平山雄一のレビュー一覧

  • 明智小五郎事件簿2

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    明智小五郎の解決した事件を作中の年度順に並べるシリーズの第2巻。
    1巻ではアマチュア探偵だった明智小五郎も2巻では手伝いをしている(探偵助手とか見習い?)若者は数人いるし、警察にもすっかり顔が利く。服装は1巻の和服から、上海帰りのためなぜか支那服 笑。
    くしゃくしゃの頭をかき回して人懐こく笑うのは相変わらずです。
    明智小五郎は長いの間上海に滞在していて、戻ってから半年くらいは探偵仕事もせずにいたらしい。そんな明智小五郎の興味を引き、探偵復帰となったのが『一寸法師』事件。
    巻末の解説によると、『屋根裏の散歩者』のあと上海に渡り、その期間に関東大震災が起こり、しばらくしてから帰ってきた計算になるみ

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    2025年02月05日
  • 明智小五郎回顧談

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    明智小五郎が自らの半生を語った回顧談。めちゃめちゃ楽しい一冊です。ただし惜しむらくは、乱歩の作品もいくつか読んでないのある……読んだけど覚えてないのもある……ので、ネタがわからずに素通りしちゃってる部分もあるんだろうなあ。乱歩作品、読み返したくなりました。
    乱歩作品だけではなく、実在虚構取り混ぜた登場人物があまりに豪華すぎます。あの人とあの人がそんな関係!? とか。あの人とあの人が同一人物! とか。そもそも明智小五郎の出自がそれって!!! 凄い。あまりに凄すぎる。なんなんだこの超絶豪華キャストてんこ盛りは。夢のような世界かも。
    でも確かに、明智小五郎よりもむしろ怪人二十面相のほうが主役かもなあ

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    2018年02月12日
  • 明智小五郎事件簿2

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    名探偵・明智小五郎の活躍を事件発生順に並べ、構成した事件簿。全12巻の第2巻。

    『一寸法師』と『何者』の2編を収録。どちらも既読だと思うのだが、『何者』だけはストーリーの記憶が曖昧だった。

    あらためて読み返してみると、『一寸法師』は大衆受けする派手なエログロテイストのミステリーであるのに対して、『何者』は地味な作品ながら、しっかりした本格的なミステリーであることに気付かされる。

    前巻に続き、巻末の平山雄一の『明智小五郎年代記2』に今回収録2作の事件発生時期を、如何にして特定したかが詳しく書かれており、面白い。また、法月綸太郎の解説が余りにもマニアックな上に的確で、かなり江戸川乱歩作品を研

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    2016年07月05日
  • 明智小五郎事件簿2

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    エロとグロが混在する『一寸法師』。
    差別用語として今は使わない言葉が頻繁に使われ、
    それによってこの物語のグロさが増幅し、
    またある意味そのグロさがわかりやすくもなっている。

    『一寸法師』に比べてだいぶ爽やか笑な『何者』。
    いつもながら犯人像にに辿り着きながら読めてはないが、
    『もしやこの人…』だけは合ってて良かった笑

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    2024年09月03日
  • 明智小五郎事件簿2

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    ネタバレ

    「一寸法師」と「何者」の2作品が収録されている。「一寸法師」では明智小五郎が謎解きをするが、「何者」では謎解きでは出てこないが、作品内の小説としてのみ出てくる点が特徴的かもしれない。

    さてはて内容であるが、特に「一寸法師」については結末が非常に時代を感じさせるものだった。
    真犯人がその性別と「反省している」の二点において情状酌量の余地ありと明智は判ずるのである。いやそこは司法に任せるべきでは? と思うし、また、被害者の無念が晴れぬのではないか、と思ってしまい、釈然とできないものが残った。少なくとも現在の作家、特にライトノベルやTL系であれば確実に「ざまぁ」されるパターンの犯人である。とはいえ

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    2023年03月12日
  • 明智小五郎事件簿2

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    エログロありの「一寸法師」と正統派本格の「何者」の2編。一寸法師はこの時代だからこそだろうし(放送禁止用語だらけ笑)何者もまた、この時代ならではなんだよなぁ。編者の平山氏のクロニクルがとても良い。法月氏の解説も最高。とにかく面白かったよー!!

    「何者」の完成度やばい。無駄がなさすぎて。ラスト鳥肌もんやったわ。昭和初期に書かれた小説とか、ほんま信じられへん。
    この話、当時全然ウケへんかったらしいけど、ほんま解説で法月綸太郎先生も書かれているけど、「当時の読者が未熟」すぎやろ(笑)マジ最高。短編として推せる。

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    2022年03月07日
  • 明智小五郎事件簿2

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    ネタバレ

    「一寸法師」では気持ち悪さの描写がとても巧みだと思った。人外に対する気持ち悪さのようなものを感じてゾッとした。
    「何者」は本格派であったがこれもおもしろかった。残りページ数で察しはついたがひとつ落ち着いたところからの展開が良かった。

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    2020年12月03日
  • 明智小五郎事件簿2

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    古い小説だが、それを感じさせない読みやすさと面白さがあった。
    今の小説にはない乱歩独特のおどろおどろした感じも良かった。
    ただ時代のせいにしてしまえばそれまでだが、障害者に対しての偏見が今では考えられないくらい酷かった。「あいつはただのかたわ者じゃない。奇形児なんてものは、多くは白痴か低脳児だが、あいつに限って、低脳児どころか実に恐ろしい知恵者なんだ。」なんてセリフは読んでいて本当にびっくりした。そんな扱いを受けてたら犯罪者にもなっちゃうだろうなぁって思うのも障害者に対する偏見なのかなぁ。

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    2020年05月15日
  • 明智小五郎事件簿2

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    期待通りの読み応え。子供の頃に少年探偵団を観たり読んだりして来たから、江戸川乱歩の世界観は理屈でなく肌に沁みてるので、読んでいても鮮やかにイメージ出来るのは有難いことだ。

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    2020年01月13日
  • 明智小五郎回顧談

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    MCU(マーベルシネマテックユニバース)ならぬ「明智探偵小説世界」の怪作!いや快作!江戸川乱歩の生み出した名探偵明智小五郎が生みの親を凌駕して動き出し、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間の時代の事件を、史実も創作も併せてまるごと呑み込み、もうひとつの昭和史を描き出しています。それは、推理小説と呼ばれる前の探偵小説の黄金時代でもあります。世界的なスーパーヒーローも惜しげもなく投入され、しかもマニアックな歴史の裏方や、その時代を描いた映画やアニメや小説の登場人物もチラチラ、物語に絡んでニヤリとします。たぶん自分では半分もキャッチ出来てないと思います。人名全部書き出して調べると日本の資本主義が完成し

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    2018年03月25日
  • 明智小五郎事件簿2

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    なんかこう、人がズブズブってはまり込む好奇心が暴かれる感覚が魅惑的ですよね。いけないものに吸い寄せられるというか。瞳孔が開く感じがします。

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    2017年08月26日
  • 明智小五郎事件簿2

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    「一寸法師」と「何者」の二編収録

    「一寸法師」は、推理小説もいうよりもホラー映画を見ているような猟奇的な雰囲気で物語が進む。また、障害者の表現や作中での扱いが現代では考えられないほど差別的で、大正当時の空気感、風俗が感じられる。

    「何者」は、「一寸法師」と違い、謎解きの要素が強く推理小説らしい雰囲気。読み返すと、実はいろいろ伏線が張られていたこと(逆に、最初に読んだときは伏線だと思ったら、全然後で出てこない描写であったこと)に気づく、作り込まれている作品。

    本編も面白いが、巻末の「明智小五郎年代記」「解説」がかなり面白い。作品の時代背景、作品当時の交通網や徴兵制度、徴兵制度などに対する一

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    2016年08月13日
  • 明智小五郎事件簿2

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    こうやって”時系列”とされている順に読んでみると、確かに時代が変わっていっているのがわかる。『一寸法師』の浅草や百貨店の描写や『何者』の兵役関係の背景など、今まであまり気に留めたこともなかった、事件の背景となっている状況や風俗などの時代の匂いが感じられるのが面白い。

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    2016年07月28日
  • 弱虫のロック論 GOOD CRITIC

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    同じく、奥田民生とアジカンのコラボライブ!と思って行ったライブが実はこの本の発売記念イベントだったため帰りにお土産にもらった。ということで失礼ながら著者も知らず、雨の土曜日ただ何となく開いてみたら、やあこれが非常に面白く一気読み。日本のロック、というよりはむしろ音楽メジャーの系譜を至極ざっくりとではあるけれど、ある程度ロジカルに解説してくれており世代的にドンピシャなのもあいまって非常に興味深く読めた。同世代で普通にメジャーな大衆音楽を聴いていた人には響くと思う、偶然だからこそ読めて良かった。個人的には名著の部類。

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    2013年04月06日
  • 明智小五郎事件簿2

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    古めかしさは否めないが、
    当時この小説を書き上げていた
    江戸川先生に脱帽。
    独特の雰囲気を醸し出す一寸法師は
    おすすめ

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    2024年10月05日
  • 明智小五郎事件簿2

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    「一寸法師」は、今では差別用語となる言葉が使われていたり、乱歩らしいと言えばそうなんだけど、狂気的で不気味さが際立っていて、ストーリーより薄気味悪さが上回ってしまった。「何者」は、乱歩作品の中ではアッサリした感じだけど、面白い!!乱歩が苦手な人でも楽しんでもらえると思う。

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    2023年02月07日
  • 明智小五郎事件簿2

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    読んだことがなかったにもかかわらず、明智小五郎って中年ぐらいのイメージがあったので、このくらい若いときのエピソードを読むと違和感がありますね。(^^;
    何となく、時代小説の趣のある「一寸法師」の方が江戸川乱歩のイメージだな。

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    2020年02月23日
  • 明智小五郎事件簿2

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    胸が弾むようなコレクションの第二弾。こんかいは「一寸法師」と「何者」の二本立て。「一寸法師」は当時の風俗や街中の描写が色濃いのにも興味を引かれるし、後半にかけてのそうは問屋が卸さないとばかりに二転三転する真相もめっぽうおもしろかった。最初は物語にあまり入り込めていなかったわたしも、さいごはさすが乱歩先生と喝采した。「何者」は素晴らしい本格もので、発表当時は評価されなかったというのに驚く。だが“素晴らしさ”を感じ取るための力を江戸川乱歩以降のミステリを読むことで鍛えてもらったのだと気付けば、うれしくなった。

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    2016年09月29日