矢口祐人の作品一覧
「矢口祐人」の「奇妙なアメリカ―神と正義のミュージアム―」「なぜ東大は男だらけなのか」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「矢口祐人」の「奇妙なアメリカ―神と正義のミュージアム―」「なぜ東大は男だらけなのか」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
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Posted by ブクログ
東大は男性が8割。男性が多いのは、東大入学者に中高一貫の男子校が多いから。その子の家庭は、父が働き、母が専業で家庭をサポートする。そんな家庭から官僚などになり制度が作られる。これではジェンダー格差が解消されないとのことだった。
こんなにも男性ばかりになっているとは知らなかった。そして、その環境を生み出す中高一貫の男子校があるということも。社会的に、男性優位な歴史があるから、それが脈々と受け継がれているのだと思った。このような状況が本で書いていただいたからこそ、少しずつ変わってきていると思った。
筆者の矢口祐人さんは、東大で研究をおこなう教授で、10年以上、東大に男子が多いことに違和感をもたなかった。それが当たり前だと思っていたから。しかし、海外からの学生を受け入れる役割を担い、自身がアメリカに留学していた経験があり、よい環境をつくろうと奔走する。
そんな中で、受け入れた海外留学生女子がサークルに入れない事態が発生する。東大には、東大女性お断りのサークルがある。今では少なくなったが、本を出版前の2012年は大半だった。
「もともと男性しかおらず、今でも圧倒的に男性の多い大学の伝統は男性中心のものにならざるを得ない。「東大の伝統」や「旧制一高の伝統」というのは立派な響きはするかもしれないが、結局は男の伝統」
女性にも同じ事がいえるけれど、伝統は考え直す必要があるケースだと思う。
東大にいる立場で、東大を非難するような本を出すことに何度も迷ったが、日本社会の大きな問題であり、日本の研究者として解決すべき問題として本を出版されている。その勇気に心から敬意を払いたい。東大だけではなく、社会として考えるべき問題だと思った。
Posted by ブクログ
東大内部から、しかも男性教授からのフェアな視点の良書。この人は信頼できるなと、思える冷静さと公平さと聡明さを感じながら読んだ。
日本全体の大学における女子学生比率は46%と決して低くはないのが、東大は20.1%。ほぼ半数を女性が占める海外の主要大学と比べて極端に低い。
いまだに存在する「東大女子お断り」のサークル。東大男子の差別問題に対する鈍さを表している。
1987年の東大総長森亘の卒業式での祝辞が紹介されているが、これがまた、すごい。
「昔であれば末は博士が大臣かと言って押すな押すなと現れた花嫁候補も今日はない。明治の頃は国全体が若き医師に燃え、欧米並みに学問を尊敬した日本の社会も今や老いて金の亡者となり果てた結果、博士の価値は著しく下落した。また大臣になる確率も何万分の1とあって、気の利いたナウイお嬢さんは皆他に行ってしまう。東大出と聞いただけでイメージが合わないとして敬遠。かくして神様が東大的に割り当ててくださるのは、ほぼ東大と同様にダサイ女子大学の卒業生程度である」
感動的なまでに、鈍い感性で笑ってしまう。賢いのだろうか?この方は?
現在では大学生の57%を女性が占めているプリンストン大学が共学化にあたって、どのような手立てをしたかが詳しく述べられている。ライバル大学が共学化をしたことが直接の原因であるのだが、プリンストン大学の用意周到な女子学生の手立ては本気度を感じる。割り切ってやる時はやるこういう姿勢、日本は学ぶべきだろう。
クオータ性を取り入れたら、という提案をしているのだが、それは女子に有利だからずるいという反論を想定して、筆者は
「男性の入学者が半数程度であるのが当たり前であり、8割を占めているのが問題なのである。これを人工的に抑制するのはずるいのだろうか。自分は差別していないのになぜと言う男性もいるだろうが男性優位の構造の社会に来ていると言う事は、自らも差別の構造の一部になっているのだと言う意識も必要である」と述べている。
なるほどなと思う。よくぞ言ってくれました。
東大に入るのは、今や中高一貫校の特殊な学習が必要となっている。無理に無理を重ねて、受験に特化した特殊なスキルを習得しなくてはいけない。そんなムリを重ねることに「NO」と言うことができるのは、女性だと言えなくもないと思う。男性へのプレッシャーが、この結果を生んでいるとしたら、頑張るのは女子学生ではなくて、むしろ男子学生?
「頑張らない」ということを頑張れ、と言ってるのだけど。
そういう意味でも、すっきりとクオータ制を取り入れてみるのもいい考えだと思う。そうしたら、つまらないこと「頑張る」男の子が減って、日本が突出している中年男性の自殺率も減るのでは?
絶対に彼らは既得権を手放さないと思うけどね笑