インベカヲリ★のレビュー一覧

  • 家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像

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    家庭に不安定さを感じて、刑務所は神のような場所で刑務所を求めたという視点はその発想は無かった。でもそれぐらい家庭環境って人が求める最終地点であり、究極の場所で、それを蔑ろにするやつは重罪なんだなと改めて思った。各々の家庭が家族を大事に思う気持ちがこの世の秩序と治安を維持してるんだなと思った。

    この本読んで、家庭とか家族を第一に考える保守思想の本当の価値と意味が分かった感じがした。リベラルって一見聞こえは良いんだけど、人々がこういう風に彷徨ってしまう危険さもあるんだなと。

    金川真大

    インベ カヲリ★:1980年、東京都生まれ。写真。家短大卒業後、独学で写真を始める。編集プロダクション、映像

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    2025年03月16日
  • 家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像

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    凄惨な事件を起こした犯人を見ると、サイコパスなのか?人は狂うと理解不能なことをしでかしてしまうのか?と思考停止に陥ってたのだけど、小島の来歴を知ると、彼の事件と、刑務所に入りたい願望が家族の愛を求めていたということがわかる。上手くバランスを取れてる家族はなんともなく進んでいくけど、虐待などの“ノイズ“が入るとこんなにも凄惨な事件が起こってしまう。家族ってなんだろと考えさせられた。

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    2024年09月20日
  • 伴走者は落ち着けない  ─精神科医斎藤学と治っても通いたい患者たち─

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    当事者たちのお話がリアルで面白かったです。
    え"…と思うことも、脚色されてない感じがいいなと思いました。 

    精神科医の斎藤学先生について、もっと知りたいと思いました。

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    2024年07月10日
  • 家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像

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    犯人、頭はいいんだろうが手紙のいちいち気取った文章が鬱陶しかった。それを読んだ他者がどう思うか、みたいな想像力がなくて自分しかない。だからこその「刑務所に入ってそこで暮らしたい」との願望を叶えるための無差別殺傷事件なんだろうが。快楽殺人者ではないのに殺人を平然と行える、後から冷静に回想できるというのもそう。裁判で頓珍漢な発言をするのもそう。著者に血まみれの証拠物件を送ってくるのもそう。あるのは自分だけ。その自分がこうしたら他者からこう見られる、という想像力はない。配慮もない。

    彼が襲った女性を庇って亡くなった男性は犯人とは対照的なエリートで運命の皮肉を感じる。

    両親から捨てられて祖母に育て

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    2023年07月21日
  • 家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像

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    小島と向き合うことの、大変な苦痛に挫けそうになりながらも、よくも続けて来れたものだと感心した。

    読みながらもほとんどが私には理解不能で、なんとか読み続けた時、最後に近い章でようやく、そうだったのかもしれないと腑に落ちた。

    ヒトの心の不可思議はなんともならず、きっと家族ですらこうしておけばよかったとの思いすらないかもしれない。なぜなら、家族ですら、当たり前ながら個々のヒトであり、感情があるから。誰一人小島本人のためだけに生きているのではないから。

    被害者とその家族の無念とこの先の人生の苦悩に思いを馳せると、果てしない己の無力に愕然とする。

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    2023年05月02日
  • 家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像

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    正義感の底知れぬ恐怖を感じる。ありのままのわけの分からない膨大な量の文章は痛々しい。対しての家族のテンションは怖すぎる。とにかく余韻があるノンフィクション。

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    2023年01月24日
  • 「死刑になりたくて、他人を殺しました」 無差別殺傷犯の論理

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    この10年くらいで、「死刑になること」を目的とした凶悪犯罪が増えている印象がある。
    つい先日も、中学三年生の女の子が「死刑になりたい」と見ず知らずの親子に重傷を負わせた。
    彼女にしろほかの凶悪犯にしろ、凶悪犯罪を犯して見ず知らずの人や身近な人に対して、取り返しのつかないことをする以外の選択肢がなかったはずがない。
    あの人たちはいったいどうして、あんな凶悪な反社会的行動に至ったのかを知りたくて読んでいる。

    死刑という刑罰があることによって、犯罪を抑止するという効果を狙っているというのが、死刑制度の前提にあるはず。
    でも、これだけ次々と死刑になることを望む人が凶悪犯罪を起こしているということは、

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    2022年09月19日
  • 「死刑になりたくて、他人を殺しました」 無差別殺傷犯の論理

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    死刑を求め罪を犯す人、加害者の家族を支える人、刑務官、生きづらさをサポートする団体、様々な立場の人たちが死刑とその周縁を語るノンフィクション。メディアが作る安易なイメージとは違い「そうだったのか」と思う事が非常に多かったです。
    犯罪心理学、セーフティーネット、死刑廃止論、発達障害、学校教育など現代におけるキーワードを理解する上でヒントが多い本だと思います。報道を見た時の姿勢、感じ方がより柔軟になるのではないでしょうか。おすすめ本です。

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    2022年08月07日
  • 家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像

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    2018年に東海道新幹線車内で起きた無差別殺傷事件。「刑務所に入りたい」という動機。無期懲役となった犯人の実相に迫るノンフィクション。

    何とも後味の悪い作品。もちろん筆者のせいではない。犯人の意図の通り無期懲役の判決。無作為に殺された被害者のことを考えるとやりきれない気持ちになる。

    筆者は3年間にわたり被告との面会、親族への取材を通じて犯人の実像に迫ろうとするが、結局犯人の本心には近づけない。

    模倣犯まで生まれる無差別殺傷事件。結論こそ掴めないが事件の真相を丹念に取材した一冊でした。

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    2021年12月15日
  • 家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像

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    ネタバレ

     2018年、東海道新幹線内で男女3人が殺傷される事件が起きた。男性が女性二人を庇う形で死亡したというニュースを覚えている方も多いだろう。犯人小島一郎の動機は「刑務所に入りたい」というものだった。よくある貧困から衣食住を得るための犯行かと思っていたが、本書を読み、小島の言う「刑務所に入りたい」はもっと深い意味があったことを知った。
     小島が生まれたのは愛知県岡崎市。この頃、両親は仕事の都合で別居していた。母方の実家である岡崎には小島が生まれた年に、大工をしていた祖父が記念にと建てた家があった。小島はこの「岡崎の家」に最後まで強い執着を見せる。3歳の時、両親は再び同居し、一宮に引越すが、この一宮

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    2021年12月11日
  • 家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像

    ネタバレ 購入済み

    父性・母性の不在

    加害者本人が問題ではなく、その家族が問題ということがよくわかる内容だった。
    ここまで取材を続け、事情を明らかにした著者に大きな称賛を送りたい。

    #シュール #ダーク #ドロドロ

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    2021年11月08日
  • 伴走者は落ち着けない  ─精神科医斎藤学と治っても通いたい患者たち─

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    5年後にどうなりたいかを見る
    それに沿って助言する
    一般的な精神科医とはかなり違うだろう
    昔なら宗教家に近い存在か
    出てくる患者たちも面白いし何よりも多くの患者とのやりとりを通して斎藤学がどういう医師なのか立ち現れてくるのも面白い

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    2025年11月15日
  • 伴走者は落ち着けない  ─精神科医斎藤学と治っても通いたい患者たち─

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    ネタバレ

    摩訶不思議な先生。神田橋先生とはまた違ったタイプの魔法使い。
    人間とは『生命+言葉』。
    副交感神経やEMDR、認知行動療法はお子様ランチ。斎藤先生の言葉は強烈だ。

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    2025年06月28日
  • 家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像

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    自由が拘束される刑務所に一生収監されたいという不可解な犯行動機がひっかかり事件に至るまでの背景が知りたく書籍を手にする
    本書を読むまでは無差別事件の犯人、小島一郎の事をその犯行動機ゆえに思慮浅い人間だと思っていたが、実際はその真逆で古典文学に造詣深く難解な言葉を暗誦できる程の知能が優れた人物である事を知った
    しかしそれが故に一筋縄ではいかない人物ともいえこの事件の本当の背景をより一層理解し難いものにしていると言える

    ただし筆者と受刑者との関係が近しくなってきた後半あたりから不可解だった背景が何となくではあるが見えてきたように思えてきた
    特に著者と小島の母とのやり取りの中では小島の真相に近い部

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    2025年05月28日
  • 伴走者は落ち着けない  ─精神科医斎藤学と治っても通いたい患者たち─

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    斎藤学再発見の書。30年ほど前、依存症業界で脚光を浴び、ACや共依存の概念を広め、時の人となっていた。あらゆる書籍は出せばベルトセラー。それが学会では語られなくなり、書籍も出なくなり、そうした時期に出た斎藤学ルポと言ってもいい書。それも患者の回復過程(語り)から斎藤学を見つめなおす。信田さよ子氏は常々「斎藤学」とは何だったのかということを専門家は総括すべしと言っている。そうした中で出た書で、並行して斎藤氏の専門書が奇遇にも出版。斎藤学氏の「治療」(援助)は「語り」と「つながり」。時代が追いついてきたかもしれない。

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    2024年11月17日
  • 家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像

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    この事件なんとなく覚えていますけれども…犯人とのやり取りは本当に心労になるだろうなぁ…みたいなことが予想されうる犯人像ってか、犯人の実態でしたねぇ…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    僕なら中途で降りていることでしょう…ちゃんと一冊の本にまでまとめ上げられるだけ面会した著者すごい! と思います…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    結局何が何だか…といった感じですねぇ…裁判もよく分からないまま終わってしまった感じがありますしねぇ…犯人は被害者に対して何も思ってはいないでしょう…ええ…無差別殺人ですもの…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    というわけでまあ、写真家である著者が書い

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    2024年10月19日
  • 「死刑になりたくて、他人を殺しました」 無差別殺傷犯の論理

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    ふだん触れちゃいけない感情に触れたような気持ちになる本

    この本は各章で「死刑」に携わる人たちにインタビューする形式になっているんだけど、それぞれの章が本当濃い。
    私が一番インパクト感じたのは第一章の阿部恭子さんのお話。
    なかなかヘビーな話を軽い調子でぽんぽん話してる感じがするインタビューだった。

    他の人のインタビューも考えることが多い話が多かった。
    多分再読しますね、この本は。

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    2024年07月05日
  • 「死刑になりたくて、他人を殺しました」 無差別殺傷犯の論理

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    私にはテーマが重く、知らないことが多かったですが、とても興味深かったです。
    読み終わった後、正解がないような気にもなり、考え続け、相手を知ろうと思う気持ちも必要だと感じました。

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    2024年05月19日
  • 家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像

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    家族の愛情を得られずに育った小島は、
    その代わりを刑務所を運営する
    「国家」に求めている。

    無期懲役になって死ぬまで
    三食きちんと食べさせてもらい、
    仕事も与えてもらい、
    風呂にも入らせてもらい、
    粗相をしても始末してもらい、
    とことん面倒を見てもらうつもりだ。

    やはり幼少期に親をはじめとする
    周囲の愛情に包まれて育つかが
    人間形成に決定的な影響を与える。

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    2023年07月15日
  • 「死刑になりたくて、他人を殺しました」 無差別殺傷犯の論理

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    ヘヴィな内容を想像させるタイトルだが、そうでもない。本書に登場する人物たちはいずれも無差別殺傷犯(もしくはその潜在犯)と向き合い、話を聞いてきた人々である。彼らへのインタビューを中心に構成されたルポルタージュだ。人は誰しも無差別殺傷犯になりうる可能性があると本書は指摘する。そうしない為にはやはり社会との結びつきが重要なのだと語られる。淡々と日本の今を見つめた静かな良作である。

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    2023年04月05日