新潮社作品一覧

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  • 母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。
    4.2
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「あんたもワテが産んだ傑作やでねぇ、なんも心配しとらんよ」。かつて僕が白血病になった時、母はこう笑い飛ばした。今度は僕が母を救う、そう決めたはずだったのに。死が近づく闘病の日々と、母を失った日常で僕が知った、最愛の存在がいない世界とその死の本当の意味。死後1年、母から届いたスペシャルな贈り物とは。特別編も収録!
  • 林裕人のごちそう弁当塾―プロが教えるおかず131レシピ―
    -
    忙しい朝のお弁当作りは「短時間で手早く簡単」が一番ですよね。でも、決まったおかずのローテーションになりがちなのが玉に瑕。たまにはいつもと違うおかずでも……そんな時にお役立ちの131品おかず集。普段の食事にも使えるごちそう系レシピを一挙紹介。TV番組での辛口な料理指導で人気の著者が、おいしさの極意を伝授します。

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  • 原節子の真実(新潮文庫)
    4.2
    14歳で女優になった。戦前、戦後の激動の時代に112本の作品に出演、日本映画界に君臨する。しかし42歳で静かに銀幕を去り、半世紀にわたり沈黙を貫いた。数々の神話に彩られた原節子とは何者だったのか。たったひとつの恋、空白の一年、小津との関係、そして引退の真相――。丹念な取材により、伝説を生きたひとりの勁(つよ)い女性の姿を鮮やかに描き出す決定版評伝! 新潮ドキュメント賞受賞。(解説・ヤマザキマリ)
  • 原田マハ、アートの達人に会いにいく
    4.3
    谷川俊太郎、竹宮惠子、安藤忠雄、山田洋次――アート小説の名手が、作家になる以前からいつか会いたいと思っていた先達たちに直撃。それぞれの子供時代から現在の仕事にいたるまで、分厚い人生から発せられた言葉は、豊かな智恵にあふれています。「芸術新潮」の人気連載から生まれた、次世代へ伝えたい珠玉の対話集。
  • 払ってはいけない―資産を減らす50の悪習慣―(新潮新書)
    3.5
    お金が不安な人ほど、進んで財布を開いている。スーパー、病院、薬局、銀行――やってはいけない無駄遣いを、経済ジャーナリストが次々指摘、甘い宣伝文句を一刀両断! 「まとめ買いを、してはいけない」「持病があっても入れる保険に、飛びついてはいけない」「日本一売れている投資信託は、買ってはいけない」など50篇で、お金の常識を更新する。投資礼賛時代にバカを見ないために、家族で読みたい資産防衛術・決定版。
  • 原っぱ
    4.4
    劇作家・牧野は俳優の市川扇十郎から旧作を再演したいという申し出をうける。牧野にはとても30年前の舞台は再現できまいと思われてためらうのだが……。人の心も町並みもすっかり変わり果てた中で、再演に情熱を傾ける人々。そこになお残っている昔ながらの気遣いや市井の営みを描きつつ、滅びゆく東京の街への惜別の思いを謳ったものとして、著者の遺言ともいうべき現代小説。
  • 腹八分の資本主義―日本の未来はここにある!―
    4.0
    悲観しているだけでは何も変わらない。目を凝らせば、日本の中にも希望はあるものだ。出生率を劇的に向上させた長野県下條村、「あるもの探し」で活気を取り戻した宮崎県児湯郡、社員と地域の幸せを徹底的に追求し続ける伊那食品工業……。共通しているのは、社会を蝕む「強欲」を退け、お金には代えられない価値を守り続けていることである。画期的な取り組みを続ける地方を訪ね、「日本のこれから」を考える。

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  • ハリウッド検視ファイル―トーマス野口の遺言―
    3.8
    1巻1,320円 (税込)
    ロサンゼルス地区検視局は不審死体の死因を特定するだけでなく犯人像を推理し、捜査まで行う。この警察権力を凌ぐ組織のトップに就いた唯一の日本人、トーマス野口。ハリウッドスター、人気シンガー、有名政治家──数々の著名人の検死解剖を手掛けた彼の足跡を追いながら、それぞれの死の裏側で展開された壮絶なドラマに迫る!
  • ハリウッドで勝て!
    4.3
    企画はテレビの二番煎じで、当てても誰も儲からず、製作・配給システムは硬直化……。日本映画界の構造問題は指摘されるようになって久しいが、実態はなかなか変わっていない。映画が「産業」になっているハリウッドに対し、日本映画界の「道楽」体質も相変わらずだ。面白い映画を作る――そのために本当に必要なこととは何なのか。日本映画界に見切りをつけた業界の異端児が語る、日本映画界への挑戦状。

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  • 張込み―傑作短編集(五)―
    4.1
    推理小説の第1集。殺人犯を張込み中の刑事の眼に映った平凡な主婦の秘められた過去と、刑事の主婦に対する思いやりを描いて、著者の推理小説の出発点と目される「張込み」。判決が確定した者に対しては、後に不利な事実が出ても裁判のやり直しはしない“一事不再理”という刑法の条文にヒントを得た「一年半待て」。ほかに「声」「鬼畜」「カルネアデスの舟板」など、全8編を収録する。

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  • 磔の地(新潮文庫)
    3.6
    ルイジアナ州アイビーリア郡。刑事ロビショーのもとに、かつて私刑により父親を磔殺された写真家ミーガンが訪ねてくる。窃盗罪で拘置中の黒人が看守に虐待されていると訴えてきたのだ。真相を探るうち、件の囚人の妻の自殺、レイプ犯らの殺害と、様々な悲劇が表面化し、かつての磔の惨劇へと結びつく……。米南部ミステリーの巨匠が犯罪小説に文学性を吹き込んだCWA最優秀長篇賞受賞作!(解説・霜月蒼)
  • ハリネズミの願い
    3.3
    ある日、自分のハリが大嫌いで、つきあいの苦手なハリネズミが、誰かを招待しようと思いたつ。さっそく招待状を書き始めるが、手紙を送る勇気が出ない。もしクマがきたら? カエルがきたら? フクロウがきたら? ――臆病で気難しいハリネズミに友だちはできるのか? オランダで最も敬愛される作家による大人のための物語。
  • はり100本―鍼灸で甦る身体―
    3.9
    原因不明の頭痛、腰痛は、身体が発する悲鳴だ。西洋医学だけでは根本的な解決にはならない。不規則な生活習慣、様々なストレスにさらされ続ける現代人は、身体が本来持っている力を失ってしまっている。免疫力、自然治癒力という、人間が太古に身につけていた活力を取り戻すことが、今求められている。鍼灸の力は、身体からの警告に耳を傾け、生命力を甦らせてくれるのだ。従来のイメージを覆す、新・鍼灸のすすめ。

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  • 春朧(上)
    -
    1~2巻550円 (税込)
    岐阜県・長良川河畔で老舗の旅館を営む日野家の嫁、沙衣子は、主婦業に専念していたが、夫が急死したため、素人同然の身で若女将となった。悩みの種は姑の松乃。伝統や格式にこだわり、客よりも旅館側の都合を優先する松乃の考え方は、沙衣子とは相反するものだった。やがて沙衣子は、理想のもてなしができる旅館を新たにつくろうと決意するが、その道のりは遠く険しかった……。
  • 遥かなインパール
    4.0
    太平洋戦争末期、劣勢の戦局を挽回すべく、ビルマから東インド・インパールへの侵攻作戦が強行された。多くの人命の損失を招き、日本陸軍史上有数の悲惨な戦いとなったインパール作戦を枠組みに、主力部隊・祭兵団歩兵第六十連隊の行動に焦点をしぼって、その軌跡を忠実にたどる。風化してゆく戦争の現実と、激戦地におかれた兵士たちの人間的真実を描きとどめた入魂の戦場小説。
  • 遙かな国 遠い国
    -
    1巻539円 (税込)
    頭は弱いがとびきり素直で力持ちの正太少年が、オンボロ漁船に雇われて、船員たちにからかわれながらも、飯焚き雑役に大奮闘。あげくに船は沈没、凍える海に放り出され、ソ連に抑留されて……北国の空の下、おおらかな恋人たちに眼を見張る。純朴な少年の眼を通して、遠い魂の故郷への憧憬を物語る表題作ほか、初期の珠玉作『三人の小市民』『埃と燈明』『為助叔父』『友情』を収録する。
  • 遥かな夏に
    3.5
    1巻2,200円 (税込)
    祖父を探していると女性は言った。祖母は安西早智子といい、未婚のまま出産、何も語らずに亡くなった。裕也はその名を知っていた。古い記憶が甦る。一九七六年ベルリン国際映画祭、祝祭の夏。あのとき彼女に何があったのか。祖父とは誰か。探索の果て裕也が辿りついた真実とは。過去と現在が交錯する人生探しのミステリー。
  • 遥かなるケンブリッジ―一数学者のイギリス―
    4.2
    「一応ノーベル賞はもらっている」こんな学者が闊歩する伝統の学府ケンブリッジ。家族と共に始めた一年間の研究滞在は平穏無事……どころではない波瀾万丈の日々だった。通じない英語。まずい食事。変人めいた教授陣とレイシズムの思わぬ噴出。だが、身を投げ出してイギリスと格闘するうちに見えてきたのは、奥深く美しい文化と人間の姿だった。感動を呼ぶドラマティック・エッセイ。
  • 遥かなるゲバラの大地
    4.0
    敬愛するチェ・ゲバラに導かれバイクに跨がり、56歳で駆け抜けた南米大陸30000km120日間の旅。何故、この齢になってこんな苛酷な旅を続けるのか?―その答えは、旅の中にある。

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  • ハルコナ(新潮文庫nex)
    4.0
    5年前、遠夜(とおや)の隣に引っ越してきたハルコは特異体質の少女。数十キロにわたり花粉を消滅させるかわりに自分には有毒となるため、宇宙服のような防護スーツを着けなければ外出ができない。通学は遠夜がサポートを続けるなか、事故が起きる。それはクラスメートを巻き込む事件へと発展するのだが。――世界を敵に回してもハルコを守りたい、と願う17歳の決意が迸る圧倒的青春小説!
  • 春(新潮文庫)
    3.6
    岸本捨吉の教え子勝子に対する愛は実を結ぶことなく、彼の友人であり先輩である青木は理想と現実の矛盾のために自ら命を絶つ。――青春の季節に身を置く岸本たちは、人生のさまざまな問題に直面し、悩み、思索する。新しい時代によって解放された若い魂が、破壊に破壊をかさねながら自己を新たにし、生きるべき道を求めようとする姿を描く、藤村の最初の自伝小説。(解説・亀井勝一郎)
  • 春告げ坂―小石川診療記―
    3.5
    たとえ治る見込みがなくとも、罪人であったとしても、その命はすべて尊い――。長い長い坂を登り切った先に位置する小石川養生所。身寄りがなく、弱い立場に置かれた人間が集まるこの場所で、医師・高橋淳之祐は日々奮闘していた。ある日入所した老人の秘められた人生が淳之祐の父の死の真相を明らかにするとき、彼の前に進むべき道が現れる。爽やかな感動を呼ぶ「赤ひげ」青春譚。
  • 春の城
    3.7
    学徒出陣、基地での激務と空襲、マリアナ沖大海戦、父や恩師、そして恋人を奪った広島の原爆の惨状……。第二次大戦に遭遇した一人の青年の友情と恋愛、師弟愛と肉親愛とを、入念な筆で情趣ゆたかに描いた著者の処女長篇。激動の時代と生きながらなお、溌剌たる若い生命の感受性、健康で素直な生活感情と故国への愛、掛替えなき青春という時の、一つの姿を浮彫りにする。読売文学賞受賞。
  • ハルビン
    4.2
    1909年10月26日、ハルビン駅。伊藤博文に凶弾を放った安重根――それは英雄でもテロリストでもない、悩める青年だった。大地主の家に生まれるも勉学よりも狩猟を好み、義兵部隊は日本人捕虜を解放したことでクビ。やり場のない怒りを抱え、凶行へと駆り立てられた青年の姿を描く、歴史小説の第一人者による話題作。
  • 春待ち海岸カルナヴァル
    3.4
    1巻1,320円 (税込)
    自分には、愛される価値なんかない。そう思って、家業のホテルをきちんと守ってきた39歳未婚の紫麻。そこに現れたのは冴えない中年男。なぜか紫麻の足にぴったりのバレエシューズを携えて……。真面目で一所懸命、だからこそときめきからは遠ざかってしまう。そんな女性のまだ恋ともつかない心のさざなみを温かく描いた長編。

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  • 春待ち雑貨店 ぷらんたん(新潮文庫)
    3.7
    京都の小さなハンドメイド雑貨店「ぷらんたん」には、恋愛や仕事の悩みを抱えた人々が日々訪れる。なぜかイヤリングを片方だけ注文する女性客や、恋人から奇妙な暗号が刻まれたネックレスを贈られた大学生……店主の北川巴瑠は一人ひとりに寄り添い、進むべき道を照らしていく。そんな彼女もまた、ある秘密を抱えて闘っていて――。懸命に生きる人の心に春を呼び込む、癒しの連作ミステリー。(解説・彩瀬まる)
  • ハルモニア
    3.8
    1巻1,232円 (税込)
    きみはぼんやりしているぼくを押し倒して唇を寄せてくる。このセックスはスケルツォみたいだな、とぼくは思う──スラブ系の血をひく天才美少女、その才能を誰よりも理解し、自由を受け入れる優しい青年。作曲家志望の二人と個性豊かな友人たちの恋と友情。音楽の秘密を探し、新しい音楽を作るのに必要なものは何かを問う表題作に最新短編を併録。
  • ハルモヤさん 1巻
    完結
    4.2
    趣味は眠ること。「いくらでも寝るの。だって起きてるとツライから」いつまで経っても大人になれない、おばさんコドモのハルモヤさん。そんな彼女が現実と向き合い、本当の春を手に入れる日はやって来るのか!? 波乱万丈の半生を描いたブログ「オリモノわんだーらんど」でたちまち大人気となった、まんしゅうきつこ初のオリジナル漫画。人生の酸いも甘いも詰まってる、のんびりアラサー日常漫画、開幕!!
  • 春山入り(新潮文庫)
    3.6
    藩命により友を斬るための刀を探す武士の胸中を描く「春山入り」。小さな道場を開く浪人が、ふとしたことで介抱した行き倒れの痩せ侍。その侍が申し出た刀の交換と、劇的な結末を描く「三筋界隈」。城内の苛めで病んだ若侍が初めて人を斬る「夏の日」。他に、「半席」「約定」「乳房」等、踏み止まるしかないその場処でもがき続ける者たちの姿と人生の岐路を刻む本格時代小説の名品。『約定』改題。
  • 晴れの日散歩(新潮文庫)
    4.0
    正解の味を知らずに食べるローカル料理に悩んだり、万能調味料の万能さに驚いたり、実は肉より魚卵が好きなことを打ち明けてみたり。年を重ねるごとに月日の流れは速くなり、明日には記憶の底に沈んでしまうような日々を積み上げながらも、私たちは毎日をちゃんと暮らしてきた。美味しいものや愛猫の写真と共に、些末な日々に対する著者の実感を書き留めた人気エッセイ集、待望の第四弾。
  • ハレム―女官と宦官たちの世界―(新潮選書)
    3.5
    性愛と淫蕩のイメージで語られてきたイスラム世界の後宮・ハレム。奴隷として連れてこられた女官たちは、いかにして愛妾、夫人、母后へと昇りつめたのか。ハレムを支配する黒人宦官と、内廷を管理する白人宦官は、どのように権力を手にしたのか。600年にわたりオスマン帝国を支えたハイスペックな官僚組織の実態を描く。
  • ハレルヤ(新潮文庫)
    4.2
    五月の晴れた日に、お饅頭のようなかわいらしい子猫と出会った。親猫はおらず、病院に連れて行ったところ、特別な猫であることがわかって――。花ちゃんと名付けられた子猫が、元気に走り回るようになるまでを描いた「生きる歓び」。それから十八年八カ月後、花ちゃんとの別れが語られる「ハレルヤ」。青春時代を振り返った川端康成文学賞受賞作「こことよそ」など愛おしさに満ちた傑作短編集。(解説・湯浅学)
  • ハレルヤ!(新潮文庫)
    3.5
    1巻737円 (税込)
    アカネたち五人は、学生時代のバンド仲間。社会人になって解散した後は、それぞれ子育てや仕事、恋愛に奮闘をつづけ、気がつくと、もう四十六歳になった。音楽さえあればゴキゲンだった青春時代とは違う「人生の後半戦」に鬱々としていたある日、あのキヨシローが遠くへ旅立った。伝説の男の啓示に導かれ、五人は再会を果たすのだが――。「ベイビー、生きるんだ」。勇気わきあがる感動長編。
  • 犯意
    3.6
    些細な出来心だった。偶然と勢いが重なって、罪は増殖していく、雪玉が転がるように──。最初はとてもいい人だった。気を許し、好きになった頃から、おもむろにヤツは本性を現しはじめた──。普通の人が犯罪に手を染めてしまう瞬間。哀しくて、やりきれなくて、そして甘美でエキサイティング。弁護士の解説を各編に付す新しい形式の犯罪小説集。12の傑作ノワールが心を震わせる。
  • 反ウェブ論 死んでからも残り続ける「生の痕跡」
    -
    誰もがインターネットで発信するようになった現代、電子空間に漂う無数の文字情報は、必ずしも生者の声とは限らない。旅先の楽しげな記事で更新が止まったままのブログ、自殺へのカウントダウンをするブログ、ネット上での遺書公開……電子空間に残された「最期の言葉」の現状を追う。
  • 反ウェブ論 やっぱりウェブはバカと暇人のもの
    -
    ユーチューブ、ツイッター、フェイスブック……SNSやメデイアの発展により、誰もが「表現」できる時代。だけど、要するに暇人が集う「バカ発見器」が増えただけの話。「市民による情報発信」というお題目の下、蔓延するのは韓国叩きとヘイトスピーチ。「愚者の行進」は、いつまで続くのか。
  • 半グレ―反社会勢力の実像―(新潮新書)
    3.8
    「自分はきっちりやっていたから、絶対に捕まらない」。暴力団のように、特定の事務所を持たず、常に離合集散を繰り返し、犯罪ごとにメンバーが入れ替わる。時には一般人として普通に暮らし、必要に応じて犯罪に手を染める。暴対法を潜り抜ける“つかみどころのない悪”半グレとは何か。その正体に迫るため、成立から具体的事件まで、当事者の肉声を基に炙り出す――。「NHKスペシャル」待望の書籍化!!
  • 反グローバリズムの克服―世界の経済政策に学ぶ―
    4.0
    「輸出は得、輸入は損」「日本企業は善、外国資本は悪」という反グローバリズムの誤解が、日本経済の再生を妨げている。非生産的な「既得権益」に固執するのではなく、大多数の国民の利益に資する「国益」を追求するには、どのような経済政策が必要なのか。各国の構造改革の事例から、グローバル時代を生き抜く戦略を考える。
  • 「反権力」は正義ですか―ラジオニュースの現場から―(新潮新書)
    4.4
    「マスコミの使命は権力と戦うことだ」そんな建前でポジションを固定して良いのだろうか。必要なのは事実をもとに是々非々で議論し、より良い道を模索することのはず。経済や安全保障を印象と感情で語り、被災地の悪しき風評を広める。その結論ありきの報道は見限られてきてはいないか――人気ラジオ番組パーソナリティとして、また現場に出向く一記者として経験し考えてきたことを率直に綴った熱く刺激的なニュース論。
  • 「反原発」の不都合な真実
    4.2
    3.11以降、原発を絶対悪と決め付け、その廃絶こそが「正義」という論調がマスコミでは吹き荒れている。しかし、この世にリスクのない技術は存在しない。原子力を代替するはずの「自然エネルギー」の実力のみならず、転換するリスクや懸念材料を冷静に見つめるべきではないだろうか。そんな感情論を超えた議論のために、原子力技術、放射線と健康被害、経済的影響を検討し、将来を見据えたエネルギー政策を提言する。

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  • 反・幸福論
    3.6
    無縁社会の何が悪いのか。遁世も悪くない。「ポジティブ」がそんなに善いのか。格差是正なんて欺瞞だ――。権利や豊かさや便利さを追求し「幸せになるべき」と刻苦勉励してきたはずの日本人が今、不幸の底に堕ちている。大震災、政権交代、「正義論」ブームなど近年の出来事を稀代の思想家が厳しく見つめた時、偽善の殻に包まれたこの国の正体が露わになる。柔らかい筆致の中に、日本人の禍福の真理が詰まった至高の啓蒙書。

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  • 犯罪者はどこに目をつけているか
    3.7
    プロの犯罪者は恐るべき観察力を備えている。彼らに特有の物の見方、考え方、そして行動パターンを知ることが防犯の鉄則なのだ。わが身、わが家、わが町を守るために普段から何を心がけ、どうすればいいのか。「やられるヤツには油断なり死角がある。自分たちはそこを突く」と語る伝説的大泥棒の実践的レッスンをふんだんに盛り込んだ異色の防犯読本。

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  • 犯罪は予測できる
    3.3
    犯罪を未然に防ぐには、いつどこで起きるか予測できればいい。それを可能にするのが「景色解読力」――注目すべきは、いかにも怪しい「不審者」ではなく、見慣れた「景色」なのだ。犯罪科学のエキスパートが最新の知見をもとに、実践的な防犯ノウハウを伝授。「街灯は犯罪者を呼び寄せる」「『いつも気をつけて』は無理な注文」「監視カメラは『だまし』に弱い」等、意表をつく指摘を通じて犯罪のメカニズムを解明する。
  • 半七捕物帳―江戸探偵怪異譚―(新潮文庫nex)
    3.7
    彼は江戸時代における隠れたシャアロック・ホームズであった――。雪達磨の中から発見された死体。通行人を無差別に殺し続ける“槍突き”。江戸の難事件に立ち向かうは、神田三河町に居を構える岡っ引・半七。殺人、怪異、怪談。彼の推理はすべての不可思議に真実の光を当てる。今なお古びない捕物帳の嚆矢にして、和製探偵小説の幕開け。全六十九編の中から宮部みゆきが選んだ傑作集。
  • 阪神タイガース
    4.0
    縦縞のユニホーム一筋五十年。藤村富美男とプレーした思い出から、監督として日本一に輝いた八五年、「星野タイガース」で活躍する今岡誠、矢野輝弘たちを育てた裏話まで――。華麗なプレーで「牛若丸」の愛称を得た現役時、対巨人戦はいつの時代も熱かった。あるいは、不仲を噂されたエース村山実との関係、移籍問題に揺れた江夏、日本一の立役者、バース、掛布、岡田らの素顔も。今だから語れるタイガースの真説。

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  • 反・自由貿易論
    3.5
    今や貿易交渉は現代の「侵略戦争」であり、超大国が主導する自由貿易協定は世界を縛る「究極の法」となる。『TPP亡国論』の著者が諸外国の事例、歴史的事実、最新の論文などを改めて検証。米国が扇動する自由化・グローバル化の虚妄をあぶりだした最終警告書。
  • 半生の記
    4.2
    日本が破滅に向って急速に傾斜していった時代、金も学問も希望すらもなく、ひたすら貧困とたたかっていた孤独な青年松本清張。印刷所の版下工としてインクにまみれ、新聞社に勤めてからも箒の仲買人までしながら一家八人の生活維持に苦しんだその時代が今日の松本文学を培(つちか)ったのであった――。本書は、社会派推理小説の第一人者である著者が若き日を回想して綴る魂の記録である。

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  • 半席(新潮文庫)
    3.7
    御家人から旗本に出世すべく、仕事に励む若き徒目付の片岡直人。だが上役から振られたのは、不可解な事件にひそむ「真の動機」を探り当てる御用だった。職務に精勤してきた老侍が、なぜ刃傷沙汰を起こしたのか。歴とした家筋の侍が堪えきれなかった思いとは。人生を支えていた名前とは。意外な真相が浮上するとき、人知れずもがきながら生きる男たちの姿が照らし出される。珠玉の武家小説。(解説・川出正樹)
  • 「反・東大」の思想史(新潮選書)
    5.0
    国家のエリート養成機関として設立された「東大」。最高学府の一極集中に対し、昂然と反旗を翻した教育者・思想家がいた。慶應義塾、早稲田、京大、一橋、同志社、法律学校や大正自由教育を源流とする私立大学、さらには労働運動家、右翼まで……彼らが掲げた「反・東大」の論理とは? 「学力」とは何かを問う異形の思想史。
  • ハンニバル(上)(新潮文庫)
    3.9
    1~2巻781~869円 (税込)
    あの血みどろの逃亡劇から7年――。FBI特別捜査官となったクラリスは、麻薬組織との銃撃戦をめぐって司法省やマスコミから糾弾され、窮地に立たされる。そこに届いた藤色の封筒。しなやかな手書きの文字は、追伸にこう記していた。「いまも羊たちの悲鳴が聞こえるかどうか、それを教えたまえ」……。だが、欧州で安穏な生活を送るこの差出人には、仮借なき復讐の策謀が迫っていた。
  • 犯人IAのインテリジェンス・アンプリファー―探偵AI 2―(新潮文庫nex)
    3.5
    人工知能探偵・相以(あい)の驚異的な推理力に大敗を喫した以相(いあ)。復讐に燃える彼女は、人間の知能を増幅させ(Intelligence Amplification)完璧な共犯者を造り、相以に挑戦状を叩きつけた。ゴムボートで漂着した死体、密室で殺された漁協長、首相公邸内殺人事件。連鎖する不可解な事象を読み解く一筋の推理の紐は、なんと以相の仕掛けた恐るべきトリックの導火線だった!? 奇想とロジックが宙を舞う超絶推理バトル再燃。
  • 半歩先を読む思考法
    3.6
    来るべき未来は半歩先から始まっている――。研究者、教育者、メディアアーティスト、経営者……。ジャンルの垣根を越え、新たな価値を生み出し続ける異才は、どう時代と対峙し、考えを深化させているのか? 混迷を極めるパンデミックの中で、将来への展望を開くために必要な思考プロセスを明かした、革新的「考える流儀」。
  • 反ポピュリズム論
    3.8
    ポピュリズムという毒が日本中に回っている。小泉ブーム、政権交代、そして橋下現象……なぜここまで政治は衰弱したのか? メディアの責任と罪とは? 「大連立構想」驚愕の舞台裏から、小選挙区制・マニフェスト選挙の問題点、ポピュリズムの理論的考察、そして経済復活の秘策「無税国債」私案まで。「衆愚」の政治と断乎戦う――半世紀超の政治記者歴による知見が込められた、読売新聞主筆による渾身の論考。

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  • 反・民主主義論
    4.3
    「民主主義を守れ」と叫ぶ人がいる。「憲法を守れ」と怒る人がいる。だが、われわれは「民主主義」「憲法」を本当に考えてきたのか。それらを疑うことをタブーとし、思考停止を続けてきただけではないのか。戦後70年で露呈したのは「憲法」「平和」「国民主権」を正義とする民主主義の欺瞞と醜態だった――安保法制、無差別テロ、トランプ現象……直近の出来事から稀代の思想家が本質を鋭く衝く。知的刺激に満ちた本格論考。
  • 氾濫
    3.0
    1巻935円 (税込)
    実業家・真田佐平、俗物教授・久我象吉とその家族たちを中心に、現代人のさまざまな生活や偽装、金銭、名誉、地位、セックスへの欲望といったものを大胆に描いてゆく。人間の真実の姿をどこまでも追究して一切の虚飾をはぎとり、内面に隠された心理をあばくことで、エゴイズムの醜さ、いやらしさを徹底的なまでにえぐり出して、心理的リアリズムの極致を現出せしめた大作である。
  • ハーシュ(新潮文庫)
    4.2
    1巻737円 (税込)
    東京荻窪の閑静な住宅街で、新婚夫婦が惨殺された。凶器は手斧。意味不明の遺留品が残され、血まみれの若妻は、結婚式場のパンフレットを口中に押し込まれていた。かつて吉祥寺で起きた類似事件と関係があるのか。謎めいた密告、捜査幹部と被害者の秘められた関係。捜査は泥沼化し、またも新婚夫婦が手斧で殺される……。苛酷(ハーシュ)な真相と重い衝撃が胸を抉る傑作ミステリー。『酷―ハーシュ―』改題。(解説・吉野仁)
  • ハーディ短編集
    3.0
    不幸な人間たちをあやつるのは、愚鈍なる運命とサイコロを振る「時」の二者にほかならない――。「妻ゆえに」「幻想を追う女」「わが子ゆえに」「憂欝な軽騎兵」「良心ゆえに」「呪われた腕」「羊飼の見た事件」「アリシアの日記」の8編を収録。
  • ハードトーク
    3.8
    1巻1,496円 (税込)
    「あなたはこれから報いを受けるのよ――」。妻の予言通り、首都テレビのエース記者の岡村俊平は、名声も家族も失った。20年に亘る負の連鎖を断ち切るため、最後の大勝負に挑むことに。因縁の相手は時の総理大臣。魑魅魍魎が跋扈する報道現場の内幕を、TBS「NEWS23」前キャスターがその苛烈な経験を元に描く、渾身の長編小説。
  • ハーバード白熱日本史教室
    3.7
    少壮の日本人女性研究者が、ハーバード大学で日本史を大人気講座に変貌させた。歴史の授業に映画作りや「タイムトラベル」などの斬新な手法を導入。著者の熱に感化され、学生たちはいつしか「レディ・サムライ」の世界にのめり込んでいく──。「日本史は書き換えられなければならない」という強い使命感のもと東部の有名大学に乗り込み、「思い出に残る教授」賞にも選ばれた著者が記す「若き歴史学者のアメリカ」。

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  • 「場当たり的」が会社を潰す(新潮新書)
    3.7
    会社や上司が「場当たり的」だ。そう感じたことがない会社員は少ないのではないか。方針がコロコロ変わる。根拠不明な数値目標を挙げる。「社員の自主性」を口実に、下に全てを丸投げする。なぜこんなことになるのか。数多くの企業の研修に携わってきた著者が、「場当たり的」を発生させるメカニズムを鮮やかに解明し、有効な解決策を示す。総力戦を戦える体制を早急に作らなければ、御社はもはや生き残れない!
  • バカざんまい
    3.5
    「日本代表勝てる」と煽るメディア、「お騒がせ」を謝罪する芸能人、上から目線で地方を語る東京人、バーベキューを礼賛したがる若者――。ウェブを介して増殖し続ける奴らを、ネットニュース編集者が次々捕獲、鋭いツッコミで成敗していく。読後爽快感220%、ネットに脳が侵されていない賢明な読者に贈る、現代日本バカ見本帳。
  • 馬鹿な男ほど愛おしい
    -
    恋はいいもの、楽しいもの。だから十代の恋愛はすごく大切。どんな恋愛をしたかで、そのあとの恋愛体験に大きな影響を与えるから。一生懸命に誰かを好きになった、そのせつない気持ちを大切にできたならそれでいい。振り返れば面白かった――恋愛&友情&自分の未来……想いは乱れながら、いつも夢中だったあの頃。迷いながらも突き進んだ怒濤の青春の日々を綴る恋愛体験エッセイ。

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  • バカの国(新潮新書)
    3.7
    バカが溢れている。何でもいちゃもんをつけて炎上させるクレーマー・バカ、SNSで自らの愚かさを世に知らしめる新手のバカ、常人には理解不能な真正のバカ。だが、笑ってばかりもいられない。血税を食い潰す役人、保身しか頭にない政治家、危機管理能力のない政府……バカは、いまやこの国の中枢まで侵食しつつあるのだ。ベストセラー作家がツッコミながらも警鐘を鳴らす、笑いと怒りの123篇!
  • ばかもの
    3.8
    高崎で気ままな大学生活を送るヒデは、勝気な年上女性・額子に夢中だ。だが突然、結婚を決意した彼女に捨てられてしまう。何とか大学を卒業し就職するが、ヒデはいつしかアルコール依存症になり、周囲から孤立。一方、額子も不慮の事故で大怪我を負い、離婚を経験する。全てを喪失し絶望の果て、男女は再会する。長い歳月を経て、ようやく二人にも静謐な時間が流れはじめる。傑作恋愛長編。

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  • 貘の檻
    3.8
    1年前に離婚した大槇(おおまき)辰男は、息子・俊也(しゅんや)との面会の帰り、かつて故郷のO村に住んでいた曾木美禰子(そぎみねこ)を駅で見かける。32年前、父に殺されたはずの女が、なぜ――。だが次の瞬間、彼女は電車に撥ねられ、命を落とす。辰男は俊也を連れてO村を訪れることを決意。しかしその夜、最初の悪夢が……。薬物、写真、地下水路。昏(くら)い迷宮を彷徨(さまよ)い辿り着く、驚愕のラスト。道尾史上最驚の長編ミステリー!
  • 爆発的進化論―1%の奇跡がヒトを作った―
    3.9
    生命誕生から約40億年。変化は常に一定ではなく、爆発的な進歩を遂げる奇跡的な瞬間が存在した。眼の誕生、骨の発明、あごの獲得、脚の転換、脳の巨大化……。数多のターニングポイントを経て、ゾウリムシのような生物は、やがてヒトへと進化を遂げた。私たちの身体に残る「進化の跡」を探りながら、従来の進化論を次々と覆す、目からウロコの最新生物学講座!
  • ―幕末バトル・ロワイヤル―
    4.0
    1~3巻660円 (税込)
    徳川幕府の生き残りを懸けたイチかバチかの天保改革が、幕末の幕を切って落とした――。改革失敗、経済混乱、飢饉に火事に異国船、未曾有の事件が頻発する中、虚々実々の駆け引きに翻弄される幕府首脳の姿は、青雲の大志と権力欲が渾然一体となった政治の現実を教えてくれる。尊王攘夷・倒幕開国のうねりが押し寄せる直前、黒船来航までを、さまざまな名珍場面でたどる、既成史観ではわからない幕末政界権力争奪史。

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  • 幕末バトル・ロワイヤル―慶喜の捨て身―
    3.0
    大政奉還は、窮余の一策ではなく、徳川政権の立て直しを目指す慶喜による捨て身の大博打だった――。武力倒幕を目指す薩長を見事に出し抜いた慶喜は、雄藩諸侯会議のリーダーとして君臨し、徳川中心の新政権を新たに作り出そうとしていた。しかし、慶喜のある判断ミスにより権力は討幕派の手に落ちる。果たして慶喜の千慮の一失とは。大政奉還から王政復古までの五十五日間、幕末バトル・ロワイヤル最終局面。

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  • 暴露―スノーデンが私に託したファイル―
    4.0
    国家安全保障局(NSA)と中央情報局(CIA)という合衆国の二大情報機関に在籍したエドワード・スノーデンは、自身の運命と膨大な機密文書を著者に託した。香港で密会した情報提供者の実像、そして文書の戦慄すべき全貌――。一連の報道で英紙〈ガーディアン〉にピューリッツァー賞をもたらした当人がいま、すべてを明かす。
  • BUG 広域警察極秘捜査班(新潮文庫nex)
    4.0
    16歳の天才ハッカー、水城陸。彼は560人が死亡した航空機墜落事故の犯人として冤罪の死刑判決を受けた。が、高いハッキング能力を買われ命と引き換えに国家を超えて捜査する広域警察の極秘捜査班・通称〈BUG〉に加わることになった。老数学者の身辺のハッキングを命じられ調査するうちに、自らの冤罪事件のからくりが見えてきて……権力に挑む天才青年ハッカーの戦いが今、はじまる。
  • 場所
    4.0
    父の故郷「南山」、母の故郷「多々羅川」、夫と娘を捨てて出奔した「名古屋駅」、作家としての出発点であり、男との複雑な関係も始まった「三鷹下連雀」そして「西荻窪」「野方」、ついに長年の出家願望を成就させた「本郷壱岐坂」。父、母を育み、様々な波乱を経て一人の女流作家が生み出されていった土地を、八十歳にして改めて訪ね、過去を再構築した「私小説」。野間文芸賞受賞作。
  • 芭蕉紀行
    4.0
    『野ざらし紀行』『冬の日』『笈の小文』『奥の細道』はもちろん、従来の案内書にはない『かしま紀行』『更科紀行』ゆかりのスポットも完全網羅。中学三年で芭蕉の言霊にふれ、自らも「旅を栖」とする著者が、足と目と感性で俳聖の全足跡を辿る。研究者のあいだではタブー視されている、蕉翁の衆道にも踏み込んだ稀有な書。沿道の美味な食べ物も紹介。著者手描きの絵地図入り。『芭蕉の誘惑』改題。
  • 芭蕉という修羅(新潮文庫)
    4.5
    「古池や蛙飛こむ水の音」の句を詠んで華やかな江戸文化人サロン注目の俳諧師となった松尾芭蕉。遂には「風雅の正道」と喧伝され、没後は朝廷から「飛音明神」の号を賜り、偶像化され神となった。しかし、その芭蕉にはもう一つの顔があった。水道工事監督、幕府隠密、イベントプロデューサー。それぞれに危うい博打を打ち、欲望の修羅を生きた「俳聖」の生々しい人間像を描き出す決定版評伝。(解説・小澤實)
  • 馬上少年過ぐ
    3.9
    戦国の争乱期に遅れて僻遠の地に生まれたが故に、奥羽の梟雄としての位置にとどまらざるをえなかった伊達政宗の生涯を描いた『馬上少年過ぐ』。英国水兵殺害事件にまきこまれた海援隊士の処置をめぐって、あわただしい動きを示す坂本竜馬、幕閣、英国公使らを通して、幕末の時代像の一断面を浮彫りにした『慶応長崎事件』。ほかに『英雄児』『喧嘩草雲』『重庵の転々』など全7編を収録する。
  • バスカヴィル家の犬
    3.9
    深夜、銀幕のような濃霧のたちこめた西部イングランドの荒野に、忽然と姿を現わした怪物。らんらんと光る双眼、火を吐く口、全身を青い炎で燃やす伝説にまつわる魔の犬は、名家バスカヴィル家の当主ヘンリ卿を目がけて、矢のように走る――。きわだった叙景によって舞台となる特殊地帯を一種の密室のように仕上げ、息づまるばかりの緊張を生む、ホームズ物語中最大の長編。
  • バスキュレ 1巻
    4.3
    「向ヒ兎堂日記」の鷹野久、最新作は“兎”が“狼”を支配する世界――この塔のような国は、上階の1番街から13番街は兎が住み、それより下の階層には虐げられた狼が住んでいる。フロアは下へ行くほど治安も暮らしも悪くなる。圧倒的世界観で描く新感覚ファンタジー、待望の第1巻!
  • バッシング論(新潮新書)
    4.7
    人間社会を善悪で二分したがる知識人、右も左も議論の底が抜け落ちた言論空間、異論を排除するだけの飽くなき他者否定、情報化社会への適応を叫ぶ教育論議――いったいなぜ、日本人はこれほど余裕を失ってしまったのか。くり返されるバッシングに浮かびあがる社会の構造変化をとらえ、異様なまでに「マジメ」な人たちであふれた「美しい国」の病根をえぐりだす。
  • バテレンの世紀
    4.3
    1巻3,960円 (税込)
    大航海時代、日本もまたグローバルプレーヤーだった。世界が海で繋がった世紀を、ポルトガル海上帝国の構築、イエズス会の積極的布教、信長・秀吉・家康や諸大名ら権力者の反応、個性的な宣教師、禁教、弾圧、島原の乱、鎖国というキリスト教伝来をめぐる出来事を軸に、壮大な文明史的視点で振り返る「渡辺史学」の到達点!
  • バトル式歴史偉人伝
    3.0
    1巻1,232円 (税込)
    大河ドラマや時代劇でおなじみのあの人、本当はどんな人生を送ったか知ってます? 武蔵と十兵衛、ペリーとハリス、近藤勇と土方歳三、春日局と瀧山――同ジャンルの著名人26組を戦わせ、その生涯の面白さでジャッジング。唸って笑ってツッコんで、確かな知識も得られる対戦型人物伝。受験生も歴女も時代劇ファンもリングサイドに集合!
  • バババババディ!! 1巻
    完結
    5.0
    全2巻770~836円 (税込)
    「免許により殺人が合法化」された日本。そんな社会で暮らすクズ教師・烏丸は、殺し屋免許の取得をめざし、試験を受けていた。そんな烏丸の前に試験官として現れたのは、教え子である虐められっ子・赤羽だった――!! クズ教師&殺し屋高校生!! ヤバい二人のノンストップアクション!!
  • バブル―日本迷走の原点―(新潮文庫)
    3.7
    1980年代後半、金融自由化・国際化の中、地価と株価が急上昇し、日本全体は陶酔的熱狂(ユーフォリア)に浸った。当時、住銀、興銀、野村、山一などの銀行や証券会社と大蔵・日銀、政治家、「バブルの紳士」が繰り広げた狂乱の時代とはなんだったのか? 現場を見続けた「伝説の記者」が日本独自の資本主義システムまで議論を深め、「失われた20年」と呼ばれるデフレを招いた原因を捉える〈平成〉史決定版。(解説・勝英二郎)
  • バベル式 神ガール 1巻
    3.0
    高校に入学したばかりの日高は、ある日普通の人には聞こえない不思議な声を耳にする。声の主は、校内の外れにたたずむ塔のような部室棟(通称:部室棟未満)に君臨するかみさまだった。巨大な少女の姿をしたかみさまの声を聞くことができる日高は、彼女のお世話をするという「かみさま部」に入ることになってしまい――!? 摩訶不思議な部室棟を舞台にした、新時代の学園ファンタジー開幕!!
  • 薔薇盗人
    3.9
    「親愛なるダディと、ぼくの大好きなメイ・プリンセス号へ」──豪華客船船長の父と少年をつなぐ寄港地への手紙。父の大切な薔薇を守る少年が告げた出来事とは──「薔薇盗人」。リストラされたカメラマンと場末のストリッパーのつかの間の、そして深い哀情「あじさい心中」。親友の死を前にして老経営者に起きた死生への惑い「死に賃」。人間の哀歓を巧みな筆致で描く、愛と涙の6短編。

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  • 薔薇の雨
    4.3
    年下の男との恋に落ちて5年。新鮮さがいつか馴れ合いになり、ときめきは穏やかな親近感に変わった今、留禰は別れが近いと知る。もはや止めることができない恋の終わりを受け入れようとする女、その心に溢れくる甘やかな悲しみを描いた表題作ほか、恋愛に翻弄され人生に行き惑う男女のありさまを、抒情豊かな筆致で描き上げた5篇。芳醇な味わい、深い余韻。まさに恋愛小説の傑作。
  • バリアバリュー―障害を価値に変える―
    4.1
    1巻1,056円 (税込)
    障害は人ではなく、環境にある――この小さな気づきが、車イスに乗った青年に4000万人市場をもたらした。偏差値33から一念発起、大学進学、起業時代の極貧生活を経て、ユニバーサルデザインを牽引するベンチャー経営者へ。その劇的な半生と、斬新なビジネスモデルを生んだ独自の「反転戦略」を明かす。
  • バリ3探偵 圏内ちゃん(新潮文庫nex)
    3.8
    生身の人間と会話するのが苦手。でもネットがなくて誰とも繋がれなくなる孤独はもっと苦しい。電波がバリ3表示の場所でだけ生きてゆける、ひきこもりの緑子。しかしひとたびオンライン掲示板を開けば、ハンドルネーム「圏内ちゃん」はカリスマ的存在だ。驚くべき情報収集力と推理力で、“炎上”した匿名アカウントの本人を特定する。ある日、連続女性殺人事件に巻き込まれて……。
  • バルサの食卓
    4.1
    バルサとチャグムが熱々をかきこんだ〈ノギ屋の鳥飯〉、タンダが腕によりをかけた〈山菜鍋〉、寒い夜に小夜と小春丸が食べた〈胡桃餅〉、エリンが母と最後に食べた猪肉料理……上橋作品に登場する料理は、どれもメチャクチャおいしそうです。いずれも達人の「チーム北海道」が、手近な食材と人一倍の熱意をもって、物語の味の再現を試みました。夢のレシピを、さあ、どうぞ召し上がれ。
  • 【番外編】最果てから、徒歩5分-REOPEN-
    完結
    -
    死にいちばん近い場所で、生きることを考える。徒歩6分の場所であらたにギルダをスタートさせたすももたち。ある日、宿泊したお客様の中に「死にたい」人がいると聞いて――!? BSテレ東にてドラマ化! がけっぷちだった彼らの「その後」を描く番外編。
  • 番号は謎(新潮新書)
    3.8
    郵便番号はどう決まる? 国道100号が存在しない理由は? M78星雲ってどこだ? 交響曲マイナス1番とは? 上野駅13・5番線はどこへ向かう? バーコード、ISBN、原子番号、テレビチャンネル、マイナンバー……私たちを取り囲む数々の番号の起源から裏事情までを徹底調査。そこには混沌と秩序をめぐる驚くべき人間ドラマが――その魅力に取り憑かれた著者が案内する、面白くてためになる「番号」の世界!
  • バンディセブン 1巻
    完結
    -
    行き過ぎた資本主義と格差の果てに滅亡した世界が舞台。そこは「己の欲するままに奪う」ことが最も尊いとされる終末世界。そんな無法地帯で屍体からミサイルまでなんでも扱うブローカー業を営むロクサンとヒューゴのコンビは今日も金の匂いとトラブルの罠に誘われて旧ルート66を疾駆する。最強のバディが巻き起こす異色ダーティーファンタジー!
  • 坂東蛍子、屋上にて仇敵を待つ(新潮文庫nex)
    4.0
    坂東蛍子は桐ケ谷茉莉花が嫌いだった。容姿端麗、運動神経抜群にして、自分と並び称される彼女のことが許せなかった。だが、なぜ嫌いで許せないのか、判らなかった。故に、彼女は果たし状を書く。その日、学園二大スターは、屋上にて決闘する。校舎がお化け屋敷と化し、テロリストに占拠されようと、その程度の“事件”は少女達の青春をとめられない。疾風怒濤の女子高生譚、第二弾。
  • 坂東蛍子、日常に飽き飽き(新潮文庫nex)
    3.1
    その女子高生、名を坂東蛍子という。タクシーに乗れば誘拐事件、出歩けば十重二十重のストーカー包囲網、恋に落ちようものなら世界が震撼する。だがそれも、本人は知らぬこと。彼女自身は、無邪気に暢気に黄金の青春を謳歌し、今日も今日とて、公道のど真ん中を闊歩して、人生という大海原を自由気ままに航海する。天上天下唯我独尊、疾風怒濤の女子高生譚。面白いこと、この上なし。
  • 坂東蛍子、星空の下で夢を語る(新潮文庫nex)
    3.0
    テロ事件の終結後、林間合宿の準備のために新型商業施設“バベル”を訪れた坂東蛍子。そこで彼女を待ち受けていたのは、超ウィザード級のハッカー望月嗚呼夜(ああや)からの殺害予告だった。凶行を阻止すべく奮闘する結城満。犯人確保に動く松任谷理一。だが、そんな彼らを嘲笑(あざわら)うかのように、蛍子は危機に陥り……。嗚呼夜の目的は何か。ハッカーの正体は。疾風怒濤の女子高生譚、ここに完結。
  • 晩年(新潮文庫)
    3.9
    1巻572円 (税込)
    妻の裏切りを知らされ、共産主義運動から脱落し、心中から生き残った著者が、自殺を前提に遺書のつもりで書き綴った処女作品集。“撰ばれてあることの 慌惚と不安 と二つわれにあり”というヴェルレーヌのエピグラフで始まる『葉』以下、自己の幼・少年時代を感受性豊かに描いた処女作『思い出』、心中事件前後の内面を前衛的手法で告白した『道化の華』など15編より成る。(解説・奥野健男)
  • パイロット・イン・コマンド
    3.9
    ロンドン発202便は、飛行機好きの小学生、護送される国際犯罪者など、様々な人々を日本へと運んでいた。だが成田が近づいたその時、突如、第二エンジンが炎上! 機長ふたりも倒れてしまう。乗員乗客の命は、副操縦士の江波が預かることに。経験不足のパイロットは、傷ついたジャンボを無事着陸させられるのか? 航空サスペンスとミステリを見事に融合させた、内田幹樹の処女作。
  • パスタぎらい(新潮新書)
    3.8
    イタリアに暮らし始めて三十五年。断言しよう。パスタよりもっと美味しいものが世界にはある! フィレンツェの絶品「貧乏料理」、シチリア島で頬張った餃子、死ぬ間際に食べたいポルチーニ茸、狂うほど愛しい日本食、忘れ難いおにぎりの温もり、北海道やリスボンの名物料理……。いわゆるグルメじゃないけれど、食への渇望と味覚の記憶こそが、私の創造の原点――。胃袋で世界とつながった経験を美味しく綴る食文化エッセイ。
  • パスタマシーンの幽霊(新潮文庫)
    4.1
    恋をしたとき、女の準備は千差万別。海の穴に住む女は、男をすりつぶす丈夫な奥歯を磨き、OLの誠子さんは、コロボックルの山口さんを隠すせんべいの空き箱を用意する。おかまの修三ちゃんに叱られ通しのだめなアン子は、不実な男の誘いの電話にうっかり喜ばない強い心を忘れぬように。掌小説集『ざらざら』からさらに。女たちが足をとられた恋の深みの居心地を描く22の情景。
  • パットお嬢さん
    -
    美しい“銀の森”の女主人として、変化を嫌い、自然とその安らぎを保持しようと心をくだく娘、パット。すばらしいユーモアを持ち、話好きのジュディばあやと、頭の良い妹ピー子の三人、それに猫たちが、抒情と機知に満ちた、幸福な世界を繰り拡げる。七年もの婚約期間の末に結婚した作者が、晩婚だった自身の姿をパットの上に投影して、複雑な娘心への理解と同情をうかがわせる。

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  • パニック・裸の王様
    4.0
    1巻572円 (税込)
    とつじょ大繁殖して野に街にあふれでたネズミの大群がまき起す大恐慌を描く「パニック」。打算と偽善と虚栄に満ちた社会でほとんど圧殺されかかっている幼い生命の救出を描く芥川賞受賞作「裸の王様」。ほかに「巨人と玩具」「流亡記」。工業社会において人間の自律性をすべて咬み砕きつつ進む巨大なメカニズムが内蔵する物理的エネルギーのものすごさを、恐れと驚嘆と感動とで語る。
  • パプリカ
    4.1
    同名アニメ映画の原作。精神医学研究所に勤める千葉敦子はノーベル賞級の研究者・サイコセラピスト。だが、彼女にはもうひとつの秘密の顔があった。他人の夢とシンクロして無意識界に侵入する夢探偵パプリカ。人格の破壊も可能なほど強力な最新型精神治療テクノロジー「DCミニ」をめぐる争奪戦が刻一刻とテンションを増し、現実と夢が極限まで交錯したその瞬間、物語世界は驚愕の未体験ゾーンに突入する!

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