颶風の王

颶風の王

616円 (税込)

3pt

明治期、東北。許されぬ仲の妊婦ミネと吉治。吉治は殺されミネは逃げる途中、牡馬アオと雪洞に閉じ込められる。正気を失ったミネは、アオを食べ命をつなぎ、春、臨月のミネは奇跡的に救出された。
生まれた捨造は出生の秘密を知らぬまま、座敷牢で常軌を逸しているミネを見舞い暮らす。アオの孫にあたる馬と北海道に渡ることを決心した捨造は、一瞬正気になった母から一切の経緯が書かれた手紙を渡され、今生の別れをする。
昭和、戦後。根室で半農半漁で暮らす捨造家族。捨造は孫の和子に、アオの血を引く馬ワカの飼育をまかす。ある台風の日、無人島に昆布漁に駆り出されたワカとほかの馬たちは島に取り残される。捨造と和子はなすすべもない。
平成。和子の孫ひかりは、和子に島の馬の話を聞かされていた。ひかりは病床の和子のために島にいる馬を解放することを思い立ち、大学の馬研究会の力を借りて、野生馬として生き残った最後の一頭と対峙するが……。

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颶風の王 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年04月08日

    最近読んだ本の中で間違いなく自分にとっては一番。音読したくなるようなリズムのある文章 何度も反芻したくなる力強い味のある言葉の数々 とにかく良かった。どんなに頑張ってもオヨバヌトコロが厳然として在るのが自然界でそこが哀しくも美しい。読後感も爽やかで読んでよかった。

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    Posted by ブクログ 2024年03月15日

     直木賞受賞前から気になっていた作品で、たまたま北海道出張中に本屋で特集が組まれており、勢いで購入。
     北海道の地で馬と共に生きた家族6代の物語。各章のメインシーンの読者を引き込む力が凄い。一気に読まされる臨場感と心情の機微の表現。序章の遭難時の馬食に至る過程、第二章のフクロウの睨みを感じる場面は、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年09月04日

    全編わずか244ページとは思えない人と馬の壮絶な物語です。
    ちなみに颶風とは強く激しい風の意味とか。

    北杜夫氏の「酔いどれ船」を思い出す。

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    購入済み

    2023年01月16日

    馬と共に雪崩に巻き込まれた妊婦が、1ヶ月雪洞に閉じ込められ、最終的に死んだ馬を食べて生き延び、生まれたのが捨造。
    捨造は北海道に渡り、根室で孫和子とその馬の子孫を育てるが、島に送った馬が帰還できなくなり、馬の飼育から離脱。
    和子の孫ひかりはその島へ行き、残り1頭となった馬の子孫と出会う。
    母校...続きを読む

    #切ない #感動する

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    Posted by ブクログ 2022年05月22日

    五世代にわたっての話だったのだが、最後まで一気に読み進んでしまった。花島に残った馬とひかりの邂逅のシーンは、とてもいい表現で書かれていると思いました。

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    Posted by ブクログ 2022年04月30日

    極寒の、根室の海風を頬に感じるような、力強い文章。北海道の自然とそこに暮らす人達の過酷な日々。及ばぬものを受け入れ、ただ生きる人達。
    身に迫る、心揺さぶられます。

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    Posted by ブクログ 2020年12月22日

    生き延びるための行動が極めてリアルに熱く書かれていて(手紙として書き残せるかは突っ込んだらいけない部分)、小説としての凄みを感じた。
    そこで終わらず、世代を重ねて現代に至る展開も面白い。ユルリ島にも興味がわいた。

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    Posted by ブクログ 2018年10月21日

    手に取ったのは、JRA馬事文化賞受賞作だからではなく、この本に呼ばれたから。

    明治、昭和、平成に渡って描かれる、馬と人の物語。
    とくにミネと和子の話には圧倒されて、これであれば240ページではなく、もっと長編にできたのでは?
    と思ったけど、そうすると「人の話」になってしまう。

    あくまでもこれは、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年03月24日

    たまたま直木賞授賞式をリアルタイムで観たので著者に興味は湧いたが、いかんせん守備範囲ではないカテゴリーの小説なのでとりあえず入門として購入

    インタビューの受け答えから感じたイメージ通り、期待通りの作品だった
    謎やトリックから離れた小説もたまには悪くないな

    6世代に渡って繋がれた馬への思いの着地点...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年02月23日

    明治の初めの頃でしょうか。東北の庄屋の娘が雪崩の被害に遭いながら、偶然生じた雪洞の中に乗ってきた馬と共にまぎれる。助けの望めないまま、長い間馬とその雪洞に過ごす娘は、空腹のためにその馬を食べ、生き延びるのだけれど……。

    娘が生んだ捨造は一頭の馬と共に開拓民を募集していた北海道に渡り、以後、根室にて...続きを読む

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