作品一覧

  • アンナの戦争
    4.4
    1巻1,683円 (税込)
    小学6年生のダニエルは、戦争時代の話をきくためにアンナおばあちゃんを訪ねた。 ——第二次世界大戦中、12歳のアンナはドイツでのユダヤ人迫害をのがれ、「キンダートランスポート」(イギリスをはじめ各国の家庭がユダヤ人の子どもを受け入れた活動)でイギリスへ避難することになった。列車の発車寸前、どさくさにまぎれて若い母親からかごを渡される。中には赤ちゃんが! アンナはイギリスに着くまで、その子の面倒をみる。 無事に田舎の農場についたアンナ。ドイツにいる両親を心配しながら、英語を学び、里親のもとで新しい生活になじもうと努力する。 ある日、農場の姉弟といっしょに、納屋でけがをした兵士をみつける。イギリス兵だと名乗ったが、アンナは、男がドイツ語をつぶやいたのに気づく。男はドイツのスパイだったのだ。イギリス兵だと信じるふりをして水や食べ物を運んでいると、手紙の投函をたのまれる。アンナはそれをイギリス軍の大佐に知らせ、男を見はる。こっそり男のあとをつけるアンナだが、みつかってピンチに!—— 話をきいたダニエルは、アンナおばあちゃんの誕生日に贈るサプライズプレゼントを思いつく。 ナチによるユダヤ人迫害や、1万人もの子どもたちを救ったキンダートランスポートの活動などの史実をふまえ、緊張感いっぱいに描かれたフィクション。
  • 死の森の犬たち
    3.5
    1巻2,200円 (税込)
    原発事故後のチェルノブイリの森でたくましく生きぬいた子犬のゾーヤと,その子ミーシャ,そしてゾーヤの飼い主だった少女ナターシャの運命を追う壮大な物語.野生のオオカミやクマやヤマネコがすむ森でくりひろげられる動物たちのスリルあふれる冒険の歳月を,カーネギー賞作家が生き生きと描く.挿絵はキース・ロビンソン.

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ユーザーレビュー

  • アンナの戦争

    Posted by ブクログ

    児童書なので読みやすいのもあるけれど、話の展開が気になって一気に読んでしまった。
    ヒトラーが政権を握ってから比較的早い段階で、この物語の主人公アンナはドイツからイギリスへ脱出する。このキンダートランスポートという救出システムのことはよく知らなかったが、イギリスの民間の救援団体が組織的にユダヤ人の子どもたちをヨーロッパからイギリスの家庭に送り込む活動のことで、実際に約一万人の子供たちを受け入れたのだそうだ。
    このような全くの善意の行動があったことにまず驚かされる。
    アンナはその極く一部の幸運な子どもだったけれど、頭の回転の速さと勇敢な行動によってある重大な事件を未然に防ぐことになる。でも、アンナ

    0
    2025年04月04日
  • アンナの戦争

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    第2次世界大戦の児童書もたくさんあって、いろいろ読んだけれど、キンダートランスポートの話は初めて。
    いい話で「こんなにうまくいかなよ」ってこともいっぱいあるけど、12歳の子の体験することとしては大変すぎて、二度とないように願わずにはいられない。
    「なにが起きても、パパの明るく勇敢な娘でいるんだよ」
    「幸せになるように努力しなさい。いつも人にやさしくね。あたえられた機会はすべて、最大限に生かすのよ」
    2度と会えないかもしれない12歳の娘に最後に言った両親の言葉に打たれる。
    キンダートランスポートで助かった子どもが1万人、命を失った子どもが150万人という事実は重い。

    0
    2024年12月07日
  • アンナの戦争

    Posted by ブクログ

    児童文学の域を超えた衝撃的な物語。
    若干10歳の少女の分かりやすく素直な言葉で
    紡がれているからこそ、情景が鮮やかに浮かんだ&
    抜けがちな観点が自然と血肉化された。
    この種のテーマに関心のある人はぜひ!

    0
    2024年08月05日
  • アンナの戦争

    Posted by ブクログ

    「いつでもパパの明るく勇敢な娘でいなさい」「幸せになる努力を。人にやさしく。与えられた機会は最大限に生かすのよ」。この両親の言葉の重さに心がふるえる。

    0
    2024年07月28日
  • アンナの戦争

    Posted by ブクログ

    実際に、この作品で描かれたような「冒険譚」を経験した少女がいたのかどうか、はわかりません。どちらかというと、
    「YA文学」としてのエンタメ性を持たせるために創り出された物語なのかもしれません。

    とはいえ、そのことは本書の魅力を減じるものではなく、ナチスの支配するドイツからイギリスへ亡命するためのキンダートランスポートに助けられる場面、イギリスにわたってからの疎開生活での苦労、両親への想い、次第にイギリスへと迫るナチスへの恐怖など、当時の少女が抱いたであろう心情がとても精緻に描かれています。

    現実は救いがない結末となることも少なくありませんが、本書で語り手(アンナの孫)が「ぼくは、どうしても

    0
    2024年05月25日

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