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なぜか九州平戸島に漂着した韃靼公主を送って、謎多いその故国に赴く平戸武士桂庄助の前途になにが待ちかまえていたか。「十七世紀の歴史が裂けてゆく時期」に出会った二人の愛の行方を軸に、東アジアの海陸に展開される雄大なロマン。第十五回大佛次郎賞受賞作。
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司馬遼太郎版「天空のラピュタ」
上巻は司馬遼太郎版「天空の城ラピュタ」だ。少年少女の冒険譚であり、九州の片田舎から海洋を渡り中国の大草原に到るという海陸ロードノベルでもある。この間、少年少女には、多くの出会いがあるものの、いずれも初見では敵か味方か判然とせず、訝しみつつも仲を深めていき、裏切られたり、助けられたりして、旅は進んでい...続きを読むく🗺️ところで、誰しも人生で最も関心が高く悩ましい問題とは、良好な人間関係の構築ではあるまいか。本書はその秘訣が記されている。コミュ障必読の書と言えよう🗺️
#ドキドキハラハラ
Posted by ブクログ
清国の建国に当たる時期、満州人たちが中国に攻め入ったときの話。司馬さんは、満州人やモンゴル人が好きなようだ。おそらく漢民族よりも好きなようである。司馬さん自身は「項羽と劉邦」のような漢民族の歴史も書いているが、北方異民族のはなしを書かせたほうがいきいきしているように思える
歴史小説にしてはかなりの移動距離がある。主人公の立場が事変に関してあまり重要ではないためちっぽけな存在という感が否めないが、そこはファンタジーと思えばカバーできるかも。明末清初の変遷の様子が面白かった。万里の長城越えはもっと盛り上げてほしかった。
久しぶりに司馬遼太郎の本を読んだ。所々にその時代の背景や考察が書かれていて、やっぱり司馬遼太郎調の文章だなと思った。しかし史実と物語が重なり合っているので全体として史実だと思ってしまうんだな。明から清にかけての流れが分かって面白い。物語ではあるが。清はモンゴルと違って女真なんだなと言う事がよく分かる...続きを読む。その他には2点気になった。一つは皮島での朝鮮人との対話。今の日本人と韓国人との会話みたい。秀吉の朝鮮出兵もあり、今の日韓関係より更に悪かったのかな。中々折り合えない民族なんだなと思った。しかも儒教。朱子学というかやっぱりこれが大きな根っこなのかな、理解が進まない。結局華ではない日本は彼等からすると夷なんだろう。後は最後の方に出てくる日本の武士の習性。普段は集団に埋もれている日本人も戦う時は個だという。この時代くらいまでなんだろうけど。それが中国明や女真との対比で面白かった。
明から清へ、中国王朝交替の激動を描く長編小説。前半はアビアと庄助の恋愛が、後半は激闘のアクションシーンが見せ場になっていて、上下巻で千ページを越える長編ながらまったく飽きさせない。 著者あとがきに曰く、「人も事件もことごとく数奇である」。 漢族、女真族はもちろん、日本、朝鮮の比較文化論としても面白...続きを読むい。
題名からしてとっつきにくく、しかも舞台が中国ということで、司馬遼太郎の長編で唯一未読のこの作品を手に取った。 漂着した女真の王族の娘を国に送り返す命(めい)を受けた平戸藩士庄助が、明から清へと変転する中国の歴史をその内側で体験する歴史巨編。
司馬遼太郎レビュー100冊記念本なのである。縁があって司馬遼太郎を読み続けてはいるが、これは全て他薦である。100冊レビューにして心底好きな作家と言えないところに司馬遼太郎の深みがあるのかもしれない。まだまだ未読の司馬本が本棚に山と積まれている(苦笑 韃靼疾風録レビューは下巻にて
関ヶ原から十年二十年経ったあたりの日本から話が始まる。 新しい世になった日本と、終末の近い明と、勢いの増してきたヌルハチなど女真族、そして明を倒して順を打ち立てた勢力(李自成)がちょっと出てくる。 上巻は主人公の周りで起こる話が多く、下巻は大きな時代の流れを俯瞰する形で描かれている。 下巻の時代の...続きを読む奔流は圧巻。 下巻だけなら星5つ。 ヒロインがアビアが気丈でしかも猫っぽくて可愛かった。
学生時代、中国の歴を 「いんしゅうしんかんぎごしょくずいとうそうげんみんしんかん」 と、念仏のように唱えて覚えた記憶がある。 それらは単に年号であってその区別にさしたる意味はないと思っていた。 けど、「明」から「清」に至るにはこんなんも重要な意味があるのだと いうことを知るうえでとても参考になる小説...続きを読むです。
初めて読んだ司馬遼太郎モノ。大学時代に友人に勧められたら面白くて、しばらく司馬モノを続けて読むきっかけになった。平戸に漂着した女真族の姫を、日本の武士が送り届ける。明から清へ王朝が移行する激動期を舞台に2人の恋愛を絡めた冒険譚。モデルになった人物や事件があったわけじゃなく、司馬さんのオリジナルだそう...続きを読む。スケールの大きさが魅力。
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