「母と息子」の日本論

「母と息子」の日本論

1,870円 (税込)

9pt

4.2

母は甘やかなのか、重たいのか?


成績がよいことですべてが免罪される男たち。それを支える母と息子。
その濃密な関係が日本社会の骨組みを作っている。

——男性にとって女性は恐るべき母でしかないとしたら、
社会の中での女性への差別もミソジニーも当然かもしれない。


西原理恵子『毎日かあさん』、のぶみ『ママがおばけになっちゃった!』、古典ともいえる江藤淳『成熟と喪失』、村上春樹の小説群や、ひきこもり、教育ママ、相模原障害者殺人事件など、社会で起こる様々な事例を引きながら、母と息子の関係性をものさしとして、日本社会のいまを考える。


【目次】
まえがき
第1章 母親業はやめられない——過酷で甘美な母というお仕事
第2章 母は捧げる——自己犠牲という弱者の戦略
第3章 母の愛は有償である——イエの継承者をつくる
第4章 イギリスに「いい息子」はいない?——ジェントルマンの予備軍たち
第5章 母は稼いで世話もする——「ダメ息子」と「しっかり娘」のお約束
第6章 恐れられる母は女性蔑視を生む——マザコンを隠蔽するセクハラ
第7章 繭のなかから世界を眺める——幽閉される息子たち
第8章 豊かな世界と「ママっ子男子」の登場——友だち化する母と息子
第9章 「教育ママ」の現在と未来——マニュアルをつくる母親たち
第10章 母は見捨てる——切断する母の論理
第11章 母の喪失と崩壊——「父」なき社会の底知れぬ不安
終章 母と息子が離れるとき、日本は動き始める
あとがき

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「母と息子」の日本論 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     古典的な山本七平や岸田秀や河合隼雄は目からウロコの日本論であるが,品田知美は社会学的側面から日本の社会を分析している。自分は社会学の本をほとんど読んでこなかったので,なかなか面白い分野ではないかと思えた。
     今の日本社会を作ったのは男性や組織ではなく,母親であり,自分の息子を官僚や医者や博士等を目

    0
    2023年10月13日

    Posted by ブクログ

    母と息子の甘美で重苦しい関係が日本社会の基層を作っている…。極論かもしれないが、なきにしもあらず。どちらにしても、日本社会に波紋を投げ掛けた本であることは確か。

    0
    2021年01月03日

    Posted by ブクログ

    母=自然 のあたりから私の教養レベルがついていかなくなった。
    でもふたつの殺人事件の考察はなんか腑に落ちた。
    個人的にはあのおとっつぁんは同人誌即売会で息子の売り子をしてたあたりで、できることはやってたんだろうなって思った、

    0
    2020年10月17日

    Posted by ブクログ

    母親と息子の関係を軸に、日本社会の特性について考察した本。

    母親は、その能力を社会に向けて発揮するのではなく、息子の教育を通じて、息子が社会で役立つようにする役割を担っている、と考察し、これが日本における子育ての特徴であり、結果として、母親と息子の分離が起こらず、個人の確立が遅れている、というのが

    0
    2021年04月04日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    茫洋と感じていたことを言語化してもらった。では母と娘は大丈夫かというとそうでもなさそうな気がするが、確かに、回路が違う。

    0
    2020年11月15日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    重層的に問題が重なっていますよね。家父長の呪いの連鎖という感じ。
    やまゆり事件と農水省事務次官の長男殺害事件の考察は興味深かった。

    以外読書メモ
    >>>>
    ・もしあなたが男性なら、あなたには必ず母親がいます。母親から愛しているふりをされても、騙されてはいけません。彼女が自分

    0
    2021年01月24日

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