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グリム ドイツ伝説集
民族と歴史の襞に分け入る試行 完全新訳による585篇と関連地図を収録 200年の時を超えて甦る—グリム兄弟の壮大なる企て! 民族と歴史の襞に分け入る試行 完全新訳による585篇と関連地図を収録 グリム兄弟によって企図されたこの試みには、大きく分けて土地と結びついた伝説を集めた【上巻】と歴史と結びついた伝説を集めた【下巻】の中に585篇に及ぶ膨大な伝説が集められている。個別には、小人、巨人、山の精、家の精、水妖、魔女、妖精、王子、夢魔、竜、人狼、滅んだ城等にまつわる多種多彩な伝説が全篇にちりばめられている 【目次】 上巻では伝説1〜363までを収録する 【著者】 グリム兄弟 19世紀にドイツで活躍したヤーコプとヴィルヘルム兄弟。言語学者・文献学者・民話収集家・文学者。日本では、『グリム童話集』の編集者として知られる。 鍛治哲郎 鍛治哲郎(かじ。てつろう) 1950年大阪府生れ。 神戸大学教養部、東京大学教養学部・総合文化研究科、 鎌倉女子大学教育学部に勤務。東京大学名誉教授。 専門はドイツ近代文学。著訳書に『ツェラーン 言葉の身ぶりと記憶』、『グリム ドイツ伝説集(上)(下)』など。 桜沢正勝 桜沢正勝(さくらざわ・まさかつ) 1941年大阪府生れ。2017年7月没。 神戸大学教養部勤務後退職。専門はドイツ文学。 訳書にE・シュタイガー『ゲーテ』(共訳)、『グリム ドイツ伝説集(上)(下)』 -
スターウォーカー ラファエル少年失踪事件
ドイツ・ミステリーは、心優しい。ドイツ語圏で最も愛されている作家のベストセラー、待望の日本上陸! ラファエル・フォーゲル少年(九歳)は、最愛の祖父の死に衝撃を受け、埋葬の日に姿を消す。両親からの虐待を恐れての家出か、あるいは誘拐事件か。ミュンヘン警察失踪者捜索課が出動するも、成果はなし。少年の生命さえ危ぶまれ、警察への不審と不満が募る。失踪者捜索課の刑事たちの努力も虚しく、捜索は袋小路に。残る手は、あの問題児、奇人、一匹狼、森の中で修行中の、はぐれ刑事タボール・ズューデンを復帰させることしかなくなった。目と耳で相手の心を読む「見者」タボール・ズューデン刑事の推理は? 【目次】 プロローグ 第一部 1 鏡の中の美しい惑星 2 かみさまにきいてよ、どうしてなの? 3 夢に消えたホテル 4 嘘の揺籠 5 そのうちって、いつ? 6 夜のスペシャリスト 7 タボール・ズューデン 8 小さな世界の終わり 9 一番簡単な方法 第二部 10 迷子たちの待ち合わせ場所 11 煉獄への帰還 12 ビールとワインと血のふるさと 13 不吉な数字 14 一人きりの食事 15 ズューデン(南)、ノルデン(北)へ行く 16 勇敢な鳥たちの岩 17 神さまのいない礼拝 18 生けるものの幸せ エピローグ 解説 【著者】 フリードリッヒ・アーニ 1959年、南バイエルン生まれ。父親はシリア移民、母親はシュレージア難民。1996年に本作(原題は「別れの発明」)発表。児童文学、詩、脚本、ラジオドラマなども多数。作品は多くの外国語に翻訳され、数々の文学賞を受賞。現在に至るまで、同時に3つの作品(ズューデン・シリーズ)にドイツ・ミステリー大賞を1年で受賞した唯一の作家。2010年、小説『ズューデンとエアーギタリスト』の脚本化に対してアドルフ・グリム賞。2011年には長編『ズューデン』が、2014年には長編『M』がドイツ・ミステリー大賞を受賞。 鄭基成 翻訳家。上智大学外国語学部ドイツ語学科、同大学院博士課程単位取得退学、ドイツルール大学ボーフムにて言語学学術博士号取得、上智大学講師、茨城大学教授、同大学名誉教授。訳書に『メイク・ザット・チェンジー世界を変えよう。精神の革命家、マイケル・ジャクソンのメッセージと運命』(共訳)。 -
日記文学編【5冊 合本版】 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典『土佐日記(全)』『蜻蛉日記』『和泉式部日記』『紫式部日記』『更級日記』
『土佐日記(全)』 平安時代の大歌人紀貫之が、任国土佐から京へと戻る旅を、侍女になりすまし仮名文字で綴った紀行文学の名作。天候不順や海賊、亡くした娘への想いなどが、船旅の一行の姿とともに生き生きとよみがえる! 『蜻蛉日記』 美貌と和歌の才能に恵まれ、藤原兼家という出世街道まっしぐらな夫をもちながら、蜻蛉のようにはかない自らの身の上を嘆く、二一年間の記録。有名章段を味わいながら、真摯に生きた一女性の真情に迫る。 『和泉式部日記』 為尊親王の死後、弟の敦道親王から和泉式部へ手紙が届き、新たな恋が始まった。恋多き女、和泉式部が秀逸な歌とともに綴った王朝女流日記の傑作。平安時代の愛の苦悩を通して古典を楽しむ恰好の入門。 『紫式部日記』 平安時代の宮廷生活を活写する回想録。同僚女房や清少納言への冷静な評価などから、当時の後宮が手に取るように読み取れる。現代語訳、幅広い寸評やコラムで、『源氏物語』成立背景もよくわかる最良の一冊。 『更級日記』 平安時代の女性の日記。東国育ちの作者が京へ上り憧れの物語を読みふけった少女時代。結婚、夫との死別、その後の寂しい生活。ついに思いこがれた生活を手にすることのなかった一生をダイジェストで読む。 ※本電子書籍はビギナーズ・クラシックス 日本の古典「土佐日記(全)」「蜻蛉日記」「和泉式部日記」「紫式部日記」「更級日記」を1冊にまとめた合本版です。 -
おしゃれ童子(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 *この電子書籍に対応した全音源はリットーミュージックのウェブサイトから無料でダウンロードできます。 人気シリーズ「乙女の本棚」第56弾は、文豪・太宰治×イラストレーター・ウミ乃のコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 「瀟洒、典雅。」少年の美学の一切は、それに尽きていました。 少年時代からおしゃれに強い興味を抱いていた男。彼は自らの美学をどんなときも貫き、夢中に生きようとする。 太宰治の名作が、一瞬で目が釘付けになるような美しさを備えた作品で話題を呼び本シリーズでは『断食芸人』を担当するイラストレーター・ウミ乃によって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
泡
飲食店で働く〈しゅう〉は、恋人〈アカリ〉と、雑居ビル最上階のプレハブで暮らしている。彼女の様子が最近おかしいことに気づいた〈しゅう〉が思い切って理由を訊いてみると、まったく想像していなかったような、衝撃的な答えが返ってくる。〈しゅう〉は大きなショックを受けるが、その後も謎めいた〈アカリ〉の行動を必死に追っていく。すると、さらに思いがけない展開へと結びついていき・・・・・・。 大都市の片隅で真摯に生きる二人を描いた、待望の長編小説。 【著者略歴】 辻仁成(つじ・ひとなり) 東京都生まれ。1989年「ピアニシモ」で第13回すばる文学賞を受賞。作家・詩人・画家・ミュージシャン・映画監督と幅広いジャンルで活躍している。1997年「海峡の光」で第116回芥川賞、1999年『白仏』の仏語版Le Bouddha blancでフランスの代表的な文学賞であるフェミナ賞の外国小説賞を日本人として初めて受賞。『オキーフの恋人 オズワルドの追憶』『日付変更線』『父Mon Pere』『十年後の恋』『パリ情景 動かぬ時の扉―Vision de Paris―』他、著書多数。 -
私のドン・キホーテ
韓国の大ベストセラー作家による熱い最新作! 「では、冒険を始めよう。」 ソウルの映像制作会社で働く30歳のソルは、ヒット番組の手柄を奪われて退社し、大田(テジョン)に失意の帰郷中。中学時代に仲間たちと「ラマンチャクラブ」を結成し、入り浸っていたレンタルビデオ店「ドンキホーテビデオ」を訪れると、店は無くなり、敬愛していた店主のドンおじさんは行方不明になっていた。ソルは人生の一発逆転を賭けてユーチューバーとなり、ドンおじさんの息子ハンビンを助手に、「おじさん探し」の番組を開始する―― 韓国で2024年本屋大賞 翻訳小説部門第3位の大ベストセラー『不便なコンビニ』の著者が贈る、セルバンテスへの愛を込めた現代の夢追い人たちの物語。 (底本 2026年9月発売作品) -
火星の運河(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 *この電子書籍に対応した全音源はリットーミュージックのウェブサイトから無料でダウンロードできます。 人気シリーズ「乙女の本棚」第55弾は、文豪・江戸川乱歩×イラストレーター・ねこ助のコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 このすばらしい画面には、たった一つ、紅の色が欠けている。 深い森の中をさまよい続ける私。その中央にある沼に辿りついたとき、私は自らの変化に気がついた。 江戸川乱歩の名作が、書籍の装画、ゲーム、CDジャケットなどで美麗な人や獣を描き本シリーズでは『人魚の嘆き』『ルルとミミ』『鼠』『魚服記』『山月記』『赤とんぼ』を担当するイラストレーター・ねこ助によって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
けむりを吐かぬ煙突(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第54弾は、文豪・夢野久作×イラストレーター・寿なし子のコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 未亡人の美しさが見る見る年月を逆行し始めたのは、その頃からの事であった。 新聞記者の「私」は、奇妙な煙突のある家に住む未亡人を追っていた。しかし彼女の秘密は、想像を遥かに超えるものであった......。 夢野久作の名作が、想像力を掻き立て物語を深く考えてしまうような作品が話題を呼び、本シリーズでは江戸川乱歩『赤い部屋』を担当するイラストレーター・寿なし子によって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
それでも、夜をこえて
裸足で踊る。痛みのすべてを、私の自由にするために。 「指輪はやれない。教会での愛の誓いも。代わりにこれを」 愛した男に贈られたのは、血のように赤い、呪いの靴だった。 神に選ばれなくても、私たちはこの足で明日を踏みしめる。 行き場を失った4人の男女がたどり着いた「選択」の物語。 【秘密のパティオ】 連載打ち切りの危機にある漫画家・葉月。異国の地で突如始まった、認知症の老婦人との同居生活。彼女は老婦人が最期まで隠し続けた「生涯ただ一度の恋」を知る。 【バレンシアの灰】 自堕落な生活を送る寿司職人見習いの栄太。全てを失い、火祭りの夜に「元闘牛士」の男に拾われた彼は、自身の手に残る「本当の想い」と向き合う。 【裸足のペテネーラ】 不幸を呼ぶ女「ペテネーラ」と呼ばれたダンサー・美鶴。妻子ある闘牛士テオとの破滅的な愛の果てに、彼女が選んだ「答え」とは。 【光の衣装と巡礼】 夢を諦め、ガイドとして生きる竜斗。かつての親友・セバスティアンとの再会が、封印したはずの情熱を呼び覚ます。二人が選んだ結末は、希望か、それとも。 -
ここはこどものいない国
家族を捨てた「集落育ち」×家族に憧れる「工場育ち」 常識も愛し方も全く違う。それでも、そばにいたい。 2226年、人間は工場生産され、人口を完璧に管理できるようになった日本。 愛玩赤ちゃんPB生産工場で働く美奈子は、家族育ちという出生の秘密を抱えていた。母親から生まれ、手作りの料理を食べ、集落で育った美奈子は、世間からは「自然派」と忌避される存在だった。「お母さんはどうして私を産んだの。私、生まれたくなんかなかったのに」そんな美奈子の職場に、新たに後輩がやってくる。彼女は言った。「私、妊娠してるんです」その出会いが、美奈子の人生を一変させる! もしも工場で子どもが生産されたなら、もしも成長しないペットベイビーが存在したなら、出産という行為は他社からどう見られるのだろう?そんなふとした疑問から書き始めた小説です。(著者) -
武蔵野(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第53弾は、文豪・国木田独歩×イラストレーター・しまざきジョゼのコラボレーション! エッセイとしても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 秋ならば林のうちより起こる音、冬ならば林のかなた遠く響く音。 生活と自然が共存する、物語を内包した土地「武蔵野」。その中をあてもなく歩き、書き留めた名随筆。 国木田独歩の名作が、叙情的なイラストを得意とし、本シリーズでは太宰治『きりぎりす』を担当するイラストレーター・しまざきジョゼによって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
魔の聖堂
魔都ロンドン 時間の迷宮を彷徨う 18世紀初め、ロンドン大火後の首都再建計画の一環として市内各所に建設中の7つの教会に、異端の聖堂建築家ニコラス・ダイアーが秘かに仕掛けた企みとは。一方、それから約250年後、現代のロンドンでは教会周辺で少年ばかりを狙った連続殺人が発生、有力な手掛かりもないまま深まる謎に、捜査を指揮するホークスムア警視正は次第に事件の奥に潜む闇に吞み込まれていく。時を超えて反響しあう2つの物語の結末は……。円環する時間と重層する空間を通して魔都ロンドンを彷徨う都市迷宮小説。「『魔の聖堂』は機知に富んだ不気味な想像力の作品であり、複雑なプロットを有し、人類の堕落した本質に対する懸念が繰り返し執拗なまでに描き込まれている」(ジョイス・キャロル・オーツ)。デヴィッド・ボウイが愛読し、アラン・ムーア(『フロム・ヘル』)らに影響を与えた、ウィットブレッド賞、ガーディアン小説賞受賞作。 -
浅草観音裏小路
このまま三味線にかまけて生きていきたい──花柳界の退潮に苛まれながらも、抗い逞しく生きる若い芸者たちの姿を描く傑作長編小説! 東京に残る花街(かがい)は新橋、赤坂、芳町、神楽坂、向島、浅草の六ヵ所。そのうちの浅草の観音裏界隈で芸者として生きる3人の娘たちに光が当たる。真白は地方(じかた)と言って、小唄や三味線の演奏などを担当する。25歳で結婚を理由に引退したが、7年で離婚しシングルマザーとなって出戻ってきた。母親も元芸者で、真白にとってはここ観音裏が故郷なのだ。もう一人の美鈴は立方(たちかた)と言って、踊りを担当する。真白とは同い年で、花柳界に入ったのは真白より先。でも半玉(はんぎょく)という見習い期間を経て一本立ちしたのは真白の後になる。故郷は遠く、そのせいもあってか花柳界の将来に大きな不安を抱いている。そしてきよ鈴。半玉になってまだ半年の20歳。周りからちやほやされながらも、日々踊りの修練に励んでいる。こうした3人に迫ってくるのは浅草花柳界の退潮という現実だ。昭和30年代に100軒以上あった料亭は4件に、芸者の数は600人から20人に減った。お座敷文化をどうやったら後世に引き継げるのか。3人の若手芸者の思惑が、人生が、ここ浅草観音裏界隈で交錯する……。 -
傷つきやすいものたち
ストレーガ賞W受賞の傑作ヒューマンドラマ。 遠くへ去った親友。傷を抱えた娘。あのときなぜ私は…。 語り手の後悔とレジリエンスの物語に心揺さぶられた。 ――中島京子さん(作家) 奪われた尊厳を、私たちの手に取り戻す。 襲いかかる不条理に対し、女性たちが自分らしく息ができる場所を探していく、静かで峻烈な抵抗の物語。 ――辻愛沙子さん(株式会社arca CEO | Creative Director) こんな物語に出くわすから読書はやめられないのだ。 この一作から世界文学の広さと大きさを思い知り、胸が震えた。 ――間室道子さん(書評家、代官山 蔦屋書店 文学コンシェルジュ) イタリア文学賞の最高峰ストレーガ賞+同賞ヤング部門賞W受賞! ルチアは故郷の山間の町に暮らしている。夫は単身赴任で家を出たままで、老父が暮らす近所の実家を時々訪れる日々。都市封鎖でミラノの大学から戻ってきた娘は部屋に引き籠もったままだ。ある日、ルチアは父親から土地を継げと持ちかけられる。その土地はかつて、今も町に影を落とす忌まわしい事件が起きた場所だった。ルチアは封印していた記憶と向き合うことに――。 すべての人間の弱さを力強く描いた、感動の人生賛歌。 -
「フランス文学」はいかに創られたか:敗北から国民文学の形成へ
敗戦の先に見えた文学のかたち 世界文学が話題になる今日、国民文学や文学史の誕生を問いかける試みは時代錯誤に思われるかもしれない。 他方、近年のナショナリズムの高まりや排外主義の台頭は見逃すことができない広がりを見せている。 こうした状況は、国民国家=国民文学という図式に再考をうながす。情報のグローバル化と文化のナショナリズムは矛盾しない。そもそも文学にはそれなりの自立性が備わっており、国民国家に容易に回収されるものではないのだ。 本書はこうした問題意識から「フランス文学」の誕生とその形成を解明してゆく。 まず確認できるのは、フランス革命下、「文芸」が「文学」に変貌し、文学が社会の表現であるという共通了解が醸成されてくることだ。 さらに特筆すべきは、普仏戦争の敗北を受けた第三共和政のもとで「フランス文学史」が、修辞学や批評、歴史学と競合しながら彫琢されていったという事実である。 そこには国民の立ち上げという文脈に解消できない、ゆたかな地平が広がっていた。〈戦後民主主義〉としてのフランス文学史の発見! 【目次】 序章 近代文学、国民国家、文学史 加藤周一『日本文学史序説』の意義/文学の終焉?——柄谷行人/ 国民文学から文学史へ/本書の構成 第一章 日本の「世界文学全集」とフランス文学 世界文学の多様化/国文学の誕生/世界文学全集の時代/ 河出書房版『世界文学全集』/中央公論社版『世界の文学』/ 集英社のシリーズ/池澤夏樹編『世界文学全集』の新しさ/ 審問に付される正典 第二章 世界文学からフランス文学へ ゲーテと知的共同体のユートピア/現代の世界文学論/ ダムロッシュ『世界文学とは何か?』/フランコ・モレッティ『遠読』/ パスカル・カザノヴァ『世界文学空間』/世界文学論と日本——批評と教育 第三章 「国民文学」の誕生 文学 littérature が意味するもの/『フィクション試論』と小説の擁護/ 文人から作家へ/スタール夫人『文学論』の基本構図/ フランス文学の特質/文学のジェンダー性、すでにして/ 文学と改善可能性/『文学論』の価値とその後/ 文学は社会の表現である——ボナルド/ドイツ・ロマン派の文学観 第四章 文学史の成立とその争点 外国文学へのまなざし/歴史的な思考の台頭/ アンペールの「国民文学」宣言/文学と国民史/ 文学史以前の文学講義——ラ・アルプ、ヴィルマン、ニザール/ 忘れられた文学史家タイヤンディエ 第五章 中等教育における文学史と歴史学 第三共和政下の教育改革/ラテン語vsフランス語/ 中等教育におけるフランス文学史/ ルベーグ『フランス文学選集』の射程/ヴィクトル・ユゴーの特権性/ 十九世紀文学の飛躍/歴史学と中等教育/『二人の子どものフランス巡歴』 第六章 フランス第三共和政下の人文学の再編 第三共和政とは何か/普仏戦争の衝撃——ルナンとテーヌ/ エミール・ゾラの歴史認識/総合大学 Université の再生に向けて/ モデルとしてのドイツ/改革の具体策/大学改革と人文学の再構築/ 知的プロレタリアートの不満 第七章 ギュスターヴ・ランソンの試み 歴史学を前にした文学史/ランソン『フランス文学史』とその意図/ ランソンに何が欠落しているか/ランソンの原理/文学史の政治性/ 他の学問分野へのまなざし——歴史学と社会学/ランソンの先見性 終章 現代のフランス文学史 フランスで刊行された文学史/日本のフランス文学史/ 作家の地位の変遷/諸外国で刊行されたフランス文学史/ 文学史の未来に向けて あとがき -
白百合(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第52弾は、文豪・徳田秋聲×イラストレーター・チェリ子のコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 私何だか、こういう寂しいところが、かえっていいのよ。 望太郎は、山から一輪の百合を持ち帰った。その日から、彼は奇妙な夢を見るようになる。 徳田秋聲の名作が、MVイラスト制作をはじめ、現在ではキャラクターデザインや装画など幅広いジャンルにて活動中の大人気イラストレーター・チェリ子によって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
BIRD
豪州発シスターフッド&エンパワメント小説! 過去の苦しみは現在の苦しみに絡まり繋がり、 時代が変わっても少女たちの味わう苦悩は同じ。 しかし未来だけは誰にも分からない。 そこに希望がある。 ーー王谷 晶氏 推薦!! 装画 オカダミカ 装幀 albireo Inc. 〈一万本の面倒、とあなたの父は言った。 そう言ったとき、父は笑っていた。友達と話しながら。それはあなたの髪のことだったが、あなたの人生のことでもあった。女の子に生まれたからには不幸ばかりだとわかっている、すべてのまだ生きていない人生のこと。父がそう言ったのは、あなたが十四歳になったばかりのときだった。〉(本文より) 現代の豪州の町ダーウィン、14歳のバードは育児放棄され、家でふたりきりになった母の恋人からの耐えがたい視線にさらされていた。今は病院のベッドにいるが過去の記憶が無い。 昔のヒマラヤでは、14歳のバードが父親の借金のかたに望まない結婚を強いられている。それぞれの時代でバードは「そこ」から逃げ、やがて5人の少女たちとその絵にまつわる謎に行きつくーー。 オーストラリアでもっともエキサイティングな女性作家が、少女の選択と時空を超えたシスターフッドを幻想的に描く、傑作エンパワメント小説。 -
殺し屋がレジにいる
★★★★★ 「すみません」の大安売りはもうやめた! 72歳の殺し屋が、「モラハラ」「カスハラ」「介護は娘」……全部まとめてぶっとばす! ★★★★★ 口を開けば「すみません」、理不尽には「しょうがない」。 更年期に悩む52歳・榊冴子はパート先で舐められ、実家では介護要員にされかけ、冴えない日々を過ごしていた。 ある日、レジで迷惑客を撃退するド派手なジャージの老女に遭遇。山田グロリアという名の彼女の正体は、齢72にして凄腕の殺し屋だった! 「私、今からでも変われますか?」 束縛夫に軟禁された親友を救うため、冴子はグロリアに弟子入りを志願する――。 読後のスカッと絶対保証! 怒ることを諦めてきたあなたに読んでほしい、自分自身を取り戻すリベンジ・アクション! -
赤い蠟燭と人魚(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第51弾は、文豪・小川未明×イラストレーター・しきみのコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 しかし、何処からともなく、誰が、お宮に上げるものか、毎晩、赤い蝋燭が点りました。 人間に育てられた人魚の少女。彼女の赤い絵が描かれた蠟燭は評判を呼び、多くの人が買い求めるのだが......。 小川未明の名作が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズでは『猫町』、『詩集『青猫』より』、『押絵と旅する男』、『夢十夜』、『桜の森の満開の下』、『恋愛論』、『魔術師』、『夜叉ヶ池』、『文字禍』を担当する大人気イラストレーター・しきみによって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
海蝶 沈黙のヨダ
相模湾沖で爆発炎上しながら全速航行する漁船が発見された。 このままでは沿岸に激突するーー阻止すべく、巡視船ひすいは緊急出航する。 あの漁船はどこから来たのか。なぜ海上で炎上したのか。操船しているのは誰なのか? それらの謎はすべて、かつて被災地で起きた悲劇とつながっていた。 痛ましい過去、おそましい罪。あらゆるものを奪い去り、再び沈黙する海。 無慈悲な天災の傷跡は、時に思わぬ刃となる。 無力でなにもできない自分が、いま何をすべきか。日本でただ一人の海上保安庁女性潜水士が問う“人間の業”。 「海蝶」シリーズ最新作! ※海猿にならい、海上保安庁の女性潜水士は「海蝶」と呼ばれる。 -
鏡地獄(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第50弾は、文豪・江戸川乱歩×イラストレーター・ホノジロトヲジのコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし それは凹面鏡によって囲まれた小宇宙なのです。われわれのこの世界ではありません。 「私」には、鏡の魅力に取りつかれた友人がいた。彼の欲望は尽きることなく、ひたすら自らの世界を追求していく。 江戸川乱歩の名作が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、 本シリーズでは『縊死体』、『駈込み訴え』、『春の心臓』、『人間椅子』、『死後の恋』、『瓶詰地獄』、『外科室』を担当する 大人気イラストレーター・ホノジロトヲジによって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
燃ゆる頬(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第49弾は、文豪・堀辰雄×イラストレーター・粟木こぼねのコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし こうして私の脱皮はすでに用意されつつあった。そしてただ最後の一撃だけが残されていた。 寄宿舎に入れられた十七歳の「私」。学友たちとの交流を通じて、彼の中に何かが生まれつつあった。 堀辰雄の名作が、映画のワンシーンを切り取ったような美しさを持つ作品で人気を集め本シリーズでは江戸川乱歩『悪霊物語』を担当するイラストレーター・粟木こぼねによって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。 自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
断食芸人(乙女の本棚)
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気シリーズ「乙女の本棚」第48弾は、文豪・カフカ×イラストレーター・ウミ乃のコラボレーション! 小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。 当時は街中が断食芸人に夢中だった。彼が断食を始めると、人々の興奮は日ごとに高まっていった。 断食芸を生業にする男。以前は圧倒的な人気を誇っていたその芸も、今では見向きもされなくなってしまった。それでも彼は断食を続ける。 カフカの名作が、一瞬で目が釘付けになるような美しさを備えた作品で話題のイラストレーター・ウミ乃によって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。 -
Cloud on the 空き家
幾千年の時を超えて、あなたと恋をしている奇跡。 生き死にの極限に迫る、著者渾身の恋愛小説。 ひと月前に兄を亡くして天涯孤独の身となったわか子は、週に三日、空き家管理の仕事をすることになった。趣味の和歌を思い浮かべながら、何かが死んでいるような腐敗臭のする家で掃除をしていると、「なびかじな……」という藤原定家の和歌がきっかけとなって不意に景色が反転し、気を失ってしまう。目が覚めると、空き家の持ち主の河原さんと見たことのない青年がわか子を心配そうに見下ろしていた。それは時間のなかを旅してきたような、不思議な感覚で――。 雲=クラウド=記憶の保存庫 若さを失うことは、少しも寂しいことではないの―― 過去の恋を思い出しながら、わか子は『源氏物語』の朝顔の君に自身を重ねてみる。 前世か先祖か幻か、わか子のなかに眠っていた女たちの記憶が動き出す。 装画:栗田有佳 装幀:大久保伸子 -
寿ぐ嫁首 怪民研に於ける記録と推理
大学生の瞳星愛は、友人の皿来唄子に誘われ、彼女の実家で行われる婚礼に参加することになる。「山神様のお告げ」で決まったというこの婚姻は、「嫁首様」なる皿来家の屋敷神の祟りを避けるため、その結婚相手から儀礼に至るまで、何もかもが風変りな趣向が施されていた。婚礼の夜、花嫁行列に加わった愛は、行列の後ろをついてくる花嫁姿のような怪しい人影を目撃する。そして披露宴を迎えようというその矢先、嫁首様を祀る巨大迷路の如き「迷宮社」の中で、奇怪な死体が発見された――。作家であり民俗学研究者、そして名探偵としても知られる刀城言耶の怪異民俗学研究室、通称「怪民研」に出入りし、言耶の助手にして素人探偵の天弓馬人と共に数々の怪異譚の謎に挑んできた愛は、皿来家分家の四郎と共に事件の謎解きに挑むことになるのだが……。 -
恐るべき緑
人類と自然界の「過剰さ」への傾向に関する考察 世界33か国で刊行、オランダ生まれのチリの新鋭による、科学史に着想を得た斬新なフィクション。 「プルシアン・ブルー」 第二次世界大戦末期、ナチの高官らが所持した青酸カリと、西欧近代における青色顔料をめぐる歴史、第一次世界大戦の塹壕戦で用いられた毒ガス兵器の開発者フリッツ・ハーバーの物語。 「シュヴァルツシルトの特異点」 科学史上初めてブラックホールの存在を示唆した天文学者シュヴァルツシルトの知られざる人生。 「核心中の核心」 不世出の数学者グロタンディークの数奇な生涯と、日本人数学者、望月新一の人生の交錯を空想する。 「私たちが世界を理解しなくなったとき」 黎明期の量子力学の発展に寄与した三人の理論物理学者、ハイゼンベルク、ド・ブロイ、シュレーディンガーと、それぞれに訪れた発見/啓示の瞬間。 「エピローグ 夜の庭師」 作者と思しきチリ人の語り手が、散歩の途中に出会った元数学者の庭師との会話や思索を綴る。 科学のなかに詩を見出し、宇宙の背後にある論理や数式が、天才たちの前におのずと姿を現わすかのような比喩が随所に光る。既存のジャンルを軽々と飛び越える国際的な話題作。 -
別れを告げない
ノーベル文学賞受賞作家の最新長篇! 作家のキョンハは、虐殺に関する小説を執筆中に、何かを暗示するような悪夢を見るようになる。ドキュメンタリー映画作家だった友人のインソンに相談し、短編映画の制作を約束した。 済州島出身のインソンは10代の頃、毎晩悪夢にうなされる母の姿に憎しみを募らせたが、済州島4・3事件を生き延びた事実を母から聞き、憎しみは消えていった。後にインソンは島を出て働くが、認知症が進む母の介護のため島に戻り、看病の末に看取った。キョンハと映画制作の約束をしたのは葬儀の時だ。それから4年が過ぎても制作は進まず、私生活では家族や職を失い、遺書も書いていたキョンハのもとへ、インソンから「すぐ来て」とメールが届く。病院で激痛に耐えて治療を受けていたインソンはキョンハに、済州島の家に行って鳥を助けてと頼む。大雪の中、辿りついた家に幻のように現れたインソン。キョンハは彼女が4年間ここで何をしていたかを知る。インソンの母が命ある限り追い求めた真実への情熱も…… いま生きる力を取り戻そうとする女性同士が、歴史に埋もれた人々の激烈な記憶と痛みを受け止め、未来へつなぐ再生の物語。フランスのメディシス賞、エミール・ギメ アジア文学賞受賞作。 -
独り 気高く 寂しく
韓国の文壇と読者から多くの人々に愛されてきた詩人、アン・ドヒョン。 世界的ヒットを記録したドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』も朗読された、「練炭一つ」を収録。 灰になった練炭をむやみに蹴るな 君は 誰かに一度でも熱い人であったことがあるのか ──「君に聞く」より 1980年の光州事件以降、文学より切実なことがあまりに多かった時代。 詩の力、言葉の力で、心を守り抜こうとした、いまなお、読み継がれる詩集が待望の翻訳刊行! この詩集に載った「君に聞く」は「私」に厳しく問いかけ、「私」に痛いほど鞭を打とうという詩である。 私でない他人に一度でも熱い人になること、その思いで学校から追い出された自身の悲哀を自ら収めようとした。 そうして初めて、その険しい時代を耐えていけそうだと思えた──「邦訳版 あとがき」より 1994年の初版刊行時から約30年を迎え、著者による執筆当時を回想した、邦訳版のための「著者あとがき」を特別収録。 時代のうねりのなかで、何度も書いては消して、自分へ、世の中へも屈することなく、ペンを握り続けた詩人によって紡がれた、ことばの灯火。 ■目次 自序 1 君に聞く/練炭一つく/半壊した練炭く/太陽と月く/機関車のために/芽項への道/ニンニク畑のほとりで/母岳山に登りながら /スミレ/土地 2 群山の沖合い/遠くの明かり/国防色のズボンについて/ポン菓子について/冬の夜に詩を書く/私の経済/あの家/服のせい/こんなに遅い懺悔を君は知っているか/この世に遠足に来て/私に送る歌/私をいらだたせるもの 3 木/白樺を探して/雪の止んだ野原/鮒/市内バスは行く/新築工事現場にて/葛藤/家について /古い自転車/井戸/ヒメジョオンの花/昔の風景画/洪水 4 この世に子どもたちがいなかったら/あのトネリコの幼い新芽も/学校へ行く道/その飯屋/群山の友 ── 李光雄先生/恋/新しい道/襲い掛かって来たら── アフリカ民謡を真似て/アメリカに関する研究/ソウルに住む友へ/草刈り 5 冬の葉書/法の通りに/教員労働者になって/マスの刺身を食べながら/妻の夢/ご飯/ミンソクの百日祝いが過ぎて外に抱いて出てみると/ステッカーを貼りながら/私の町のオリオン工場/懐かしい裡里中学校/希望事項 詩人の言葉 /解説 鍊鍛からの新しい道への風景/邦訳版あとがき/訳者あとがき -
生きる演技
家族も友達もこの国も、みんな演技だろ――元「天才」子役と「炎上系」俳優。高1男子ふたりが、文化祭で演じた本気の舞台は、戦争の惨劇。芥川賞作家による圧巻の最高到達点。 かれはこの場のぜんぶを呪っている。 それを才能といってもいい。 そして演じるちからに変えている。 「最高に読み応えがあり、かつ唯一無二の印象がある。時代のフロンティアに刺さっている。」――古川日出男(朝日新聞文芸時評) 「間違いなく、作家・町屋良平のキーとなる作品」―山﨑修平(週刊読書人文芸時評) 本心を隠した元「天才」子役・生崎(きざき)と、空気の読めない「炎上系」俳優・笹岡(ささおか)。性格は真逆だが、同じように親を憎み、家族を呪い、そして「家族を大事に」というこの国が許せない。互いの本音を演じあうふたりはどこへ向かうのか――? 「今この国の空気」を生きるすべての人へ問う衝撃作! 「デビューから7年のすべてを投じました」――町屋良平 -
イスタンブル、イスタンブル
美しき街への痛切な愛を謳う傑作トルコ文学。 イスタンブルの地下牢獄の一室に、学生のデミルタイ、温厚なドクター、気難しい床屋のカモが閉じ込められていた。苛烈な拷問を待つあいだ、彼らは互いに物語をして時を過ごす。そこに激しい拷問を受けたばかりの老人キュヘイランが加わる。彼は幼い頃から父が影絵で物語ってくれたイスタンブルに憧れていた。彼らはまるで疫病を避けて家に閉じこもり物語をし合った『デカメロン』のように物語り合い、空想の世界でお茶を飲み、煙草を味わう。やがて彼らの過去が少しずつ明らかになり、と同時にそれぞれがまた拷問へと連れだされていく…。 2018年EBRD(欧州復興開発銀行)文学賞受賞。東西が溶け合う美しい街と、その地下で彼らを襲う残酷な現実――クルド系トルコ人の作家がイスタンブルへの痛切な愛を謳う傑作トルコ文学。 (底本 2023年9月発売作品) -
作家たちのフランス革命
想像の源泉か? 歴史観の表明か? フランス革命は「自由・平等・友愛」を標語にする共和国の出発点であり、革命をどう記述するかはフランスのナショナル・アイデンティティ構築の鍵を握る。フランスの作家たちは大革命をどのように眼差し、どう描いてきたのだろうか。本書では、18世紀から20世紀を専門とする7名の仏文学者たちが、7人の作家の作品を通し、この問いに鮮やかに答える。 取り上げるのは、革命を経験したナポレオンとほぼ同世代のスタール夫人(村田)とシャトーブリアン(小野)、「ブリュメール18日」のクーデタの直後に生まれナポレオン帝政期と復古王政期に人となったバルザック(柏木)とユゴー(西永)、そしてドレフュス事件と第一次大戦のあいだの1912年に「恐怖政治」を扱った小説を出版したアナトール・フランス(三浦)、その一回り下の世代で、ドレフュス事件から両大戦間の人民戦線期にかけて「フランス革命劇」連作8篇を書いたロマン・ロラン(アヴォカ)、最後に我々と同時代人で、マリー=アントワネットを主人公にヴェルサイユ最後の3日間を描いたシャンタル・トマ(関谷)。 約200年に渡って強烈な個性と才能が考え抜いてきた「革命像」が、いまここに広がる。 -
浪人左門あやかし指南 全4冊合本版
酒と怪談を愛する剣客が“この世の不思議”に対峙する。「時代×怪談×ミステリ」で話題をさらった第38回メフィスト賞受賞作。 酔いどれ左門は腕が立つ。 酒より好きなものは怪談ばなし。 甚十郎も腕こそ負けぬが、こちらは怖い話は大の苦手。 10年前、家老が闇討ちされた霧深い城下で「女の幽霊を見た者は死ぬ」という噂が。 ふたたび家老闇討ちに巻き込まれた甚十郎は、城下の寺で女を見てしまう。 (『掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南』) 『掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南』『百物語 浪人左門あやかし指南』『無縁塚 浪人左門あやかし指南』『狐憑きの娘 浪人左門あやかし指南』全4冊合本版 -
音楽の肖像
肖像画とエッセイ、詩が協奏する音楽の喜び。 以下のような谷川の言葉がこの本の魅力を語りつくしている。 「音楽は世界を隔てることなく丸ごと包み込む。僕はずっと、詩でそういう世界を作りたいと願ってきた」 * あのベストセラー『マザー・グースのうた』の名コンビが復活した! 堀内誠一が遺した素晴らしい肖像画とエッセイに谷川の詩が協奏する。カラーも満載の宝物のような一冊。 収録された作曲家は以下の人々――モーツァルト/ドヴォルザーク/ドビュッシー/フォーレ/ファリャ/グリーグ/シューマン/ショパン/ベートーヴェン/ブラームス/ガーシュイン/ミヨー/シューベルト/ムソルグスキー/ラヴェル/ハイドン/ラフマニノフ/ビゼー/サン=サーンス/バッハ/エリック・サティ/プロコフィエフ/メンデルスゾーン/グラナドス/バルトーク/ストラヴィンスキー/リスト/チャイコフスキー/(掲載順) 見開きの右ページに堀内による各作曲家の軽快なエッセイ、左ページにカラーの肖像画、そして次の見開きに谷川による全作曲家にちなんだ詩(5ページに及ぶ詩もあり、モーツァルトとバッハは複数篇を収録、書下ろしも多数)。 ※この作品はカラーが含まれます。 -
谷川俊太郎のあれやこれや
魅力全開! 単行本初収録の詩やエッセー、亡き人たちへの追憶、パロディ、若き日の戯曲、そして自伝風の読む年譜。欲ばりで楽しいヴァラエティブック。【収録作品】●エッセー・コレクション:子どもの歌の歴史を語る名エッセーなど初収録の11篇 ●懐かしい人たち:寺山修司、武満徹から大岡信、和田誠まで(追悼詩も多数収録) ●戯文五つと戯詩ひとつ:ビートルズから夏目漱石まで。愉しいパロディ6篇 ●戯曲 お芝居はおしまい:29歳の若き詩人が書いた喜劇三幕の長篇戯曲を初収録 ●小詩集:石牟礼道子さんとの「空想の対詩」のほか、多彩な作風の詩集未収録19作 ●自伝風の読む年譜:自身の文章の他に、書評、インタビュー、新聞記事も多数収録 -
華アワセ 唐紅/うつつ編 紲-キズナ-
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 2015年8月19日に発売されたゲーム付きムック『華アワセ 唐紅/うつつ編』の公式ビジュアルファンブックです。カバーは、キャラクターデザイン・由良氏による描き下ろし美麗イラストを使用。制作プロジェクト・月花氏全面監修のもとお届けする本書には、『B's-LOG』に掲載されたイラストをはじめ、キャラクターイラスト、イベントCGなど豪華絢爛な由良氏のグラフィックを大判サイズで掲載。また、攻略情報や由良氏と月花氏の開発インタビューほか、今では入手することが難しい期間限定で配信・販売された特典ボイスやシチュエーションドラマCDのシナリオも収録しています。 -
粘膜シリーズ【4冊 合本版】 『粘膜人間』『粘膜蜥蜴』『粘膜兄弟』『粘膜戦士』
あなたの五感すべてに揺さぶりをかける猛毒ミステリ・ホラー。型破りな「粘膜」シリーズの合本版が、ファン垂涎のオリジナル特典つきでついに登場! 【収録作】 『粘膜人間』:異形な巨体を持つ小学生の弟に脅える、長兄の利一と次兄の祐二。弟の殺害を計画した二人は、村のはずれに棲む〈ある男たち〉に依頼した……第15回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。 『粘膜蜥蜴』:上官の命令に服従する兵士、戦地で負傷した帰還兵、侵入者に拷問を加える憲兵、爬虫人のサーカスに夢中になる少年……”粘膜”シリーズ最低にして最高の凱旋! 『粘膜兄弟』:ある地方の町外れに住む双子の兄弟。戦時下の不穏な空気が漂う中、二人は一人の女をめぐり凄惨な運命に身を委ねていく……驚異のシリーズ第3弾! 『粘膜戦士』:東南アジアの密林に棲息するという爬虫人〈ヘルビノ〉とは? 戦時中の日本で起こる未曾有の凄惨な事件の数々。第63回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編部門)受賞作! 電子合本版オリジナル特典: (1)著者による粘膜シリーズのセルフ解説 (2)直筆サイン (3)富蔵イラスト ※本電子書籍は「粘膜人間」「粘膜蜥蜴」「粘膜兄弟」「粘膜戦士」を1冊にまとめた合本版です。 -
ワルツ【上中下 合本版】
終戦直後の新宿。街の殆どが瓦礫と化し、明日の行方も見えぬ混乱の中、三人の男女は出逢う。 僅かな金と煙草で組事務所の襲撃を請け負った特攻崩れの城山龍治。朝鮮人であることを隠しながら頭脳と美貌でのしあがろうとする林敬元。 疎開先で強姦されそうになり東京へ流れてきた天涯孤独の生娘・岡崎百合子。 苛酷な運命に抗いながら見えない糸で絡まり合っていく三人の壮絶な人生を描破し、人間の本性と闘争、そして底知れぬ恋情を塗り篭めた昭和スペクタクル小説! 花村文学史上最強のエンタメ小説、合本版登場! ※本電子書籍は「ワルツ 上・中・下」を1冊にまとめた合本版です。 -
【合本版】破滅の刑死者
普通じゃない事件と捜査――あなたはこのトリックを、見抜けるか? ある怪事件と同時に国家機密ファイルも消えた。唯一の手掛かりは、事件当夜、現場で目撃された一人の大学生・戻橋トウヤだけ――。 内閣情報調査室に極秘裏に設置された「特務捜査」部門、通称CIRO-S(サイロス)。「普通ではありえない事件」を扱うここに配属された新米捜査官・雙ヶ岡珠子は、目撃者トウヤの協力により、二人で事件とファイルの捜査にあたることに。 珠子の心配をよそに、命知らずなトウヤは、誰も予想しえないやり方で、次々と事件の核心に迫っていくが……。 「才能が光る。浮世離れしたキャラクター造形。意表を突く場面展開。僕たちの会社が制作した『SPEC』のように映像化もありえるか?」神康幸(映像プロデューサー/電撃小説大賞最終選考委員)、「僕たちは何かを賭けて生きている。読み終えた後、この物語にもっと賭けたくなりました」佐野徹夜(作家)――大推薦の声、続々! 応募総数4843作品から激賞、第25回電撃小説大賞《メディアワークス文庫賞》に輝いた、注目のサスペンス・ミステリが合本版になって登場。 ※本電子書籍は、『破滅の刑死者』全4巻を収録しています。 ※本商品は1冊に全巻を収録した合本形式での配信となります。あらかじめご了承ください。 -
濃霧は危険
過保護に育てられたレデヴン館の相続人ビル・レデヴン少年は、同年代の少女のいる知人宅で休暇を過ごすよう親に命じられ、気乗りしないまま、シルバーのロールスロイスに乗せられ目的地に向かっていた。ところが、霧が濃くたちこめた荒れ地の途中で、いきなり、意味も分からないまま、お抱え運転手のブランドンに車からつまみ出されてしまう。同じころ、周到な計画のもとに、〈ナイフ〉と呼ばれる若者がボースタル少年院から逃亡する。 ビルは荒れ地をさまよううちに少年パッチと知り合い、行動をともにするようになる。二人はビルが思わぬ形で手に入れた暗号で書かれた文書を解読しながら、〈にやついた若者〉、〈ヴァイオリン〉、片手が鉤爪の男との、追いつ追われつの冒険へと踏み出してゆく。 オールタイムベスト級の傑作を次々と発表し、いわゆる英国ミステリ小説の黄金時代最後の作家としてゆるぎない地位を築いたクリスチアナ・ブランドが、すべての少年少女のために、みずみずしい筆致で、荒涼とした大地と海が広がるイギリス南部のダートムアを舞台に繰り広げられる冒険を描いたジュヴナイルの傑作。 装訂・シリーズロゴデザイン=坂野公一(welle design) -
誰?
アメリカの天才物理学者ルーカス・マルティーノは、自らが立案した極秘のK88計画の実験中に大爆発に巻き込まれ瀕死の重傷を負った。事故の起きた研究所が、連合国支配圏とソビエト社会主義国支配圏の境界近くにあったため、マルティーノはいちはやく現場に駆けつけたソビエト側の病院に収容されてしまう。そして3か月後、外交交渉の末、マルティーノは解放されることになる。だが国境線の検問所のゲートから現れたのは、卵型の金属の仮面をつけ、体のほとんどが機械で出来た、変わり果てた姿のマルティーノであった! 果たして彼は本物のマルティーノなのか、それとも別人なのか、本物であれば洗脳されているのではないのか、解放したソビエトの意図とは? 解放に立ち会った中央ヨーロッパ国境地区の保安責任者ショーン・ロジャーズは、様々な方法でこの人物の正体をつきとめようと試みるもののことごとく失敗に終わる。その後、新たにマルティーノの追跡調査担当者に任命されたロジャーズは、マルティーノをニューヨークに送り届け、彼を泳がせ、その行動を追跡することで正体に迫ろうとするが……。全編に緊張感をみなぎらせ、独特の抒情を漂わせつつ展開する、SF界の巨匠バドリスの代表的長編SFサスペンス。 装訂・シリーズロゴデザイン=坂野公一(welle design) -
Gストリング殺人事件
ストリッパーとしてオハイオ州コロンバスのゲイエティ劇場に出演していたジプシー・ローズ・リーは、旧知の興行主H・I・モスに誘われ、親友のジージー・グレアムとともに、彼がオーナーを務めるニューヨークのオールド・オペラ劇場に移籍する。華やかな舞台の裏で繰り返される、踊り子同士のいがみあいや喧嘩、口さがない悪口、踊り子とコメディアンとの恋愛沙汰、警察による手入れ、と移籍先での毎日は騒がしい。そんな中、新しいトイレのお披露目を口実に楽屋で開かれたパーティの席上で、皆から嫌われていた踊り子のロリータ・ラ・ヴェルヌが、Gストリングを首に巻きつけた状態の遺体で発見される。自身にも嫌疑を向けられたリーは、恋人のビフ・ブラニガンとともに調査を始めるが、やがて第二の殺人が! 一癖も二癖もある人間が出入りし、生々しい人間関係が渦を巻く猥雑を極めたバーレスクの世界を舞台に繰り広げられる、アメリカン・バーレスクの伝説的スターによる異色のミステリ、ここに開幕! クレイグ・ライス代作説を徹底究明した前説だけでもミステリ・ファンはMUSTの一冊。 ◆女性読者の皆様、「ストリッパー」という惹句を目にして敬遠するなかれ。本作は、ボーヴォワールが『第二の性』を著す以前の1941年に、アメリカの知的で自立した女性の生きざまというフェミニズム・テーマを、声高でなく面白おかしく描いた文学的価値もあるミステリ良作なのです。(山口雅也) 装訂・シリーズロゴデザイン=坂野公一(welle design) -
波うららかに、めおと日和
時は昭和十一年、春。二人の恋のお話でございますーー。 フジテレビ系にて2025年4月放送開始後、なつ美と瀧昌のピュアな夫婦の純愛物語が大きな話題となり、2026年秋に続編放送も決定! 今書は2025年に放送したドラマのシナリオを、名セリフの数々もそのままにノベライズ。 なつ美と瀧昌のシーン写真を掲載&スタッフインタビューからドラマの舞台裏へご案内。 ドラマ版「波うららかに、めおと日和」の世界に浸る1冊です! ■フジテレビドラマ版(2025年4月OA)から:なつ美と瀧昌のシーンPH ■シナリオ1~10話のノベライズ ■スタッフインタビュー -
岐山の女
第一生命の「トップセールス」は、なぜ19億円もの巨額詐欺に手を染めたのか。 ベストセラー『対馬の海に沈む』著者が描く迫真のノンフィクション。 物語は、被害者宅に送られてきた「枝豆」から始まる。 2年に及ぶ取材から見えてきた「女の一生」とは――。 圧倒的な読後感に誰もが心を揺さぶられる! 大手生保でトップクラスの営業実績を挙げる一方、顧客から巨額のカネを騙し取り、89歳で刑事告発された生保レディ。動機を語らないまま、人知れず鬼籍に入った彼女の半生を気鋭のノンフィクション作家が追う。現地で著者を待ち受けていたのが「生保と地銀の闇」、そして地域社会の濃密な権力構造だった。有力地銀・山口銀行の権力者にくい込み、第一生命の金看板をバックに、地元フィクサーのインナーサークルに入り込む……。「伝説の生保レディ」の絶頂と転落を徹底的な取材で描く。 プルデンシャル生命やソニー生命など、その後もたびたび社会問題となる「生保の闇」の実態を解き明かす。 【本書の目次】 序章 枝豆 第一章 裏切り 第二章 未亡人 第三章 山口銀行 第四章 出世欲 第五章 黒神 第六章 綻び 第七章 第一生命 第八章 神足 第九章 踏み倒し 終章 先生 -
九龍城砦
香港映画史上No.1ヒットとなった「トワイライト・ウォリアーズ 決戦! 九龍城砦」待望の原作刊行! 1988年、香港。黒社会でその名を知られる義に厚い青年・陳洛軍(チャン・ロッグワン)は、香港を牛耳る大ボスから突然命を狙われた。舎弟たちを傷つけられ、母親を殺された洛軍は、復讐を誓って九龍城砦に足を踏み入れる。そこは大ボスも手を出そうとしない〈龍城幇〉の頭目・龍捲風(ロンギュンフォン)が支配する地だった──。彼はそこで黒社会に生きる信一(ソンヤッ)、十二少(サップイー)らと絆を深め、大ボスの打倒に向けて動き出す! 映画『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』原作。*「幇」の字は正しくは封に白に巾 -
あいつも誰かに殺される
「お前の望みどおりタナトスの影が覆い、鈴木健三には無残な死が訪れるであろう」。 SNSアプリ「リアリズム」に投稿された呪詛に死神からの予告が返信された。誰もがいたずらと思った矢先、実際に鈴木健三がビルから転落し、死亡。現場には投稿された呪詛画像のプリントアウトが貼られていた。この大胆な殺人事件に世間は沸騰。「リアリズム」内には殺害を依頼する投稿があふれかえった。25歳の女性会社員、静岡県の中年男性教師、イラストレーター・・・・・・都や県の垣根を越えて無作為に人間が殺されていく。殺害方法は様々でも、いずれも投稿画像が傍らに添えられていた。犯人は同一か、複数か。模倣犯は含まれていないのか。一課の警部補・虹ヶ谷礼太郎と女性刑事・音羽沙織は、翻弄されながらも粘り強く捜査を続けるが、事件の範囲は拡大を続けるばかりで――。 ラストの衝撃まで目が離せない。 著者プロフィール 1981年京都府生まれ。2014年『闇に香る嘘』で江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。数々のミステリランキングで高評価を受ける。15年「死は朝、羽ばたく」が日本推理作家協会賞(短編部門)、16年『生還者』が日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)の候補になる。2024年『同姓同名』がビブリオバトル3冠を達成し話題に。著書に『真実の檻』『黙過』『ヴィクトリアン・ホテル』『そして誰かがいなくなる』『全員犯人、だけど被害者、しかも探偵』『ネタバレあり 双紋島の殺人』などがある。 -
あぢさゐだつたらあぢさゐの中
第十二歌集 鶏卵は青嵐(せいらん)渦をまくなかに一個しづかに無風をおこす 存在と非存在の境界を問い 繫がりを模索し続ける渡辺松男の 新たな地平線が、 この歌集から見えてくる かりん叢書451篇 装幀/装画 外間隆史〔未明編集室〕 【収録歌より】 泡だから泡だつてゐる泡の中 あぢさゐだつたらあぢさゐの中 日に一度巻いてやらぬと古時計止まつてしまふ かういふの好き かがみの奥のわたしから手ののびてきてどんなにのびてもわれへとどかぬ 石楠花の群落のなかに耳をおき耳よ愉しめわれは去るから 至仏山頂上に立ち日輪は天にある傘闇をさえぎる 【目次】 もくじ Ⅰ 悲 牡丹 しうめいぎく 傘 古時計 靴 ポケット ひまはり 鏡 短刀 手 魚市 四手沙参 Ⅱ 抱卵 蚊 蟋蟀 蟬 蜂 蝶 蜻蛉 鶏卵 鳥 鴉 Ⅲ 家が鳴りだす 顔が糸瓜のやうに長い日 ぽこぽこの影 突端 くうかん 図案 からだ(一) 嚙む 夏祭り まぼろしでなき方 あの子 なんの遊び 鳥瞰とルーペ Ⅳ 籠城 桜下 花鋏 地球に乗つてゐるのが怖い 衣装 脳の状態 太陽を蔵へる雲 赤城を洗ふ ふしぎなところへゆきぬ 飛べよ 流れは Ⅴ きより(一) からだ(二) のちの静けさ 葉のやうな死 きより(二) 豪雪のごときにあらざりしかど きより(三) ひかり しあはせ おうゑん ゆめ きより(四) あとがき 【著者】 渡辺松男 1955 年群馬県伊勢崎市生まれ。歌集に『寒気氾濫』『泡宇宙の蛙』『歩く仏像』『けやき少年』『〈空き部屋〉』『自転車の籠の豚』『蝶』『きなげつの魚』『雨ふ る』『牧野植物園』『時間の神の蝸牛』。句集に『隕石』。現代歌人協会賞、迢空賞、芸術選奨文部科学大臣賞等。「歌林の会」会員。 -
機龍警察
特捜部を待ち受ける、予想もしない凄絶なる結末。待望のシリーズ長篇第7作 対馬海峡沖で不審船のコンテナから発見された夥しい死体は、手足を切り落とした子供の神経を機甲兵装に直接接続して兵器化するという、非道な人身売買に繋がっていた。捜査を続ける特捜部の眼前に浮かびあがる、城州グループと馮コーポレーションの狙いとは? -
5万枚のカルテを見た看護師が語る不可解なエビデンスに学ぶスキルとしての怪異―加速する世界と医療の個性化をつなぐ病院怪談―
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 病院には看護師だけが知っている「医学的エビデンスを超えた死ぬ瞬間命の選別」にまつわる語りがある 「不確実性」に直面する時代の中で生きのびる方法は「患者の最期から学んだエビデンスに基づく怪異」だった 「看護師だからこそ人から信頼を得て初めて聴くことができる話がある。医学や科学の知識で語る怪異はもっと魅力的だ」 岸本誠(都市ボーイズ) 本書は、怪談で語られることの多い幻聴、幻視、幻蝕、幻臭といったテーマを、解剖学を根拠に検証しながら、エビデンスでは語り切れない「医療現場で本当に起きたこと」「死のタイミング」「死ぬ瞬間」「命の選別」などのエピソードを語る。 また、著者の看護師としての実体験や患者とのエピソードを参考に、患者や医療者が抱える矛盾や弱さを基盤にした「後悔しない最期」についても模索する。さらに、AIによる社会の加速化やパンデミックや世界的な紛争などの不確実性に直面する私たちが、人間としての「弱さ」を抱えながらも、「エビデンスに基づく怪異」を活用し、しなやかに生きのびるスキルを提示する。精神科医・ラッパー・怪談師であるDr.マキダシ氏との対談「怪談師の精神科医ラッパーと看護師が語る 世界に舞い戻るための怪談とHIPHOP」も収録。 -
不倫に関する、ちょっとした疑問
独占欲も、結婚願望もなかったのに、なんで――? 女同士の不倫に耽る友達、凡庸な不倫にはまった私。 現代台湾から届いた、愛の矛盾に食らいつく複雑恋愛小説! 「恋以外にするべきことがたくさんある。 でも、『私』を粉々にする引力がここにある」 高瀬隼子さん激震 フェミニストを自認し、作家を目指す「私」が うっかり迷い込んだのは、落ち目の映画監督とのありきたりな不倫。 夫がいる友達は女性上司と肉体関係をもち、 心を病む父とクセの強い母は相変わらず。 「そう、結婚なんかしてる僕は、万死に値する。」 婚姻にまつわる不条理、湧き上がる怒りと孤独…… すべてを振り切り、ある行動を起こしたとき、 思いがけず手にした〝新たな景色〟とは? -
記憶に残るキャラクターの作り方
魅力的なキャラクターを作るためには何から始めるべきか? 矛盾や葛藤といった複雑な内面を生み出すためにはどうすればいいのか? 人間関係をダイナミックに表現するためには何が必要か? キャラクター創作のノウハウが凝縮された古典が、待望の邦訳! ハリウッドを拠点に、2000本以上の脚本に関わってきたスクリプト・コンサルタント、リンダ・シーガー。そんな彼女が、キャラクター創作のテクニックを徹底伝授。 本書は、キャラクター設定の基礎(人物や時代背景のリサーチ、身体や感情の表現方法など)を理解することから入り、実践(バックストーリーや人間関係の作り方、セリフの書き方など)、応用(非現実的なキャラクターの作り方、ステレオタイプを超えるために考えるべきことなど)、とステップアップ式に構成されており、効率的にキャラクター創作の基礎とその応用方法を学ぶことができます。 また、タイプに基づいたキャラクターの設定、脇役に人柄や特徴を与える方法、サブテキストについて、など細部のテクニックに関しても解説しているため、これ1冊でキャラクター創作に必要なあらゆる知識を得ることができるでしょう。 加えて本書には、30名以上のクリエイターたちの生の声も収録。映画やテレビの脚本家はもちろん、小説家、劇作家といった人々、そしてマンガ家や広告クリエイターなど多彩な作り手が、キャラクターの創作や人間関係の構築に関する独自の方法論を語っています。 シーガーとクリエイターたちの解説や方法論が書かれているだけでなく、自作を執筆する前のよい準備運動になるであろうエクササイズ、作品を創作する際にチェックリストの役割を果たすクエスチョンなども収録しています。ほかにもひとつの作品やひとりの人物にフォーカスし掘り下げていくことで、より深い理解へと促すケーススタディ、章の内容を簡潔に記すことで頭の整理に役立つまとめなども各章に用意。 映画、テレビドラマ、演劇、小説、マンガ、ゲーム……すべてのジャンルの物語創作者、必携の1冊! ☆原書は1990年刊行。数多くある物語創作術の中でも、キャラクター創作における定番書。 ☆ハリウッドを中心に活躍する脚本家や、アメリカの人気小説家の声も多数収録。 ☆各章の理解を深める、エクササイズ、ケーススタディ、クエスチョン、まとめを掲載。 ☆黒人、アジア系、ヒスパニック系など人種を描く際の注意点にも触れられており、現在の書き手必読。 -
建築トリック謎解きガイド
ミステリは、建築でできている。 密室、鍵、窓のない部屋、孤島の洋館、回る建物、謎の建築家……奇怪な難事件の舞台には、これまた不思議な建築が登場することがしばしば。 本書ではこうしたミステリ"あるある"なシチュエーションや仕掛け、建物を読み解くキーワードをとりあげ、一級建築士がまじめに考察! ◎密室は実在する? ◎建物が動くなんてありえない? ◎隠し扉は本当につくれる? この本を読んだあなたが次にミステリを読むとき、「今、主人公があけた扉は外開きか、内開きか?」「密室に使われていた鍵はなんだろう?」と、気になって仕方なくなってしまうでしょう。 もしかしたら、間取り図を見るだけでトリックに気づけるようになるかも…!? 身近な建物に潜む”謎がかくれる死角”を見つける力が身に付く、ミステリ好きに捧げる、ミステリの新しい楽しみ方ガイドです。 -
多崎礼公式ガイドブック 煌夜祭20年の軌跡
衝撃デビューからの20年を、装画全点、秘蔵の初期設定公開など弊社刊行作品紹介で辿る。著者主催のSNS煌夜祭の様子、書下ろしを含む『煌夜祭』外伝九篇をも収めた愛読者必携の一冊。 (目次より) ◇20周年に寄せて 多崎礼 ◇20年の軌跡 第二回C★NOVELS大賞発表/SNS煌夜祭について/煌夜祭質問箱 ◇『煌夜祭』外伝 SNS煌夜祭発表短篇……煌夜祭へ/人であれ/言わずが花/ありきたりな幸運を/ぼんくらな島主/泣き男/赤い炎/災禍の魔女 20周年特別書き下ろし短篇……水平線の蛇 ◇作品紹介 煌夜祭 Die Geschichten von den Achtzehn Inseln 【イラスト】山本ヤマト/六七質/凪かすみ/山影麻奈 〈本の姫〉は謳う The Princess of Books Awakens(全四巻) 【イラスト】山本ヤマト 夢の上 Because You Tread on My Dreams(全四巻) 【イラスト】天野英/アリストレーター/六七質 八百万の神に問う I ask you, I ask the Myriad Spirits.(全四巻) 【イラスト】天野英 叡智の図書館と十の謎 The Library of Wisdom and Ten Riddles 【イラスト】田中寛崇/六七質 -
心臓の風化
空をゆく鳥、雪がふり傘をさすあなた 心臓は風化しない 藪内亮輔久びさの第二歌集は恐ろしいほどの虚無と死を孕んで差し出される。 世界中に戦争の火種が見え隠れする今、歌は痛みであり、出血を伴うかなしみである。 【収録歌より】 沁み込んだ――滴(しづく)が。甃(いし)に。手のひらに。―― 血液といふ出口なき川 名を持つてしまつた君が名を持たぬ花を掲げて その燃える赤 唇あまた滅びてのちに一度だけふれし夜雨に海がけぶれり 最初からこの世は地獄 あきらめよ びたびたと魚(いを)のやうに降る雨 のどぼねは焼き滅びをり花はなほ 夏に降り積むまぼろしの雪 【目次】 Ⅰ Weathering 春の雪 暗き塔 雨と苹果 精緻 心は川 慈母蛆期 花影 涙と鳥 残滓 花れる 白銀 負け続けていくけれど Ⅱ 「あなた」への随想 凍傷と葡萄 悪について 火の解凍 暗い、暗い、 暴力性の虜囚 虚無の歌 罪の花 眼と水 檸檬 落魄 バラード Ada(死の……) あとがき 【著者】 藪内亮輔 1989 年、京都生まれ。 2008 年、京都大学 1 回生のとき、島崎健の和歌の授業に感銘を受け、翌年度に京大短歌、塔短歌会に入会。 2011 年、「海蛇と珊瑚」で第 57 回角川短歌賞次席。2012 年、「冬の鷺」で塔短歌賞、「花と雨」第 58 回角川短歌賞をそれぞれ受賞。同年、同人誌「率」に 2 号より参加。 2018 年、第 1 歌集『海蛇と珊瑚』(角川書店)を刊行。2019 年、同歌集で第 45 回現代歌人集会賞を受賞。2020 年、第 66 回角川短歌賞より選考委員を担当。