顧客の求めているものをわかったつもりでは、イノベーションが成功するかは、一か八かだ。
何が顧客にその行動をとらせたのかを真に理解していないかぎり、賭けに勝つ確率は低い。
ものの見方を変えること。大事なのは、プログレス(進歩)であって、プロダクト(商品)ではない。
私たちが、商品を買うということは、基
...続きを読む本的に、なんらかのジョブを片付けるために何かを「雇用」することである
■ジョブ理論の概要
・ジョブを明らかにして把握できたあとは、そこで得た知見を優れた、プロダクト・サービスの開発に落とし込む青写真に書き換えなければならない。
・ジョブには複雑さが内在する。機能面だけでなく、社会的及び感情的な側面もある
・ジョブはつくりだすのではなく、見つけ出すものだ。
・ジョブそのものは変化しなくても、解決の方法は、時が経つにつれて、大幅に変化することがある
・顧客がなぜその選択をしたのかを理解できていなければ、根本的に欠陥をかかえたプロセスの進め方がうまくなるだけだ
・イノベーションをみると、その中心にあるのは、顧客ではなく、顧客が片づけるべきジョブである
・ジョブを最初に発見するのは、偶然やあてずっぽうではない。ジョブ理論を深く理解することで組織はイノベーションの取り組み方と成長する方法を根本から変える能力を手に入れられる
■ジョブ理論の奥行と可能性
・問題は道具にあるのではなく、何を探し、観察した結果をどうつなぎ合わせるのかにある
・ヒントは、①身近な生活の中、②無消費に眠る機会、③間に合わせの対策、④できれば避けたいこと、⑤以外な使われ方、のなかにある
・片づけるべきジョブは、市場調査に頼るのではなく、人々の生活を注意深く観察して彼らの望みを直感し、それに従って進むことによって、探すことができる
・市場に成長の余地はもうないと感じられたら、ジョブを適切に定義できていない可能性がある
・できれば避けたいジョブは、進んでやりたいジョブと同じくらい沢山ある
・人は視野を広くもたなければならない。システムの世界で、ユーザ体験というと、美しい画面にボタンを使いやすく整列させることがすべてとおもいがちだ。
・顧客が自分の要求を正確にもれなく表明できることはめったにない。顧客の行動の動機は、本人がいうよりも複雑であり、何かを購入するまでの道筋ははるかに入り組んでいる。
・顧客が達成しようとする進歩は、文脈の中で理解しなければならない
・顧客がなしとげようともがいていることは何か、それがうまく機能していないのはなぜか、何か新しい解決策がほしいと彼らに思わせているのは何か
・ジョブを思いつくときには直観がものをいう。感覚としてはあっている
・片づけるべきジョブを明らかにするのは、最初の一歩にすぎない。あなたが売るのは、進歩(プログレス)であって、商品(プロダクト)ではない
・新しいプロダクトが成功するのは、その特徴や性能がすぐれているからではない、それに付随する、「体験」がすぐれているからだ
・もっとも知りたいのは、同じジョブのためにそのプロダクトを雇用したレビューアたちが何と言っているかである
■かたづけるべきジョブの組織
・プロセスは目で見て理解するのが難しい、プロセスは、公式に文書化された手順と、非公式な習慣的な行動とでできている。
・プロセスは手で触ることができない。企業と一体化している。
・痛みを伴うリストラクチャリングは、だいたい臨んだ成果に結びついていない
・ジョブのレンズを通すと、誰が誰の指揮下にあるかよりも、顧客のかたづけるべきジョブを完璧に解決するプロダクト・サービスを組織が体系的に提供できることのほうがはるかに重要である
・顧客の片づけるべきジョブを中心に組織全体をまとめるには、予測可能で、反復可能なプロセスがなければならない
・うちでは、組織よりも、プロセスのほうをはるかに重視している。当社が迅速に動ける理由のひとつは、会社全体を通じて、同じ技術、同じプラットフォームを使い、同じ指針に沿っていることだ。
・プロダクト指向ではなく、プロセス指向だ
・顧客がほしいのは、プロダクトではく、問題の解決策だ。
・イノベーションのデータの誤謬
①組織の情報フィルターが多層化するにつれて、ジョブではなく、企業は数字を管理するようになる
②大きな利益、すなわち、見かけ上の成長へフォーカスしてしまうと、ジョブへのフォーカスを失ってしまう
③確認したいデータのみに目がいってそれ以外のデータに注目しなくなってしまう
・組織に選択を正しく行うことができるようにするためには、かたづけるべきジョブのコンセプトを単純にしなければならない
・ジョブ理論が力を発揮すると、業務は引きしまる。無駄や、間接費が体系的に減り、使う時間や、エネルギーイや資源が最小化される。
・私たちは、あらゆるものを測定できる。しかし、何を測定するかが重要だ。
目次
序章この本を「雇用」する理由
第1部 ジョブ理論の概要
第1章 ミルクシェイクのジレンマ
第2章 プロダクトではなく、プログレス
第3章 埋もれているジョブ
第2部 ジョブ理論の奥行きと可能性
第4章 ジョブ・ハンティング
第5章 顧客が言わないことを聞き取る
第6章 レジュメを書く
第3部 「片づけるべきジョブ」の組織
第7章 ジョブ中心の統合
第8章 ジョブから目を離さない
第9章 ジョブを中心とした組織
第10章 ジョブ理論のこれから
謝辞
日本語版解説
索引
ISBN:9784596551221
出版社:ハーパーコリンズ・ジャパン
判型:4-6
ページ数:392ページ
定価:2000円(本体)
発売日:2017年08月01日第1刷
発売日:2018年05月20日第6刷