映画「コン・ティキ」の原作
映画を観る前に、原作を読んだが、
映画では表現が難しい細部に拘った原作はやっぱりいい。
この冒険は1947年。男6名による航海であり、
長さ15m、横10mのバルサ材で出来た筏で行った。
出発点のペルー(カヤオ港)からゴールのポリネシア諸島、
詳しくはツアモツ諸島のラロ
...続きを読むイア環礁に座礁するまでの距離、8000kmに及ぶ102日間の航海記録である。
旅の始まりは、著者が人類学者であり、冒険家のトール・ヘイエルダールの
こういう考え方が発端だった。
当時の学者の常識では、ポリネシア人の起源は、東南アジアからの
帆と櫂に頼り、航海して島に住み着いた者たちによるという説だった。
しかし、ヘイエルダールの考えは違った。
海流と風にのっていけば、物理的に筏でも可能であり、
文明的にも、ポリネシア文明とインカ文明(南米)に相違点が多いことが
ペルー等の南米からの起源が正しいということ。
その証明をするために、今回の旅は開始された。
さて、そう簡単にいく訳がないと、普通の人は考えるが、
学者であり、行動的な著者は、あらゆる手を使って、資金集め、
人材集めに能力を発揮する。
本では、全体で8章からなっている。
1章は学説。さきほど書いた、学者の考えから、作者の考えたを説明。
2章は冒険する仲間集めのところ。
3章は筏の材料である、バルサ材を南米にいって、伐採するところ。
4章から6章までが、筏での太平洋横断のメインの部分。
7章がゴール地点の手前の無人島などを発見するところ。
8章がいよいよ、ゴールのポリネシア人との感動的なシーン。
特に映画で感動的だったのは、ジベイザメとの出会いのシーン。
本では、簡単に書いてあって、あまり気にしなかったが、
映画では、こんな大きなサメと、どうやって出会って撮ったんだろうと
感動した。
最後のクライマックスシーンは、
映画を観る人のために、あえて書かないが、
ここは、本が詳しく書いてあった。
映画を観る前に本を読んでいいことは、
ストーリーの最後はわかっても大丈夫な冒険物とかはいい。
その冒険が、どういう方法で行われたのかを知るのに、本を使い。
映画では、冒険をどう表現して、どこを省いたのかを知るのも、
映画監督になった気分ですごく楽しく観れた。