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本書は、ベストセラー『地頭力を鍛える』によって広く認知される「地頭力」や「アナロジー思考」、「Why型思考」等の思考力に関する著作で読者を獲得してきた細谷氏の最新書き下ろし。
私たちの生きる世界は、VUCAと言われる不確実で先の見えない時代に突入したと言われています。2020年初頭からコロナやウクライナ紛争など思いもよらない事態を招き、日常生活ではスマホの普及やGAFAMと呼ばれるプラットフォーマーの台頭等により、デジタルを中心とした「見えないもの」に支配されているのです。これまで、日本では「見えるもの」を作る技術を強みにしてきた企業も多く存在してきましたが、これからの時代を生き残るには、「見えないもの」をいかに見えるようにするかが鍵となります。
本書では、著者が思考力を鍛えるために用いる「具体と抽象」のテーマに当てはめながら、この「見えないもの」を見えるようにするための考え方を提供します。
いくつもの事例を読み進めることで、これまで見えなくなっていた視野が広がり、日々のコミュニケーションや仕事の計画等に関する悩みを解消するとともに、未来に向けて将来像を描くためのツールになる1冊です。
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Posted by ブクログ
ビジネス雑誌の書評を見て気になり読んでみた。
タイトルのキャッチーさと淡々とした中身にはギャップを感じたものの、抽象化・その思考法についてスムーズに理解できた。
図や具体例も多く使用されていてとっつきやすく、分かりやすい。
世界中の情報に簡単にアクセスできるようになり「世界は拡大」。一方、ネットニュースやYoutubeなどカスタマイズされた情報に触れることが増加。結果、視野が狭窄しているという。抽象度に関する視野狭窄化とは、関係性の理解喪失でもある。
時代が激変し、生成AIの汎用化など「知識力」のアドバンテージが薄れ、「思考力」の価値が高まっている。その思考力を可視化するのは難しく、実際に日本の教育現場でもその評価基準の設定に苦労している。発想の転換が必要。
特に印象に残っているのは、「抽象化とは”線を引くこと"」というフレーズ。大きく分けると、①区別と②関連付け。
この線引きにより、世界では多くの矛盾が生じ、それが戦争にも繋がっていると著者は例示している。
国家も線引きの一つ。それによって「味方」と「敵」を作り出している。つまり、抽象化という能力は人類を発展させてきた一方、ストレスや悩み、矛盾の根本原因にもなってしまっている。
面白い例として、抽象レベルのポリシーを明確にもった上司と、それを理解せず具体指示だけに触れ、「上司の命令がコロコロ変わる」と嘆く部下のコミュニケーションギャップというのが有った。確かに、部下が上司の「ポリシー」を知る機会は少ない。
実世界には多くの「グレー」が存在する。コロナや原子力エネルギーも、「安全か危険か」の0次的発想では前に進むことはできない。いずれもゼロリスクなど不可能。その発想から脱却する責務が、メディアにも政治家にも、そして国民一人ひとりにもある。それが国の思考力の豊かさに繋がると思う。
肌感覚として、この点は若い世代の方が優れているように感じる。
この本を読んで自分だけが抽象的思考力を高めても、世の中の問題は解決しない。むしろ、悩みやストレスの原因をより多く作ってしまうかもしれない。
それでも、この著者の「論理的思考力」系の本が多くベストセラーになっているということは、それだけ世界はより良い方向に進んでいるということ。
そう信じて、抽象化の思考力を自分は高めていきたい。日本の教育も、0次元、1次元を超えた学習の機会を増やしてほしい。
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ビジネス・実用
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