Posted by ブクログ
2021年12月26日
百年法:〔不老化処置を受けた国民は処置後百年経過したら安楽死しなければならない〕
近未来の日本を描いた独創的なお話でした。苦手な政治のお話もとても面白く、首相の遊佐さんのような方が今の日本に現れてくれたらどんなに心強いか…なんて思いながら楽しく読み進めました。
このお話の中には不老化処置を受け...続きを読む、死にたくないと右往左往する人間の様子も描かれています。私は生にあまり執着がないのでその様子にあまり共感は出来なかったのですが、いざ、不老で生き続けなければいけないとなれば、またそれはそれで恐怖や混乱に見舞われるという人間心理が描かれていて、興味深かったです。
最近は、混沌さが増し、荒れて、日に日に人間が雑で幼稚になっていっている気がしてなりません。人間は進化しているようで、実はかなり衰退してきている気さえします。小説の表紙一つにしても、手に取る気もしない物が増えてきました。
食べる、寝るという本来単純な生活のはずが、異様な忙しさの中で大切なことは忘れられている気がします。。
こんな時こそ、広く読んでもらいたい作品だなと思いました。