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ドルゴンがともかく魅力的な人物
歴史的事実にある程度基づいているとはいえ、小説である以上とうぜんフィクションが随所におりまぜられているが、とくにこの小説の下巻からの事実上の主役である摂政ドルゴンの人間的魅力には圧倒される。司馬文学得意の超高度な人物描写によるものだが、これが小説と割り切っていないと最近の歴女とかのように真の人物像を見誤ってしまうかもしれない。
さてクライマックスとなる李自成軍隊清朝軍の戦い。これが実に域で壮大で感慨ひとしおだ。中でも「戦いは序盤からいきなり終盤となった」という一説は司馬遼太郎文学の中をとどまらず、日本文学界に燦然と輝く歴史的名文といっても過言ではないだろう。
Posted by ブクログ
『平戸の人桂庄助の形影にしたがいつつ、韃靼国へゆき、ついには...』司馬遼太郎氏が、あとがきに書いています。作中人物への作者の乗り移り度は氏の作品中でも1,2ではないでしょうか。私も本当に旅させてもらいました。17世紀の平戸、遼東、モンゴル、蘇州、杭州、そして北京へと。大中国史の中で、明から清への大政転を確かにその場にいて体験してしまった感があるのです。政権が非漢民族に渡ることの意味についても、初めて納得の行く形で考えられました。
女真、満洲、満韃子、東韃。ツングース系のひとびと。アルタイ語。膠着語、辮髪。文化と文明。
庄助が手探りで学んで行く一言一言の解釈に、司馬氏のモンゴル語学科卒ゆえの、真骨頂があります。
実際に遼寧省瀋陽は数回仕事で訪ねています。訪問前に読んでおけば良かったと後悔する、中途半端な現地観察の記憶があります。
Posted by ブクログ
久しぶりに司馬遼太郎の本を読み終わる。もう少し周辺を読んでもいいかな。結構うんちく話が挿入されているので、そう言う興味の広がりが出る作家だな。明末から清への移行期の話だった。少数民族である清が広大な中国を支配するというのは確かに面白い話だ。当時の日本にも多くの中国人が帰化して来ていて鎖国ながら人との交流はあったんだな。大分血も混じるし民族って何なんだと考えさせられる。後書きがまた長い。しかもこの後書きを書いた時の中国の情勢と今はかなり違うように見える。特にウイグルあたり。司馬遼太郎は中国や大陸的なものに好意的だが、今の状況を目にしたらどう言う反応を示すのだろう。モンゴルや元についての本も読みたいと思った。
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