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学生時代はボランティアサークルに所属し、国内外で活動しながら、ある出来事で心に深傷を負い、無気力な中年になったみのり。不登校の甥とともに、戦争で片足を失った祖父の秘密や、祖父と繋がるパラ陸上選手を追ううちに、みのりの心は予想外の道へと走りはじめる。あきらめた人生に使命〈タラント〉が宿る、慟哭の長篇小説。
解説・奈倉有里
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Posted by ブクログ
主人公のみのりの語り口が、過去に遡る時と、現代の時とあって、その構成が面白く、みのりの考えがよく伝わった。
最近読んだ、善良と傲慢や、何者、正欲などとは違い、登場人物一人一人に共感できるところや、何か近しいものが感じられた。その人物描写が素敵だと思った。
みのりの祖父についての文章が間に挟まっているが、これはみのりの甥の陸が書いたものであると言うのが素敵だと思った。
みのりの祖父が、戦争での経験を通して新しい挑戦や感情を放棄してしまった気持ちもよく理解できる構成になっており、世界で起きる惨事から目を背けてもいいんだよというメッセージがある。
みのりの夫の性格も素敵だと思った。先行き不透明でも悲観せずに穏やかでいるという才能を持っていて、みのりも夫と一緒にいる時はありのままでいられるというのがいいなと思った。
みのりの大学生のときの友達も、その人たちについてみのりが考えることも、ああ、そうだねって思えた。
また読みたい。
Posted by ブクログ
撚り合わせた糸のような作品だと思った。
みのりの現在、みのりの学生時代、清美の話、それぞれが層のように重なるのではなく、糸のように撚り合わさって最後のシーンに集約されていったと思う。
すべての描写に無駄がなくて圧倒された。
小説にここまで付箋付けて読んだのははじめてで、とにかく「ここ、覚えておきたい」「このシーンも後で読み返したい」のオンパレードだった。
それは、私がみのりのように「何かしたほうがいいとは思ってるけど、なにもできない」と感じているからかもしれない。
世界はきれいでもなければ、絶対的な正義も存在しない。目を背けたくなる現実ばかりだし、知らない方がよかったとも思うことがあふれてる。
でも、それでも「なにかしなきゃ」って気持ちが持てるのが人間の希望だなって思う。
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小説・文芸
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