作品一覧
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4.5「この期に及んで、僕の話など聞いて、何になるというのです?」明智小五郎は、日本人ばなれした彫りの深い顔に笑みを浮かべながら、じっと蓑浦を見つめた。特徴的なモジャモジャ頭は、かつて蓑浦元警部補が事件の相談を持ちかけたときと、ほとんど変わりがなく、まだ白髪が混じることもなかった。しかし六十歳を過ぎた彼の顔には、細かな皺が刻まれていた。……(本文より)。謎に包まれた出生の秘密、一高・帝大時代の暮らしぶり、江戸川乱歩との邂逅、そして二十面相との秘められた関係等々、名探偵が自らの生い立ちを独白する。乱歩研究の第一人者が、研究の粋を尽くして描き上げた、明智小五郎の知られざる生涯!
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4.0
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
明智小五郎が自らの半生を語った回顧談。めちゃめちゃ楽しい一冊です。ただし惜しむらくは、乱歩の作品もいくつか読んでないのある……読んだけど覚えてないのもある……ので、ネタがわからずに素通りしちゃってる部分もあるんだろうなあ。乱歩作品、読み返したくなりました。
乱歩作品だけではなく、実在虚構取り混ぜた登場人物があまりに豪華すぎます。あの人とあの人がそんな関係!? とか。あの人とあの人が同一人物! とか。そもそも明智小五郎の出自がそれって!!! 凄い。あまりに凄すぎる。なんなんだこの超絶豪華キャストてんこ盛りは。夢のような世界かも。
でも確かに、明智小五郎よりもむしろ怪人二十面相のほうが主役かもなあ -
Posted by ブクログ
ネタバレ「一寸法師」と「何者」の2作品が収録されている。「一寸法師」では明智小五郎が謎解きをするが、「何者」では謎解きでは出てこないが、作品内の小説としてのみ出てくる点が特徴的かもしれない。
さてはて内容であるが、特に「一寸法師」については結末が非常に時代を感じさせるものだった。
真犯人がその性別と「反省している」の二点において情状酌量の余地ありと明智は判ずるのである。いやそこは司法に任せるべきでは? と思うし、また、被害者の無念が晴れぬのではないか、と思ってしまい、釈然とできないものが残った。少なくとも現在の作家、特にライトノベルやTL系であれば確実に「ざまぁ」されるパターンの犯人である。とはいえ