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名探偵は「事件」の謎を解き明かし、
小説家は現場となった「建築」の謎を解く。
『グリーン家殺人事件』(ヴァン・ダイン)が書かれてから九十六年、『黒死館殺人事件』(小栗虫太郎)から九十年、『虚無への供物』(中井英夫)から六十年。いまでも謎解きのミステリは世界中で書かれ続けています。
ミステリの核となるトリックは、事件の舞台となった建築にこそ隠されています。
また、時代が移り変わる中で、春風のように颯爽と登場した近代建築の中にも多くの思念と謎が秘められています。
この本では、前半に「鹿鳴館」「中銀カプセルタワービル」「水晶宮」などの近代建築から建築に潜むミステリを読み、後半では『Yの悲劇』『ねじれた家』『悪魔が来りて笛を吹く』などの名作ミステリから近代建築を論じます。
本格ミステリ「建築探偵桜井京介の事件簿」シリーズなどで有名な、建築を愛する小説家・篠田真由美さんが紐解きます。
建築に潜むミステリを、ミステリの鍵となる建築を解き明かす一冊。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
ミステリ作家の篠田真由美が雑誌「建築知識」に連載していた建築とミステリに関するエッセイをまとめて増補改訂したもの。
前半は実在の建築にまつわる謎をミステリ作家的な視点で読み解いていく感じ、後半はミステリ小説に登場する架空の建築を考証するという感じの二部構成。最初に取り上げられている建築が日本初の西洋風ホテル「築地ホテル」についてで開業して4年で焼失、図面なども残されていないためのその姿は残された写真や浮世絵などから推測するしかなく詳細については今なお不明な点が多い建物。先日、読んだ種村季弘の「江戸東京〈奇想〉徘徊記」でもその謎について触れている箇所があるちょうど気になっていたところで、渡りに船的な小さなシンクロニシティにちょっと感動。
あと、画家のM.C.エッシャーの父親が明治時代、政府のお雇い外国人土木技師として来日していたということを知り吃驚。
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小説・文芸
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