作品一覧

  • 大学改革―自律するドイツ、つまずく日本
    4.0
    1巻946円 (税込)
    2004年の法人化により、日本の国立大学は自律と教育・研究の活性化を求められた。 だが、目標を達成したとは言いがたい。 原因は国からの交付金の先細りなのだろうか。 同様の改革を進めたドイツの国立大学は、厳しい予算下でも、複数校が競争しつつ世界大学ランキングの上位を占めている。 学長のリーダーシップなど、日本で礼賛されてきた英米モデルを見つめ直し、日独の明暗を分けた大学統治のあり方を比較検証する。 はじめに――なぜドイツと対比するのか 第1章 数字に踊らされる大学人 1 数値目標の広まり 2 ドイツの大学統制のゆるやかさ 3 数値指標は有効か 4 「メリハリ論」の特異さ 5 「外国」では大学予算が潤沢なのか? 第2章 古き良き「学者の共和国」から公的サービス機関へ 1 世界的潮流のなかの法人化 2 20世紀末における高等教育の課題 3 法人化はどこでつまずいたのか 4 経営管理の強化の必要性 第3章 「ゆるやかな目標管理」でうまくいくドイツ 1 ドイツの業績協定と日本の中期目標・中期計画 2 ゆるやかな目標管理 3 ドイツの大学における本部と学部の関係 4 自己規律が働くドイツの大学 第4章 多元的な評価軸の大学間競争を 1 大学コントロールの理論的整理 2 国際的に見た日本の大学コントロール 3 ユニバーサル段階の大学コントロール 4 日本の大学間競争の何が問題なのか 5 多元的な大学間競争 おわりに――大学・行政・社会の信頼関係に向けて
  • 大学再編で日本は生き残れるか
    -
    1巻330円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ●〔緊急調査〕「10兆円ファンド」にこれだけは言いたい 研究力トップ25大学学長アンケート 北大、東北大、筑波大、千葉大、慶大、芝浦工大、順天堂大、電通大、東大、東京医科歯科大、東工大、東京農工大、早大、横国大、金沢大、名大、豊橋技術科学大、京大、阪大、大阪公立大、神戸大、岡山大、広島大、九大、熊本大 ●アンケートから見えてきた学長のホンネ 小林哲夫 ●〔対談〕東京工業大学 東京医科歯科大学 2024年に統合 世界で勝負する大学に 益 一哉×田中雄二郎 ●経営・距離・新型コロナをめぐって 現場から見た北海道3大学の統合 江頭 進 ●新大学では「日本のMIT」も「第2のビル・ゲイツ」も目指さない 実学を重視したエンジニア養成を 西 和彦 ●戦後大学史上、第4の衝撃 大学ファンドと国際卓越研究大学がもたらすもの 石原 俊 ●ドイツの大学改革に学ぶもの 統制と自律のバランスをどう取るか 竹中 亨
  • ヴィルヘルム2世 ドイツ帝国と命運を共にした「国民皇帝」
    4.0
    1巻902円 (税込)
    1888年にドイツ皇帝として即位したヴィルヘルム2世(1859~1941)。統一の英雄「鉄血宰相」ビスマルクを罷免し、自ら国を率いた皇帝は、海軍力を増強し英仏露と対立、第一次世界大戦勃発の主要因をつくった。1918年、敗戦とともにドイツ革命が起きるとオランダへ亡命、その地で没する。統一国民国家の草創期、ふたつの世界大戦という激動の時代とともに歩んだ、最後のドイツ皇帝の実像。
  • 近代ドイツにおける復古と改革 : 第二帝政期の農民運動と反近代主義
    -
    1巻2,750円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 近代化の政治変動における中間階層の政治動向をテーマに、帝政ドイツ期の農民運動と、そのイデオロギー的背景としての反近代主義を論じたものである。

ユーザーレビュー

  • ヴィルヘルム2世 ドイツ帝国と命運を共にした「国民皇帝」

    Posted by ブクログ

    ドイツ帝国最後の皇帝、ヴィルヘルム2世の評伝。

    帝国の隆盛と斜陽へと向かう様子とともに、当時の国際情勢などを交え、ヴィルヘルム2世の「カイゼル髭」と称されるような威厳のある皇帝の姿を描き出す。

    ひとつの劇的な人生物語を読んだ気持ちだった。

    生い立ちがどれくらい影響したかは、はっきりわからない。
    しかし、子どものころに受けたスパルタ教育や母との確執もあり、イギリスへの憎しみ・反発はあっただろう。そして、同時に、イギリスへの憧れ、愛着もあり、イギリス風の政治を取り入れようとした。

    それが、晩年、イギリスを意識し過ぎて海軍増強に力を入れ過ぎた。結果、周辺諸国の均衡を崩し君主制の崩壊を早めてし

    0
    2020年06月23日
  • ヴィルヘルム2世 ドイツ帝国と命運を共にした「国民皇帝」

    Posted by ブクログ

    ちょうど百年前に退位・亡命したドイツ最後の皇帝の評伝。人生がとてもドラマチックで引き込まれる。
    ビスマルクとともにドイツ統一を成し遂げた祖父のヴィルヘルム一世の後,父フリードリヒ三世の治世が僅か百日で終わって即位というのも劇的。
    その皇帝個人を軸にして第二帝国の隆盛と落日を辿る。特に落日が詳しく,主人公の晩年と併せて哀愁を誘う。
    ロシア最後の皇帝ニコライ二世は義理の従弟で,ウィリー,ニッキーと呼び合う仲。その従弟はロシア革命で銃殺されてしまっているから,さすがの権威主義者も退位・亡命の道しかなかったのだろう。本書冒頭で紹介される,一次大戦開戦時の演説が彼の絶頂期だった。
    「ホーエンツォラーン家

    0
    2018年09月21日
  • 大学改革―自律するドイツ、つまずく日本

    Posted by ブクログ

    ドイツの事例を引きつつ、法人化以降の大学改革を検証する。
    はっきり言えば、文科省の打つ手はすべて失敗しているので、ドイツとの比較も何もない。しかしここでの書きっぷりからはドイツは比較的うまくいっているように見えて羨ましい。
    産業界の要請を受けた政府の「選択と集中」ほど愚かな政策はない。学問や研究は金儲けの道具ではないというのに。寂しい話だ。
    著者の提唱する「多元的な選択と集中」は検討に値する案だと思う。実行にはいろんな困難があるけど。しかし、優秀な人間がそろっっているはずの文科省はなぜ失敗続きなのかを、文春あたりに突っ込んでもらいたいもんだ。

    0
    2025年02月01日
  • 大学改革―自律するドイツ、つまずく日本

    Posted by ブクログ

    2024年11月25日発行。日頃、国立大学運営の最大の癌は「中期目標・中期計画」と思いながら仕事してるが(=ブルシットジョブ)、本書はこのことを裏付けるような記述があり、一気読みした。
    日本同様に財政難の中NPM的大学改革を進めてきたドイツは「高等教育において、厳密な目標管理は根本的に不可能」と判断し、「ゆるやかな目標管理」に転換して大学の自律を実現し成果を上げてきている。一方で日本の国立大学は、KPIを設定するなど管理の焦点を評価指標のレベルまで下ろして、“評価疲れ”以上に国力低下の遠因にもなってしまっている。
    この日独の明暗が分かれた原因は「大学と行政の間の相互不信(p197)」にあるとい

    0
    2024年11月23日
  • ヴィルヘルム2世 ドイツ帝国と命運を共にした「国民皇帝」

    Posted by ブクログ

    ヴィルヘルム2世の評伝。小説を読むように面白く流れていく。著者の筆力に脱帽。時代とともに振り回されつつも、つくづく幸せな人生を鑑みる。こういうリーダーは結構いる。

    0
    2019年05月28日

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