作品一覧

  • 〈子育て法〉革命 親の主体性をとりもどす
    3.7
    子どもを産んだそのときから、母親の生活は一変する。 一日中抱っこをせがまれ、夜中も授乳…。 子育てとはこんなに大変なものなのか?  しかも、こうして育てられた子どもの中には、突然キレるなど他人とよい関係を築けない子も増えている。 いまや当たり前になった「子ども中心」育児法はいつどうして生まれたのか。 その問題点とは何か。 本書は、母子健康手帳副読本などの変遷を検証し、新たな子育ての技法を模索する。 目次 1章 迷走する子育て 2章 子育ての場に何が起きたか—とまどう親/変わる子ども 3章 子育て法の大転換—一九八〇年代に起きたこと 4章 子育ての二重規準—一九三〇年代—一九七〇年代 5章 「超日本式育児」の陥穽 6章 親の主体性をとりもどす
  • 離れていても家族
    4.0
    1巻2,200円 (税込)
    〈「クレヨンしんちゃん」や「ちびまる子ちゃん」の家族はもういない。〉 父の不在、母のワンオペ育児と家事──。日本の家族の現実は過酷だ。 それでも多くの人が、「家族」を大切なものと考えている。 低い出生率と世界一進んだ高齢化、ひとり親世帯の貧困率の、さらには同姓を強いられる唯一の制度を持つ現代の日本の家族とはどのようなものなのか。 本書は、日本とイギリスの家族を調査、比較しながら、日本の家族の実相を探る。 --------- 「ひとりでも生きられるようになってきた現代社会において、それでもなお人が〝家族〟を形成するのはなぜなのか?」 父が仕事で不在がちでも、ワンオペ育児と家事で女性たちが疲弊しても、意外にも今でも多くの人が、「家族」を大切なものと考えている。 --------- 保守派が目論む自助を担う器ではなく、フェミニズムが忌避する女性を閉じ込める檻ではなく、一人ひとりが自由で、かつ頼り合える家族をどのように作ることができるのか。 社会学者たちが自らの体験を踏まえながら家族のこれからを語る。 《社会学者が分析する日本の家族の実像。日本の未来も、少子化対策も、ここからだ!》 --------- 【目次】 ■まえがき ■序章………幻想の家族像を捨てる[品田知美] ■1…………家族像の輪郭──生活時間の変化から[品田知美] ■2…………生活の充実感をもたらすものは何か[高橋幸] ■3…………リビングという空間──住まわれ方の日英比較[野田潤] ■4…………「郊外」から考える──「家族」と「幸福」の物語[水無田気流] ■5…………家族生活の意味論──日本とイギリスの価値意識[品田知美] ■終章………離れても共にいても家族[品田知美] ■調査概要 ■座談会……日本の家族像を点描する[品田知美×水無田気流×野田潤×高橋幸] ■あとがき ■引用文献
  • 「母と息子」の日本論
    4.2
    1巻1,870円 (税込)
    母は甘やかなのか、重たいのか? 成績がよいことですべてが免罪される男たち。それを支える母と息子。 その濃密な関係が日本社会の骨組みを作っている。 ——男性にとって女性は恐るべき母でしかないとしたら、 社会の中での女性への差別もミソジニーも当然かもしれない。 西原理恵子『毎日かあさん』、のぶみ『ママがおばけになっちゃった!』、古典ともいえる江藤淳『成熟と喪失』、村上春樹の小説群や、ひきこもり、教育ママ、相模原障害者殺人事件など、社会で起こる様々な事例を引きながら、母と息子の関係性をものさしとして、日本社会のいまを考える。 【目次】 まえがき 第1章 母親業はやめられない——過酷で甘美な母というお仕事 第2章 母は捧げる——自己犠牲という弱者の戦略 第3章 母の愛は有償である——イエの継承者をつくる 第4章 イギリスに「いい息子」はいない?——ジェントルマンの予備軍たち 第5章 母は稼いで世話もする——「ダメ息子」と「しっかり娘」のお約束 第6章 恐れられる母は女性蔑視を生む——マザコンを隠蔽するセクハラ 第7章 繭のなかから世界を眺める——幽閉される息子たち 第8章 豊かな世界と「ママっ子男子」の登場——友だち化する母と息子 第9章 「教育ママ」の現在と未来——マニュアルをつくる母親たち 第10章 母は見捨てる——切断する母の論理 第11章 母の喪失と崩壊——「父」なき社会の底知れぬ不安 終章  母と息子が離れるとき、日本は動き始める あとがき

ユーザーレビュー

  • 「母と息子」の日本論

    Posted by ブクログ

     古典的な山本七平や岸田秀や河合隼雄は目からウロコの日本論であるが,品田知美は社会学的側面から日本の社会を分析している。自分は社会学の本をほとんど読んでこなかったので,なかなか面白い分野ではないかと思えた。
     今の日本社会を作ったのは男性や組織ではなく,母親であり,自分の息子を官僚や医者や博士等を目指すように教育したことが原因であることを明らかにした。その結果,男尊女卑や官僚体制だけでなく医療制度や大学の風潮を含む日本の社会体制ができあがったとする。
     母親の最優先事項は最愛の息子が立派な人間になることであり,息子たちは母親の期待に応えることが結婚してからも優先事項になる。このような視点は他に

    0
    2023年10月13日
  • 「母と息子」の日本論

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    茫洋と感じていたことを言語化してもらった。では母と娘は大丈夫かというとそうでもなさそうな気がするが、確かに、回路が違う。

    0
    2020年11月15日
  • 離れていても家族

    Posted by ブクログ

    前情報なしに手に取ったため、思っていたよりきちんと研究色の強い本で面食らった。が、興味深いトピックが多かった。

    "「子どもを持つ」、「育てる」、「過ごす」をすべて同じ人に一致させようとする力学が働く限り、誰もが子どもを産む状況は想像しがたいが、このような厳しい環境のもとで、あえて子どもを持つ選択をした親に大切に育まれた人びとが次世代の社会を作るなら、近未来社会の価値意識には意外なほど急速な地殻変動が起きる可能性はあると思う。"

    日本では男女での家事育児にかける時間の差が5倍以上ある、というデータは、自分が子育てしていても実感するところ…
    自分の子どもは男女両方いるが、ど

    0
    2024年07月07日
  • 「母と息子」の日本論

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    重層的に問題が重なっていますよね。家父長の呪いの連鎖という感じ。
    やまゆり事件と農水省事務次官の長男殺害事件の考察は興味深かった。

    以外読書メモ
    >>>>
    ・もしあなたが男性なら、あなたには必ず母親がいます。母親から愛しているふりをされても、騙されてはいけません。彼女が自分のことを愛せていないなら、それはあなたへの愛ではなく自分を愛してほしいという叫びなのです。その叫びにあなたがつきあう必要などありません。本当に愛してくれる母親は、あなたのためだ、などと言って縛り付けようとはしない
    ・「不機嫌な娘」は、夫を選択できる時代なのに魅力的とは言えない結婚をした母に対して責任

    0
    2021年01月24日
  • 「母と息子」の日本論

    Posted by ブクログ

    母と息子の甘美で重苦しい関係が日本社会の基層を作っている…。極論かもしれないが、なきにしもあらず。どちらにしても、日本社会に波紋を投げ掛けた本であることは確か。

    0
    2021年01月03日

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