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色彩の研究は、ニュートンの実験に始まり今日の色表示体系に至る流れと、ゲーテの観察に始まる、色の主観的な体験の現象学の流れとがあり、そこに両者に欠けた色覚の生理学の流れが加わっている。さらに色には、感情や文化と結びつく複雑な側面もある。この広範囲におよぶ色彩のさまざまな問題を、主要な人物の貢献を紹介しつつ解説する。色彩への実用的知識が要求される現在、その課題にも応えてくれる格好な入門書となっている。
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Posted by ブクログ
色彩心理学という学問の歴史について書かれたような本。ニュートン「光学」とゲーテ「色彩論」を起点として,さまざまな理論が登場する。色彩工学の知識の補完に使える本。
色は物理学的にどういうものなのか。 色は人間にとってどういうふうに見えるのか。 前者の出発点がニュートンで、後者の出発点がゲーテです。 この2つの視点から、色について見ていきます。 なので、最初の方は生物学寄りで、最期の方にかけて心理学寄りになるという構成です。 色には色相、明度、彩度の3つのパラ...続きを読むメータがあるとか、xy色度図とか、分かりそうで分からない話を、頭の中で位置づけることができるようになったように思います。
まったく専門外の事象をわかりやすく、興味が持てるように説明してくれるのが新書の醍醐味だと思うのだけど、そういう意味でこの本はとても良かった。タイトルから想像する以上に中身はかなり科学的な知見から構成されており、色彩に関する過去の主たる研究について文系の私でもすんなり読めるように構成されている。(数式...続きを読むなんかは理解できないので流し読みましたが…)ゲーテが色彩研究していたのも知らなかったし、色覚異常と、動物の色彩感覚に関する章はとくに興味深かった。
色彩というのは、光が言葉(音)に変化する間に存在する「気配」の言語。 そのような解釈から、言葉を司る職業に携わるものとしてオーラソーマに惹かれました。光と音の間で、「いのち」の会話が成立する。そこではすべての存在は対等で、平等であることができるような気がしています。
本書は、題名の通り「色彩心理学」について述べられている内容です。 そして、入門と書いてありますが、結構詳細な部分まで述べられています。 このような内容に対しての書評は、素人には無理だと思いますので、重要な章だけ 要約していこうかと・・・長くなりますが(笑)。 第一章:ニュートンにおける光と色 色彩...続きを読むの研究は、ニュートンを基礎とする。「色」は「認識」の問題であり、 色自体、自然界には存在しない。色の違いとは波長の違いであり、 様々な「物」は、その物特有の波長を反射する反射率がある。 第二章:ゲーテの「色彩論」と視覚の諸現象 色彩論は主観的考察であり、ニュートンを批判。基本は古来からの二項対立法を採用し 白と黒、明と暗、光と暗黒を基本とする。 第三章:化学者とドールトンと色覚異常研究 色覚異常者は、意外と多い。そして、異常という言葉自体不適切であり、 多数が正常で、小数が異常とう事はない。色の感じ方は、人それぞれであり、 万人にとって共通に理解できる色が重要。 第四章:ヤングーヘルムホルツの三色説 色は、3つだ。赤、緑、菫(青)である。そして、それぞれを感じる神経 があり、黄色は赤と緑の神経の両方が刺激を受ける。また近年生理学から も証明された。 第五章:へーリングの反対色説とその発展 色は6つ、赤、緑、菫、黄、白、黒で、それぞれ対にして3つの反対色感覚がある。 いずれにせよ、3つの変数を扱って「色」を説明している。また、生理学的にも 説明される。因って、最初に三色処理を行い、次に反対色処理を行うという段階説が有効。 以上が前半の各諸説ですね。このような流れによって、現在まで発展してきたと 理解できるような内容になっています。 これ以降は、数式を扱った説明が増えていきますので、深く知りたい人は、熟読し 興味のない人は、さくっと(笑) そして最も興味のある章は、13・14章あたりですね。 つまり、「色の効果」「色の感情」です。気が早い人は、ここだけ読んでも差し支えない でしょう。(最初、私もそうしました) ただ、著者は、色によって受ける影響が変わらない部分と変わる部分それぞれあり、 変わる部分の方がより多い。よって、より多くの関連情報と一緒に考察しなければ ならないという感じで締めています。 深く知りたい人、冒頭からしっかり読むべきでしょう。 影響と好みを知りたい人は、最後の方だけ読めばOKです。
久しぶりの再読。 色彩の心理学に関する話題は少なめ。色彩の科学に関してかなりのページを割いている。色彩心理学を理解する上で色彩の科学を知っておく必要があるからか? 動物の色覚、色の見え方が波長だけでは決まらないこと、暖色と寒色、進出色と後退色といった色の効果の話題が面白かった。
色彩についての歴史や理論など、勉強になる部分は多かったけれど、専門的な内容なので色彩学の入門には向いていないかも。色彩について一通り学んだ後でじっくり読むともっと深く理解できる気がする。
まだ途中ですが… 色彩学入門のために購入。けっこうおもしろい。 ですがやはりずぶのしろうとがつらつらと並んだ文字だけで色を理解しようとするのはなかなかしんどいものですね。 副読本として、もっとビジュアル豊富な色彩学の本でも買おうかと考え中です
なかなか面白く、デザインを志す人は、さらりと一読するといいのではないでしょうかね。 片眼だけ色盲の人がいて、色盲の人が本当はどう見えているのか研究できたそうです。光の三原色といいますが、人間にRGBのセンサーがたまたまあるから三原色なワケです。本当は、赤の外側と紫の外側はつながっていないのに、人間...続きを読むの頭の中でうまいこと処理されて色環として認識されているんですが、その仕組みが面白いです。ニュートンのプリズムの研究はなるほどと納得。ゲーテの色彩論は、どういうワケか国語のテストなどで問題文として何度か出てきたのを思い出しますね。
[ 内容 ] 色彩の研究は、ニュートンの実験に始まり今日の色表示体系に至る流れと、ゲーテの観察に始まる、色の主観的な体験の現象学の流れとがあり、そこに両者に欠けた色覚の生理学の流れが加わっている。 さらに色には、感情や文化と結びつく複雑な側面もある。 この広範囲におよぶ色彩のさまざまな問題を、主要な...続きを読む人物の貢献を紹介しつつ解説する。 色彩への実用的知識が要求される現在、その課題にも応えてくれる格好な入門書となっている。 [ 目次 ] 第1章 ニュートンにおける光と色 第2章 ゲーテの『色彩論』と視覚の諸現象 第3章 化学者ドールトンと色覚異常研究 第4章 ヤング‐ヘルムホルツの三色説 第5章 ヘーリングの反対色説とその発展 第6章 一つの目に二種の視覚―フォン・クリースの二重視覚説 第7章 動物の色覚 第8章 光の強度と明るさの感覚―フェヒナーの法則とスティーヴンスの法則 第9章 色を立体で表わす―マンセルとオストワルト 第10章 色を数字で表わす―混色の法則とCIEの表色系 第11章 カッツと色の現象学 第12章 色は波長だけではきまらない 第13章 色の効果 第14章 色と感情 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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