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湘南の保養地、逗子で遊民・伊佐間は朱美と名乗る女と出会う。彼女は幻想小説界の大御所・宇多川崇の妻だった。しかも奇怪なことにこれまでに何回も夫を手にかけたという。あまりに妖しい告白を聞かされた元精神科医の降旗と牧師・白丘は激しく惑乱する。百鬼夜行シリーズ第3作。
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Posted by ブクログ
神道における神は良くも悪くも並外れた者。必ずしも優れた資質があるわけではない。(例:祟り神) 京極堂の神に関する説明に納得。横並び意識の強さから“祀る”という行為が生まれたように思える。
今回は髑髏を巡る宗教の話をテーマに、フロイトを軸にした心理学の話、日本に根ざしている密教の仕組み、日本神話にまで遡る壮大な推理、と相変わらずの薀蓄がたっぷり。 ちょっとご都合主義的な展開もなくはないですが、前半でちりばめられた無数の伏線が一つ一つ、見事に解かれていく様はやっぱり面白い。 榎木津の...続きを読むやりたい放題っぷりが炸裂している今作。彼が言い放った「僕も神だ」はある意味名言。彼のお陰でこの作品にあまり悲壮感を感じなかったような気が…。 そうそう、ラストが京極堂作品にしては似つかわしくないくらいに清清しかった。
■内容(「BOOK」データベースより) 「妾は人を殺したことがあるんでございますよ」。湘南の保養地、逗子で遊民・伊佐間は朱美と名のる女と出会う。彼女は幻想小説界の大御所・宇多川崇の妻。しかも奇怪なことにこれまでに何回も夫を手にかけたという。あまりに妖しい告白を聞かされた元精神科医の降旗と牧師・白丘は...続きを読む激しく惑乱して。 ■感想 取り扱っているものがものなだけに、全体的に白昼夢のような雰囲気が漂う。 そういえば姑獲鳥の夏、魍魎の匣と映像化したけれど、狂骨の夢もするんだろうか? これは映像化できないトリックがあると思うんだけれどなあ。 狂骨の存在をしらなくて、調べてみたんだけれど、これは本当に骨なんだなぁと。 以下wikiより転載。 井戸などに捨てられて白骨化した死体が、その強い怨念により死霊化したもの。その姿は白髪をした骸骨の幽霊そのものである。 幽霊になってまで骨。ううん、深い。 狂骨に限らず、京極の何がよいかというと、薀蓄が無駄じゃないところ。これこれこういう薀蓄が前提としてあって、そしてその後が展開する。それがいいんだな。 京極を発端(じゃないかもだけど)に、薀蓄を垂れ流す本が本当に増えたなあ。ラノベは特に薀蓄は本当に薀蓄だけで、そのあとに続かないので非常に退屈。ただ薀蓄が読みたいだけだったら、小説じゃなくて百科事典かwikiを見るよーと思います(百科事典もwikiも大好き)。 京極はそれをかなえてくれるから非常に嬉しい。
相変わらず理不尽で救われない部分もありますが、この話はとても好きです。それぞれの立場の人間が、自分の望みを賭けて動いた結果の「不思議」。目的の「髑髏」の謎解きは迫力満点で、ひたすら感嘆。
京極夏彦の和風ミステリー、「百鬼夜行シリーズ」の3作目。引き続き、取り扱いに良い分冊版。 逗子を訪れた遊民・伊佐間一成。牧師・白丘亮一の下に身を寄せる元精神神経科医・降旗弘。そして小説家・関口巽。三者三様に知らされる、朱美という女の不可思議な告白。「死んだはずの先夫が家にやって来る。首を切り落とし...続きを読むて殺しても何度も何度も―――。」謎を解く鍵となるのは、朱美の先夫・佐田申義が首無し死体で発見された、未だ犯人と"首"が見つかっていない過去の事件。この事件の犯人が彼女で、彼女の不可思議な体験は抑圧された記憶が見せる幻覚なのか―――。 まだまだ物語は始まったばかり。
骨は単なる物体か?
骨、特に頭蓋骨となると生前の人格を求めれらるものか、それとも骨は骨でしかないのか。それとも、誰の骨であっても信じられればそれでよいのか。信じる者は救われる?
分冊文庫版で再読。当初のノベルス版ではカットされていたというフロイトをめぐる議論を挟んであれに触れておくことで、とんでもない真相が明らかになったときに伏線として効いてくるんだねぇ。
10年ぶりぐらいに再読。読み始めが、海の中に浸かっていくように、気持ち良くも気持ち悪く世界に入っていく感じが、好きやわ。前の時よりもゆっくり楽しんで読めそう。
上巻ですが、話の中心となる朱美の過去を多方面から見た内容でしたね。京極氏の書かれる作品を読むと仏教だけでなく基督教にも通じているので、博識な気持ちになれます。
再読本。 本の裏表紙のあらすじを読んでも内容を思い出さず。 上巻を50ページほど読み進めてようやくおぼろげに思い出される。 何とも信用できない私の記憶。 何度も同じ人物を殺し続けているという作家の妻。 結末はぼんやりと覚えているので、過程をじっくり楽しむことにしよう。
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