竹中亨の作品一覧
「竹中亨」の「近代ドイツにおける復古と改革 : 第二帝政期の農民運動と反近代主義」「大学改革―自律するドイツ、つまずく日本」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「竹中亨」の「近代ドイツにおける復古と改革 : 第二帝政期の農民運動と反近代主義」「大学改革―自律するドイツ、つまずく日本」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
ドイツ帝国最後の皇帝、ヴィルヘルム2世の評伝。
帝国の隆盛と斜陽へと向かう様子とともに、当時の国際情勢などを交え、ヴィルヘルム2世の「カイゼル髭」と称されるような威厳のある皇帝の姿を描き出す。
ひとつの劇的な人生物語を読んだ気持ちだった。
生い立ちがどれくらい影響したかは、はっきりわからない。
しかし、子どものころに受けたスパルタ教育や母との確執もあり、イギリスへの憎しみ・反発はあっただろう。そして、同時に、イギリスへの憧れ、愛着もあり、イギリス風の政治を取り入れようとした。
それが、晩年、イギリスを意識し過ぎて海軍増強に力を入れ過ぎた。結果、周辺諸国の均衡を崩し君主制の崩壊を早めてし
Posted by ブクログ
ちょうど百年前に退位・亡命したドイツ最後の皇帝の評伝。人生がとてもドラマチックで引き込まれる。
ビスマルクとともにドイツ統一を成し遂げた祖父のヴィルヘルム一世の後,父フリードリヒ三世の治世が僅か百日で終わって即位というのも劇的。
その皇帝個人を軸にして第二帝国の隆盛と落日を辿る。特に落日が詳しく,主人公の晩年と併せて哀愁を誘う。
ロシア最後の皇帝ニコライ二世は義理の従弟で,ウィリー,ニッキーと呼び合う仲。その従弟はロシア革命で銃殺されてしまっているから,さすがの権威主義者も退位・亡命の道しかなかったのだろう。本書冒頭で紹介される,一次大戦開戦時の演説が彼の絶頂期だった。
「ホーエンツォラーン家
Posted by ブクログ
ドイツの事例を引きつつ、法人化以降の大学改革を検証する。
はっきり言えば、文科省の打つ手はすべて失敗しているので、ドイツとの比較も何もない。しかしここでの書きっぷりからはドイツは比較的うまくいっているように見えて羨ましい。
産業界の要請を受けた政府の「選択と集中」ほど愚かな政策はない。学問や研究は金儲けの道具ではないというのに。寂しい話だ。
著者の提唱する「多元的な選択と集中」は検討に値する案だと思う。実行にはいろんな困難があるけど。しかし、優秀な人間がそろっっているはずの文科省はなぜ失敗続きなのかを、文春あたりに突っ込んでもらいたいもんだ。
Posted by ブクログ
2024年11月25日発行。日頃、国立大学運営の最大の癌は「中期目標・中期計画」と思いながら仕事してるが(=ブルシットジョブ)、本書はこのことを裏付けるような記述があり、一気読みした。
日本同様に財政難の中NPM的大学改革を進めてきたドイツは「高等教育において、厳密な目標管理は根本的に不可能」と判断し、「ゆるやかな目標管理」に転換して大学の自律を実現し成果を上げてきている。一方で日本の国立大学は、KPIを設定するなど管理の焦点を評価指標のレベルまで下ろして、“評価疲れ”以上に国力低下の遠因にもなってしまっている。
この日独の明暗が分かれた原因は「大学と行政の間の相互不信(p197)」にあるとい