作品一覧

  • 未整理な人類
    -
    1巻2,310円 (税込)
    なぜ人は理屈でわりきれない事に熱中するのか?鋭い視点と笑いで人間社会の本質を斬るノンフィクション。 世界は「意味不明」でできている!? 路上の怪文書から不幸の手紙まで。なぜ人は理屈でわりきれない事に熱中するのか。鋭い観察眼とブラックな笑いで社会を斬る異色ノンフィクション。 「人間は一番のブラックボックスで、未整理なことだらけだ。となると、『止めたくても止められないもの』『なぜか分からないけど、そうなってしまったもの』『体が勝手に動いたもの』にこそ、人間の本質が現れるのではないか。 本書は、そんな人類の未整理な行動を突っついて、綺麗にまとめることもなく、放り投げてみようという試みである」(本文) 【目次】 まえがき 第1章 “不幸の手紙”コレクション 第2章 地蔵は服を着る 第3章 「欲しいもの」を持っているのは誰か 第4章 鉄柱詩に見る、芸術と犯罪と症状 第5章 破壊に吸い寄せられる 第6章 「チットGPTみたいなことを言うな!」 第7章 バーチャルに侵略される 第8章 脳内物質を求めて右往左往 第9章 孤独と犯罪に相関関係はあるのか? 第10章 寝顔の発見 第11章 「水槽学」的考 第12章 必ず逆を教える病気 第13章 それぞれの「生きのびる」問題 第14章 価値観の謎 第15章 人が姿を消すとき 第16章 猫で一攫千金 第17章 したたかなキョン 第18章 本物を凌駕する偽物 第19章 何者かになるための準備 あとがき 【著者】 インベカヲリ☆ 1980年生まれ。写真家、ノンフィクション作家。短大卒業後、独学で写真を始める。2018年伊奈信男賞、2019年日本写真協会新人賞を受賞。写真集に『やっぱ月帰るわ、私。』、『理想の猫じゃない』ほか。著書に『なぜ名前に☆があるのか?』、『家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像』、『「死刑になりたくて、他人を殺しました」無差別殺傷犯の論理』、『私の顔は誰も知らない』、『伴走者は落ち着けない 精神科医斎藤学と治っても通いたい患者たち』ほか。
  • 伴走者は落ち着けない  ─精神科医斎藤学と治っても通いたい患者たち─
    4.0
    1巻2,200円 (税込)
    アダルトチルドレンを提唱した、依存症治療の第一人者で50年以上の長きにわたって家族病理の問題に向き合い続けた孤高の精神科医・斎藤学。 1年半にわたる患者・施設取材を通してその不可解な人物像と魔術的な治療の核心に迫る渾身の医療ルポルタージュ! 「私がやっている仕事は、フロイトがやった仕事以降のことを引き受けている。その人がどうやって今後の生活をしていくかまでを考えることが、私の仕事と思っているわけです。言ってみれば一生。その人が嫌になるまで、お付き合いするのが私です。お付き合いであって、治療はしていません。治しているのは患者さんが自分で治しているんです」(本文より) 「賛否も毀誉褒貶も呑み込んで、「斎藤学の時代」は確かにあった。 本書はその爪痕をリアルに刻んだ、希有なる「時代の記録」である。」(精神科医・斎藤環) スーツ姿で煙草を吸い、机の引き出しに常備させた甘い菓子類をポリポリと食べながら、性倒錯患者に「変態だったらすぐ来て」と興味を示し、万引きをした患者には「初めて主体的な行動を見せたね」と褒める。 そんなおよそ医者とは思えないエキセントリックな態度に衝撃を受けながら、斎藤のもとには痴漢、摂食障害、性倒錯、窃盗症、買い物依存症、引きこもりなど多様なアディクション患者が集まる。そして、斎藤の言葉を使った治療により、彼らは眠っていた能力を発揮していく。その中には、心理職として独立、指揮者や画家として活動、フルマラソンを完走するなど、傍から見ても治っているのではないかと思うほどエネルギッシュな人が多い。 彼ら、彼女らはなぜ斎藤学を必要とし、求め続けるのか。斎藤の謎めいた発言や行動、イリュージョンのような治療を患者・施設取材を通して浮かび上がらせる渾身の医療ルポルタージュ!
  • 隣にいる殺人者
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ●〔対談〕凶悪犯罪から垣間見る日本社会 事件・犯人・メディア 磯部 涼×インベカヲリ★ ●統計が示す反直感的ファクト ゼロ年代以降の殺人を犯罪学から読み解く 岡邊 健 ●小説と犯罪 物語なき時代のテロ 島田雅彦 ●「革命」志向から若者論・世代論に向かい、そして…… 「犯罪論」の時代 パンス ●高齢者はなぜキレやすいのか 川合伸幸 ●麻薬、移民、ヘイト・クライム…… 3億丁を超える銃が流通するアメリカの過去と現在 西山隆行
  • 「死刑になりたくて、他人を殺しました」 無差別殺傷犯の論理
    4.0
    死刑という「安息」── なぜ人を殺すことでしか、彼らの思いは遂げられなかったのか。 「死刑になるため」、「無期懲役になるため」と、 通り魔を行い、放火をし、見ず知らずの人を傷つける凶悪犯が後を絶えない。 彼らはなぜ、計画を実行し犯罪をおかすことができたのか。 我々と、あるいは彼らと同じ境遇にいる人々と、何か違うのか。 本各界の研究者、彼らを救済する人びとに上記の問いを投げかけ、 そのインタビューの中から「彼ら」の真の姿、そして求めているものを探る、ルポルタージュ。 【取材者】 秋葉原無差別殺傷事件犯人 加藤智大の友人 大友秀逸氏 宅間守・宮崎勤らの精神鑑定士 長谷川博一氏 東京拘置所・死刑囚の教誨師 ハビエル・ガラルダ氏 永山則夫の元身柄引受人候補 市原みちえ氏 10代少女毒物殺人事件 支援者 阿部恭子氏 元刑務官 坂本敏夫氏 など 【目次】 第一章 加害者家族を救う人  阿部恭子  NPO法人World Open Heart理事長 第二章 自殺と他殺を受け止める人  大友秀逸  「秋葉原無差別殺傷事件」犯人 加藤智大の友人 第三章 死刑囚に寄り添う人  ハビエル・ガラルダ  教誨師 第四章 「傷つけたい」思いと対話する人  長谷川博一  こころぎふ臨床心理センター センター長 第五章 「生きづらさ」に向き合う人  大石怜奈・石神貴之  学生団体YouthLINKメンバー・OB 第六章 「死刑になりたい」殺人犯を支え続けた人  市原みちえ  「いのちのギャラリー」管理人 第七章 家族と嗜癖から人間を見る人  斎藤学  家族機能研究所・精神科医 第八章 社会と犯罪の関係を研究する人  岡邊健  京都大学大学院教育学研究科 教授 第九章 死刑を執行する人  坂本敏夫  元刑務官 あとがき
  • 家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像
    4.3
    国家に親代わりを求めた男。 法廷で無期懲役に万歳三唱をし、殺人犯なのに刑務所で生存権を主張し続ける犯人・小島一朗。 誰も踏み込まなかったその内面に、異端の写真家が迫る。全真相解明、驚愕の事件ルポ! 犯人はいったい何者なのか? ――――― 【新幹線無差別殺傷事件】 2018年6月9日、走行中の東海道新幹線の車内で男女3人が襲われ、2名が重軽傷、男性が死亡した。「刑務所に入りたい」という動機だったため、一審で無期懲役となった際に小島一朗は法廷で万歳三唱をした。控訴せず20年1月に刑が確定。小島は刑務所内で生存権を主張し続けている。 ――― 2008年以降の無差別殺人事件の犯人は前科前歴なし、両親は揃っており、貧困家庭でもなく友人関係に問題もない、「普通」の者が多い。 だが、「死刑になるため」「刑務所に入るため」と彼らは犯行に及ぶ。 約3年にわたる取材で理解不能な動機、思考を浮き彫りにする驚愕のルポ! 【目次】 序章 鞘――刑務所に入る夢を叶えた男  第一章 心――写真家が人殺しに興味を持つ理由 第二章 偏――歩み寄る難しさ 第三章 記――「むしゃくしゃしてやった、誰でもよかった」の真相 第四章 凶――餓死することを止め、生きる選択をした 第五章 会――アクリル板越しの作り笑顔 第六章 家――浮かび上がる“いい子” 第七章 迷――食い違う家族の言い分 第八章 裁――真実が語られない虚無な裁判 第九章 答――刑務所でしか手に入らないもの 第十章 辿――犯行時のシミュレーションから感じること 最終章 刑――自傷行為を通して得られる愛 あとがき 主要参考文献一覧
  • 溜息に似た言葉
    -
    1巻1,100円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「御縁でもってまた一緒になろう」 ──川端康成『雪国』より 文学作品に書かれたセリフの一言を 劇作家・岩松了が読み解き、 名作の世界を5人の若手写真家が写す。 2005年-2008年に『Domani』(小学館)で連載されたコラム「溜息に似た言葉」の単行本化。 書下し『グレート・ギャツビー』の回と、5人の若手写真家による写真40点、 岩松了と若手写真家との対談から生まれた人物エッセイ「写真家の言葉」5本を追加収録。 ◎いただいたコメント 騙されたり、信じたり。泣いたり、笑ったり。傷付いたり、許されたり。 言葉って、この世で一番色っぽくて危険なものなのかもしれない。 恋をしている若者も、倦怠期を迎えたご夫婦も、 この「溜め息に似た言葉」の中に、身に覚えのある瞬間を見つけるはずだ。 ──小泉今日子 岩松さんの前では、すべての言葉が全裸にされます。 なので 僕は岩松さんの前では<無口な男>を演じ続けています。 ──リリー・フランキー

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ユーザーレビュー

  • 家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像

    Posted by ブクログ

    家庭に不安定さを感じて、刑務所は神のような場所で刑務所を求めたという視点はその発想は無かった。でもそれぐらい家庭環境って人が求める最終地点であり、究極の場所で、それを蔑ろにするやつは重罪なんだなと改めて思った。各々の家庭が家族を大事に思う気持ちがこの世の秩序と治安を維持してるんだなと思った。

    この本読んで、家庭とか家族を第一に考える保守思想の本当の価値と意味が分かった感じがした。リベラルって一見聞こえは良いんだけど、人々がこういう風に彷徨ってしまう危険さもあるんだなと。

    金川真大

    インベ カヲリ★:1980年、東京都生まれ。写真。家短大卒業後、独学で写真を始める。編集プロダクション、映像

    0
    2025年03月16日
  • 家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像

    Posted by ブクログ

    凄惨な事件を起こした犯人を見ると、サイコパスなのか?人は狂うと理解不能なことをしでかしてしまうのか?と思考停止に陥ってたのだけど、小島の来歴を知ると、彼の事件と、刑務所に入りたい願望が家族の愛を求めていたということがわかる。上手くバランスを取れてる家族はなんともなく進んでいくけど、虐待などの“ノイズ“が入るとこんなにも凄惨な事件が起こってしまう。家族ってなんだろと考えさせられた。

    0
    2024年09月20日
  • 伴走者は落ち着けない  ─精神科医斎藤学と治っても通いたい患者たち─

    Posted by ブクログ

    当事者たちのお話がリアルで面白かったです。
    え"…と思うことも、脚色されてない感じがいいなと思いました。 

    精神科医の斎藤学先生について、もっと知りたいと思いました。

    0
    2024年07月10日
  • 家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像

    Posted by ブクログ

    犯人、頭はいいんだろうが手紙のいちいち気取った文章が鬱陶しかった。それを読んだ他者がどう思うか、みたいな想像力がなくて自分しかない。だからこその「刑務所に入ってそこで暮らしたい」との願望を叶えるための無差別殺傷事件なんだろうが。快楽殺人者ではないのに殺人を平然と行える、後から冷静に回想できるというのもそう。裁判で頓珍漢な発言をするのもそう。著者に血まみれの証拠物件を送ってくるのもそう。あるのは自分だけ。その自分がこうしたら他者からこう見られる、という想像力はない。配慮もない。

    彼が襲った女性を庇って亡くなった男性は犯人とは対照的なエリートで運命の皮肉を感じる。

    両親から捨てられて祖母に育て

    0
    2023年07月21日
  • 家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像

    Posted by ブクログ

    小島と向き合うことの、大変な苦痛に挫けそうになりながらも、よくも続けて来れたものだと感心した。

    読みながらもほとんどが私には理解不能で、なんとか読み続けた時、最後に近い章でようやく、そうだったのかもしれないと腑に落ちた。

    ヒトの心の不可思議はなんともならず、きっと家族ですらこうしておけばよかったとの思いすらないかもしれない。なぜなら、家族ですら、当たり前ながら個々のヒトであり、感情があるから。誰一人小島本人のためだけに生きているのではないから。

    被害者とその家族の無念とこの先の人生の苦悩に思いを馳せると、果てしない己の無力に愕然とする。

    0
    2023年05月02日

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