夜のアポロン

夜のアポロン

2,420円 (税込)

12pt

――八時三〇分。俺の炎でお前を焼き尽くす時刻だ……サーカス団の少年は恋人の胸に電極を繋いだ。高慢な太陽神に喩えられた美少年に何が起きたのか。青春の残酷なまでの輝きを映した表題作他、書籍未収録のミステリ中短篇全16篇をセレクトした傑作短篇集。

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夜のアポロン のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年03月28日

    単行本未収録の短編集。
    溜め込んで持て余した感情はやはりどこかで使い果たせねばならないのだと感じる。それがどう言った結末になるかわかっていても。
    時代が古くあっても、その感覚は昔では、と思っても最後まで読み終えるとなんだか納得してしまってこの結末を迎えることに読者が諦めを感じてしまう。
    流れ着いたな...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年08月29日

    いつ読んでも新しく思えるのだけど、かなり前に書かれたものなのかな。
    世界観に浸れる貴重な作家さん。
    まだまだ作品を送り出して欲しい。

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    Posted by ブクログ 2019年07月19日

    幻想的な短編集。一応ミステリ、とされているので。ミステリとして読めるものが多いけれど。一概にくくれるものじゃないですね。しかし幻想にしろミステリにしろ、どの作品も素敵なのは確か。
    お気に入りは「致死量の夢」「死化粧」。おそらく収録された作品の中でも一番ミステリとして読める作品かな。だけど物語を取り巻...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年01月19日

    一つ一つ短い話だが、内容は重たく濃厚な余韻を残す。
    まさにこれが皆川博子の世界観。
    生々しくも残酷で、それでいて美しい旋律のよう。人によっては後味の悪さを感じるかもしれないが、これが人生というのも一つの真理なのかもしれない。

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    Posted by ブクログ 2020年05月14日

    カテゴリはミステリなんだけど、実際に取っ組み合うお話はほとんどないんじゃなかろうか。『ほたる式部秘抄』くらい?
    ほぼほぼ全編、人、特に女性や少女の心の暗部が繰り返し語られていて、結構胸焼けしてしまった。加えて、権力に対する嫌悪感もひしひしと。
    その分、いつもとテイストの違う『ほたる式部秘抄』がやけに...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年08月12日

    「夜のリフレーン」と対を成す単行本未収録短篇集。76年から96年の16作。
    改めて言うが単行本未収録でここまでのクオリティ。全然書き散らしていないのだ。
    「小説の女王」と呼ばれる所以もここで、小説への愛が小説を書かせているのだ。
    一作ごとに語りの形式を工夫し、作者の好みや興味を突き詰めることで熟成さ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年06月17日

    日下三蔵氏の執念が生んだ短編集、とでも言うべきか、版元を超えてタッグが組まれ、「夜のリフレーン」と対を成す一冊。
    いわゆる幻想小説にカテゴライズされる作品が主だった「夜のリフレーン」と異なり、少しヴォリュームがあるミステリーを中心に収められている。
    とは言いつつ幻想的なテイストが横溢するものがあった...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年06月17日

    短編集16編
    忘れられていた原稿がみごとに蘇って読むことができた幸い.どれも素晴らしく皆川ワールドである.特に表題作,兎狩り,死化粧が好きだった.ほたる式部秘抄は軽妙でシャレっ気があって結末が明るくこういうのもいい.

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    Posted by ブクログ 2019年05月18日

    主に1980代に書かれた短編を収めた短編集。

    「夜のリフレーン」と対になっているらしい。

    昭和の香り高く、近年の著者の作風とはやや違い濃厚で湿り気が強く、「性」と「死」がモチーフとなっている。

    最後に納められた一編は最近のもので、他の編との対比が面白い。

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    Posted by ブクログ 2021年08月28日

    濃密な狂気と性と死の臭いが漂う短編集。さすがの完成度だけど、一つ一つがすごい生々しい臭い(それを毎回品位を落とさず書ききるのはほんとうにすごい)を放っているのでお腹いっぱいになってしまった感じがする。
    「はっぴい・えんど」の高揚と墜落の間を行ったり来たりする、迸るエネルギーが読んでいて楽しかった。
    ...続きを読む

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