無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
愛、絆、情、欲。
執着の虜となった者たちを描く、京極小説の神髄!
藩の剣術指南役を仰せつかる桐生家に生まれた作之進には、右腕がない。
物心付いた時には、もうなかったのだ。二の腕の途中から、すっぱりとない。
これが普通だこういうものなのだと、ずっとそう思っていた。
元服の夜、作之進は父に呼び出された。
そして父は――厳かに言った。
「お前の腕を斬ったのは儂だ」
一方、柔らかで幸福な家庭で暮らす「私」は、何故か、弟を見ていると自分の中に真っ黒な何かが涌くのを感じていた。
ある日、私は見てしまう。
幼い弟の右腕を掴み、表情の無い顔で見下ろす父を。そして父は、
「これだよなあ」
と、暗い声で言ったのだった――。
過去と現在が奇妙に交錯する「鬼縁」ほか、<人と鬼>の狭間を漂う者たちを描いた全9篇。
<解説/東雅夫>
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
矢っ張り文章が良い。斯様に文章だけでぐいぐい読ませる作家を他に知らない。兎に角読者を牽引する力が強い。
泉鏡花が好きなんだろうな〜、っていうのは、京極作品をずっと読んでいると分かるけれど、氏の文章は鏡花のそれともまた違う。
何か色々混じり合い、渾然一体となって別の何かに成り果てたような。そういう意味では正に妖怪的といえるのかも知れない。
白眉は上田秋成の「吉備津の釜」を原作とする一篇。いま自分が読んでいるのが怪異譚であるという事を、途中まで本気で失念してしまった。まるで落語の人情噺のよう。
描き方一つで斯くも物語は表情を変えるものなのか。極上の怪談フルコースである。
リーダビリティに優れた他の人気作家の、誰にとっても"口に合う""食べやすい"小説で満足出来なくなったなら、京極作品を読んでみれば良い。
これを珍味と評するか、将又下手物として味わうかは個人の感性次第だが、何れ我々を飽きさせる事は無い。
Posted by ブクログ
あのレンガのような本を生み出す京極夏彦先生の短編。ちゃんと短いので、安心してほしい。
個人的には京極夏彦作品は京極夏彦作品であって、ホラーではないと思っている。
『厭な小説』ほど嫌な感じではないが、ただ、若干サイコ寄りで、おどろおどろしい話には違いない。ホラーよりは怪談かな? そして鬼には形がない。なるものか、憑くものか。
雰囲気を楽しむ話もあるので、たぶん初見だと読みづらいほうに入るのではないか。じっとりとした湿度と、気持ち悪さを一口一口含んでいくような小説。
二つの時間を行き来する『鬼縁』は、嫌な予感が伝わってきてよかった。どちらが鬼だったんだろう。実の子の腕を斬り落とす父か? 子か? 鶏がいなければ卵はなかったのではないか?
そう考えると、鬼は人が生み出すものなのかもしれない。
『鬼棲』の、恐怖とは何かという話もなかなか良い。直感とかも記憶と予感だしね。伯母との会話の中でわかっていく「まさか……?」は、たぶんもっとずっと前から分かっていたはず。
何故かふと京極先生の本が読みたくなる時があるのは、夏の夕暮れの蒸し暑さを思い出させられるからだろう。
Posted by ブクログ
おもろいです。雨月とかの元ネタを知らないで読んだけど、大丈夫でした。怖いです。寝る前に読むとドキドキします。
最初(鬼交)がかなり抽象的でやべーこれが京極夏彦か、、、!無理かもてなったけど他のはストーリーがはっきりしてて読みやすい。
怖いけど全く理解ができない、のではなくちゃんと読み手に推測させる、そしてその手助けがある話ばかりで読んでて、わかる、かも、、、という実感を得られたので楽しかった。
初めて京極夏彦さんの読んだけどかなり好きだと感じたので他のも読もうかな。
鬼景が一番怖くて好き。鬼気がマジ無理リアルさが混じってて単にホラーというか嫌味な感じ。この話はもう読めない。
鬼はすぐそこにいる。私たちの中に、、、とか思っちゃったなっ
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。