颶風の王

颶風の王

小説・文芸
693円 (税込)

3pt

明治期、東北。許されぬ仲の妊婦ミネと吉治。吉治は殺されミネは逃げる途中、牡馬アオと雪洞に閉じ込められる。正気を失ったミネは、アオを食べ命をつなぎ、春、臨月のミネは奇跡的に救出された。
生まれた捨造は出生の秘密を知らぬまま、座敷牢で常軌を逸しているミネを見舞い暮らす。アオの孫にあたる馬と北海道に渡ることを決心した捨造は、一瞬正気になった母から一切の経緯が書かれた手紙を渡され、今生の別れをする。
昭和、戦後。根室で半農半漁で暮らす捨造家族。捨造は孫の和子に、アオの血を引く馬ワカの飼育をまかす。ある台風の日、無人島に昆布漁に駆り出されたワカとほかの馬たちは島に取り残される。捨造と和子はなすすべもない。
平成。和子の孫ひかりは、和子に島の馬の話を聞かされていた。ひかりは病床の和子のために島にいる馬を解放することを思い立ち、大学の馬研究会の力を借りて、野生馬として生き残った最後の一頭と対峙するが……。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    KADOKAWA
  • 掲載誌・レーベル
    :
    角川文庫
  • タイトル
    :
    颶風の王(角川文庫)
  • タイトルID
    :
    544008
  • 電子版発売日
    :
    2018年08月24日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

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颶風の王 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    北海道と馬の話。第1話が相当に凄まじい。河崎秋子さん味が深い。

    第1話 世は明治。祖母の家の最奥の部屋に母はいる。手折った野菊を渡す。母が妊娠期に病んだので、捨造は小作農家に養子に出された。養父母は困窮の中でも養ってくれた。養父母が亡くなったが、嫁取りなどは望めそうもない。ある日見かけた新聞記事に開拓民募集とあった。馬を買い、北海道に渡る。母から別れ際に手紙を渡される。捨造が産まれるまでの記録だった。

    第2話 昭和で戦後。北海道根室地方。捨造の孫和子。馬を育てている。いくらくらいの値がつくか楽しみでいる。捨造は妻を第二子出産時に亡くした。
    ワカと名づけられた手のかかる馬が、帰厩の時刻になっても帰ってこなかった。嵐が来た。和子は捨造に怒られる。ワカを探して森に立ち入ってしまい、夜の闇の中慌てて逃げ帰る。ワカがやってきて連れ帰る。やがて近所で種付けしていない雌馬が妊娠する。
    昭和30年、大嵐が来る。崖が崩れて、崖の上に残った馬を見捨てざるを得ない。半数近くの馬を失い、一家は収入が少なくなった。祖父は釧路に、また母は地引網に出かけた。和子は住込み奉公に出る。結局一家は十勝に移住する。馬たちは売られた。

    第3話 祖母の和子が脳卒中に倒れた。シングルマザーの母の娘であるひかりを育ててくれた祖母だった。目が覚めてから、祖母は花島に残された馬の話しかしなくなった。花島の馬たちはその後繁殖して一頭のみ現地に残っている。大学のサークルのツテでひかりは花島に赴く。

    0
    2026年07月13日

    Posted by ブクログ

    タイトルの力強さとあらすじを読んで馬の物語に惹かれ購入。
    終始美しく厳しい自然と馬の息遣いを想起させる物語だった。

    0
    2025年01月27日

    Posted by ブクログ

    直木賞作家。手元に未読の文庫が積読本の山の一番上にあったので読んでみた。

    どうやらデビュー作らしいが、これが骨太の力強い作品で驚いた。およそ六代にわたる一族の歩みを中編の長さにギュッギュッと凝縮して描いている。

    相当壮絶なお話なのだが、人と馬との関わりを必要以上に感傷的にならないで描いているのが気持ちが良く、北海道の自然もまたよく描かれている。

    エピソード的には最後のひかりの章が、少し弱い気もするし、中編でなく堂々たる大河小説に仕上がったもをの読んでみたい気もするが一気読みで至福の時を過ごせた。

    また一人気になる作家ができた。

    0
    2024年12月03日

    Posted by ブクログ

    最近読んだ本の中で間違いなく自分にとっては一番。音読したくなるようなリズムのある文章 何度も反芻したくなる力強い味のある言葉の数々 とにかく良かった。どんなに頑張ってもオヨバヌトコロが厳然として在るのが自然界でそこが哀しくも美しい。読後感も爽やかで読んでよかった。

    0
    2024年04月08日

    Posted by ブクログ

     直木賞受賞前から気になっていた作品で、たまたま北海道出張中に本屋で特集が組まれており、勢いで購入。
     北海道の地で馬と共に生きた家族6代の物語。各章のメインシーンの読者を引き込む力が凄い。一気に読まされる臨場感と心情の機微の表現。序章の遭難時の馬食に至る過程、第二章のフクロウの睨みを感じる場面は、こちらもドキッとさせられた。
     話として好きなのは最終章の現代で祖母のために馬の行方を探るひかりの物語。この章は立派な青春小説で、自分のルーツを知ることで積極的になり、精神的にも充実していく姿が心地よい。最後の馬との邂逅は非常に美しい映像が想像できた。
     北海道と馬への造詣の深さと卓越した表現力が生み出した素晴らしい物語だった。

    0
    2024年03月15日

    Posted by ブクログ

    全編わずか244ページとは思えない人と馬の壮絶な物語です。
    ちなみに颶風とは強く激しい風の意味とか。

    北杜夫氏の「酔いどれ船」を思い出す。

    0
    2023年09月04日

    購入済み

    馬と共に雪崩に巻き込まれた妊婦が、1ヶ月雪洞に閉じ込められ、最終的に死んだ馬を食べて生き延び、生まれたのが捨造。
    捨造は北海道に渡り、根室で孫和子とその馬の子孫を育てるが、島に送った馬が帰還できなくなり、馬の飼育から離脱。
    和子の孫ひかりはその島へ行き、残り1頭となった馬の子孫と出会う。
    母校がモデルになった大学が出てくるということで読んだが、切実な飢え、馬の生態の詳しさ、厳しい自然などの描写は、人の都合の良い話ではないと思った。
    それにしても、素晴らしい筆力。

    #切ない #感動する

    0
    2023年01月16日

    Posted by ブクログ

    五世代にわたっての話だったのだが、最後まで一気に読み進んでしまった。花島に残った馬とひかりの邂逅のシーンは、とてもいい表現で書かれていると思いました。

    0
    2022年05月22日

    Posted by ブクログ

    極寒の、根室の海風を頬に感じるような、力強い文章。北海道の自然とそこに暮らす人達の過酷な日々。及ばぬものを受け入れ、ただ生きる人達。
    身に迫る、心揺さぶられます。

    0
    2022年04月30日

    Posted by ブクログ

    生き延びるための行動が極めてリアルに熱く書かれていて(手紙として書き残せるかは突っ込んだらいけない部分)、小説としての凄みを感じた。
    そこで終わらず、世代を重ねて現代に至る展開も面白い。ユルリ島にも興味がわいた。

    0
    2020年12月22日

颶風の王 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    KADOKAWA
  • 掲載誌・レーベル
    :
    角川文庫
  • タイトル
    :
    颶風の王(角川文庫)
  • タイトルID
    :
    544008
  • 電子版発売日
    :
    2018年08月24日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

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