中央公論新社作品一覧

非表示の作品があります

  • 味な旅 舌の旅 新版
    3.0
    芥川賞作家にして、官能小説の巨匠。唯一無二の作家・宇能鴻一郎が、日本各地の美味・珍味を堪能しつつ列島を縦断。喰いつき、口にふくみ、汁をすすり、飲み下す……食も官能も生命力の源。貪婪な食欲と精緻な舌で味わいつくす、滋味豊かな味覚風土記。新たにエッセイ「男の中の男は料理が上手」を収録。 〈巻末対談〉近藤サト・宇能鴻一郎
  • 国造―大和政権と地方豪族
    4.0
    古墳時代から飛鳥時代にかけて地方行政のトップにあったのが、有力豪族が任命された国造である。だが、その実態は謎も多い。本書は、稲荷山鉄剣銘に刻まれた「ヲワケ」の名や、筑紫の磐井など国造と関連する豪族、記紀の記述を紹介しながら、国造制とは、いつ施行されたどのような制度で、誰が任命され、いつ廃止されたのかまでを描き出す。さらに奈良時代以降に残った国造がどのような存在であったのかなどを解説する。
  • 裏切り者は顔に出る 上司、顧客、家族のホンネは「表情」から読み解ける
    3.8
    この笑顔に騙されるな! 軽蔑 Contempt 34%検知 FBI、CIAでも駆使されている「表情分析」テクニック 大人しかった男性が、突如として暴力をふるう。「大丈夫です」と言っていた部下が、急に退職する。実は、その前兆はすべて顔に表れていた! 幸福、軽蔑、嫌悪、怒り、悲しみ、驚き、そして恐怖。こうした感情は、国や文化を問わず、いつでも、どこでも、誰にもでも、同じ表情として顔に生じる。「表情分析」スキルは、米軍、FBI、CIAでも駆使されている科学的な技術だ。その真髄を、犯罪捜査にも協力してきた著者が披露する。
  • メタ認知 あなたの頭はもっとよくなる
    4.0
    あなたの知的パフォーマンスを高める―― 認知心理学、教育心理学の専門家が、賢い「頭の使い方」を指南! 頭のよさとは?/頭を上手に使う/気持ちを整え、やる気を引き出す/メタ認知はこうして育つ 自分の頭の中にいて、冷静で客観的な判断をしてくれる「もうひとりの自分」。それが「メタ認知」だ。この「もうひとりの自分」がもっと活躍すれば、「どうせできない」といったメンタル・ブロックや、いつも繰り返してしまう過ち、考え方のクセなどを克服して、脳のパフォーマンスを最大限に発揮させることができる! 認知心理学、教育心理学の専門家が指南する、より賢い「頭の使い方」。
  • エリートと教養 ポストコロナの日本考
    4.2
    政治家は「言葉の力」で人々の共感を醸成できるのか? 専門家は学知を社会にどのように届けるべきか?――不信感と反感が渦巻く今こそ、エリートの真価が試されている。そこで改めて教養とは何か、エリートの条件とは何か、根本から本質を問うた。政治、日本語、音楽、生命……文理の枠に収まらない多角的な切り口から、リベラル・アーツとは異なる「教養」の本質をあぶりだす。科学史・文明史の碩学からのメッセージ。
  • 親孝行の日本史 道徳と政治の1400年
    3.0
    孝とは、親を大切にすることで、儒教の基本的徳目だ。律令で孝行者の表彰が定められ、七一四年に最古の例が見られる。以来、孝子は為政者から顕彰され、人々の尊敬を集めた。特に江戸時代は表彰が盛んに行われ、多くの孝子伝が編まれた。明治に入り教育の中心に据えられるが、戦後、軍国主義に結びついたとして否定された。それは常に支配者の押しつけだったか。豊富な資料で「孝」を辿り、日本人の家族観や道徳観に迫る。
  • 韓国愛憎 激変する隣国と私の30年
    4.0
    ここ30年間で韓国は大きく変わった。独裁から民主国家へ、発展途上国から先進国へと。20世紀に日本が「弟」と蔑んだ韓国は過去のものだ。他方、元慰安婦を始め歴史認識問題が顕在化、日韓の対立は熾烈さを増す。21世紀に入り、政治、経済から韓流、嫌韓まで常に意識する存在だ。本書は、1980年代末、途上国だった隣国に関心を抱き、韓国研究の第一人者となった著者が自らの体験から描く、日韓関係の変貌と軋轢の30年史である。
  • なぜ人に会うのはつらいのか メンタルをすり減らさない38のヒント
    3.9
    「会ったほうが、話が早い」のはなぜか。それは、会うことが「暴力」だからだ。 人に会うとしんどいのは、予想外の展開があって自分の思い通りにならないからだ。それでも、人は人に会わなければ始まらない。自分ひとりで自分の内面をほじくり返しても「欲望」が維持できず、生きる力がわかないからだ。コロナ禍が明らかにした驚きの人間関係から、しんどい毎日を楽にする38のヒントをメンタルの達人二人が導き出す。
  • 南極の氷に何が起きているか 気候変動と氷床の科学
    3.9
    日本の面積の約40倍に及ぶ〝地球最大の氷〟こと南極氷床。極寒の環境は温暖化の影響を受けにくいと言われてきたが、近年の研究で急速に氷が失われつつある事実が明らかになった。大規模な氷床融解によって、今世紀中に2メートルも海面が上昇するという「最悪のシナリオ」も唱えられている。不安は現実のものとなるか。危機を回避するためにすべきことは。氷床研究の第一人者が、謎多き「氷の大陸」の実態を解き明かす。
  • 日曜日/蜻蛉 生きものと子どもの小品集
    4.0
    〝小説の神様〟志賀直哉は、生きものや子どもを好んで書いた。写実に徹した描写が何気ない小さな姿に新鮮な輪郭を与え、世代を問わず親しめる普遍的な名品となって多く生み出された。それらの短篇を集めた『日曜日』『蜻蛉』を合本とし二十四篇を収録。巻末に網野菊「先生と生きもの」を付す。〈解説〉阿部公彦 目次 日曜日  子供の読者に  日曜日  清兵衛とひょうたん  ある朝  菜の花と小娘  クマ  ジイドと水戸黄門  池の縁  子供三題  犬  鬼  出来事  小僧の神様  雪の遠足  台風  母の死と新しい母 蜻蛉  序  蜻蛉  家守  城の崎にて  濠端の住まい  百舌  馬と木賊  虫と鳥  兎  玄人素人 付録   先生と生きもの  網野菊   解 説  阿部公彦
  • 本能―遺伝子に刻まれた驚異の知恵
    3.5
    鳥のヒナは親に教わらなくても飛ぶことができる。人間の赤ちゃんも、口を密閉し、口の中を陰圧にしたうえで乳を吸うという、複雑な行動を誰にも習わずに行う。これらは全て本能のおかげである。単純な行動だけでなく、あちこちの筋肉や感覚器を総動員する、まるでオーケストラの演奏のような高度な行動も、実は本能が指揮しているのだ。これら驚くべき行動の数々を紹介し、どのような仕組みで形作られるかをも解説する
  • 子供の領分
    4.7
    大人と子供の領域を往還する少年。そのどこか醒めた目は何を見つめるのか。教科書で読み継がれた「童謡」、父とその連れの美女に伴われ伊豆大島へ赴く「夏の休暇」、二人の少年の間の危うい均衡を描く表題作など、思春期の波立つ心と体を澄んだ筆致でとらえた十篇。新たに随筆「子供の時間」他一篇を付す。〈巻末エッセイ〉安岡章太郎・吉行和子 【目次】 夏の休暇/暗い半分/梅雨の頃/斜面の少年/悪い夏/崖下の家/童謡/子供の領分/窓の中/春の声 〈随筆〉子供の時間/私と教科書
  • 竹ノ御所鞠子
    3.0
    修善寺で討たれた鎌倉幕府二代将軍・源頼家の子として生まれた姫・鞠子。人里離れた竹ノ御所で母とともに慎ましくも安らかに暮らし、人がみとれるほどに匂やかで、涼やかな声の持ち主へと成長していく。 異母兄弟は政争に巻き込まれ、儚い命を散らすなか、鞠子は女であるがゆえに難を逃れたと思われた。しかし、尼御台政子から書状が届き、北条氏らが繰り広げる非情な権力抗争の波に弄ばされる。 悲運の姫の数奇な運命を描く歴史長篇。 〈解説〉末國善己
  • 食卓のつぶやき
    3.6
    ほんとうにうまい大根は、 「ほんとうに、うまいねえ」  むかし、三井老人が、よくいっていたものだ。(本文より) 四季折々の味を慈しみ、土地土地の食を堪能する、たべものエッセイの神髄。 幼き日の海苔弁当の思い出から時代劇の食べもの、卵のスケッチ、そして大根の滋味に目覚めるまで。あるいは東京下町から奥多摩、仙台、湯布院、さらにフランス、スペイン、インドネシアまで――。古今東西の味と人をめぐるおいしい話の数々を、時代小説の大家にして食エッセイの達人が味わい深く描く。 〈巻末対談〉荻昌弘×池波正太郎「すきやき」
  • 沖縄・奄美の小さな島々
    3.8
    リゾート開発、映画やテレビドラマの撮影、米軍基地、尖閣諸島……本土との関わりや政治・外交の狭間の中で揺れ動き、大きく変動しているのは沖縄本島だけではない。瀬底、多良間、鳩間等の小さな島から奄美までを歩き回り、現地の人たちと触れあうことによって、「癒し」や「美ら海」だけではない南の島の素顔を伝える。島は本来あるべき姿から逸脱しつつあるのではないか。そして、変わりゆく島の姿は日本全体の縮図かもしれない……。
  • ぷらり日本全国「語源遺産」の旅
    4.2
    「やぶ医者」「ろれつが回らない」「感謝感激」……ふだん何気なく使っている言葉が誕生したと言われる土地を訪ねてみると、そこには数々のドラマが待っている。心温まる希望や驚きに満ちあふれたストーリーもあれば、思いもかけぬ悲劇に涙することもある。百カ所を超える全国各地の「語源遺産」を旅して歩いた語源ハンターが、自身の体験や地元の人々とのよもやま話にグルメの話題も交えて、言葉の歴史や物語をつづった十七話。
  • 児童養護施設 施設長 殺害事件 児童福祉制度の狭間に落ちた「子ども」たちの悲鳴
    4.5
    虐待を受けた子ども、身寄りのない子どもたちが暮らす児童養護施設。2019年、児童養護施設の元入所者が、誰よりも自分に救いの手を差しのべた施設長を殺害。不可解な事件の背景には児童福祉制度の構造的な問題があった。どんな境遇に生まれようが、子どもには等しく未来があるはずだ。そんな思いで筆者は立ち上がった。NHK総合「事件の涙 未来を見せたかった ~児童養護施設長殺害事件~」をもとに執筆した渾身のルポルタージュ。
  • 同期の人脈研究 「ヨコ社会の人間関係」は今?
    3.0
    「花の○年組」「年一回の同期会」…日本は同期を重んじる文化が根強い。だが雇用が流動化した今、かつての「同じ釜の飯を食う」仲が変化している。本書は、官・司法・民間を題材に、同期の昨日・今日・明日を徹底ルポ。果たして同期の人脈ネットワークは、日本の強みか弱みか。
  • 筆順のはなし
    4.3
    その順で、本当に正しい?実は筆順に「唯一の正解」はない。だからといって、決して不要というわけではない。いつ誰がどのように決めたのか等々、謎を解き明かしながら、本書は、筆順のルール、指導法を説明。正しい知識を得たい人、美しい文字を書きたい人へ、目から鱗の一冊。
  • イギリス1960年代 ビートルズからサッチャーへ
    4.6
    第2次世界大戦後のベビーブームを背景に、若者文化が花開いた1960年代。中心にはビートルズが存在し、彼らの音楽・言動は世界に大きな衝撃を与えた。他方、サッチャー流の新自由主義も実はこの時代に胚胎した。今なお影響を与え続ける若者文化と新自由主義の象徴は、なぜイギリスで生まれたか――。本書は、ファッション、アートなどの百花繚乱、激動の社会とその反動を紹介し、1960s Britainの全貌を描く。
  • 藤原仲麻呂 古代王権を動かした異能の政治家
    3.8
    古代王権が安定した奈良時代に現れた異能の権力者・藤原仲麻呂。叔母・光明皇后の寵愛の下、橘奈良麻呂の変などで兄や他氏を粛清し実権を掌握。中国への憧憬から官職名をすべて唐風に改め、藤原氏嫡系に「恵美」姓を賜り准皇族化を推進、自ら恵美押勝と名乗った。養老律令の施行、新羅への外征計画を進める中、怪僧道鏡を慕う孝謙上皇と対立。武装蜂起を試みるが敗死する。息子らを「親王」と呼ばせ、皇位簒奪をも目論んだ生涯。
  • 宗教と過激思想 現代の信仰と社会に何が起きているか
    3.8
    近年、危険とみなされる宗教に対して、「異端」にかわり、「過激」という表現がよく使われる。しかし、その内実は知られていない。本書は、イスラム、キリスト教、仏教、ユダヤ教、ヒンドゥー教、神道などから、過激とされた宗教思想をとりあげ、わかりやすく解説。サイイド・クトゥブ、マルコムX、ジョン・ブラウン、井上日召、メイル・カハネらの思想を分析し、通底する「過激」の本質を明らかにする。
  • 植物のいのち からだを守り、子孫につなぐ驚きのしくみ
    5.0
    森の中で巨樹を伐る。轟音を立てて倒れ、生命が絶たれたように見える。だがしばらくすると切り株から小さな芽が生まれてくる。死んだと思った木は生きていたのだろうか? 植物の「いのち」は、わたしたち動物とはずいぶん違って見える。動かず、しゃべらず、食べない。一方で、栄養を自分で作る、体の一部が失われても復活するなど、動物には真似できない能力も持つ。ユニークな「いのち」の形と仕組みをやさしく解説。
  • どの子も違う 才能を伸ばす子育て 潰す子育て
    4.0
    個性の強い子どもたち。突出した才能に恵まれても、いくらかは問題児扱いされて居場所を失い、結果として不登校になりがちだ。そんな彼らに学びの場を提供するのが東大先端研「異才発掘プロジェクト」で、そこでディレクターを務めるのが中邑教授である。「成績が良ければ優秀」な時代は過ぎた? 学校や親が子どもとの間に築いた“壁”を越える方法とは? 「全ては見守ること」という主張や最先端の研究の場で得られた知見を一冊に集約し、子どもの才能を伸ばす子育て法を伝授。今こそ、仲間外れの先に広がる可能性に向き合え!
  • 花火 吉村昭後期短篇集
    3.8
    滅しゆく身体の変化。ほのかな生命のゆらぎ。若き日に死線を彷徨った作家は、生涯を通して生と死を見つめ続けた。円熟の晩年を迎え、その静謐な目は何をとらえたか。短篇小説の名手でもあった吉村昭が昭和後期から平成一八年までに著した、遺作「死顔」を含む一六篇。〈編者解説〉池上冬樹 ※収録作品 船長泣く 雲母の柵 花曇り 手 鏡 花 火 法師蟬 寒牡丹 桜まつり 観覧車 西 瓜 自 殺――獣医(その一) 心 中――獣医(その二) 遠い幻影 聖 歌 見えない橋 死 顔
  • 冬の道 吉村昭自選中期短篇集
    4.0
    透徹した視線、研ぎ澄まされた文体、凝縮されたイメージ――重厚な歴史小説で知られる一方、短篇を数多く残した吉村昭。その全盛期とも言える『戦艦武蔵』以降、昭和後期までの「中期」に書かれた作品群から、吉村文学の結晶たる十篇を収録。 「吉村昭は刺激的で、とても現代的で、いまなお読者を圧倒する力をもつ」池上冬樹(編者解説より) ※収録作品 鳳仙花 休暇 苺 破魔矢 黄水仙 欠けた月 冬の道 飛行機雲 鋏 月下美人
  • 「定年後知的格差」時代の勉強法 人生100年。大学で学び、講師で稼ぐ
    4.5
    定年後に本当にコワいのは経済格差より「知的格差」。情報を集めるだけの「受動的知的生活」から、論文、ブログを書いたり講師を務めたりする「能動的知的生活」へ転換すれば、自己承認欲も他者承認欲も満たされ、病気の予防にもなる!  そのための方策として本書は、①大学(院)の徹底活用術、②研究法、論文執筆術、③オンライン、SNS活用術等を伝授。  あまり気づかれていないが今、トップ大学さえ大学院は定員割れ状態で誰でも入れる!? しかもリモート授業なら、地方在住でも健康が不安でも学べる。大学・大学院は、中高年こそメリットが多いのだ。キャリアを活かすもよし新分野に挑むもよし。講師業や博士号さえ夢じゃない実践マニュアル。
  • ニッポン 未完の民主主義 世界が驚く、日本の知られざる無意識と弱点
    3.9
    首相交代は「禅譲」、コロナ禍の判断は専門家に頼り切り、日本学術会議の会員任命拒否の説明は支離滅裂……。大丈夫か、この国は。これじゃまるで、〝未開国〟。それもそのはず。なぜなら、戦後、ニッポンの民主主義は、世界の潮流をよそに独自の生態系に「進化」してきたのだから……。なぜ、検察を正義と誤認するのか。なぜ、「右」から「左」まで天皇制を自明のものとするるのか。世界も驚く日本型民主主義の実態を徹底分析。
  • 東京を捨てる コロナ移住のリアル
    3.3
    ●第一章 満員電車にさようなら 過疎地の定住促進住宅が満室に/政府の移住支援金100万円をあてに/条件は「新幹線が停まる場所」/23区の若者の約4割が地方移住に関心 ●第二章 コロナで人はどこに動くのか 移住希望者の窓口「ふるさと回帰支援センター」/移住相談者の7割は40代以下/コロナ下の移住相談増加トップは茨城県/パソナ本社移転報道で注目の淡路島/リモートワーク移住でも100万円 ●第三章 コロナ移住 人気自治体を歩く 移住者集める過疎の町「みなかみ」/役場の移住担当者が町をアテンド/岡山県の小さな町に続々と関東圏の移住者が/地震と放射線リスクが低い町/移住のきっかけは東日本大震災 ●第四章 「地域おこし協力隊」という移住法 40歳になりますけど間に合いますか/約6割の隊員が退任後に定住/年間報酬は上限280万円に/退任後の起業・事業継承に100万円の補助 ●第五章 半農半エックスのリアル 農業所得の平均値は109万円/400万円の所得確保を目指し支援/半農半Xの先駆け島根県/国から年間150万円の交付金/半農半蔵人で生計を立てる ●第六章 都会人が知らない田舎暮らしのトリセツ 1 住居   空き家バンクとは何か/空き家の改修に1000万円以上/下水道普及率が5割以下の県も 2 生活費   プロパンガスは都市ガスの1・8倍/同じ県内でも5倍以上違う水道代/中古車は予算30万円で十分 3 生活インフラ   4分の1の市町村に高校はない/リモートワークなら実測30Mbps 以上を ●終章 第三の日本
  • ほろよい味の旅
    3.0
    とくべつうまいものを、なんて考えるようでは、うまいものが食えるわけがない――。好きなものはお粥、酎ハイ、バスの旅。タマゴに馬鈴薯、市場あるき。家で、外で、旅先で。飲んで食べて、また飲んで……。「味な話」「酔虎伝」「ほろよい旅日記」の気ままで楽しい食・酒・旅エッセイ。〈解説〉角田光代
  • 「失敗」の日本史
    3.6
    出版業界で続く「日本史」ブーム。書籍も数多く刊行され、今や書店の一角を占めるまでに。そのブームのきっかけの一つが、東京大学史料編纂所・本郷和人先生が手掛けた著書の数々なのは間違いない。今回その本郷先生が「日本史×失敗」をテーマにした新刊を刊行! 元寇の原因は完全に鎌倉幕府側にあった? 生涯のライバル謙信、信玄共に跡取り問題でしくじったのはなぜ? 光秀重用は信長の失敗だったと言える? あの時、氏康が秀吉に頭を下げられていたならば? 日本史を彩る英雄たちの「失敗」を検証しつつ、そこからの学び、もしくは「もし成功していたら」という“if”を展開。失敗の中にこそ、豊かな“学び”はある!
  • 利休の死 戦国時代小説集
    3.2
    天正十年(一五八二)、武田が滅び、信長は本能寺で倒れ、それに代わった光秀が討たれ、天下は秀吉の手中へと動き出す――。桶狭間の戦い(一五六〇)から天目山の戦い、利休の死(九一)まで戦国乱世の三十年を十一篇の短篇で描く。出来事の年代順に編集した文庫オリジナル小説集。  〈解説〉末國善己 【目次】 桶狭間/篝火/平蜘蛛の釜/信康自刃/天正十年元旦/天目山の雲/信松尼記/森蘭丸/幽鬼/佐治与九郎覚書/利休の死
  • 晩夏 少年短篇集
    4.3
    1巻946円 (税込)
    「敵はおみかん食べている」 男と女が二人だけで山の中で蜜柑を食べている以上、きっと何事か始まるに違いないと思った――。(「白い街道」より) 若い男女を「敵」と見なして偵察するたわいない遊び、美しい少女への憧れ、そして覚えず垣間見た大人の世界……。誰もが通り過ぎるが、二度と帰れない〝あの日々〟の揺らぐ心を鋭敏な感性でとらえた、叙情あふれる十五篇。表題作ほか「少年」「帽子」「赤い実」など教科書名短篇を含む、文庫オリジナル・アンソロジー。〈巻末エッセイ〉辻 邦生・椎名 誠 【目次】 少年/蜜柑畑/滝へ降りる道/晩夏/投網/帰郷/黙契/白い街道/颱風見舞/ざくろの花/ハムちゃんの正月/馬とばし/帽子/魔法壜 〈巻末付録〉赤い実/少年に与える言葉(随筆)
  • 片隅の人たち
    3.5
    翻訳者はみんな変っていて、それに貧乏だった――。直木賞受賞作『遠いアメリカ』と同時期を背景に、出版界の片隅でたくましく生きる個性豊かな面々を、憧れに満ちた青年のまなざしからとらえた自伝的連作集。巻末にエッセイ「二十代の終わりごろ」他一篇を付す。〈解説〉青山 南 【目次】 翻訳の名人/若葉町の夕/線路ぎわの住人/四月の雨/初夏のババロワ/黒眼鏡の先生/喫茶店の老人/新しい友人/夜明けの道/引越し/夏の一日  * 〔エッセイ〕昔のアパート/二十代の終わりごろ
  • ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる
    4.0
    「数」の論理と資本主義が支配するこの残酷な世界で、人間が自由であることは可能なのか? 「観光」「誤配」という言葉で武装し、大資本の罠、ネット万能主義、敵/味方の分断にあらがう、東浩紀の渾身の思想。難解な哲学を明快に論じ、ネット社会の未来を夢見た時代の寵児は、2010年、新たな知的空間の構築を目指して「ゲンロン」を立ち上げ、戦端を開く。ゲンロンカフェ開業、思想誌『ゲンロン』刊行、動画配信プラットフォーム開設……いっけん華々しい戦績の裏にあったのは、仲間の離反、資金のショート、組織の腐敗、計画の頓挫など、予期せぬ失敗の連続だった。悪戦苦闘をへて紡がれる哲学とは? ゲンロン10年をつづるスリル満点の物語。
  • コロナ後の教育へ オックスフォードからの提唱
    4.3
    教育改革をその前提から問い直し、神話を解体してきた論客が、コロナ後の教育像を緊急提言。オックスフォード大学で十年余り教鞭を執った今だからこそ、伝えたいこと。  そもそも二〇二〇年度は新指導要領、GIGAスクール構想、新大学共通テストなど、教育の一大転機だった。そこにコロナ禍が直撃し、オンライン化が加速している。だが、文部科学省や経済産業省の構想は、格差や「知」の面から数々の問題をはらむという。  以前にも増して地に足を着けた論議が必要な時代に、今後の教育を再構築するための処方箋をお届けする。
  • 不登校、うつ状態、発達障害 思春期に心が折れた時 親がすべきこと コロナ禍でも「できる」解決のヒント
    4.0
    うつ状態、摂食障害、発達障害 ……。心の悩みを抱えた思春期の子どもたちを病院に連れて行けば、すぐに病名が付き、薬も処方されます。けれど、どんな病名が付いたとしても、子どもの本当の悩みと向き合わずに問題が解決することはありません。思春期の子どもの心の悩みの背景には親子関係や両親の夫婦間関係の問題が隠れていることも多いのです。子どもが再び前向きに生きるために、親が家庭の中でできることがあるのです。
  • 女子校礼讃
    3.0
    辛酸なめ子が、女子校の謎とその魅力にせまる!女子校育ちは「あるある」と頷き、受験生とその親はモチベーションがアップする、ポジティブな一冊。卒業生・在校生へのインタビューや、文化祭等への潜入記も充実。 登場する女子校 女子学院/広島女学院/聖心女子学院/東京女学館/慶應義塾女子/日本女子大学附属/雙葉/神戸女学院/学習院女子/東洋英和女学院/豊島岡女子学園/十文字/横浜雙葉/聖霊/桜蔭学園/普連土学園/吉祥女子/玉川聖学院/同志社女子/白百合学園 and more!
  • ほのぼの路線バスの旅
    3.3
    バスが大好き――。路線バスで東京を出発して箱根を越え、東海道を西へ、もっと西へ。山陽道をぬけて熊本、鹿児島まで。いい景色、いい飲み屋、いい人びととの出会い。ゆるり、ぶらり、ふらふら、コミさんのノスタルジック・ジャーニー。  〈巻末エッセイ〉戌井昭人 ■目次 バスが大好き  十年越しの東京湾ぐるり旅 東海道中バス栗毛  酒匂 小田原遠からず/行こか戻ろか 箱根のお山/  右手に富士 左手に海を/京都三条は終着点 出発点 山陽道中バス栗毛  海の幸を供に山陽路をいく/ふるさとの山はかわってた/  おもいでの海に抱かれて 山陽道から火の国へ  海峡の橋をわたって/二十年かけて着いた南の町 あとがき  西へ西へとバスで 〈巻末エッセイ〉今でもバスに乗るたびに 戌井昭人
  • 宇宙からの帰還 新版
    4.3
    宇宙から地球を見る。この極めて特異な体験をした人間の内面には、いかなる変化がもたらされるのか。 十二名の宇宙飛行士の衝撃に満ちた内的体験を、卓越したインタビューにより鮮やかに描き出した著者の代表作。 宇宙とは、地球とは、神とは、人間とは――。知的興奮と感動を呼ぶ、壮大な精神のドラマ。 〈巻末対談〉野口聡一×立花隆 〈巻末エッセイ〉毛利衛 【目次より】 宇宙からの帰還  第一章 上下・縦横・高低のない世界  第二章 地球は宇宙のオアシス 神との邂逅  第一章 伝道者になったアーウィン  第二章 宇宙飛行士の家庭生活  第三章 神秘体験と切手事件 狂気と情事  第一章 宇宙体験を語らないオルドリン  第二章 苦痛の祝賀行事  第三章 マリアンヌとの情事 政治とビジネス  第一章 英雄グレンとドン・ファン・スワイガート  第二章 ビジネス界入りした宇宙飛行士  第三章 宇宙体験における神の存在認識 宇宙人への進化  第一章 白髪の宇宙飛行士  第二章 宇宙体験と意識の変化  第三章 宇宙からの超能力実験  第四章 積極的無宗教者シュワイカート
  • カール・シュミット ナチスと例外状況の政治学
    3.9
    M・ウェーバー以後、最大の政治思想家か、それとも批判すべきナチのイデオローグか――。毀誉褒貶相半ばするドイツの政治学者カール・シュミット(一八八八~一九八五)。ワイマール期の『政治神学』から転換点となったホッブズ論、第二次大戦後の『大地のノモス』まで、主要著作を読み解きつつ、七〇年に及ぶ思索の変遷を辿る。ワイマール思想史研究の第一人者が〝尊敬すべき敵〟の思想と理論を精緻に解読した入門書。
  • 戦艦武蔵 忘れられた巨艦の航跡
    4.4
    二〇一五年、戦艦武蔵がフィリピン沖海底で発見され、世界の注目を集めた。だが、太平洋戦争中の一九四二年に完成し、四四年のレイテ沖海戦で撃沈された武蔵は、敗戦後、長きにわたり半ば忘れられた存在だった。姉妹艦の大和が一貫して脚光を浴び、戦記や映画、アニメなどで繰り返し描かれたのとは対照的である。両者の差はどこから生まれたのか。建造から沈没までの軌跡を追い、さらには戦後日本の戦争観の変遷をたどる。
  • 新装版 思考の技術 エコロジー的発想のすすめ
    4.5
    新興感染症の流行と相次ぐ異常気象。生態系への介入が引き起こす「自然の逆襲」が加速化している。自然と折り合いをつけるために我々が学ぶべきものは、生態学(エコロジー)の思考技術だ。自然の「知」は最強の武器である。組織内の食物連鎖、部下の「なわばり根性」を尊重せよ、「寄生者と宿主」という生存戦略、「清濁あわせ呑む」大人物が出世する――。「知の巨人」立花隆の思考法の根幹をなすデビュー作を緊急復刊! 「知の怪物」佐藤優氏による解説「エコロジー的思考で捉える検察と官邸のなわばり争い」を収録。
  • 新種の発見 見つけ、名づけ、系統づける動物分類学
    4.0
    現在、地球上で名前が付けられている生物は約一八〇万種。だが、まだ数百万から数千万以上もの未知種がいると言われていて、誰でも新種に出会う可能性がある。採集の楽しみから、新種を新種と見抜く方法、動物分類・命名の基本、新種として公式に認められるための論文発表の苦労まで。「珍しい生物」好きが高じて深海生物テヅルモヅルの研究者となり、実際に新種を発見してきた著者が綴る、動物分類学への招待。
  • マックス・ウェーバー 近代と格闘した思想家
    4.0
    『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』『仕事としての政治』などで知られるマックス・ウェーバー(一八六四〜一九二〇)。合理性や官僚制というキーワードを元に、資本主義の発展や近代社会の特質を明らかにした。彼は政治学、経済学、社会学にとどまらず活躍し、幅広い学問分野に多大な影響を及ぼした。本書は、56年の生涯を辿りつつ、その思想を解説する。日本の知識人に与えたインパクトについても論じた入門書。
  • 中国、科学技術覇権への野望 宇宙・原発・ファーウェイ
    4.0
    近年イノベーション分野で驚異的な発展を遂げた中国。米中の対立は科学技術戦争へと戦線をエスカレートさせ、世界を揺るがす最大の課題の一つとなっている。本書では「ファーウェイ問題」を中心に、宇宙開発、原子力開発、デジタル技術、大学を含めた高等教育の最新動向などから、「米中新冷戦」の構造を読み解き、対立のはざまで日本は何をすべきか問題提起する。著者がファーウェイを取材した際の貴重な写真・証言も多数収録。 【目次】 1章 米中の「月」争奪戦が始まった~宇宙覇権をめざして 2章 新シルクロード 「一帯一路」構想と原発輸出 3章 「ファーウェイ」はなぜ米国の標的となったのか? 4章 理想社会と管理社会のはざまで~中国のデジタル技術最新事情 5章 米国対中国、科学技術力「頂上対決」の勝者は? 6章 軍事と民生~「デュアルユース」のジレンマと輸出規制 終章 きらりと輝く「科学技術立国日本」をめざして
  • 「第三者委員会」の欺瞞 報告書が示す不祥事の呆れた後始末
    4.0
    ★真相究明どころか 追及からの〝隠れ蓑〟⁉ 不祥事を起こした企業や行政組織が、外部の専門家に委嘱して設置し、問題の全容解明、責任の所在の明確化を図るはずの「第三者委員会」。だが、真相究明どころか、実際は関係者が身の潔白を「証明」する‶禊のツール〟になっていることも少なくない。調査中は世間の追及から逃れる‶隠れ蓑〟になり、ほとぼりも冷めかけた頃に、たいして問題はなかった――と太鼓判を押すような報告書もあるのだ。第三者委員会を徹底分析する。 厚労省の毎月勤労統計 東京医大の入試差別 日大アメフト部の反則 朝日新聞の捏造 東芝の不適切会計
  • 比ぶ者なき
    4.5
    彼の名は藤原不比等。自らの野望のために一三〇〇年の間、日本人を欺き続けた男――。ノワール小説の旗手が放つ、衝撃の古代歴史巨編 万世一系、天孫降臨、聖徳太子――すべてはこの男がつくり出した。藤原史(のちの不比等)が胸に秘めた野望、それは「日本書紀」という名の神話を創り上げ、天皇を神にすること。そして自らも神の一族となることで、永遠の繁栄を手にすることであった。古代史に隠された闇を抉り出す会心作。
  • シベリア出兵 近代日本の忘れられた七年戦争
    4.3
    1917年11月に勃発したロシア革命。共産主義勢力の拡大に対して翌年8月、反革命軍救出を名目に、日本は極東ロシアへ派兵、シベリア中部のバイカル湖畔まで占領する。だがロシア人の傀儡政権は機能せず、パルチザンや赤軍に敗退を重ねる。日本人虐殺事件の代償を求め、北サハリンを占領するなど、単独で出兵を続行するが……。本書は、増派と撤兵に揺れる内政、酷寒の地での7年間にわたる戦争の全貌を描く。
  • 菅原道真 学者政治家の栄光と没落
    4.0
    学者ながら右大臣に昇進するが、無実の罪で大宰府に左遷された菅原道真(845~903)。藤原氏の専横が目立ち始めたこの時期、学問を家業とした道真は、英邁で名高く、宇多天皇に見出され異例の出世を果たす。天皇による過大な評価・重用に苦悩しつつも、遣唐使派遣など重大な国政に関与。だが藤原氏の策謀により失脚する。本書は、学者、官僚、政治家、漢詩人として、多才がゆえに悲劇の道を辿った平安貴族を描き出す。
  • 織田信忠―天下人の嫡男
    4.0
    織田信忠は、父信長から才覚を認められ、十九歳の若さで家督を継承した。大軍の指揮を任され、紀伊雑賀攻めに続き、謀叛した松永久秀の討伐に成功。さらには先鋒の大将として信濃・甲斐に攻め入り、宿敵武田氏を滅ぼして信長から称賛される。だが凱旋からほどなく、京都で本能寺の変に遭遇。明智光秀の軍勢に包囲され、衆寡敵せず自害した。実績を積み重ね、将来を嘱望されながらも、悲運に斃れた二十六年の生涯をたどる。
  • 高校紛争 1969-1970 「闘争」の歴史と証言
    3.6
    一九六〇年代後半から七〇年代初め、高校生が学校や社会に激しく異を唱えた。集会やデモを行うのみならず、卒業式を妨害し、学校をバリケード封鎖し、機動隊に火炎ビンを投じた。高校生は何を要求し、いかに闘ったのか。資料を渉猟し、多くの関係者の証言を集めることで浮かび上がる、紛争の実像。北海道から沖縄まで、紛争の源流から活動家たちのその後の人生までを一望する、高校紛争史の決定版。
  • 日本の地方議会 都市のジレンマ、消滅危機の町村
    4.6
    1巻946円 (税込)
    最も身近な政治の舞台である地方議会。だが、平成の大合併により議員数は半減、政務活動費などをめぐる不祥事も続き、住民との距離は広がるばかりだ。都市部では、首長と対立すると「抵抗勢力」と批判され、反対に支持すれば単に「追認機関」とされる。一方、過疎地では議員のなり手さえ不足している。本書は地方議会の仕組みやカネ、選挙の実態、そして実は重い職責までを丁寧に描き、いま必要な改革を示す。
  • キリスト教と死 最後の審判から無名戦士の墓まで
    4.3
    人は死んだらどこへ行くのか――。古来、人々は死後の世界をさまざまにイメージしてきた。本書では天国と地獄、「最後の審判」、幽霊など、キリスト教の世界観を紹介し、とりわけイギリス社会に大きな影響を与えることになったカトリックとプロテスタントの違いを指摘。キリスト教の死生観が生み出してきた墓やモニュメント、シェイクスピアらの文学や映画、芸術作品など、「死の文化」の豊かな世界をめぐる。
  • 天使が見たもの 少年小景集
    4.0
    1巻946円 (税込)
    病死した母親の後を追う少年の姿を端正な文体で描いた表題作ほか、デビュー作「子供部屋」、教科書の定番作品「あこがれ」「自転車」など全十四編を収める。短篇小説の名手による〈少年〉を主題としたオリジナル・アンソロジー。 【目次】(*=高校国語教科書掲載作品) 子供部屋/幼年詩篇(I馬糞ひろい II父の考え IIIあこがれ*)/ 子供の墓*/自転車*/言葉*/天使が見たもの/海の子/家族の一員/ 三月の風*/みぞれふる空/水にうつる雲/あの夏あの海* 〈巻末エッセイ〉父の視線(沢木耕太郎)
  • 神社で拍手を打つな! 日本の「しきたり」のウソ・ホント
    3.3
    イベント好きな日本人に 商業主義も忍び寄る…… ●神社の「二礼二拍手一礼」は伝統的な作法なんかじゃない! ●除夜の鐘を全国に広めたのはNHKだった!? ●初詣は鉄道会社の営業戦略だった! ●郊外の墓参りはバブルが生んだ年中行事! ●結婚式のご祝儀もお葬式の半返しも伝統なんかじゃない! ●そもそも、クリスマスはキリスト教と関係がない! 日本人が「しきたり」と思っている行事には、ごく最近生み出されたものが少なくない。私たちは「しきたり」とどう向き合えばいいのか。 神社に掲げられる「二礼二拍手一礼」は伝統的な作法なんかじゃない! 初詣は鉄道会社の営業戦略だった! 郊外の墓参りはバブルが生んだ年中行事! 結婚式のご祝儀もお葬式の半返しも伝統なんかじゃない! そもそも、クリスマスはキリスト教に関係がない! 日本人が「しきたり」と思っている行事には、ごく最近生み出されたものが少なくない。私たちは「しきたり」とどう向き合えばいいのか。「しきたり」の概念を根底から覆す一冊。
  • 藩とは何か 「江戸の泰平」はいかに誕生したか
    3.9
    戦乱の世から泰平の世へ。16世紀後半から17世紀前半にかけて、日本社会は激変した。徳川家康が開いた江戸幕府による藩の創出こそが、戦国時代以来の戦乱で荒廃した地域社会を復興させたためである。地方の王者たる戦国大名が、いかにして「国家の官僚」たる藩主へと変貌したのか。本書は家康の参謀・藤堂高虎が辣腕を振るった幕藩国家の誕生過程をたどり、江戸時代の平和の基盤となった藩の歴史的意義を明らかにする。
  • 植物のひみつ 身近なみどりの“すごい”能力
    4.5
    なぜウメはサクラより早く開花するのか、タンポポの茎はどうして空洞なのか、イネの根が水に浸かっても生きていられるのはなぜか、緑色のアジサイの花を見かけたら何に注意すればよいのか、ヒマワリはどこまで背が伸びるか、ジャガイモの食べる部分は根か茎か、バナナの皮は滑りやすいというのは本当か……。学校や家庭でよく目にする植物10種の〈ひみつ〉を紹介し、身近な植物たちに秘められた驚きの能力を解説する。
  • コミュニティデザインの時代 自分たちで「まち」をつくる
    3.9
    孤立死や無縁社会という言葉が毎日口にされる現在の日本。今こそ人とのつながりを自らの手で築く必要が痛感されている。この時代の声に応え、全国で常時50以上のコミュニティづくりに携わる著者が初めて明かす、住民参加・思考型の手法と実際。「デザインしないデザイン」によって全員に参加してもらい結果を出すには? 話の聴き方から服装にいたるまで、独自の理論を開陳する。ビジネスの場でも役立つ、真に実践的な書。
  • AI倫理 人工知能は「責任」をとれるのか
    4.0
    2045年、シンギュラリティ(技術的特異点)が訪れ、AIが人間よりも正確で賢明な判断を下せるようになる、という仮説がある。では、「超知性体」となったAIがあやまちを犯し、自動運転者が暴走したり、監視カメラ等が集めたデータによって差別的な評価選別が行われたりしたとき、誰が責任をとるのか。そもそも、AIが人間を凌駕するという予測は正しいのか。来るべきAI社会を倫理的側面から徹底的に論じた初めての書。 目次 第一部〈理論編〉情報倫理からAI倫理へ  第一章 AI倫理とは何か  第二章 AIロボットは人格をもつか  第三章 情報圏とAI  第四章 AI倫理のラフスケッチ 第二部〈応用編〉AI倫理の練習問題  第五章 自動運転  第六章 監視選別社会  第七章 AIによる創作
  • 火付盗賊改 鬼と呼ばれた江戸の「特別捜査官」
    3.8
    江戸の放火犯・盗賊・博徒を取り締まった火付盗賊改。時代小説では颯爽たるイメージだが、江戸庶民の評判は必ずしも芳しくなかった。不透明な捜査手法、苛酷な取調べには幕閣も眉をひそめた。捕物名人と呼ばれて人気を博し、無宿人対策の人足寄場創設に尽力した長谷川平蔵などは例外的であった。当時の随筆や世相風聞録をも博捜し、時の権力者や大盗賊たちとの関わりも絡め、功罪相半ばした火付盗賊改の活動の実態に迫る。
  • アジア近現代史 「世界史の誕生」以後の800年
    3.3
    世界人口の約6割を抱え、広大な面積を占めるアジア。本書はそのアジアの歴史を、各国史ではなく一体のものとしてとらえる。各地の土着国家の盛衰と13世紀のモンゴル帝国の誕生から説き起こし、欧米による植民地化、日本の占領統治の影響、第2次世界大戦後の独立と経済発展、そして「アジア共同体」の模索まで。アジア域内の交流と、欧米など外部勢力との相互作用の双方に着目しながら、「アジアとは何か」を探る。
  • 物語 イギリスの歴史(上) 古代ブリテン島からエリザベス1世まで
    3.9
    1~2巻946円 (税込)
    5世紀以降、ケルト人を駆逐しアングロ・サクソン人が定住したブリテン島。11世紀、大陸のノルマン人が征服するが、常にフランス領土を求め戦争を繰り返した。その間、島内では諸侯が伸張。13世紀にはマグナ・カルタを王が認め、議会の原型が成立する。その後も百年戦争の敗北、教皇からの破門と、王の権威低下が続いた。上巻は、大陸に固執する王たちを中心に、16世紀半ばイングランドにエリザベス1世が君臨するまでを描く。
  • 中国ナショナリズム 民族と愛国の近現代史
    4.3
    二一世紀に入り、尖閣諸島や南沙諸島の領有問題などで中国の愛国的な行動が目につく。なぜ、いま中国人はナショナリズムを昂揚させるのか。共産党の愛国主義教育や中華思想による強国意識からなのか。西洋列強や日本に蚕食されてきた一九世紀半ばから、日本の侵攻、さらに戦後中国が強大化するなか中華民族にとってナショナリズムとは何であったのか。本書は、清末から現代までの一二〇年の歴史のなかで読み解く。
  • 残留日本兵 アジアに生きた一万人の戦後
    3.9
    「恥ずかしながら帰って参りました」――。残留日本兵といえばすぐに思い浮かぶのが、横井庄一や小野田寛郎、そして、“水島上等兵”。彼らの苦難の歳月は、自伝をはじめ多くの書籍や映像で描かれてきた。だがいずれも悲劇の英雄として語られ、時々で話題を集めたにすぎない。本書は、アジア各地で綴られた全記録を辿り直すことで、「大日本帝国崩壊後」の残留日本兵たちの真の姿を明らかにする、初の試みである。
  • 毛沢東の対日戦犯裁判 中国共産党の思惑と1526名の日本人
    3.7
    1950年代、満洲国や日中戦争などに関与した日本人1526名が、建国直後の中国で戦争犯罪人とされた。戦犯管理所では5年間に3段階の思想改造が行われた結果、裁判での死刑はなく、東京裁判やBC級戦犯裁判と比べ、極めて寛大な判決が下される。その背後には何があったのか。新たに公開された史料から、戦犯らの犯罪行為、思想改造、日本人への怨嗟が渦巻く中、毛沢東や周恩来ら指導者が抱いた思想と戦略を明らかにする。
  • ナポレオン四代 二人のフランス皇帝と悲運の後継者たち
    3.9
    18世紀末、コルシカ島出身の一軍人から皇帝にのぼった英雄ナポレオン。父帝に憧れ軍功を焦るが、病のため夭折した2世。二月革命を経て大統領に当選、その後クーデタで皇帝となった甥の3世。帝政復興の期待を背負うも、英兵として赴いた戦地で落命した4世。二組の父子、そして一族は栄華と没落という数奇な運命を辿る。革命と激変の時代に「ナポレオン」はどう生き、民衆に求められたか。ボナパルト家から近代史を読む。
  • 大統領とハリウッド アメリカ政治と映画の百年
    5.0
    1915年公開の『國民の創生』を皮切りに、ハリウッド映画はアメリカ大統領を描き続けてきた。作中の大統領には人々の不満や希望が投影される一方、現実の政治はF・D・ローズヴェルトからケネディ、レーガンと時代が進むにつれ、ハリウッド流のイメージ戦略を活用していく。名画から日本未公開作品まで250本以上の映画をもとに、政治との相互作用を読み解き、トランプ大統領に翻弄されるアメリカの本質に迫る。
  • 入門 公共政策学 社会問題を解決する「新しい知」
    4.3
    社会問題はますます複雑になり、既存の学問では十分な解決策を提示できない――そうした意識から生まれた「公共政策学」。政治学や行政学、経済学など多分野の知識を総合化した新しい学問だ。専門家のみならず、市民の「知」も取り入れるなど、問題解決に役立つ学問へと進化している。本書は、少子高齢化、シャッター商店街、生活保護、学力低下など、日本の課題を例に取り、公共政策学のエッセンスを伝える入門書である。
  • 安楽死・尊厳死の現在 最終段階の医療と自己決定
    4.3
    21世紀初頭、世界で初めてオランダで合法化された安楽死。同国では年間6000人を超え、増加の一途である。容認の流れは、自己決定意識の拡大と超高齢化社会の進行のなか、ベルギー、スイス、カナダ、米国へと拡散。他方で精神疾患や認知症の人々への適用をめぐり問題も噴出している。本書は、〝先進〟各国の実態から、尊厳死と称する日本での問題、人類の自死をめぐる思想史を繙き、「死の医療化」と言われるその実態を描く。
  • 入門! 自宅で大往生 あなたもなれる 「家逝き」達人・看取り名人
    3.5
    人の最期は、延命か否かの簡単な二元論ではない。食べられなくなったとき、息ができなくなりそうなとき、心臓が止まりそうなときはどうすればいいのか。同居家族がいない場合は。かかりつけ医との付き合い方は……。「家逝き」を望む本人と看取る側は何に備えればいいのか。「村」唯一の医師として在宅医療、介護、看取りを支援してきた経験から四つの「家逝き」の極意を伝授する。国が推進する在宅時代の現実的な「解」を提示する。 “陸の孤島”福井県旧名田庄村の唯一の医師として仕事を始めて四半世紀。「自宅で逝きたい」「看取りたい」と願う本人と家族の希望をかなえるべく奔走してきたが、超高齢化の進展で、介護する側まで70代以上も多くなり、地域社会が残る旧名田庄村ですら自宅で大往生することが難しくなりつつある。在宅医療・介護・看取りの理想と現実とは何か。医療・介護の施設も人材も不足する中で、幸せな最期を迎えるための四箇条を提言する。 お一人さまも必見! 在宅介護時代の処方箋 ●“延命か否か”の二元論じゃない ●同居家族がいる場合、いない場合 ●トイレとお風呂での介助のポイント ●家逝き、痛み緩和、家族負担。優先順位を決め希望を絞る ●自宅で大往生を阻むもの――苦痛・身内・そして自分 ●逝き方の理想と現実を整理する ●心づもりチェックシートから始まる逝き方準備 ●孤立死、孤独死は、悲劇じゃない  病院も施設も足りない、医師、看護師、介護者も不足する 「先進地域」からの提言。これこそ在宅時代の現実解だ
  • 俳句の五十年
    4.0
    子規との出逢い、漱石との思い出、のちに俳風をめぐり対立した畏友、碧梧桐への敬愛――。退学と転校を繰り返した青春時代、引き継いだ「ホトトギス」の経営苦難など迷走と模索をし続けた日々と森鴎外、幸田露伴、黒岩涙香、柳田國男などとの交遊を振り返る。一九四二年、中央公論社から刊行された知られざる自伝を初文庫化。〈解説〉岸本尚毅 目次より「同窓学誌」と碧梧桐 ベース・ボールと子規 第三高等中学校入学 碧梧桐上洛して同宿 復校後第二高等中学校に転ず 間もなく退学決行 「小日本」の廃刊 藤野古白の自殺 子規の委嘱を辞退 鴎外との関係 露伴と私 漱石と宮島に 湖南の新婚旅行 万朝報入社 「ホトトギス」を主幹 子規の死 文章熱の勃興 国民新聞に入る 碧梧桐派と虚子派 松山時代の漱石 ヨーロッパの旅 俳句の翻訳 日本俳句作家協会の結成 選者生活五十年 善悪良否の標準 文章の誘惑
  • 老いと孤独の作法
    4.0
    人口減少社会、高齢社会を迎えたいまこそ、人間の教養として、「一人で生きること」の積極的な意味と価値を見直すべきときではないか。歴史を振り返れば、この国には老いと孤独を楽しむ豊かな教養の伝統が脈打っていることに気づくだろう。西行、鴨長明、芭蕉、良寛、山頭火……。宗教学者として、日本人のさまざまな生と死に思いをめぐらせてきた著者が、みずからの経験を交えながら、第二の人生をどう充実させるかを考える。
  • 国際政治 改版 恐怖と希望
    4.2
    世界平和を実現するために人類は古くから叡智を傾けたが、戦いは繰り返された。戦争の危機はなぜ去らないのか――この問いに答える書物は少ない。国際関係を単純に図式化・理想化することなく、また「複雑怪奇」といって正確な認識を諦めることもなく追い求めた著者が、軍縮、経済交流、国際機構などを具体的に検討しながら、国家利益やイデオロギーがからみあう現実世界を分析し、組織的に論じた国際政治の入門書。
  • 職場のハラスメント なぜ起こり、どう対処すべきか
    3.7
    職場にはパワハラ、モラハラ、セクハラなど数々の嫌がらせ行為があり、多くの被害者を生み続けている。しかし日本では、社会的なルール不足により被害者の救済もままならず、基本的な統計も整っていないため実態把握すら難しい。ハラスメント規制の先進地域であるEU諸国の法整備に通じ、民間団体で相談活動に関わる著者が、日本での概況を解説。参考となる判例や法律の根拠、海外での事例などを紹介し、対策を提言する。
  • 秘湯マニアの温泉療法専門医が教える 心と体に効く温泉
    3.5
    温泉は一生楽しめる深イイ~趣味です。現役医師が自ら215箇所を巡って選んだ秘湯・名湯の数々。温泉の効能から、最新情報、心と体が健康になるための賢い温泉利用法を解説。また、温泉にまつわる言い伝えや歴史、温泉文化についても幅広く言及。知れば知るほど面白い、心も体もキイキしてくる温泉の世界へ誘います。
  • 浄土真宗とは何か 親鸞の教えとその系譜
    4.3
    日本最大の仏教宗派、浄土真宗。開祖・親鸞は、絶対他力の教え、悪人正機説など、思想の革新性で知られている。本書では、さらに平安時代の浄土信仰や、密教呪術とのつながりにも目を向け、親鸞の教えと、それがどのように広まったのかを、豊富な史料とエピソードに基づき描きだす。師・法然から、親鸞、その子孫、室町時代に教団を確立した蓮如、そして東西分裂後まで、浄土真宗の思想と歴史を一望する。
  • トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち
    4.1
    1892年にアメリカで発明されたトラクターは、直接土を耕す苦役から人類を解放し、穀物の大量生産を可能にした。文明のシンボルともなったトラクターは、アメリカでは量産によって、ソ連・ナチ・ドイツ、中国では国策によって広まり、世界中に普及する。だが、化学肥料の使用、土地の圧縮、多額のローンなど新たな問題を生み出す。本書は、一つの農業用の“機械”が、人類に何をもたらしたのか、日本での特異な発展にも触れながら、農民、国家、社会を通して描く。 ●目次 まえがき 第1章 誕 生――二〇世紀初頭、革新主義時代のなかで    1 トラクターとは何か    2 蒸気機関の限界、内燃機関の画期    3 夜明け――J・フローリッチの発明 第2章 トラクター王国アメリカ――量産体制の確立    1 巨人フォードの進出――シェア77%の獲得    2 専業メーカーの逆襲――機能性と安定性の進化    3 農民たちの憧れと憎悪――馬への未練 第3章 革命と戦争の牽引――ソ独英での展開    1 レーニンの空想、スターリンの実行    2 「鉄の馬」の革命――ソ連の農民たちの敵意    3 フォルクストラクター――ナチス・ドイツの構想    4 二つの世界大戦下のトラクター 第4章 冷戦時代の飛躍と限界――各国の諸相    1 市場の飽和と巨大化――斜陽のアメリカ    2 東側諸国での浸透――ソ連、ポーランド、東独、ヴェトナム    3 「鉄牛」の革命――新中国での展開    4 開発のなかのトラクター――イタリア、ガーナ、イラン 第5章 日本のトラクター――後進国から先進国へ    1 黎 明――私営農場での導入、国産化の要請    2 満洲国の「春の夢」    3 歩行型開発の悪戦苦闘――藤井康弘と米原清男    4 機械化・反機械化論争    5 日本企業の席巻――クボタ、ヤンマー、イセキ、三菱農機 終 章 機械が変えた歴史の土壌
  • 帝国議会―西洋の衝撃から誕生までの格闘
    4.0
    1890年11月、貴族院と衆議院からなる帝国議会が誕生した。ペリー来航後、強く主張される「公議」「公論」による政治の一つの到達点である。 体制の安定を第一とした伊藤博文ら政府と、早期設置を求める板垣退助ら自由民権運動の角逐のなか、政府は1881年に9年後の議会開設を約束した。今も昔も政治の世界で9年後の約束が守られることはほとんどない。だが明治政府の面々は、自らの権力を失ってもなお、公議実現のため議会開設を志向し、実現する。 本書は、西洋で200年かかった議会が、どのようにして明治維新から約20年で創られたのか、帝国議会に関わった人々の構想と試行錯誤の軌跡を追う。憲法制定と並ぶ近代日本の一大事業の全貌を明らかにする。
  • スポーツ国家アメリカ 民主主義と巨大ビジネスのはざまで
    4.2
    野球、アメフト、バスケなどの母国アメリカ。国民が熱狂するこれらの競技は、民主主義とビジネスの両立への挑戦を体現している。人種、性の格差解消を先導する一方で、巨大化したプロスポーツでは、薬物汚染に加え、経営側の倫理が揺らぐ場面もある。大リーグの外国人選手獲得や、トランプ大統領とプロレスの関係は、現代アメリカの何を象徴するのか。スポーツで読む、超大国の成り立ちと現在。
  • 仏像と日本人 宗教と美の近現代
    4.0
    仏像鑑賞が始まったのは、実は近代以降である。明治初期に吹き荒れた廃仏毀釈の嵐、すべてに軍が優先された戦時下、レジャーに沸く高度経済成長期から、“仏像ブーム”の現代まで、人々はさまざまな思いで仏像と向き合ってきた。本書では、岡倉天心、和辻哲郎、土門拳、白洲正子、みうらじゅんなど各時代の、“知識人”を通して、日本人の感性の変化をたどる。劇的に変わった日本の宗教と美のあり方が明らかに。
  • 海賊の世界史 古代ギリシアから大航海時代、現代ソマリアまで
    4.0
    古代ギリシアのヘロドトスは海賊たちを英雄とみなし、ローマのキケロは「人類の敵」と罵倒した。スペインとオスマン帝国が激突したレパントの海戦の主役は海賊であり、大英帝国を裏面から支えたのもカリブ海に跋扈するバッカニア海賊だった。19世紀、欧米の覇権主義で海賊は滅びたが、現代のソマリア海賊として甦る。キリスト教とイスラームの対立、力と正義の相克など、多様な視座で読み解く、もう一つの世界史。
  • サラブレッドに「心」はあるか
    4.0
    「今日はできればレースに出たくないなあ」「絶好調! 誰にも負ける気がしない」など、馬の気持ちがわかったら――とは、馬券を買ったことのある人なら、一度は思うことでしょう。残念ながら馬は人間の言葉を話してはくれません。しかし、その心理と行動に関する研究の進歩には目覚ましいものがあります。本書では、その成果を余すところなく紹介します。さて、競走馬は勝ちたいと思って走っているかどうか、あなたはどう思いますか?
  • ルーキー - 刑事の挑戦・一之瀬拓真
    3.7
    「マニュアルのないのが不満か?」ベテラン教育係VS「足で稼ぐなんて古くないですか」新人刑事。一之瀬拓真、二十五歳、交番勤務から千代田署刑事課強行犯係に転属した新人刑事。管轄はビジネス街――このエリアは窃盗犯中心だと聞いたが、初日から殺人事件が起きる! 被害者に恨みをもつ人物はなかったが、不審な入金が発覚し、捜査陣は色めきたつ。一之瀬は教育係の藤島の薫陶の下、第一歩を踏み出す。新シリーズ、始動!
  • 宇宙飛行士という仕事 選抜試験からミッションの全容まで
    3.3
    人類史上いまだ550人ほどしかいない宇宙飛行の経験者。この特別な職業の実態とは――。選抜試験の中身と求められる資質、ユニークかつ厳しい地上での訓練、搭乗待ちの焦燥感、そして船外活動や実験など宇宙での活躍まで。JAXA宇宙飛行士室長などを歴任し、その奮闘と素顔を間近に見てきた著者が、細部から全体像まで描きだす。日本人初の国際宇宙ステーション(ISS)船長・若田光一氏への特別インタビューも収録。
  • すごい進化 - 「一見すると不合理」の謎を解く
    3.8
    スズメバチにうまく擬態しきれないアブ、他種のメスに求愛してしまうテントウムシのオス。一見不合理に見える生き物たちのふるまいは、進化の限界を意味しているのか。それとも、意外な合理性が隠されているのだろうか。1970年代に生物学に革新をもたらした「ハンディキャップ理論」「赤の女王仮説」から、教科書には載っていない最新仮説までたっぷり紹介。わたしたちの直感を裏切る進化の秘密に迫る!
  • 禅の教室 坐禅でつかむ仏教の真髄
    4.3
    悟りとは何か――。禅には「不立文字、教外別伝」、つまり、釈迦の教えは言葉では伝えられないという考え方がある。では、アメリカで禅を三〇年間教えてきた禅僧と、仏教に目覚めた詩人が「禅」について語り合うと、どのような言葉が飛び出すのか。「そもそも仏教って何ですか?」から始まった対話は、縁起や如来などの仏教用語を解剖しながら、坐禅への誤解を暴き立て……読むと坐りたくなる、坐禅のススメ。
  • 論語 - 真意を読む
    3.5
    『論語』の研究は近年大きな転換期を迎えた。竹簡資料が大量に古墓から発見され、成立や伝播について新たな解明が進んでいる。本書では、『論語』の記述をわかりやすく解説するとともに、新知見や成立背景にも踏み込み、さらに深い理解をめざす。読み過ごされてきた孔子の言葉についても積極的に考察を行った。『論語』が後世に伝えようとしたことは一体何なのか。通り一遍ではない、新たな古典の読みを提起する。
  • 帝国大学 近代日本のエリート育成装置
    3.3
    今なお大きな存在感を持つ旧七帝大。明治維新後、西欧の技術を学ぶため、一八八六年の帝国大学令により設立が始まった。本書では、各地域の事情に応じて設立・拡充される様子、帝大生の学生生活や就職先、教授たちの研究と組織の体制、予科教育の実情、太平洋戦争へ向かう中での変容などを豊富なデータに基づき活写。建学から戦後、国立総合大学に生まれ変わるまでの七〇年間を追い、エリート七大学の全貌を描く。
  • ルポ 農業新時代
    4.0
    長期的な衰退傾向、TPPの不透明化……日本の農業はどうなる? いったい10年後に誰が田んぼや畑に出るのか? 一方で、意欲ある農家が経営を意識した取り組みを始めている。「岩盤規制」に風穴をあける動きもある。JAグループも改革に向けて動き始めた。現場から農業の今を伝え、将来を展望する。小泉進次郎、JA全中会長の談話を収載
  • 最後の帝国海軍 軍令部総長の証言
    4.8
    山本五十六戦死後に連合艦隊司令長官をつとめ、最後の軍令部総長として戦艦大和の水上特攻など断末魔の帝国海軍の各作戦を命令した海軍大将が語った貴重な記録。そこに描かれた海軍内部の生々しいやりとりから見えてくる「海軍の失敗の本質」とは何か。
  • 難民問題 イスラム圏の動揺、EUの苦悩、日本の課題
    4.2
    シリアなどイスラム圏では紛争が続き、大量の難民が発生している。2015年9月、溺死した幼児の遺体写真をきっかけに、ドイツを中心に難民受け入れの輪が広がった。だが同年11月のパリ同時多発テロ事件をはじめ、欧州で難民・移民の関係した事件が続発。16年6月、EU離脱を決めたイギリス国民投票にも影響した。苦しむ難民を見過ごしてよいのか、だがこのままでは社会が壊れかねない。欧州の苦悩から日本は何を学ぶか。
  • 物語 シンガポールの歴史 エリート開発主義国家の200年
    4.2
    1人当たりのGDPで日本を抜きアジアで最も豊かな国とされるシンガポール。1965年にマレーシアから分離独立した華人中心の都市国家は、英語教育エリートによる一党支配の下、国際加工基地・金融センターとして発展した。それは、表現・言論の自由を抑圧し、徹底的な能力別教育を行うなど、経済至上主義を貫いた“成果”でもあった。本書は、英国植民地時代から、日本占領、そして独立し現在に至る200年の軌跡を描く。
  • 欧州複合危機 苦悶するEU、揺れる世界
    4.1
    1993年に誕生し、単一通貨ユーロの導入などヨーロッパ統合への壮大な試行錯誤を続けてきたEU(欧州連合)。だが、たび重なるユーロ危機、大量の難民流入、続発するテロ事件、イギリスの離脱決定と、厳しい試練が続いている。なぜこのような危機に陥ったのか、EUは本当に崩壊するのか、その引き金は何か、日本や世界への影響は……。欧州が直面する複合的な危機の本質を解き明かし、世界の今後を占う。
  • 入門 国境学 領土、主権、イデオロギー
    4.3
    北方領土、尖閣諸島、竹島という日本が抱える三つの「領土問題」。その解決のヒントになるのが国境学・境界研究(ボーダースタディーズ)である。欧州を揺るがす移民問題、国境防衛にとどまらないサイバー時代の安全保障、境界地域の経済振興など、国境学の応用範囲は幅広い。四千キロに及ぶ中露国境の踏破、北方領土問題への提言など最前線で活動してきた著者が、欧米の動向や自身の実践を踏まえて解説する入門書。
  • 江戸幕府と儒学者 林羅山・鵞峰・鳳岡三代の闘い
    3.0
    林家は、朱子学者・林羅山を始祖とする江戸幕府に仕えた儒官の家柄である。大坂冬の陣の発端となった方広寺鐘銘事件から、史書『本朝通鑑』の編纂、湯島聖堂の創建、大学頭叙任、赤穂浪士討ち入り事件への対応、そして新井白石との対立まで――。初代羅山・二代鵞峰・三代鳳岡は、歴代将軍の寵用と冷遇に翻弄されながらも、江戸期朱子学の確立に奔走した。その林家三代一五〇年の闘いと事績を描く。
  • 道路の日本史 古代駅路から高速道路へ
    4.6
    邪馬台国の頃には獣道しかなかった日本列島も、奈良時代になると幅12mの真っ直ぐな道が全国に張りめぐらされ、駅馬の制度が設けられた。中世には道路インフラは衰退したが、徳川家康は軍事優先から利便性重視に転換して整備を進める。明治以降は奥羽山脈を貫くトンネルを掘った三島通庸、名神高速道路建設を指揮したドルシュなど個性溢れる人物の手によって道路建設が成し遂げられる。エピソード満載でつづる道路の通史。
  • 常用漢字の歴史 教育、国家、日本語
    -
    10万字以上の漢字のなかで、日本語の読み書きに使う目安となる常用漢字は2,136字。これに人名用漢字を加えた約3,000字で過不足はないのか。選択の基準はどこにあり、字体や音訓はどのように決められたのか。本当に常用されているのか。国家が漢字と音訓を制限することの功罪とは。本書は江戸時代の常用漢字を推測する実験から説き起こし、明治以降のさまざまな漢字表を紹介。常用漢字でたどる日本語の150年史。
  • 日清戦争 近代日本初の対外戦争の実像
    3.8
    1894年の夏、日清両国が朝鮮の「支配」をめぐり開戦に至った日清戦争。朝鮮から満州を舞台に戦われた近代日本初の国家間戦争である。清の講和受諾によっていったん終わりをみるが、割譲された台湾では、なお泥沼の戦闘が続いた。本書は、開戦の経緯など通説に変更を迫りながら、平壌や旅順の戦いなど、各戦闘を詳述。兵士とほぼ同数の軍夫を動員、虐殺が散見され、前近代戦の様相を見せたこの戦争の全貌を描く。
  • 原発論議はなぜ不毛なのか
    3.2
    代替エネルギーなら、リスクはないのか? 原発立地自治体の経済構造を、どう考えるべきか? 「再稼働か脱原発か」の対立で、両者が見落としているものは何か?――3・11後、『私たちはこうして「原発大国」を選んだ』等で、その独自の分析で高い評価を得た著者が、イデオロギーに偏らない視座で、原発論議の本質を捉え直す。水野倫之氏(NHK)、鈴木達治郎氏(原子力委員会)との座談会、高橋真理子氏(朝日新聞)との対談も収載。オリジナル「電子版あとがき」付き。

最近チェックした作品からのおすすめ