角川文庫作品一覧
-
-赤い左眼を持ち、死者の魂を見ることのできる大学生、斉藤八雲。 同じ大学に通う小沢晴香との出会いをきっかけに、彼は次々と奇妙な事件に巻き込まれていくことになる。やがて事件の陰に、「両眼の赤い男」の存在が見え隠れし始めて…。 異色の探偵の活躍を描いた、超人気スピリチュアルミステリー。 ※本電子書籍は以下の全13冊を収録しています。 『心霊探偵八雲1 赤い瞳は知っている』 『心霊探偵八雲2 魂をつなぐもの』 『心霊探偵八雲3 闇の先にある光』 『心霊探偵八雲4 守るべき想い』 『心霊探偵八雲5 つながる想い』 『心霊探偵八雲6 失意の果てに(上)』 『心霊探偵八雲6 失意の果てに(下)』 『心霊探偵八雲7 魂の行方』 『心霊探偵八雲8 失われた魂』 『心霊探偵八雲9 救いの魂』 『心霊探偵八雲10 魂の道標』 『心霊探偵八雲11 魂の代償』 『心霊探偵八雲12 魂の深淵』
-
4.1古き良き伝統の国、麗虎国。美貌の宮廷神官・鶏冠は、王命を受け、「奇跡の少年」を探している。しかし候補の天青はとんでもない悪ガキ。この子が?と疑う鶏冠だが、その晩、天青ともども命を狙われ……。 ※本書は、二〇〇七年十月、小社より刊行された角川ビーンズ文庫『宮廷神官物語 選ばれし瞳の少年』を改題し文庫化したものが底本です。
-
3.8世界遺産に認定された熊野古道、玉倉山にある玉倉神社。そこに住む泉水子は中学三年まで、麓の中学と家の往復だけの生活を送ってきた。しかし、高校進学は、幼なじみの深行とともに東京の鳳城学園へ入学するよう周囲に決められてしまう。互いに反発する二人だったが、修学旅行先の東京で、姫神と呼ばれる謎の存在が現れ、さらに恐ろしい事件が襲いかかる。一族には大きな秘密が──。現代ファンタジーの最高傑作! 大人気RDGシリーズ第1巻!!
-
4.5「地獄」。そこは“影”――生と死の狭間にとらわれた肉体なき魂――が集まる世界。目覚めたラングドン教授は、自分がフィレンツェの病院の一室にいることを知り、愕然とした。ここ数日の記憶がない。動揺するラングドン、そこに何者かによる銃撃が。誰かが自分を殺そうとしている? 医師シエナ・ブルックスの手を借り、病院から逃げ出したラングドンは、ダンテの『神曲』の〈地獄篇〉に事件の手がかりがあると気付く。 一方、大富豪のゾブリストは、「人類は滅亡の危機に瀕している」と主張し、人口問題の過激な解決案を繰り広げ、WHO〈世界保健機関〉と対立していた。ダンテのデスマスクに仕込まれた暗号に隠された恐ろしい野望。ラングドンは世界を破滅から救うことができるのか? ※本電子書籍は角川文庫「インフェルノ(上)」「インフェルノ(中)」「インフェルノ(下)」を1冊にまとめた合本です。
-
4.6
-
4.0
-
4.3
-
4.3宗教象徴学者ラングドンは、スペインのビルバオ・グッゲンハイム美術館を訪れていた。元教え子のカーシュが、“われわれはどこから来たのか”“われわれはどこへ行くのか”という人類最大の謎を解き明かす衝撃的な映像を発表するというのだ。カーシュがスポットライトを浴びて登場した次の瞬間、彼は額を撃ち抜かれて絶命した。カーシュ暗殺は、宗教界によるものか? もしくは、スペイン王宮の差し金か? かくして、誰も信用できない中で、ラングドンと美貌の美術館館長・アンブラは逃亡しながら、人工知能ウィンストンの助けを借りて謎に迫る! ※本電子書籍は角川文庫「オリジン(上)」「オリジン(中)」「オリジン(下)」を1冊にまとめた合本です。
-
3.3
-
3.8愛、絆、情、欲。 執着の虜となった者たちを描く、京極小説の神髄! 藩の剣術指南役を仰せつかる桐生家に生まれた作之進には、右腕がない。 物心付いた時には、もうなかったのだ。二の腕の途中から、すっぱりとない。 これが普通だこういうものなのだと、ずっとそう思っていた。 元服の夜、作之進は父に呼び出された。 そして父は――厳かに言った。 「お前の腕を斬ったのは儂だ」 一方、柔らかで幸福な家庭で暮らす「私」は、何故か、弟を見ていると自分の中に真っ黒な何かが涌くのを感じていた。 ある日、私は見てしまう。 幼い弟の右腕を掴み、表情の無い顔で見下ろす父を。そして父は、 「これだよなあ」 と、暗い声で言ったのだった――。 過去と現在が奇妙に交錯する「鬼縁」ほか、<人と鬼>の狭間を漂う者たちを描いた全9篇。 <解説/東雅夫>
-
3.9
-
5.0都内全域に貼られた力士の顔が描かれた不気味なシール。「週刊角川」の記者・小笠原悠斗はその実態を記事にすべく、描き手の推測を“万能鑑定士”の凜田莉子に依頼。そこで意外な事実が明らかになる。シールの謎を解明しようと奔走する2人はやがて、日本を震撼させる大事件へと巻き込まれていく――。松岡圭祐原作の大ヒット漫画がついに文庫化! コミックスの1~3巻を一挙収録。描き下ろし特別編も巻末に掲載!! 本書は、二〇一三年八月、十一月、二〇一四年三月にそれぞれ小社より刊行された角川コミックス・エース『万能鑑定士Qの事件簿 I~III』に描き下ろし特別編を加え、文庫化したものです。
-
3.9
-
3.7
-
4.2
-
3.8斬新なトリックで選考委員のミステリ心を奮い立たせた、本格青春推理小説が、ついに文庫化! 〈単行本刊行時帯コメントより〉 かつて、あの北村薫さんと、この綾辻がともにエールを送った問題作――『夕暮れ密室』。それがこのたび、全面的な改稿を経て、折り目正しい学園本格ミステリとして完成した。まことに“嬉しい”事件である。――綾辻行人 「密室テーマの夕暮れの時代」に、敢然と白昼の光を取り戻そうとしている。その心意気がよい。至難ともいうべき「密室」の扱いに成功。それは、上品な手品師の指使いを見るようで、まことに美しい。――北村薫 ※本作は、2015年2月に小社より刊行した単行本を文庫化したものです。
-
4.3
-
3.63年前の事件が原因で警察を辞めた朝倉真志は、妻の奈緒美と離婚、娘の梓と別居し、自暴自棄な生活を送っていた。そんなある日、真志の携帯に無言電話がかかってくる。胸騒ぎがして真志が奈緒美に連絡すると、梓の行方がわからなくなっていた。やがて、娘の誘拐を告げる匿名の電話が奈緒美のもとにかかってきて、真志は過去の事件へと引き戻されていく。一方、真志を信じられない奈緒美は、娘を救うため独自に真相を探り始め――。誘拐犯の正体は? 過去の事件に隠された真実とは? 予想を裏切る展開の連続と、胸を熱くする感涙の結末。社会派ミステリの旗手による超弩級エンタテインメント! 作家生活10周年記念作品。
-
4.0明智光秀はなぜ瞬く間に出世し、信長と相前後して滅びたのか――。 厳然たる「定理」が解き明かす、乱世と人間の本質。 各界絶賛の全く新しい歴史小説、ここに誕生! 永禄3(1560)年の京。 牢人中の明智光秀は、若き兵法者の新九郎、辻博打を行う破戒僧・愚息と運命の出会いを果たす。 光秀は幕臣となった後も二人と交流を続ける。やがて織田信長に仕えた光秀は、初陣で長光寺城攻めを命じられた。 敵の戦略に焦る中、愚息が得意とした「四つの椀」の博打を思い出すが――。 何故、人は必死に生きながらも、滅びゆく者と生き延びる者に分かれるのか。 革命的歴史小説、待望の文庫化! 解説・篠田節子
-
-
-
4.0
-
4.5なぜ彼女は、『枕草子』を書いたのか――。28歳の清少納言は、帝の妃である17歳の中宮定子様に仕え始めた。華やかな宮中の雰囲気になじめずにいたが、定子様に導かれ、その才能を開花させていく。機転をもって知識を披露し、清少納言はやがて、宮中での存在感を強める。しかし幸福なときは長くは続かず、権力を掌握せんとする藤原道長と定子様の政争に巻き込まれて……。清少納言の心ふるわす生涯を描く、珠玉の歴史小説! ○本電子書籍は新聞連載時のカラー挿画(遠田志帆/画)全198点を収録しています。 ○本文内容は、通常版の「はなとゆめ」と同一です。
-
3.3
-
3.8セレブママとしてブログを更新しながら周囲の評価に怯える主婦。仕事で子育てになかなか参加できず、妻や義理の両親から責められる夫。出産を経て変貌した妻に違和感を覚え、若い女に傾いてしまう男。父の再婚により突然やってきた義母を受け入れきれない女子高生……。思い通りにならない毎日。募る不満。言葉にできない本音。それでも前を向いて懸命に生きようとする人たちの姿を鮮烈に描いた、胸につき刺さる6つの物語。 小説で誰かを救う。そんな大それたことは言いづらい。 だけど、それに本気で挑戦している作家は確かにいるのだと、 窪美澄を読むといつもそう思う。 ――朝井リョウ(作家) 文庫化に際し、オリジナル短編、一編追加!
-
3.8
-
3.8
-
4.0※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「日本霊異記」の正式名称は『日本国現報善悪霊異記』で、著者は南都薬師寺の僧・景戒(きょうかい)という。822年ごろ成立し、上中下巻、116話からなっているという。 ガゴゼとは、元興寺にまつわる鬼を退治する話なのだが、物語にネズミ男が狂言回し役として、登場。「どくろの怪」でも弟を殺してしまった兄の後悔を描き、水木さん自身が登場し、戦争中の体験を語りながら、骨になってもまだ思いを残す弟の無念を描く。「閻魔大王の使い」では、おなじみの死神が登場。90歳を超える水木先生の傑作。雑誌『怪』に連載した作品をまとめた水木ファンにはたまらない作品。
-
3.8
-
3.4
-
4.0
-
3.5
-
4.0
-
3.9
-
4.2
-
3.0
-
3.9
-
3.0
-
3.0
-
3.0
-
-
-
3.8
-
3.0
-
4.5
-
4.3
-
3.9
-
3.4宮下愛子は幼いころ、ショッピングモールで母親が目を離したわずかなすきに連れ去られる。それは偶発的に起きた事件だったが、両親の元に戻ってきた愛子は失明していた。12年後、彼女は再び何者かによって誘拐される。一体誰が? 何の目的で? 一方、人気漫画家の江間礼遠は突然失踪した妻、優奈の行方を必死に探していた。優奈は12年前に起きた事件の加害者の娘だった。長い歳月を経て再び起きた、「被害者」と「加害者」の事件。偶然か、それとも二度目の誘拐に優奈は関わっているのか。急展開する圧巻のラスト35P! 文庫化に当たり、単行本から改稿されたシーンも。大注目作家のサスペンス・ミステリー。(解説:瀧井朝世)
-
-今は増えつつある「病院のアニマルセラピー」を、日本で初めて小児病棟で実現させた聖路加国際病院。入院中であっても子ども達が豊かな時間を過ごし、病魔との戦いを続けられるように医師、看護師、保育士、心理士、牧師など数多くのスタッフたちで積み重ねられた努力と取り組みを、4人の子ども達の生死を通して描いた感動の記録。
-
-
-
4.0
-
3.5
-
4.0
-
3.8■ろくでもなく愛おしい主人公の決断に、きっと誰かが救われる。――住野よる氏 ■薄暗い青春の片隅でうごうごしているとき、我々はみんなマスクをつけている。――森見登美彦氏(解説より) 人生、マスクが必需品。 自称「口裂け女」ことくにさきみさとは、札幌在住の22歳フリーター。 他人とはマスクを隔てて最低限の関わりで生きてきたが、諸事情により、避けてきた人々と向き合う決意をした。 自己陶酔先輩の相手をし、ひきこもりの元親友宅を訪問し……やっかい事に巻き込まれ四苦八苦する口裂けだが、周囲の評価は確実に変化していき――? 衝撃の結末とある「勇気」に痺れる、反逆の青春小説! 第6回野性時代フロンティア文学賞受賞作。
-
3.0
-
4.0それは科学か?インチキか?本当のオカルト(隠されたもの)か?なぜ人はほとんどが嘘だと思いながら、この世界から目をそらさずに来たのか。否定しつつも惹かれてしまう「オカルト」。その境界をたどる。
-
3.9
-
4.1
-
3.5
-
5.0
-
-
-
3.7
-
3.8父の亡き後、常連客に支えられながら残された食堂『ののや』を守リ続ける継母の奈央と高校生の娘真子。客の笑い声があふれる店にある晩、新顔の青年が現れる。東山と名乗るその男は、ネットで評判の小説を読み、その舞台になっている『ののや』と登場人物のモデルを見にやって来たという。「小説? ののやが?」「いったい誰が?」みなの驚きをよそに、すっかり気に入って町に滞在する東山。しかし間もなく、胡散臭い探偵が町にやってきて……。「人は帰る場所があるから、旅立つことができる」小さな食堂を舞台に、毎日をせいいっぱい生きる人々の絆とそこから巣立っていく少女の成長を描いた傑作長編!
-
3.8
-
4.0朝日新聞「天声人語」で紹介! 辞書の世界をのぞいてみよう 芸人ならではの切り口で、代表的な国語小辞典を例にとりながら、語数、品詞、デザイン、歴史、用例、語釈などから辞書の魅力を多面的に紹介。あなたの知らないディープな辞書の魅力がここに!(イラスト:宮尾和孝) 【目次】 この本に登場する主な辞書 自分だけの一冊がわかる!? オススメ辞書占い はじめに 第1章 広くて深い辞書の世界をナビゲート 1.国語辞典は、みんなちがう! 2.国語辞典のルーツ 3.辞書の中にもブランドがある 4.国語辞典は二冊持つ時代 5.なぜ、こんなに多様化したのか? 6.忘れちゃいけない文法問題 7.辞書のディテールを楽しむ 第2章 タツオセレクト! オススメ辞書ガイド 1.キャラクターで解説! 個性派辞書図鑑 『岩波国語辞典』 『新明解国語辞典』 『明鏡国語辞典』 『集英社国語辞典』 『新潮現代国語辞典』 『ベネッセ表現読解国語辞典』 『角川必携国語辞典』 『新選国語辞典』 『三省堂国語辞典』 『日本語 語感の辞典』 『基礎日本語辞典』 コラム『基礎日本語辞典』著者 森田良行先生にインタビュー 2.まだまだある! 紹介したかった「国語辞典」たち 3.タツオオススメ「辞書関連本」 ことばのぬまのおくがき(あとがき) 文庫版あとがき 解説 三浦しをん
-
3.9寝ている間に手足と体をしばられ、台車にのせられて小人国の都につれてこられたガリバー。小山のような人間に、都は大さわぎ! 左足を鎖でつながれたガリバーは、小さな皇帝と会うが……。
-
3.3あなたの目を見て だいじょうぶだよと 言ってあげたい そんな物語です 萩尾望都(漫画家) 物語の主人公「あおの」はタウン誌の編集者になったばかりの新人社会人で、高千穂を思わせる神話の国のような山中にある鍼灸治療の「キシダ治療院」を取材で訪れる。幼少期に両親を亡くし、親戚の家で育ったあおのは、血の繋がった家族というものを知らずに育ち、ストレス性の病を患っていた。難病患者のどんな病も治してしまうという、どこか妖しげな治療院には、不思議な力を持つと言われている節子先生が暮らしていた。そこには、あおのと年齢の近い「つきの」という女の子が、手伝いとして住み込みながら治療を続けていた。ひょんなことからあおのも住み込んで治療に専念することになり、二人は規則正しい暮らしの中で、少しずつ距離を縮め、いつしか二人の病気は回復に向かっていくはずだったのだが……。ある日、庭に河童が顕れていることを発見したときから、二人の運命は大きな展開を迎えることに。二人を呼び寄せたものは何だったのか。物語のラストで驚きと共に感動に包まれることでしょう。文庫化にあたり、節子さんが“視える”ようになった幼少期の出来事を描いた「春の記憶」を収録。 ※幽ブックス「消えてなくなっても」を文庫化した作品です。
-
3.0
-
4.42011年3月11日、一人の新聞記者が死んだ。福島民友新聞記者、熊田由貴生、享年24。福島県南相馬市で津波の最前線で取材をしていた熊田記者は、自分の命と引きかえに地元の人間の命を救った。その死は、仲間に衝撃を与えた。それは、ほかの記者たちも同じように津波を撮るべく海に向かい、そして、生命の危機に陥っていたからである。なかには目の前で津波に呑まれる人を救うことができなかった記者もいた。熊田記者の「死」は、生き残った記者たちに哀しみと傷痕を残した。取材の最前線でなぜ記者は、死んだのか。そして、その死は、なぜ仲間たちに負い目とトラウマを残したのか。非常用発電機のトラブルで新聞が発行できない崖っ淵に立たされ、さらには放射能汚染で支局も販売店も避難を余儀なくされた福島民友新聞を舞台に繰り広げられた新聞人たちの壮絶な闘い。「命」とは何か、「新聞」とは何か、を問う魂が震えるノンフィクション――。
-
4.2夏樹と冬子は、高校時代、男女だけれど「親友」だった。 お互い、日常の謎を解くことを趣味として、一緒に居て誰よりも心地良い存在だったあの頃。 やがて社会人となった夏樹は、冬子に会いに神戸を訪れる。 町を散策しながら、昔と同じく、冬子と日常の謎ときを楽しむ夏樹だが、 夏樹には心に秘めた想いがあった。 冬子への恋心。もう、ごまかせない。 けれど冬子はなかなか、夏樹の想いを伝えるチャンスをくれなくて……。 もどかしくも、季節はうつる。夏樹の焦り、冬子の戸惑いをのせて。 そして……。 それは、最高で最低の片想い……。 優しく穏やかなな日常の謎ときから一転、驚愕のエンディングに、誰もがきっと目を瞠る。 青春ミステリの名手、岡崎琢磨が送る、究極の青春恋愛ミステリ。
-
3.8あるホラー作家のもとに送られてきた手紙には、存在しない架空の歌手とラジオ番組のことが延々と綴られていたという。編集者たちの集まりによると、チェーンメールのように、何人かの作家にも届いているという。かくいう私にもその手紙は届いていた。その手紙のことを調べるうちに、文面の後ろのほう、文字が乱れて読み取れなくなっていた部分が、徐々に鮮明になってきている……。ある日、友人作家が手紙のことで相談があると言ってきた。なんと、その手紙、サイン会で手渡しされたという。誰がその人物だったかはわからない。けれど、確実に近づいてきているーー。(「手紙の主」)。その交差点はよく交通事故が起こる。かつてそこで亡くなった娘の霊が、巻き添えにしていると、事故死した娘の母親は言っているという。その娘が好きだったという「M」の字の入ったカップがいつもお供えされていた。ある雨の日、そのおばさんがふらふらと横断歩道にさしかかり……。死が母娘を分かつとも、つながろうとする見えない深い縁を繊細な筆致で描く「七つのカップ」。闇の世界の扉を一度開けてしまったらもう、戻れない。辻村深月が描く、あなたの隣にもそっとそこにある、後戻りできない恐くて、優しい世界。 【解説:朝霧カフカ】
-
3.7
-
-
-
3.0
-
5.0
-
4.4明治期、東北。許されぬ仲の妊婦ミネと吉治。吉治は殺されミネは逃げる途中、牡馬アオと雪洞に閉じ込められる。正気を失ったミネは、アオを食べ命をつなぎ、春、臨月のミネは奇跡的に救出された。 生まれた捨造は出生の秘密を知らぬまま、座敷牢で常軌を逸しているミネを見舞い暮らす。アオの孫にあたる馬と北海道に渡ることを決心した捨造は、一瞬正気になった母から一切の経緯が書かれた手紙を渡され、今生の別れをする。 昭和、戦後。根室で半農半漁で暮らす捨造家族。捨造は孫の和子に、アオの血を引く馬ワカの飼育をまかす。ある台風の日、無人島に昆布漁に駆り出されたワカとほかの馬たちは島に取り残される。捨造と和子はなすすべもない。 平成。和子の孫ひかりは、和子に島の馬の話を聞かされていた。ひかりは病床の和子のために島にいる馬を解放することを思い立ち、大学の馬研究会の力を借りて、野生馬として生き残った最後の一頭と対峙するが……。
-
-
-
-
-
3.4
-
3.6
-
4.0
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。