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打倒財閥、既成政党、そして軍閥、宮廷官僚を一掃して、すべての国家機構が一つの党の指導下に置かれる独裁を目指した近衛新体制運動。憲法改正と解釈改憲で、党の指導者が天皇に対する唯一の輔弼者となる構想は、どのようにして生まれたのか。開戦前夜、近衛文麿を担いだ様々な「革新派」の行動と実態を明らかにする名著。(講談社学術文庫)
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Posted by ブクログ
近衛新体制運動について興味があったので購入。本書の原本『近衛新体制』(中公新書)は1983年出版。鳩山一郎らが自由主義的な立場から大政翼賛会と対立し翼賛選挙を非推薦で当選したことは有名だが、右翼の立場からも翼賛会による独裁は国体に相容れない幕府の再現と批判されていた。 また、財界も統制経済的な新体制...続きを読むには猛反発しており、小林一三商工大臣と岸信介次官の対立はこの延長線上にあった。 さらに、大政翼賛会への補助金を含む昭和15年度追加予算案、昭和16年度予算案には減額修正案が出され、近衛首相は大政翼賛会の政治的性格について追及される。減額修正案は否決されたものの、当初イメージしていた大政翼賛会=一党独裁とは程遠い状況であったことがよく分かった。 新体制運動の旗頭に担ぎあげられた近衛は各方面からの批判に対して次々に屈してしまい、積極性を発揮できなかったことが新体制運動挫折の大きな原因の一つではあるが、筆者は近衛の個人的な性質だけに新体制運動失敗の原因を求めるべきでもないと指摘する。政党や財閥などの「旧体制派」の力も過小評価するべきではなく、また、新体制運動は官僚機構の利害とも衝突してしまう。様々な勢力と対立していないことを理由に担がれた近衛が、それらの抵抗に直面したときに撤退するのは自然なことといえる。 東條内閣以降、新体制運動はどのように引き継がれてどのような結末を迎えたかは本書の範囲外の話になるが、その辺について何か良い本があれば読んでみたい。
初版:1983年(中公新書)。1938年の近衛新党運動から40年10月の大政翼賛会発足を経て、41年4月の翼賛会改組に至る過程を1次資料に基づいて追跡したもの。翼賛会改組で分析を止めているのは、これが新体制運動の推進者たる「革新派」の敗北を意味するため。 もっとも、革新派が全くの無力だったのではな...続きを読むい訳で(たとえば電力国家管理)、彼らの活動がトータルとして日本社会にどのような足跡を残したのかは、本書刊行から30年以上経つ今日でも未だ、評価は定まっていないといえよう。
「『大政翼賛会』は、本当に『軍部主導』で行われたのか?」という疑問について、明確に回答してくれる書籍である。1931年に勃発した満州事変以来、日本に対する国際社会の視線は、年を追う毎に厳しくなっていった。このままでは国際社会における地位は低下し、ひいては日本の権益も外国に奪われるのではないか?戦前に...続きを読むおける日本の侵略行為は厳しく処断されて叱るべきだが、驚くことに日本の侵略政策について、日本の無産運動をリードしていた社会大衆党(戦前における、日本の社民主義者が集まって結成された政党)はもちろん、共産党幹部の中にも、この政策を支持するものがいたのである。「大政翼賛会」は、もともと「軍閥・財閥・既成政党に対する対抗勢力として、革新派官僚である「革新官僚」や、先に挙げた社会大衆党所属の政治家、元共産党幹部、日本の将来を憂える保守リベラルを標榜する政治家らによって企図されたものであった。彼らはその象徴として、その当時高い人気を誇った近衛文麿を代表にしようと画策する。だが肝心の近衛の態度・政治姿勢が定まらず、その結果できたものは、当初考えられたものとは全く違ったものになってしまった。 濃密な人間ドラマが凝縮された一冊だが、引用している資料が漢文混じりだったり、言い回しや仮名遣いに古めかしいところがあったりで、理解しにくいのが難点である。だが70年以上前野政治状況は、現在とあまりによく似ている。果たして、歴史は繰り返すのか?
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大政翼賛会への道 近衛新体制
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伊藤隆
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