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「わたしの孫はおじいさんですよ」「わたしの孫はおばあさんですよ」。この会話は、一見すると不自然である。だが、当人たちは何の問題もなく意思疎通ができている(第2章参照)。私たちは、ことばを「文字どおり」に使っているわけではない。話していないのに伝わることもあれば、丁寧に説明していても誤解されることがあるのはなぜか。社会心理学の視点から、敬意表現や皮肉など、対人関係のことばの謎に迫る。
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Posted by ブクログ
一見難しそうなタイトルだが 読んでみると、 日常会話を例に取り上げたものが多く 読みやすかった。 社会心理学・言語学・コミュニケーション学あたりかなあ…
仕事上よく出くわす場面として、部下に対して自分なりに出来るだけ詳しく噛み砕いて指示したり、注意したつもりが、全く伝わっていなかったと感じる事は多くある。私の意図とは全く違う方向で検討を進めていたり、注意したはずが繰り返し同じミスを繰り返してしまったりと、内心では相手の無反省や能力について疑問を感じて...続きを読むしまう。だが実際に自分の発した言葉が分かり辛くて、誤解を招く原因になっていたり、そもそも指示する側が十分知っている事柄を、相手の理解度に合わせて説明できていたか反省することも多い。実際にIT業界にいると、自分のテクニカルな領域や経験と、相手方のその領域•技術分野は全く異なっていたり、SEの私と経理総務畑の役員では背景に持つ情報は全く違う。 話し手である私は常に自分の部下相手でさえも、経験も年齢も性別も技術も全く同一でない共通認識の下で話をしてる事を意識しなければならない。逆にありえないがその認識内容が全くの同一であれば、誤解は生じにくいのは当然だ。きっと恐らく、冗談や皮肉でさえも、正しくその意図を理解するだろう。勿論、人によって察しが良い悪いの差もあれば経験も違うから、ほぼ100%正確に伝わることなどありえない。 それを更にややこしいものにしているのは、人の心理である。日本人は欧米人に比較して謝りやすい民族と言われる。ドアを開けてもらっても「ありがとう」ではなく「すみません」、道や席を譲っても「すみません」と、なぜか周りから謝罪の嵐である。実際これは謝罪ではなく、「◯◯させてしまって、すまないですね」と相手にかけた苦労に対して「申し訳ない」という気持ちが謝意と共に現れたのだから、間違いではない。 日本語の発音と内容•意図が実際に異なる例は他にも沢山ある。本書はそうした日本語の発言と、話し手の本来の意図が何であるかについて解析している。必ずしもそうした意図ではない発言も多くあるだろうが、それをどのような意味で受け止めるかは、話した相手次第だ。 そこに、自分と相手の立場や人間関係、例えば上司と部下、店員と客、教師と生徒などが大きく影響するだけでなく、発言者が何を意図して発言したか、それまでの状況や背景などが深く関わってくる。様々な要因が重なり合って「言葉」としてぶつかり合うのだから、様々な誤解やコミュニケーションミス(ミス•コミュニケーション)があって当たり前だ。 特に相手と一定の距離感を保ちたい場合の敬語表現、ミスした部下に対する皮肉っぽい言い方、顔にも態度にもある程度は出るだろうが、やはり発言した音としての言葉の持つ意味合いは大きい。最近はメールの絵文字なども色々な意図•意味を込めてつけられている。 この様な様々な意図でコミュニケーションが成り立っている中で、本書内では皮肉についてかなり深く研究されているようだ。忍ばせた意図、間接的な表現、真意と真逆の褒め言葉(その逆も)など、それらは会話を益々ややこしくしているだけで、ある意味無駄に感じられる。だが友人や恋人の間で登場するそうした皮肉は、しばしば笑いやユーモアとして捉えられ、友情を深める結果に繋がることも多い。 本書はコミュニケーションとして人々が発する言葉が、相手や周囲の人間、時には自分自身にどの様に作用するのか、そしてその発言を引き起こす集団•社会の中にある人間の心理などに触れ、私たちつまらない争いから解放するヒントをくれる。もともと相手の発言を真に受けたりせず、背景にある相手の心理ばかり窺ってしまう嫌な性格の私だが、頷ける点も多くあり読みやすい事この上ない。そして嫌味や皮肉っぽい言い回しを、そこかしこで多用する自分に改めて気付き反省することしきり。 本書を読み終わる頃には(相手の意図を探ろうと)話すペースが相手と噛み合わないか、やたらと無口か、若しくは指示も注意も明確なスーパー上司になっていそうである(最後のは恐らく無い)。
特筆すべきことは特にないのですが、学術的にまだ未成熟というか、「言語の社会心理学」と呼べるのか?と思えるような内容でした。どちらかというと「言語学」や「コミュニケーション学」という方が近いような気がしました。 意志伝達の手段としての言葉、送り手と受け手の齟齬について色々述べていて、それはそれで興味深...続きを読むいものでしたが、それが「社会心理学」と呼べるのか……若干疑問に思いました。 文献は古いですが、『日本人の発想、日本語の表現』の方が衝撃的で知的好奇心を刺激しました。 僕の評価はA-にします。
言語、特に日本語を用いたコミュニケーションについて分析し、わかりやすくまとめた1冊。普段何気なく使っている言葉も、こうやって捉えると実に奥が深いのだと気づかせてくれます。
あああ面白い。ことばの本って好き。条件によっては目上の人に「御苦労さま」も使えるとか、セルフ・ハンディキャッピングとか、人が栄光浴をしたくなるのは自己評価が低いときとか、すらすら読めて興味深い話題いっぱい。鈴木孝夫の本を読んでいるみたいな感じだ。
比較的当たり前の事が書かれており、あまり新鮮さは無かった。コミュニケーションにおいて齟齬が生まれる際はどういった要因があるのか等がまとめられており、社会心理学に基づいて説明されている。
なにげなく言ってしまう 感謝の気持ちとしての 「すみません」 などの、 会話のなかにある 心理学的な要素を わかりやすく解説しています。 普通に毎日使っている会話を みなおしてしまいました。
面と向かって、あるいは電話やメールでもコミュニケーションで中心的役割を果たすのがことばである。 情報だけではなく、自分の気持ち、相手への思いを伝えあうツールだ。 ことばによって伝わるのは、文字通りの内容だけではない。文字通りとは矛盾するようなもの、言い回し、非言語的コミュニケーションも含まれる。 私...続きを読むの相方は読解力が絶望的に欠如している。空気を読むとかいう以前に、行間を読むことも文脈も読めない。会話が成り立たないことなどしょっちゅうである。 「私は、読めないのではなく読まないのよ」が口癖だが、それは相手の意図を推測するという作業をし、相手の視点に立って熟慮を重ねなければ到底出てこないはずのことばだろう。 とまあ、しばしば発生することばの問題を社会心理学的な観点から捉え直したのが本書である。 社会心理学は、実験や調査のような実証的手法で人の社会的行動の法則性を捉え、その背後にある心理的な要因を究明しようとする心理学の一分野である。本書は語用論、社会言語学や心理言語学の研究成果を念頭に置いた上で、ことばに対して社会心理学的な立場からアプローチする。 具体的には、ことばが対人過程の中でどのように発話され理解されるか、またことばの形式的バリエーションが対人関係とどのように関わり合うかについて、さまざまな研究を紹介していく。とくに実験社会心理学の特徴を生かした、変数を統制し、統計的技法を用いた実験、調査からの知見を重点的に扱っている。 なぜ文字通りにしか伝わらないのか、もしくはなぜ文字通りに伝わらないのか、相手に気を配ったり、対人関係の裏側にひそむ皮肉や攻撃、伝えたいことを伝える方法論、さらには効果的な怒り方、や謝り方、などなど。 実のところ「あなたは言っていることがよくわからないから、こうやって役に立ちそうな本を買い与えているんでしょ」と、かの相方に言われて読むにいたりましたの。ことばに難があるのは常に私のほうなの。とっても勉強になりました。78点。
会話でどのように社会心理学が適応できるかという問題である。卒論のテーマとしては、文学でも使える可能性が有る。
ことばと社会や対人関係に関して、社会心理学の立場から解説する本ということのようです。実験や調査のような実証的手法から得られた知見をまとめています。日常のコミュニケーションを取り上げて、敬語や皮肉など、さまざまなコミュニケーションについて、解説しています。研究結果に関しては非常に実情に合っていて、そう...続きを読むだろうな、と思うことばかりなのですが、そこから得られる示唆は、何か目新しいことは少なく、前から分かっていることばかりという気もしました。ただ、ことばに関して新しい視点を提供してくれるという点で面白いと思います。当たり前かもしれませんが、「人の呼び方に関して、年長者に対しては、親族名を対称詞とするのが普通で、年少の人物に対しては、名前や代名詞で呼ぶのがふつうである。父親を子供がお父さんと呼んだりはするけど、長女を親が娘とは呼ばないし、逆に父親を子供が名前では呼ばないけど、長女を親が名前で呼ぶ」。このようなことを解説・整理してくれる本です。
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