか。本書では、18世紀から20世紀を専門とする7名の仏文学者たちが、7人の作家の作品を通し、この問いに鮮やかに答える。 取り上げるのは、革命を経験したナポレオンとほぼ同世代のスタール夫人(村田)とシャトーブリアン(小野)、「ブリュメール18日」のクーデタの直後に生まれナポレオン帝政期と復古王政期に人となったバルザック(柏木)とユゴー(西永)、そしてドレフュス事件と第一次大戦のあいだの1912年に「恐怖政治」を扱った小説を出版したアナトール・フランス(三浦)、その一回り下の世代で、ドレフュス事件から両大戦間の人民戦線期にかけて「フランス革命劇」連作8篇を書いたロマン・ロラン(アヴォカ)、最後に我々と同時代人で、マリー=アントワネットを主人公にヴェルサイユ最後の3日間を描いたシャンタル・トマ(関谷)。 約200年に渡って強烈な個性と才能が考え抜いてきた「革命像」が、いまここに広がる。 -
浪人左門あやかし指南 全4冊合本版
酒と怪談を愛する剣客が“この世の不思議”に対峙する。「時代×怪談×ミステリ」で話題をさらった第38回メフィスト賞受賞作。 酔いどれ左門は腕が立つ。 酒より好きなものは怪談ばなし。 甚十郎も腕こそ負けぬが、こちらは怖い話は大の苦手。 10年前、家老が闇討ちされた霧深い城下で「女の幽霊を見た者は死ぬ」という噂が。 ふたたび家老闇討ちに巻き込まれた甚十郎は、城下の寺で女を見てしまう。 (『掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南』) 『掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南』『百物語 浪人左門あやかし指南』『無縁塚 浪人左門あやかし指南』『狐憑きの娘 浪人左門あやかし指南』全4冊合本版 -
音楽の肖像
肖像画とエッセイ、詩が協奏する音楽の喜び。 以下のような谷川の言葉がこの本の魅力を語りつくしている。 「音楽は世界を隔てることなく丸ごと包み込む。僕はずっと、詩でそういう世界を作りたいと願ってきた」 * あのベストセラー『マザー・グースのうた』の名コンビが復活した! 堀内誠一が遺した素晴らしい肖像画とエッセイに谷川の詩が協奏する。カラーも満載の宝物のような一冊。 収録された作曲家は以下の人々――モーツァルト/ドヴォルザーク/ドビュッシー/フォーレ/ファリャ/グリーグ/シューマン/ショパン/ベートーヴェン/ブラームス/ガーシュイン/ミヨー/シューベルト/ムソルグスキー/ラヴェル/ハイドン/ラフマニノフ/ビゼー/サン=サーンス/バッハ/エリック・サティ/プロコフィエフ/メンデルスゾーン/グラナドス/バルトーク/ストラヴィンスキー/リスト/チャイコフスキー/(掲載順) 見開きの右ページに堀内による各作曲家の軽快なエッセイ、左ページにカラーの肖像画、そして次の見開きに谷川による全作曲家にちなんだ詩(5ページに及ぶ詩もあり、モーツァルトとバッハは複数篇を収録、書下ろしも多数)。 ※この作品はカラーが含まれます。 -
谷川俊太郎のあれやこれや
魅力全開! 単行本初収録の詩やエッセー、亡き人たちへの追憶、パロディ、若き日の戯曲、そして自伝風の読む年譜。欲ばりで楽しいヴァラエティブック。【収録作品】●エッセー・コレクション:子どもの歌の歴史を語る名エッセーなど初収録の11篇 ●懐かしい人たち:寺山修司、武満徹から大岡信、和田誠まで(追悼詩も多数収録) ●戯文五つと戯詩ひとつ:ビートルズから夏目漱石まで。愉しいパロディ6篇 ●戯曲 お芝居はおしまい:29歳の若き詩人が書いた喜劇三幕の長篇戯曲を初収録 ●小詩集:石牟礼道子さんとの「空想の対詩」のほか、多彩な作風の詩集未収録19作 ●自伝風の読む年譜:自身の文章の他に、書評、インタビュー、新聞記事も多数収録 -
【合本版】ヒーローズ(株)!!!
「なーんの面白味もない人生やったなあ」――病床にある祖父の言葉が頭から離れないコンビニ店員の修司・26歳は、ある日、借りのある同僚から『ヒーローはキミだ!』という胡散臭い求人広告のアルバイトを持ちかけられた。しぶしぶ指定された場所へ向かうとあったのは、今にも崩れ落ちそうな雑居ビル。そこの会社にいたのは、初老の紳士、ホストのようなチャラ男、そしてよくわからない話をする恰幅の良い社長。いきなり任された仕事は、今をときめく人気漫画家の“お守り”? 読んだ後はきっと元気になれる、著者会心の人生応援ストーリー第2弾!全4巻の合本版で登場! ※本電子書籍は、『ヒーローズ(株)!!!』全4巻を1冊にまとめた合本版です。 -
【合本版】破滅の刑死者
普通じゃない事件と捜査――あなたはこのトリックを、見抜けるか? ある怪事件と同時に国家機密ファイルも消えた。唯一の手掛かりは、事件当夜、現場で目撃された一人の大学生・戻橋トウヤだけ――。 内閣情報調査室に極秘裏に設置された「特務捜査」部門、通称CIRO-S(サイロス)。「普通ではありえない事件」を扱うここに配属された新米捜査官・雙ヶ岡珠子は、目撃者トウヤの協力により、二人で事件とファイルの捜査にあたることに。 珠子の心配をよそに、命知らずなトウヤは、誰も予想しえないやり方で、次々と事件の核心に迫っていくが……。 「才能が光る。浮世離れしたキャラクター造形。意表を突く場面展開。僕たちの会社が制作した『SPEC』のように映像化もありえるか?」神康幸(映像プロデューサー/電撃小説大賞最終選考委員)、「僕たちは何かを賭けて生きている。読み終えた後、この物語にもっと賭けたくなりました」佐野徹夜(作家)――大推薦の声、続々! 応募総数4843作品から激賞、第25回電撃小説大賞《メディアワークス文庫賞》に輝いた、注目のサスペンス・ミステリが合本版になって登場。 ※本電子書籍は、『破滅の刑死者』全4巻を収録しています。 ※本商品は1冊に全巻を収録した合本形式での配信となります。あらかじめご了承ください。 -
濃霧は危険
過保護に育てられたレデヴン館の相続人ビル・レデヴン少年は、同年代の少女のいる知人宅で休暇を過ごすよう親に命じられ、気乗りしないまま、シルバーのロールスロイスに乗せられ目的地に向かっていた。ところが、霧が濃くたちこめた荒れ地の途中で、いきなり、意味も分からないまま、お抱え運転手のブランドンに車からつまみ出されてしまう。同じころ、周到な計画のもとに、〈ナイフ〉と呼ばれる若者がボースタル少年院から逃亡する。 ビルは荒れ地をさまよううちに少年パッチと知り合い、行動をともにするようになる。二人はビルが思わぬ形で手に入れた暗号で書かれた文書を解読しながら、〈にやついた若者〉、〈ヴァイオリン〉、片手が鉤爪の男との、追いつ追われつの冒険へと踏み出してゆく。 オールタイムベスト級の傑作を次々と発表し、いわゆる英国ミステリ小説の黄金時代最後の作家としてゆるぎない地位を築いたクリスチアナ・ブランドが、すべての少年少女のために、みずみずしい筆致で、荒涼とした大地と海が広がるイギリス南部のダートムアを舞台に繰り広げられる冒険を描いたジュヴナイルの傑作。 装訂・シリーズロゴデザイン=坂野公一(welle design) -
誰?
アメリカの天才物理学者ルーカス・マルティーノは、自らが立案した極秘のK88計画の実験中に大爆発に巻き込まれ瀕死の重傷を負った。事故の起きた研究所が、連合国支配圏とソビエト社会主義国支配圏の境界近くにあったため、マルティーノはいちはやく現場に駆けつけたソビエト側の病院に収容されてしまう。そして3か月後、外交交渉の末、マルティーノは解放されることになる。だが国境線の検問所のゲートから現れたのは、卵型の金属の仮面をつけ、体のほとんどが機械で出来た、変わり果てた姿のマルティーノであった! 果たして彼は本物のマルティーノなのか、それとも別人なのか、本物であれば洗脳されているのではないのか、解放したソビエトの意図とは? 解放に立ち会った中央ヨーロッパ国境地区の保安責任者ショーン・ロジャーズは、様々な方法でこの人物の正体をつきとめようと試みるもののことごとく失敗に終わる。その後、新たにマルティーノの追跡調査担当者に任命されたロジャーズは、マルティーノをニューヨークに送り届け、彼を泳がせ、その行動を追跡することで正体に迫ろうとするが……。全編に緊張感をみなぎらせ、独特の抒情を漂わせつつ展開する、SF界の巨匠バドリスの代表的長編SFサスペンス。 装訂・シリーズロゴデザイン=坂野公一(welle design) -
Gストリング殺人事件
ストリッパーとしてオハイオ州コロンバスのゲイエティ劇場に出演していたジプシー・ローズ・リーは、旧知の興行主H・I・モスに誘われ、親友のジージー・グレアムとともに、彼がオーナーを務めるニューヨークのオールド・オペラ劇場に移籍する。華やかな舞台の裏で繰り返される、踊り子同士のいがみあいや喧嘩、口さがない悪口、踊り子とコメディアンとの恋愛沙汰、警察による手入れ、と移籍先での毎日は騒がしい。そんな中、新しいトイレのお披露目を口実に楽屋で開かれたパーティの席上で、皆から嫌われていた踊り子のロリータ・ラ・ヴェルヌが、Gストリングを首に巻きつけた状態の遺体で発見される。自身にも嫌疑を向けられたリーは、恋人のビフ・ブラニガンとともに調査を始めるが、やがて第二の殺人が! 一癖も二癖もある人間が出入りし、生々しい人間関係が渦を巻く猥雑を極めたバーレスクの世界を舞台に繰り広げられる、アメリカン・バーレスクの伝説的スターによる異色のミステリ、ここに開幕! クレイグ・ライス代作説を徹底究明した前説だけでもミステリ・ファンはMUSTの一冊。 ◆女性読者の皆様、「ストリッパー」という惹句を目にして敬遠するなかれ。本作は、ボーヴォワールが『第二の性』を著す以前の1941年に、アメリカの知的で自立した女性の生きざまというフェミニズム・テーマを、声高でなく面白おかしく描いた文学的価値もあるミステリ良作なのです。(山口雅也) 装訂・シリーズロゴデザイン=坂野公一(welle design) -
九龍城砦
香港映画史上No.1ヒットとなった「トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦」待望の原作刊行! 1988年、香港。黒社会でその名を知られる義に厚い青年・陳洛軍(チャン・ロッグワン)は、香港を牛耳る大ボスから突然命を狙われた。舎弟たちを傷つけられ、母親を殺された洛軍は、復讐を誓って九龍城砦に足を踏み入れる。そこは大ボスも手を出そうとしない〈龍城幇〉の頭目・龍捲風(ロンギュンフォン)が支配する地だった──。彼はそこで黒社会に生きる信一(ソンヤッ)、十二少(サップイー)らと絆を深め、大ボスの打倒に向けて動き出す! 映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』原作。*「幇」の字は正しくは封に白に巾 -
あいつも誰かに殺される
「お前の望みどおりタナトスの影が覆い、鈴木健三には無残な死が訪れるであろう」。 SNSアプリ「リアリズム」に投稿された呪詛に死神からの予告が返信された。誰もがいたずらと思った矢先、実際に鈴木健三がビルから転落し、死亡。現場には投稿された呪詛画像のプリントアウトが貼られていた。この大胆な殺人事件に世間は沸騰。「リアリズム」内には殺害を依頼する投稿があふれかえった。25歳の女性会社員、静岡県の中年男性教師、イラストレーター・・・・・・都や県の垣根を越えて無作為に人間が殺されていく。殺害方法は様々でも、いずれも投稿画像が傍らに添えられていた。犯人は同一か、複数か。模倣犯は含まれていないのか。一課の警部補・虹ヶ谷礼太郎と女性刑事・音羽沙織は、翻弄されながらも粘り強く捜査を続けるが、事件の範囲は拡大を続けるばかりで――。 ラストの衝撃まで目が離せない。 著者プロフィール 1981年京都府生まれ。2014年『闇に香る嘘』で江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。数々のミステリランキングで高評価を受ける。15年「死は朝、羽ばたく」が日本推理作家協会賞(短編部門)、16年『生還者』が日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)の候補になる。2024年『同姓同名』がビブリオバトル3冠を達成し話題に。著書に『真実の檻』『黙過』『ヴィクトリアン・ホテル』『そして誰かがいなくなる』『全員犯人、だけど被害者、しかも探偵』『ネタバレあり 双紋島の殺人』などがある。 -
あぢさゐだつたらあぢさゐの中
第十二歌集 鶏卵は青嵐(せいらん)渦をまくなかに一個しづかに無風をおこす 存在と非存在の境界を問い 繫がりを模索し続ける渡辺松男の 新たな地平線が、 この歌集から見えてくる かりん叢書451篇 装幀/装画 外間隆史〔未明編集室〕 【収録歌より】 泡だから泡だつてゐる泡の中 あぢさゐだつたらあぢさゐの中 日に一度巻いてやらぬと古時計止まつてしまふ かういふの好き かがみの奥のわたしから手ののびてきてどんなにのびてもわれへとどかぬ 石楠花の群落のなかに耳をおき耳よ愉しめわれは去るから 至仏山頂上に立ち日輪は天にある傘闇をさえぎる 【目次】 もくじ Ⅰ 悲 牡丹 しうめいぎく 傘 古時計 靴 ポケット ひまはり 鏡 短刀 手 魚市 四手沙参 Ⅱ 抱卵 蚊 蟋蟀 蟬 蜂 蝶 蜻蛉 鶏卵 鳥 鴉 Ⅲ 家が鳴りだす 顔が糸瓜のやうに長い日 ぽこぽこの影 突端 くうかん 図案 からだ(一) 嚙む 夏祭り まぼろしでなき方 あの子 なんの遊び 鳥瞰とルーペ Ⅳ 籠城 桜下 花鋏 地球に乗つてゐるのが怖い 衣装 脳の状態 太陽を蔵へる雲 赤城を洗ふ ふしぎなところへゆきぬ 飛べよ 流れは Ⅴ きより(一) からだ(二) のちの静けさ 葉のやうな死 きより(二) 豪雪のごときにあらざりしかど きより(三) ひかり しあはせ おうゑん ゆめ きより(四) あとがき 【著者】 渡辺松男 1955 年群馬県伊勢崎市生まれ。歌集に『寒気氾濫』『泡宇宙の蛙』『歩く仏像』『けやき少年』『〈空き部屋〉』『自転車の籠の豚』『蝶』『きなげつの魚』『雨ふ る』『牧野植物園』『時間の神の蝸牛』。句集に『隕石』。現代歌人協会賞、迢空賞、芸術選奨文部科学大臣賞等。「歌林の会」会員。 -
機龍警察
特捜部を待ち受ける、予想もしない凄絶なる結末。待望のシリーズ長篇第7作 対馬海峡沖で不審船のコンテナから発見された夥しい死体は、手足を切り落とした子供の神経を機甲兵装に直接接続して兵器化するという、非道な人身売買に繋がっていた。捜査を続ける特捜部の眼前に浮かびあがる、城州グループと馮コーポレーションの狙いとは? -
5万枚のカルテを見た看護師が語る不可解なエビデンスに学ぶスキルとしての怪異―加速する世界と医療の個性化をつなぐ病院怪談―
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 病院には看護師だけが知っている「医学的エビデンスを超えた死ぬ瞬間命の選別」にまつわる語りがある 「不確実性」に直面する時代の中で生きのびる方法は「患者の最期から学んだエビデンスに基づく怪異」だった 「看護師だからこそ人から信頼を得て初めて聴くことができる話がある。医学や科学の知識で語る怪異はもっと魅力的だ」 岸本誠(都市ボーイズ) 本書は、怪談で語られることの多い幻聴、幻視、幻蝕、幻臭といったテーマを、解剖学を根拠に検証しながら、エビデンスでは語り切れない「医療現場で本当に起きたこと」「死のタイミング」「死ぬ瞬間」「命の選別」などのエピソードを語る。 また、著者の看護師としての実体験や患者とのエピソードを参考に、患者や医療者が抱える矛盾や弱さを基盤にした「後悔しない最期」についても模索する。さらに、AIによる社会の加速化やパンデミックや世界的な紛争などの不確実性に直面する私たちが、人間としての「弱さ」を抱えながらも、「エビデンスに基づく怪異」を活用し、しなやかに生きのびるスキルを提示する。精神科医・ラッパー・怪談師であるDr.マキダシ氏との対談「怪談師の精神科医ラッパーと看護師が語る 世界に舞い戻るための怪談とHIPHOP」も収録。 -
不倫に関する、ちょっとした疑問
独占欲も、結婚願望もなかったのに、なんで――? 女同士の不倫に耽る友達、凡庸な不倫にはまった私。 現代台湾から届いた、愛の矛盾に食らいつく複雑恋愛小説! 「恋以外にするべきことがたくさんある。 でも、『私』を粉々にする引力がここにある」 高瀬隼子さん激震 フェミニストを自認し、作家を目指す「私」が うっかり迷い込んだのは、落ち目の映画監督とのありきたりな不倫。 夫がいる友達は女性上司と肉体関係をもち、 心を病む父とクセの強い母は相変わらず。 「そう、結婚なんかしてる僕は、万死に値する。」 婚姻にまつわる不条理、湧き上がる怒りと孤独…… すべてを振り切り、ある行動を起こしたとき、 思いがけず手にした〝新たな景色〟とは? -
記憶に残るキャラクターの作り方
魅力的なキャラクターを作るためには何から始めるべきか? 矛盾や葛藤といった複雑な内面を生み出すためにはどうすればいいのか? 人間関係をダイナミックに表現するためには何が必要か? キャラクター創作のノウハウが凝縮された古典が、待望の邦訳! ハリウッドを拠点に、2000本以上の脚本に関わってきたスクリプト・コンサルタント、リンダ・シーガー。そんな彼女が、キャラクター創作のテクニックを徹底伝授。 本書は、キャラクター設定の基礎(人物や時代背景のリサーチ、身体や感情の表現方法など)を理解することから入り、実践(バックストーリーや人間関係の作り方、セリフの書き方など)、応用(非現実的なキャラクターの作り方、ステレオタイプを超えるために考えるべきことなど)、とステップアップ式に構成されており、効率的にキャラクター創作の基礎とその応用方法を学ぶことができます。 また、タイプに基づいたキャラクターの設定、脇役に人柄や特徴を与える方法、サブテキストについて、など細部のテクニックに関しても解説しているため、これ1冊でキャラクター創作に必要なあらゆる知識を得ることができるでしょう。 加えて本書には、30名以上のクリエイターたちの生の声も収録。映画やテレビの脚本家はもちろん、小説家、劇作家といった人々、そしてマンガ家や広告クリエイターなど多彩な作り手が、キャラクターの創作や人間関係の構築に関する独自の方法論を語っています。 シーガーとクリエイターたちの解説や方法論が書かれているだけでなく、自作を執筆する前のよい準備運動になるであろうエクササイズ、作品を創作する際にチェックリストの役割を果たすクエスチョンなども収録しています。ほかにもひとつの作品やひとりの人物にフォーカスし掘り下げていくことで、より深い理解へと促すケーススタディ、章の内容を簡潔に記すことで頭の整理に役立つまとめなども各章に用意。 映画、テレビドラマ、演劇、小説、マンガ、ゲーム……すべてのジャンルの物語創作者、必携の1冊! ☆原書は1990年刊行。数多くある物語創作術の中でも、キャラクター創作における定番書。 ☆ハリウッドを中心に活躍する脚本家や、アメリカの人気小説家の声も多数収録。 ☆各章の理解を深める、エクササイズ、ケーススタディ、クエスチョン、まとめを掲載。 ☆黒人、アジア系、ヒスパニック系など人種を描く際の注意点にも触れられており、現在の書き手必読。 -
建築トリック謎解きガイド
ミステリは、建築でできている。 密室、鍵、窓のない部屋、孤島の洋館、回る建物、謎の建築家……奇怪な難事件の舞台には、これまた不思議な建築が登場することがしばしば。 本書ではこうしたミステリ"あるある"なシチュエーションや仕掛け、建物を読み解くキーワードをとりあげ、一級建築士がまじめに考察! ◎密室は実在する? ◎建物が動くなんてありえない? ◎隠し扉は本当につくれる? この本を読んだあなたが次にミステリを読むとき、「今、主人公があけた扉は外開きか、内開きか?」「密室に使われていた鍵はなんだろう?」と、気になって仕方なくなってしまうでしょう。 もしかしたら、間取り図を見るだけでトリックに気づけるようになるかも…!? 身近な建物に潜む”謎がかくれる死角”を見つける力が身に付く、ミステリ好きに捧げる、ミステリの新しい楽しみ方ガイドです。 -
多崎礼公式ガイドブック 煌夜祭20年の軌跡
衝撃デビューからの20年を、装画全点、秘蔵の初期設定公開など弊社刊行作品紹介で辿る。著者主催のSNS煌夜祭の様子、書下ろしを含む『煌夜祭』外伝九篇をも収めた愛読者必携の一冊。 (目次より) ◇20周年に寄せて 多崎礼 ◇20年の軌跡 第二回C★NOVELS大賞発表/SNS煌夜祭について/煌夜祭質問箱 ◇『煌夜祭』外伝 SNS煌夜祭発表短篇……煌夜祭へ/人であれ/言わずが花/ありきたりな幸運を/ぼんくらな島主/泣き男/赤い炎/災禍の魔女 20周年特別書き下ろし短篇……水平線の蛇 ◇作品紹介 煌夜祭 Die Geschichten von den Achtzehn Inseln 【イラスト】山本ヤマト/六七質/凪かすみ/山影麻奈 〈本の姫〉は謳う The Princess of Books Awakens(全四巻) 【イラスト】山本ヤマト 夢の上 Because You Tread on My Dreams(全四巻) 【イラスト】天野英/アリストレーター/六七質 八百万の神に問う I ask you, I ask the Myriad Spirits.(全四巻) 【イラスト】天野英 叡智の図書館と十の謎 The Library of Wisdom and Ten Riddles 【イラスト】田中寛崇/六七質 -
心臓の風化
空をゆく鳥、雪がふり傘をさすあなた 心臓は風化しない 藪内亮輔久びさの第二歌集は恐ろしいほどの虚無と死を孕んで差し出される。 世界中に戦争の火種が見え隠れする今、歌は痛みであり、出血を伴うかなしみである。 【収録歌より】 沁み込んだ――滴(しづく)が。甃(いし)に。手のひらに。―― 血液といふ出口なき川 名を持つてしまつた君が名を持たぬ花を掲げて その燃える赤 唇あまた滅びてのちに一度だけふれし夜雨に海がけぶれり 最初からこの世は地獄 あきらめよ びたびたと魚(いを)のやうに降る雨 のどぼねは焼き滅びをり花はなほ 夏に降り積むまぼろしの雪 【目次】 Ⅰ Weathering 春の雪 暗き塔 雨と苹果 精緻 心は川 慈母蛆期 花影 涙と鳥 残滓 花れる 白銀 負け続けていくけれど Ⅱ 「あなた」への随想 凍傷と葡萄 悪について 火の解凍 暗い、暗い、 暴力性の虜囚 虚無の歌 罪の花 眼と水 檸檬 落魄 バラード Ada(死の……) あとがき 【著者】 藪内亮輔 1989 年、京都生まれ。 2008 年、京都大学 1 回生のとき、島崎健の和歌の授業に感銘を受け、翌年度に京大短歌、塔短歌会に入会。 2011 年、「海蛇と珊瑚」で第 57 回角川短歌賞次席。2012 年、「冬の鷺」で塔短歌賞、「花と雨」第 58 回角川短歌賞をそれぞれ受賞。同年、同人誌「率」に 2 号より参加。 2018 年、第 1 歌集『海蛇と珊瑚』(角川書店)を刊行。2019 年、同歌集で第 45 回現代歌人集会賞を受賞。2020 年、第 66 回角川短歌賞より選考委員を担当。 -
雪の如く山の如く
中国最大の読書サイト「豆瓣」で2022年国内フィクション部門第1位! 大学生から70代まで、それぞれ異なる漢字だが同じ「リーリー」という読みの名を持つ6人の女性たちがそれぞれに遭遇する、ありふれた、しかしのっぴきならない現実とは。 どの「彼女」が体験する痛みと哀しみにも共感が呼び覚まされる、現代中国の新鋭作家による話題の短編集! ●90 年代の旧正月、養親に遠慮して最も安い「座席なし」の切符を取り、ずっと立って帰省していた大学生・立立(リーリー)が大混雑の車内で体験したのは――「ただ座りたいだけなのに」 ●仕事帰りに公営プールに通うのが唯一の息抜きとなっている王瀝瀝(ワン・リーリー)。ある日現れた一人の美しい泳ぎ手から目が離せなくなって――「スイマー」 ●巫童(ウー・トン)が婚約者の帰省に同行した際、その地方都市で偶然会ったのは、初恋の相手の母親・姜麗麗(ジアン・リーリー)だった。思い出話をするほどに、彼の不在が浮かび上がり――「雪山」 ほか、全6編収録 【著者略歴】 張天翼(ジャン・ティエンイー) 天津生まれ。北京在住。 【訳者略歴】 濱田麻矢(はまだ・まや) 1969年兵庫県生まれ。神戸大学人文学研究科教授。中国語圏の現代文学を専門とし、なかでも性別表象に関心を持つ。著訳書に『少女中国――書かれた女学生と書く女学生の百年』、張愛玲『中国が愛を知ったころ――張愛玲短篇選』、同『半生の絆』など。 -
おしら鬼秘譚
怪異に嘘も本当もない。 大事なのは背景にある人の営みや風土だ。 寒村に伝わる呪いの人形に秘められた謎とは? 忽然と消えた娘を追う母は、〈鬼を招く〉学芸員&〈最恐〉呪物蒐集家と、東北を駆ける――。 仙台のタウン誌で働きながら娘とふたりで暮らしている桑見里帆は、古本市で「おしら鬼」と呼ばれる木彫りの像を手にする。巨大な角を生やした奇妙な木像の写真を目にした里帆の母は、我が家にも同じ人形があったと言い放つ。その夜、娘の愛菜が木像とともに失踪してしまう。里帆は、民俗学に詳しい学芸員・獺川(おそかわ)や怪奇マニアの呪物蒐集家・摩訶原(まかはら)といった怪人物たちを巻き込みながら、愛菜の行方を追うため「おしら鬼」の正体を探ってゆくと――。 怪談実話の旗手が放つ、伝奇ミステリ! -
良いこと悪いこと シナリオブック
TVer再生回数が日本テレビレギュラードラマ歴代1位を更新した『良いこと悪いこと』(主演:間宮祥太朗×新木優子)のシナリオブックが発売! 全10話+Huluオリジナルストーリーのシナリオを完全収録。さらに、本書でしか読めない〈脚本家・ガクカワサキ×プロデューサー・鈴木将大 対談〉も掲載! ドラマの誕生秘話や放送中に話題となった伏線、なぜ主題歌に「アゲハ蝶」を起用したのか、実はこんなエンディングもあった、などの裏話が収録されており、SNSで白熱した“考察”の答え合わせもできる本として、ドラマファンには欠かせない一冊に仕上がっています。 ※紙版書籍に収録されている冒頭口絵については電子書籍版では掲載がございません。予めご了承ください。 -
太陽に撃ち抜かれて
恋も殺しもドラッグも、すべてが熱に焼かれてく。「スペクテイター」誌、「フィナンシャル・タイムズ」紙年間ベストブック選出。世界に衝撃を与えたブラジルの才能による鮮烈デビュー作! ・ 映画『シティ・オブ・ゴッド』以後の最も重要な想像力――アイリッシュ・タイムズ ・ いつも何かが壊れるみたいだ――。 マフィアと警察が抗争を繰り広げ、麻薬中毒者たちが路頭をさまようなか、子どもは本物の拳銃で遊び回り、若者たちはビーチで大麻を吸い、恋をする。 ・ ブラジル発、新リアリズム(ノーヴォ・ヘアリズモ)がついに上陸! 世界10カ国で翻訳。 ・ 「ブラジルの大作家ローザに匹敵する」――カエターノ・ヴェローゾ 「人生とはこんなにも容易く狂ってしまう」――ガーディアン 「リオデジャネイロのスラム〈ファベーラ〉生活を、タフで優しい文体で、驚くほど力強く描いた」――カーカス・レビュー -
茶の本
岡倉天心の名著『茶の本』が刊行されて120周年。 多文化主義と多様性が進展を見せる一方で、グローバリズムが加速し、排外主義的な思想も広がりつつあるこの現代において、自らの価値観や心の拠り所、文化のあり方を認識するための智慧が得られる一冊として注目を集めています。 本書では、新たな訳に加え、日本を代表する現代美術家の会田 誠が、いまを生きる世代に向けて独自の視点で綴った新解説を収録します。 -
吸血鬼
女性は中学生になると若さや美しさによって「おひつじ」から「うお」までの12等級に順位付けされ、社会的地位と財産のある男性から望まれたら15歳で結婚せねばならず、拒めば「へびつかい」と呼ばれ厳しく迫害される世界。中学生の有紗は、2人の友人と支えあって学校生活を送っていた。ある日、校外学習先の美術館で、アナウンサーの美優と出会い、その夫で開業医の白井とも交流を持つようになる。かつては作家で、今は料理の宅配の仕事をしている父と二人暮らしの有紗は、知らなかった裕福な暮らしに触れるようになるが――。これは架空の物語――? 衝撃のディストピア。【著者略歴】遠野 遥(とおの・はるか)1991年生まれ。慶応義塾大学法学部卒。2019年『改良』で文藝賞を受賞しデビュー。2020年『破局』で芥川賞受賞。他の著書に『教育』『浮遊』。 -
五百両で買われた私と冷徹な才子 ―えくぼの毒―
五百両の銀子で、私はその男に買われた。 当代随一の才子と謳われ、誰もが温潤な君子だと信じて疑わぬ男―― だが私は知っている。 その麗しい仮面の下に、実の父さえ手に掛けるほど冷酷な本性が潜んでいることを。 没落し、行き場を失った私は彼のもとへ売られた。 「いつか、あの手で私も殺されるのではないか……」 怯えながら過ごす眠れぬ夜。 しかし彼は、私の予想に反して血塗られた道を進み続ける。 私の前に立ちはだかる者があれば、神を屠り、仏を殺してでも―― その手を決して離さなかった。 恐怖から始まった縁は、やがて私を最高位の座へ押し上げる。 皇后へ。 「泣くな。お前の足元に転がる死体は、すべて私が片付けてやろう」 絶望の底で買われた少女と、冷徹な才子。 血と執着が織りなす、中華宮廷ロマンス。 -
特殊作戦捜査官
合成麻薬フェンタニルの脅威から日本を守れ! 世界中に広がる合成麻薬フェンタニル。その密輸組織にマトリの機密情報が流出した! 組織の幹部と目される在日中国人・夏を追う朝倉は華僑や極道の力を借り、名古屋、沖縄、そしてメキシコへ? 新章突入! 自衛官と刑事、二つの顔を持つオッドアイ捜査官・朝倉俊暉の闘いは次のステージへ。 【『オッドアイ』シリーズとは】 陸上自衛隊のエリート「特殊作戦群」の候補生として将来を嘱望されながらも、演習中の事故で左目の視力が低下し、自衛官の道を諦めた朝倉俊暉。 警察官に転身した彼は、その鍛え抜かれた肉体と洞察力を武器に数々の難事件を解決していく――。 肉体と知能を極限まで駆使する、最強の警察小説シリーズ! -
加藤治郎アンソロジー1
『加藤治郎アンソロジー』シリーズの第一弾! 未来への3歌集『サニー・サイド・アップ』『マイ・ロマンサー』『ハレアカラ』が1冊に。 ひとしきりノルウェーの樹の香りあれベッドに足を垂れて ぼくたち 『サニー・サイド・アップ』の出版は一九八七年。(中略)短歌という伝統詩が生まれ変わってゆく、その最初の動きを感じさせる象徴的な一冊だった(穂村弘 解説より)。 加藤治郎の第一歌集『サニー・サイド・アップ』、第二歌集『マイ・ロマンサー』、第三歌集『ハレアカラ』に加え、岡井隆、春日井建、井辻朱美、荻原裕幸の書評を再録。解説は、穂村弘が書き下ろし。山本浩貴(いぬのせなか座)は、制作ノートを綴る。 【自選5首】 ほそき腕闇に沈んでゆっくりと「月光」の譜面を引きあげてくる 荷車に春のたまねぎ弾みつつ アメリカを見たいって感じの目だね たぶんゆめのレプリカだから水滴のいっぱいついた刺草(いらくさ)を抱く にぎやかに釜飯の鶏ゑゑゑゑゑゑゑゑゑひどい戦争だった 外苑の雪に埋(う)もれた猫の目のうすあおければまた歩きだす 【目次】 『サニー・サイド・アップ』1987 『マイ・ロマンサー』1991 『ハレアカラ』1994 ------ 批評再録 岡井隆 『サニー・サイド・アップ/マイ・ロマンサー 加藤治郎歌集(2in1シリーズ)』解説 春日井建 口語のかおる部屋のサニー・サイド・アップ 井辻朱美 誠実なハードボイルドー外界に対する清潔なセンサーという主体 荻原裕幸 この世はすべて短歌である 加藤治郎『マイ・ロマンサー』 ------ 穂村弘 解説 加藤治郎の登場の頃 ------ 山本浩貴(いぬのせなか座)「加藤治郎アンソロジー」制作ノート―詩型融合、レイアウト、そして芸術諸ジャンルに向けた「詩歌」の「救出」へ 【著者】 加藤治郎 1959 年、名古屋市生まれ。1983 年、未来短歌会に入会、岡井隆に師事。1986 年「スモール・トーク」で第29回短歌研究新人賞。1988 年『サニー・サイド・アップ』で第32 回現代歌人協会賞。1999 年『昏睡のパラダイス』で第4 回寺山修司短歌賞。2024年、愛知県芸術文化選奨文化賞を受賞。毎日歌壇選者。未来短歌会選者。 歌集に『ニュー・エクリプス』『環状線のモンスター』『しんきろう』『海辺のローラーコースター』など。歌書に『ゆめのレプリカ』『うたびとの日々』『岡井隆と現代短歌』など。 -
夜が明けたら
〈りっちゃんが死んだ。寒さと痛みのなかで――〉。2024年、小説誌の編集部に届いた原稿には、学生運動が過熱した半世紀前、日本中を震撼させた事件で親友を亡くした大学生ジュンの日々が綴られていた。これはフィクションか、あるいは新たな事実か。駆け出しの編集者・二階堂ルルは、当時の報道と原稿に食い違いがあることに気づき、その真相を探る。見えてきたのは、自分自身の本当の心で――。1972年、ジュンの大好きな友だちが死んだ。打ちひしがれた彼女は、一風変わった人々が集まる「幸海荘」に転がり込む。大切な人の記憶に苦しみながらも日常を取り戻していくジュンが目にした、信じようのない光景とは。ここではないどこかに居場所を求めてもがく彼女たちの、激動の青春と小さな希望の物語。 -
美味しく楽しいフランス文学―文学から考えるフランスの飲食文化
文学を知らずしてフランスは理解できない 飲食文化を知らずしてもフランスは理解できない フランス文学を楽しく、そして美味しく読む手引書 フランス文学への新しい扉 □目次 第1章 ポトフとポテ―国民食としての煮込み料理 第2章 美食文学の誕生と展開 第3章 バルザックの描く食事場面 第4章 フロベールにみる食べ方の変容とその影響 第5章 ゾラの描く庶民の食欲とその深層構造 第6章 アルザス・ロレーヌを越えて広がる地域の魂シュークルート 第7章 南仏プロヴァンスの象徴ブイヤベース 第8章 新しいブルゴーニュの伝統郷土料―ブルゴーニュ愛を語るコレット 第9章 チーズ礼讃 第10章 フランス料理にデザートは欠かせない □著者 福田 育弘(ふくだ いくひろ) 早稲田大学教育・総合科学学術院教育学部複合文化学科教授。 1955年名古屋市生まれ。早稲田大学大学院文学研究科フランス文学専攻博士後期課程中退。1985年から88 年までフランス政府給費留学生としてパリ第3大学博士課程に留学。1991年流通経済大学専任講師、1993年同助教授を経て、1995年早稲田大学教育学部専任講師、1996年同助教授、2002年より同教授。専門は文化学(とくにポストコロニアルの文化と文学、飲食表象論)、フランス文化・文学。 □本文紹介(「はじめに」より) この著作は端的にいって、フランス文学を楽しく、そして美味しく読む手引き書である。 しかし、ありきたりのフランス文学の紹介ではない。そもそも、わたしにもそんな一般的なフランス文学の楽しみを書くつもりはない。フランスの小説を軸に、フランスの十九世紀の文学作品にひんぱんに登場する食事場面や料理に注目して、それらを料理史的観点を中心に、当時のフランスの飲食文化のなかに位置づけて、文化的に解説しようというのが、本書の趣向である。だから、楽しいだけでなく、美味しいフランス文学となる。いや、そうなってほしいというのが、著者の願いだ。できれば、楽しいと美味しいが相乗効果で、みなさんの興味がさらにフランス文学に引かれれば、これほどうれしいことはない。 大きなテーマは二つである。 一つめは、フランスの飲食文化発展の大きなばねとなった、多様な料理をいちどきに出したいわゆるフランス式サービスから、現在のように料理を一品一品出すロシア式サービスへの転換というテーマである。この転換は十九世紀のあいだに徐々に起こり、広く浸透していく。これを文学作品がどう描いたか。 二つめは、十四、五世紀から地方料理を統合してきたフランスの美食文化において、文学作品がいかに地方料理を描き、そこに積極的なイメージと価値、つまり社会的表象を付与してきたかというテーマである。 これら二つのテーマを、具体的な作品の検討をとおして明らかにしていきたい。 文学作品の飲食の場面を分析するということは、当時の飲食文化をそこに探るということにほかならない。したがって、この著作は、楽しく美味しいだけでなく、文学研究を文化の研究へとつなぐ著作である。つまり、文学を包含する文化学研究の著作でもあるのだ。 そして、そのような多少とも学問的な野心をもった著作が、みなさんに楽しく美味しく読んでもらえたら、著者としては望外の幸せである。 -
現代ストリップ入門
まだストリップを見たことがない人も、もうハマっている人にも楽しめる、絶好の入門書! 第二次大戦後すぐに生まれ、長い歴史の中でたえず変容してきたストリップが、近年また新たな角度から注目を集めている。2010年代半ばから女性観客が増加したことをきっかけに、老若男女が身体表現を多様な価値観で楽しむ文化として、ストリップはリバイバルを遂げるに至った。ジェンダーやセクシュアリティをめぐる今日的な問題意識とも共振しつつ、より多様で流動的なエロスをめぐるライブ・パフォーマンスとして、性別や世代を問わず広い層に注目されるようになったのだ。 本書は座談会、インタビュー、論考、ルポ、エッセイ、漫画などによって、ストリップの現在を多様な視点から掘り下げる。現代のストリップには一体どのような魅力があり、またそれはどのように語ることができるのか? 編者は、コンテンポラリーダンスから民俗芸能まで幅広く舞踊に精通する研究者の武藤大祐と、女性が中心となって作るストリップ同人誌『イルミナ』の編集を手掛ける夏堀うさぎ。 【目次】 はじめに(武藤大祐) 用語集 第1部 新しいコンテクスト 宇佐美なつ×夏堀うさぎ×武藤大祐座談会「ストリップは止まらない」 菜央こりん「ストリップの効用」 山中千瀬「大丈夫な光」 池田智恵「私たちは自分自身を発見する──ストリップを語る言葉について」 武藤大祐「ストリップ概説──現在・過去・未来」 渡邉千尋「純粋ではありえないことの悦び──浅葱アゲハと生のメタモルフォーゼ」 第2部 現場に即して 翼裕香インタビュー「エロに対して真剣なんですよ」 吉田真紀「ストリップ・ストーリーズ──A級小倉劇場の人々」 にっしーインタビュー 「行ってなんぼ、通ってなんぼ」 牧瀬茜インタビュー 「行けるところまで行こうかな」 結城敬介「ストリップ・言葉・感動」 第3部 より広い視野で 船曳建夫×夏堀うさぎ対談「裸のキラキラ、非武装の笑顔──ストリップとセクシュアリティ」 ケイトリン・コーカー「踊り子の身体は何をなしうるのか──近年の女性観客と往年の男性観客が見る夢」 下野歩「「女・女・女」の幸福──ストリップと日本の諸芸能」 他 【著者】 武藤大祐 1975年生まれ。群馬県立女子大学文学部教授(舞踊学・美学)。ダンス批評家。共著『バレエとダンスの歴史』(平凡社、2012年)など。 夏堀うさぎ 1989年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科修士課程修了。ストリップと社会と私を考えるZINE『イルミナ』を2019年に立ち上げ、ほぼ半年に1 号のペースで発行中。 -
フェイルセーフ
著者待望の第2歌集。 前作、『光と私語』(2019年)は、短歌界にとどまらず大きな話題となり、第54回造本装幀コンクール読者賞受賞、日本タイポグラフィ年鑑2020入選を達成。 現代における都市の浮遊感にいっそうの磨きをかけて書き綴る圧巻の歌群。 ――収録作品より―― 鈴の音がするのは鈴をつけた猫 見たことはないけどたぶん白 自販機はみな道の面を向いて立ちわたしの帰路を照らしてやまず 見晴らしの良いところまで歩くとき、上から見えてくるのも景色 歳月は、それからここにある力 誰かの締めた蛇口の固さ 終日をやることのない人間が座ったままで運ばれてゆく 多くの人が長い年月をかけて育んできたこの詩形で、優れた短歌や面白い歌集がこれだけ世間に溢れていても、いまだに自分しかできない表現の余地が残されている――(「あとがき」より) 装釘・本文レイアウト:山本浩貴+h(いぬのせなか座) 写真:篠田 優「Fragments of the place 2017-2019」
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