伊藤隆の作品一覧
「伊藤隆」の「改訂版 那須川天心と学ぶ キックボクシングの絶技 入門編」「コロナ、戦争、危機管理 指導者たちの「失敗の本質」」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
近衛新体制運動について興味があったので購入。本書の原本『近衛新体制』(中公新書)は1983年出版。鳩山一郎らが自由主義的な立場から大政翼賛会と対立し翼賛選挙を非推薦で当選したことは有名だが、右翼の立場からも翼賛会による独裁は国体に相容れない幕府の再現と批判されていた。
また、財界も統制経済的な新体制には猛反発しており、小林一三商工大臣と岸信介次官の対立はこの延長線上にあった。
さらに、大政翼賛会への補助金を含む昭和15年度追加予算案、昭和16年度予算案には減額修正案が出され、近衛首相は大政翼賛会の政治的性格について追及される。減額修正案は否決されたものの、当初イメージしていた大政翼賛会=一党独裁とは程遠い状況であったことがよく分かった。
新体制運動の旗頭に担ぎあげられた近衛は各方面からの批判に対して次々に屈してしまい、積極性を発揮できなかったことが新体制運動挫折の大きな原因の一つではあるが、筆者は近衛の個人的な性質だけに新体制運動失敗の原因を求めるべきでもないと指摘する。政党や財閥などの「旧体制派」の力も過小評価するべきではなく、また、新体制運動は官僚機構の利害とも衝突してしまう。様々な勢力と対立していないことを理由に担がれた近衛が、それらの抵抗に直面したときに撤退するのは自然なことといえる。
東條内閣以降、新体制運動はどのように引き継がれてどのような結末を迎えたかは本書の範囲外の話になるが、その辺について何か良い本があれば読んでみたい。
Posted by ブクログ
日本近代史専門の著者による資料収集とオーラルヒストリーについての四方山話。なんと言うか自慢話のような気がしないでもないが「他人の話を聞いたら自慢話だと思うわけで、私が何をしゃべったって自慢話だと思うでしょう。」と本人から釘を刺されてしまった。反省。
この本を読んでいくと今では当たり前の一次資料を徹底的に分析する歴史研究の礎が昭和戦後期という割と最近になって生まれたことに気がつく。逆にいえばそれまでの歴史研究がどれだけイデオロギーにまみれたいい加減なものであったかということであろう。著者は時々自分でも自嘲するほどの保守寄りの人物であるが、要は主義主張に関係なく資料に向き合う事が大切なのだろう。
オーラルヒストリーではインタビュー形式と言うことからだんだんインタビュイーとの距離が縮まり、話が砕けてくる過程が面白い。竹下登の人の心をくすぐるうまさなどは流石だなぁと思う。
Posted by ブクログ
生い立ち、従軍、共産党東大細胞の思い出、政治記者として立ち会った権力闘争の修羅場、鳩山一郎、大野伴睦、池田勇人、佐藤栄作、田中角栄、中曽根康弘、橋本龍太郎、村山富市、小沢一郎、小渕恵三ら為政者たちの横顔。読売新聞主筆による生々しい証言。(親本は2000年刊、2007年文庫化)
・まえがき
・第一章 恋と哲学と共産党
・第二章 新聞記者への道
・第三章 保守合同と岸政権の裏側
・第四章 六〇年安保と池田政権の核心
・第五章 ワシントン支局長時代と角福戦争の内幕
・第六章 田中角栄とその時代
・第七章 盟友・中曽根康弘
・第八章 平成の九宰相
・終 章 我が実践的ジャーナリズム論
渡邉恒雄は毀誉褒貶激しい人物であろう。個人的には政治的な生々しさを感じる人物である。近年では、失敗に終わったが、自民党と民主党の大連立の橋渡しを行ったことでも知られる。このニュースを聞いたときに、ジャーナリストとしていかがなものかと思ったものだが、本書を読むと、渡邉の行動原理の一端を窺うことが出来る。
渡邉が現役の政治記者出会った頃、政治家と番記者の付き合いは癒着の関係にあった。記者が仕掛け特ダネをつくった時代であったことがわかる。
政治部次長となったとき、社内のゴタゴタに巻き込まれ、ワシントン支局に飛ばされることとなる。(渡邉が必ずしも順風万番でなかったことも興味深い)
その後、上司に目をかけられ、復権し、社長に就任することとなる。
渡邉は「我々の最大の武器は、1000万部行き渡っている紙面なんだ」p516という。「これを善用しなければ」という使命感も興味深いところである。政治記者である、渡邉の目から語られる政治家の素顔も面白く一読の価値があり、オススメである。
Posted by ブクログ
日記・書簡の史料収集、歴史観論争、そして政界、官界へのオーラル・ヒストリー。近現代史を切り開く。
日本近現代史を牽引してきた大家が、八十年以上にわたる自らの歩みを語る。その秘話やエピソードは、歴史の面白さを伝えると同時に、史料を集め、次代へ引き継ぐ歴史家の責任の重さをも物語る。史料を駆使して近現代史を切り開いた泰斗の稀有な回想録。(2015年刊)
・まえがき
・第一章 共産主義との出会いと訣別
・第二章 昭和史へー史料収集事始め
・第三章 木戸日記研究会のことなど
・第四章 革新とは何か
・第五章 ファシズム論争
・第六章 近衛新体制をめぐる人々
・第七章 戦前・戦中・戦後の連続性
・第八章 茨城県議会史と東大百年史
・第九章 明治の元勲から岸・佐藤まで
・第十章 昭和天皇崩御
・第十一章 インタビューからオーラル・ヒストリーへ
・第十二章 竹下登、松野頼三、藤波孝生
・第十三章 海原治、渡邉恒雄、宝樹文彦
・終 章 史料館の挫折と人物史料情報辞典
・あとがき
ものすごく明け透けに書かれており、めっぽう面白い。残念なのは人物索引が欲しいところ。