土に贖う

土に贖う

693円 (税込)

3pt

明治時代の札幌で蚕が桑を食べる音を子守唄に育った少女が見つめる父の姿。「未来なんて全て鉈で刻んでしまえればいいのに」(「蛹の家」)。昭和26年、最年少の頭目である吉正が担当している組員のひとり、渡が急死した。「人の旦那、殺してといてこれか」(「土に贖う」)。ミンク養殖、ハッカ栽培、羽毛採取、蹄鉄屋など、可能性だけに賭けて消えていった男たち。道内に興り衰退した産業を悼みながら、生きる意味を冷徹に問う全7編。圧巻の第39回新田次郎文学賞受賞作。

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土に贖う のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    北海道でむかし栄え、廃れてしまった産業の短編集。
    養蚕、ミンク、薄荷、農耕馬、羽毛、レンガ作り、陶芸の、体力がないと厳しい産業に関わったひとびとの歴史を垣間見られる物語だった。
    桑園はよく通る場所、北見や江別、野幌は郷土資料館なども行ったことを思い出した。かつてこんなドラマが繰り広げられていたのかな

    0
    2025年08月30日

    Posted by ブクログ

    前から気になっていた作家さん。読んでみたら近年稀に見るほど衝撃的に好きなやつでした。現代と地続きになっている暴力的に厳しい大地の記憶。いつの世も人間なんてビックリするほど小さいです。

    0
    2025年06月10日

    Posted by ブクログ

    蚕、ミンク、ハッカ、アホウドリ、ウマ、レンガ――

    時代の要求に呼応して変化する産業の姿を、
    変わらずある北海道の大地から眺める短編集。

    “定住”によって蓄えることを覚えた人類が、
    社会の構造化によってより蓄える側と奪われる側に分かれていく。

    今では大っぴらに使用される資源は石油くらいになったけ

    0
    2025年03月22日

    Posted by ブクログ

    描写力がすごくて、本当に馬糞風の匂いがしてる中で読んでる気になってました。でも実際嗅いだことはないので、馬糞じゃなくて牛糞のイメージだと思うけど。
    漫画を読むより映像がリアルだし、鳥も殴り殺したことなどないのに、触感まで想像できてしまいました。恐ろしい作家さんです。

    0
    2024年11月16日

    Posted by ブクログ

    河﨑秋子さんの作品は今回初めて読みましたが、
    一文一文が重厚で肉厚、かなり好みの文体。

    7篇からなる短編小説ですが、【生】に対する本能、執着、残酷さ、愚かさをまざまざと感じさせる内容です。
    動物好きの自分には心を抉るような描写もありました。
    読んだ中で『南北海鳥異聞』が1番印象的、というか衝撃でし

    0
    2024年08月15日

    Posted by ブクログ

    娘からシェアしてもらった。これはすごい。道民として知っておくべき現実なんだろうけど悲しい話ばかり、読み進むのがつらくなる。でもこんなふうに表現出来る河﨑秋子さんのクールな視点とすぐ目の前に起こっていることのように錯覚させる表現力や書き写したくなるようななんども噛みしめたくなるような文章に、何というか

    0
    2024年07月23日

    Posted by ブクログ

    河﨑秋子『土に贖う』集英社文庫。

    第39回新田次郎文学賞受賞作。北海道を舞台にした7編の短編を収録。

    いずれも自然を相手に北の大地で必死に働きながらも、時代の波には逆らえずに敗者となった人びとの物語だ。いつも陽が当たる勝者に対して、敗者はいつも日陰の存在というのが世の常である。この短編集の中で、

    0
    2022年11月24日

    Posted by ブクログ

    主に北海道で、厳しい環境を生き抜くために生き物たちの生命を奪い利用していく人々の功罪ある生き様と、時代の流れに抗えず消えていく生業の姿を描く短編集。蚕、ミンク、ハッカ、農耕馬と、人間たちによって北の大地に移入された生命は共生のような形で繁栄してやがて衰退していく。

    未開の原野だからこそ、無尽蔵とも

    0
    2025年06月03日

    Posted by ブクログ

    明治あたりから現代に至るまでの北海道の産業の栄枯盛衰。それに携わった人々の喜びや悲哀が書かれてる短編集。

    中でも、羽毛や毛皮を採るために動物を殺す職業の、動物は生きてるだけではなんの価値も無い、こうやって羽をむしって売ることで価値を付けてやってるんだという考え方。人間はどこまで傲慢なんだと思う一方

    0
    2024年09月18日

    Posted by ブクログ

    北海道を舞台とした6編からなる短編集
    屯田兵から過酷な台地に住みその時代に合った商売をしている主人公たち
    いつの時代もどの仕事も上手くいかない時がやってくる
    心に残ったのは『頸、冷える』
    最後の章だけが現代だったけれど、結局今の時代も明治時代も仕事の根本的な部分は変わらないけれど、大きく変わったなと

    0
    2024年07月19日

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